サバックで使用されるカードには、セイバー、ステイヴ(杖)、フラスコ(カップ)、コインの4つのスートがある。各スートは1〜11の数字を意味するレギュラー・カードと、コマンダー、ミストレス(王妃)、マスター、エースのランク・カード(それぞれ12〜15に相当)で構成される。以上の60枚に特別な意味(通常はマイナスの値)を持つ8種類のフェイス・カードを各2枚ずつ加えた計76枚のカードで1デッキが構成される。フェイス・カードの内容は以下の通り。
カード | 意味 | 値 | 図柄 |
---|---|---|---|
クイーン・オブ・エア・アンド・ダークネス | 大気と闇の女王 | -2 | 王冠を被った頭部を持つ卵型の鏡。鏡の半分は白く、もう半分は黒い。 |
エンデュランス | 節制 | -8 | 片手で逆立ちしながら立方体の箱とボールを空中に浮かべているジェダイ |
バランス | 均衡 | -11 | 天秤 |
デマイズ | 死 | -13 | 頭蓋骨 |
モデレーション | 忍耐 | -14 | フード付きのローブを着て、ライトセイバーを起動しているジェダイのシルエット |
イーヴル・ワン | 邪悪なる者 | -15 | 角と牙を生やした悪魔の顔 |
スター | 星 | -17 | 4つの光線を放つ星と、その周りを巡る1つの惑星 |
イデオット | 愚者 | 0 | 道化師の顔 |
また、ゲームの際にはカードのほかに6面ダイスが1つ必要となる。
サバックのゲームはいくつかのハンドによって構成される。各ハンドの目的は手札の合計値を23に近づけることである。原則として、±23に最も近い値を揃えたプレイヤーがそのハンドの勝者となり、逆に合計値が+23を超えた場合、-23を下回った場合、もしくはちょうど0の場合は「ボム・アウト」と呼ばれ、そのプレイヤーは無条件に敗北となる。
サバックは2つのポット、すなわち「ハンド・ポット」と「サバック・ポット」を賭けて争われる。ハンド・ポットはハンド毎に全プレイヤーが場に支払う賭け金の合計であり、これはそのハンドの勝者が獲得できる。2つめは「サバック・ポット」と呼ばれ、後述する特別な役によって誰かが獲得するまで、場に存在し続ける。各ポットはゲーム中を通して明確に区別されなければならない。
ゲーム開始時は、誰か1人をディーラーに選ばなければならない。各ハンドに参加の意思がある他のプレイヤー(ディーラーを含む)は、最初の場代としてハンド・ポットとサバック・ポットにコインを1枚ずつ支払わなければならない。ただし、2回目以降のハンドで、サバック・ポットに既にコインが入っている場合は、ハンド・ポットだけの投入でよい。
1ハンドはいくつかのラウンドによって構成され、各プレイヤーはハンドの中で順番に親となる。各ハンドの最初のラウンドはディーラーの左にいるプレイヤーを親として開始される。1ラウンドはベッティング、シフティング、コーリング、ドローイングの4つのフェーズから構成され、親がすべてのフェーズを完了すると、その左にいるプレイヤーに親が移動する。また、各ハンドの終了時には、ディーラー権も左へと移動していく。
最初のラウンドの場合、ディーラーは各プレイヤーにカードを2枚ずつ配布する。親はこの時点で賭け金を出すことができ(ベット)、ハンド・ポッドに賭け金となるチップを投入する。賭け金が出された場合、親は自分の左のプレイヤーから順に、このハンドでの勝負を継続する意志があるかどうかを確認する。継続する意思のあるプレイヤーはその賭けを受け、親と同じ枚数のチップをハンド・ポットに入れなければならない。
ラウンドの最初にベットできるのは親に限られるが、賭け金は他のプレイヤーも順番に上乗せ(レイズ)することができる。賭け金および上乗せ額の上限は、1ハンド内で、1プレイヤー当たりチップ10枚までである。次のフェーズに移行する前に、親は各プレイヤーに継続の意思を確認し、継続するプレイヤーは最終的な賭け金をハンド・ポットに投入する。また、各プレイヤーはこのフェーズでのみ、勝負を放棄(フォールド)することができる。放棄するプレイヤーまたは賭け金を払えないプレイヤーは、サバック・ポットにチップを1枚支払わなければならない。ただし、親はフォールドすることができない。
ベッティング・フェーズ完了後、親は6面ダイスを振る。出た目が4、5、6のいずれか場合、「シフティング」が発生する。
シフティングが発生した場合、各プレイヤーは自分の右にいるプレイヤーにランダムに1枚のカードを選んでもらい、それを破棄しなくてはならない。このときディーラーは破棄されたカードを集め、残りのカードと共に再シャッフルした後、各プレイヤーに順番に1枚ずつカードを配る。ただし、そのハンドを降りているプレイヤーはこのフェーズから除外される。
シフティング・フェーズ完了後、親はそのハンドで勝負(コール)したいプレイヤーがいるかどうかを確認する。コールがなされた場合、各プレイヤーは即座に自分の手を開示しなくてはならない。勝利条件については後述する。
プレイヤーは、他プレイヤーのコーリング・フェーズにおいてのみ、コールすることができる。すなわち、親はコールすることができない。また、各プレイヤーが最低1回ずつ親を経験してからでなければ、誰もコールをすることはできない。逆に、ディーラーを含む全プレイヤーが最低1回ずつ親を経験していても、一度もコールが宣言されないケースも起こり得る。
コールがなされた場合、その場で勝敗が決し、ハンドは終了する。逆に誰もコールしなかった場合は、ドローイング・フェーズへと移行する。
コーリング・フェーズ終了後、親から左へ順に、各プレイヤーはディーラーに追加カードを1枚ずつ要求することができる。追加カードは伏せた状態で配られ、プレイヤーはそのカードを含む手札の中から任意の1枚を場に捨てることができる(単純に手札に加えるだけでもよい)。捨てられたカードはまだ配られていないカードと区別してストックしておくが、デッキのカードが無くなった場合にはそれらをシャッフルして再利用する。
各プレイヤーが一度に持てる手札の枚数に上限はないが、常に最低でも2枚持っていなければならない。
ドローイング・フェーズ終了後は、親が左手のプレイヤーに移動し、再びベッティング・フェーズへと戻る。
コールがなされたとき、ローカル・アレイ(ローカル・ルールによって定義される特別な役)またはイデオット・アレイ(後述)を持つプレイヤーは自動的に勝者となる。あるいは、23またはそれ以下で最も大きな値を持つプレイヤーが勝者となる。同等の正値と負値があった場合は、正値の方が強い。他の全プレイヤーが勝負を降りている場合は、残りのプレイヤーが勝者となる。勝者はハンド・ポットを獲得することができるが、ここではサバック・ポットを取ることはできない。
コールがあった時点で手札の合計が+23を超える、または-23未満、またはちょうど0のプレイヤーは「ボム・アウト」となり、無条件に敗北となる。
2人以上のプレイヤーが同点の勝利で終わった場合、該当するプレイヤーは彼らだけで行われる「サドン・デス」に参加しなければならない。サドン・デスではディーラーが参加プレイヤーにデッキから追加カードを1枚ずつ配る。このカードによって修正された手が23に最も近いプレイヤーが勝者となるが、それでも決着がつかない場合は、それぞれでハンド・ポットを等分する。
ただし、追加カードによってボム・アウトした場合、そのプレイヤーは失格となる。サドン・デスに参加したプレイヤーが全員ボム・アウトの場合、このハンドを降りたプレイヤーを含む全員の中で最も23に近いプレイヤーが逆転優勝となる。全プレイヤーがボム・アウトの場合は、勝者無しとなり、ハンド・ポットの中身をサバック・ポットに移して次のハンドへと移行する。
サバック・ポットを獲得するには、2つの特別な役のいずれかを達成しなければならない。1つは手札の合計をちょうど23にすることである。これは「ピュア・サバック」と呼ばれ、通常、カードを開示するときに「サバック!」と声を上げることになっている。
もう1つの役は「イデオット・アレイ」または「リテラル・サバック」と呼ばれている。この役を達成するには、手札にイデオット・カード(0)、2のカードが1枚のみ、3のカード1枚のみ必要となる(2と3のカードのスートは問わない)。
イデオット・アレイはピュア・サバックよりも強く、+23は-23よりも強い。2人以上のプレイヤーが同じ役を出した場合のサドン・デスは、ハンド・ポットとサバック・ポットの両方を賭けて争われる。役はハンドがコールされたときにのみ宣言することができる。
通常、銀河系の多くのカジノには独自のローカル・ルールが定められている。特に有名で多くの地域において普及しているローカル・ルールをいくつか紹介する。