無骨な種族として知られるウィークェイは非常に硬くごわごわした皮膚を持つヒューマノイドであり、肌の色は黒色、灰色、茶色、褐色と様々である。彼らは故郷の厳しい砂漠気候によく適応しているため、タトゥイーンやライロスなどの同じような気候の惑星で理想的な労働者となっている。ウィークェイの男性が儀式的に髪を束ねることを好む一方で、女性の頭は完全に禿げている。男性の髪束の色は暗茶色や黒色が多い。
ウィークェイはフェロモンを使った独特な意思疎通形態を有しており、同氏族間での会話は完全な無音で行われる。彼らにとってこうしたフェロモンは言葉と同じくらい明確な意味を持っているが、これは同じ氏族の間でしか通用しない。異なる氏族に属するウィークェイは、この方法で互いの意思を伝えることができないのだ。他氏族に養子に出されたウィークェイでさえ、新しい氏族ではフェロモンによる会話ができない。これはフェロモンによる会話が純粋に生物学的な順応の1つであることを意味している。
ウィークェイはスリルア星系に属する同名の第5惑星で進化した種族である。スリルア星系はアウター・リムとハット・スペースに隣接する小領域ペリファリィの紛争境界に位置しており、そのため多くのウィークェイがハットの氏族に雇われている。
スリルアは乾燥した雑木林と不毛な砂漠からなる厳しい環境の惑星である。メアム海を代表とするこの惑星の水の大部分は強い酸性を示しており、大抵の生物を腐食させてしまう。
ウィークェイは恐ろしいほどに無口な種族として見られているが、彼らはしばしば爆発的な(それでいて妙に感情のない)凶暴性を表すことがある。彼らがウィークェイ以外の種族と会話することはほとんどなく、そうするときも通常は信頼できる仲間が一緒にいるときだけである。
ウィークェイの文化は複雑であり、ときとして非常に残酷でもある。彼らは信仰に厚く、多くの神を崇拝しているが、こうした神々の多くはスリルアの自然の力や動物たちを象徴化したものであり、主神の1つクェイは「月の神」である。ウィークェイは神との接触のために数多くの装飾品やトーテムを使用しており、それぞれのトーテムは特定の神を制御する球体を象徴化している。
ウィークェイの文化は暴力的かつ非人道的な傾向がある。ウィークェイの生活の中心は氏族であり、氏族が生き残る限り個人は「使い捨ての存在」であると考えられている。彼らの社会では個性に価値は無く、氏族のメンバーには名前すら与えられない。名前を持つのは銀河社会に参加したウィークェイだけである。
当初ウィークェイは砂漠で暮らす遊牧民として繁栄してきたが、やがてスリルアの南半球にある海岸地帯に大規模な氏族都市が築かれるようになった。この惑星の北半球はほぼ全体が広大なキューバ砂漠に占められており、クレーターの多いこの荒地には巡礼者を数分で飲み込んでしまう無常な砂嵐が吹き荒れている。ウィークェイの神話はキューバ荒地の最も厳しい地から生還した勇敢な英雄たちの話で満たされている。
スリルアの南半球には巨大な火山が点在しているが、その大部分が永続的な休眠状態にある。大都市または氏族都市はサルと呼ばれる礼拝堂(黒く磨かれた石で造られている)を中心に広がっており、そこでは一般にサントと呼ばれる巡礼者たちが匿名で食糧や価値ある物を奉納している。
ウィークェイの文化では惑星外にサルを建立することが禁止されているため、スリルアを離れているウィークェイたちには奉納のときに強い動物(あるいは敵)を生贄とすることが推奨されている。そのため、彼らはバンサなどの大きな動物を生贄にすることが多い。
通常、ウィークェイの男性は儀式的な髪束を生やしている。スリルアに住み続けている男性は長い1本の髪束を生やすが、惑星の外で暮らす男性はスリルア暦で故郷を離れている年数と同じ数の髪束を生やすことになっている(スリルアの1年は270標準日に相当する)。彼らは故郷を離れて1年経つごとに故郷への献身として新しい髪束を伸ばし始めるのだ。たとえ1日でもスリルアに戻ったときはすべての髪束を剃り落とし、再び故郷を離れるときからもう一度伸ばし始めることになる。何年もスリルアに帰還していないウィークェイは、たくさんの髪束が生えているため容易に見分けることができるのだ。
ハットの犯罪王の組織では多くのウィークェイが働いているが、彼らの大部分はそれほど多くの髪束を生やしていない。スリルアはハット・スペースの境界に近接しているため、傭兵たちは少なくとも数年に1回は故郷に戻れるのである。
ウィークェイの社会は氏族を中心に構成されているが、その大部分がディズラナと呼ばれる初期の遊牧集団の名残りである。氏族間での結婚は余り一般的ではないが、社会的には許容されている。一般にウィークェイの氏族は、特にスリルアにおけるホークの植民地との緊張を増大させるという観点では、互いに協力的である。ホークとウィークェイは長年にわたってスリルアを共有しているが、およそ10年前に両者の間で戦争が勃発している。この対立が終わったのはヤヴィンの戦いの直前のことだった。近年になって平和が訪れると、ウィークェイとホークは内乱時代に惑星の経済を支配していた武器の輸入から目を背け、再び銀河系貿易に関心を示すようになったのだ。
かつてドナルヴェックおよびその周辺都市出身のウィークェイは、男女を問わず大半がドナルヴェック市民軍で働いていた。ドナルヴェックは小キューバ拡張領域にあるホーク領の近傍で最大都市である。しかし、現在のスリルアでは彼らの戦闘能力は必要とされておらず、こうした兵士たちの多くが宇宙に進出し、傭兵や賞金稼ぎとしての働き口を見つけている。
スリルアには星間規模の宇宙港が4つあるが、標準的な銀河系テクノロジーは持っていない。ウィークェイたちも内燃機関を用いた乗り物や手作りの建物など、この惑星で造られた時代遅れの品物を好んでいる。この惑星ではドロイドもほとんど見られず、伝統的な労働者よりもドロイドを好んで使うウィークェイは滅多にいない。また、近年になって彼らはフォース・パイクなどの格闘用武器を作る熟練職人として評判を得るようになった。ホークとの戦争の間に作られた多くのウィークェイ企業も、仕事の内容を急成長している銀河系貿易へと変更しつつある。
一方で、ウィークェイはほとんど輸入を行っていない。スリルアには広大な工業セクターとカプリック諸島で産出される莫大な農耕資源があるため、自給自足が可能なのだ。また、金属や鉱石の採掘も惑星の重要な収入源になっている。
スリルアはハット・スペースに近いため、ウィークェイたちは雇用を求めてハットと頻繁に接触し、その多くが故郷を離れて出稼ぎを行っている。ハットの犯罪組織以外で職を見つけたウィークェイは軍隊や擬似軍事組織などに多く見られ、傭兵、賞金稼ぎ、雇われ用心棒などとして働いている。彼らが銀河系に職を求めて故郷を離れるときは、大抵の場合同じ氏族からなる2人から10人の小グループで行動することが多い。
ウィフィッドは全身を長い黄白色、あるいは金色の毛皮に覆われ、ずんぐりとした毛むくじゃらの尻尾を生やしている大柄なヒューマノイドである。彼らは2.5メートルほどの背丈があり、体重は400キロを越える。大きな顎、長く曲がった頬骨をしたウィフィッドの顔には、革のように硬い唇と顎に生えた数本の鋭い髭を除けば、毛がまったく生えていない。顎からは2本の牙が上向きに突き出しており、目もわずかに飛び出している。また、普段は毛皮の下に隠しているが、彼らの強靭な指の先には肉をも引き裂く鋭利な爪も生やしている。ウィフィッドは原始的な金工技術を開発しているが、他のテクノロジーはほとんど発達していない。
ウィフィッドは狩猟に真の愛情を抱いている獰猛な肉食種族である。彼らは何かを追跡し、仕留め、殺すことに無常の喜びを感じているが、広範囲にわたる感情表現によって自分が仲間であることを認めさせることができれば、好感の持てる仲間にもなり得る。彼らは広大な銀河系の中で他の存在と互いに影響し合うようになり、知覚生物と非知覚生物の違いも理解し始めるようになった。そして、いまでは非知覚生物にのみ、その肉食性の本能を向けることを学んでいる。
ウィフィッドは惑星トゥーラの原住種族であるが、この惑星は大気が希薄な上、太陽であるケルタからの距離も遠いので、極寒の世界となっている。トゥーラの夏は限られた場所にしか訪れず、その短い期間に草が成長し、栄え、飢餓状態のカラブースや白毛のマストモットが大地を徘徊する。しかし、トゥーラの1年の大半において、ウィフィッドは雪と氷、そしてかすかに輝く青い氷山しか見ることができない。
ウィフィッドは毛皮と厚い脂肪の層によって体温の維持を可能にしているため、特に温度の変化を気に掛ける必要はない。また、その毛皮は水はけもよいため、凍った海でも自由に泳ぐことができる。そして短い夏が来ると、ウィフィッドは毛並みを数センチ短くし、脂肪の大部分を燃焼させ、さらにへこんだ頬を広げることによって顔の縁で熱の発散能力を高めている。
ウィフィッドは3人から10人で構成される氏族単位で放浪生活を送っている。それぞれの氏族は岩、皮、マストモットの骨などで永久的なシェルターを造り、夏になるとそこへ戻ってくる。一方、冬の間は食料を求めて雪原を歩き回り、雪の中に一時的なシェルターを作っている。
この毛むくじゃらの巨人たちは狩猟と追跡の達人である。経験を積んだウィフィッドは空気の匂いを嗅いだだけで冬眠しているカラブースを発見し、腕と牙だけで遠くを泳ぐアラボアを仕留めることができるという。しかし、現在でも彼らの大部分はマストモットを狩るときに槍や粗製の剣、こん棒などを使い、手綱の付いたそりで移動する。おそらく外界からの干渉がなくても、ウィフィッドたちは単純に生存し続けるだろう。しかし、不毛の惑星から氷を採集するためトゥーラにやってきた先進的な種族たちは、彼らの生活様式に疑いのない影響を及ぼしている。
他の多くの種族と同様にウィフィッドの氏族は最も優れたハンターによって統率されており、その指導者にはしばしばスピアマスターの称号が与えられる。氏族のスピアマスターは2つの地域、すなわち氏族がキャンプを行う場所と狩猟を行う場所で絶対的な権限を持つ。しかし、他の生活の場では、一切指導者の権限は認められず、自分たち自身の知識に従って決定が下される。これは混乱を招く原因のようにも思えるが、実際にはウィフィッドの文化の中でよく機能している慣習である(他の面がトゥーラでの生活においてほとんど意味を持たないという事実による部分が多い)。
現在、トゥーラで唯一の輸出品は氷だが、確信を持った貿易商たちはマストモットの毛皮による銀河系規模の市場開発に関心を示した。ウィフィッドは外界の惑星にも強い関心を抱いており、銀河系における自分たちの存在感を確実に増大させている。トゥーラの外にいるウィフィッドの多くはその惑星の住人より体毛も薄く、体脂肪も少ないが、それでも彼らは自分たちの存在感を強く主張している。彼らは主に傭兵や追跡者、そして残念なことに賞金稼ぎとして働くことによって生計を立てている。
惑星キャッシークに原住するウーキーは高度な知性を持った類人猿である。彼らは一般に2メートル以上にまで成長し、その巨大な身体は厚い体毛に覆われている。また、彼らは非常に力が強く、怒り狂ったときの狂暴さは長年にわたって銀河系全体に知られている。樹上で生活をしているウーキーは大きく曲がった鈎爪を持っているが、普段は指先にあるさやの中に隠しており、筋肉を収縮させることによって簡単に出し入れすることができる。そしてこの鈎爪を使うことによって、彼らはキャッシークの巨木を渡り歩く際に蔓をかたく握ったり、枝に器用にぶら下がったりすることができるのだ。
木を登るとき、ウーキーは手足から逆さになってぶら下がるような姿勢をとり、ロシールの木の厚い樹皮に鋭い鈎爪でしっかりと捕まっている。彼らはこの格好で素早く移動することができ、その大きさから彼らを愚鈍な種族だと思い込んでいる人々をよく驚かせている。
ウーキーの内に秘められた怪力は怒りと共に解放され、そのとき彼らは想像を絶する最強の戦士となる。彼らの格闘には決まったスタイルや技術などというものは存在しない。まさに戦う原動機であり、振りまわす腕から繰り出される鉄拳は殴り付けたものすべてを粉々にしてしまう。しかし、ウーキーは戦闘時には鈎爪を使わない。彼らは名誉を重んじる種族であり、戦いに鈎爪を使うことは名誉に反する行為だと考えているのだ。名誉はウーキーたちの文化における最も重要な概念の1つであり、名誉を失うことは死に値することだとされている。
一方で、ウーキーのもつ慣習の中で最も神聖なこととされるのが「命の借り」である。彼らは自分の命を救ってくれた相手に対して命の借りを頑なに守り、決して破られることのない忠誠を誓う。命の借りはウーキーとその恩人を固く結び付け、ウーキーは相手の行くところならどこへでも従って行くことになる。しかし、命の借りは奴隷制度ではなく、計り知れない借りを返すためのウーキーの個人的な行動に過ぎない。彼らが命の借りを破ることは決してない。なぜなら、それは神聖な名誉を壊すことになるからである。
ウーキーは銀河系でも有数の怪力を誇っているが、それに似合わず非常に社会的な種族である。彼らの社会には名誉家族と呼ばれる慣習もあり、この特別な友情の絆はウーキーと他のウーキーの集団や、ときには他のエイリアン種との間にさえも結ばれることがある。名誉家族にはウーキーの真の友人や愉快な仲間も含まれており、喜んで互いの生活を共にしている。実はこの概念は、互いに寄り合い一緒になって成長するロシールの木の独特な性質を模倣したものなのだ。
ウーキーのことを何も知らない人々は彼らを見ると原始的な種族だと思ってしまうが、実際には彼らはハイテク技術に極めてよく精通している。彼らはテクノロジーの利便性とキャッシークの自然の美を見事に調和させており、最愛のロシールの木の頂点に位置する枝の上に自分たちの楽園を築いている。
しかし、ウーキーの会話手段は原始的な鳴き声と唸り声の組み合わせでしかない。非常に頭のいい彼らは出会った他種族の言葉をすぐに理解できるようになるが、発声器官が単純であるため、他の複雑な言語を発することは不可能に近い。
帝国の時代が訪れて以来、彼らの生活は容易なものではなくなってきた。ウーキーはその怪力と知性から、帝国軍の収容所にとって最高の労働者となったのだった。キャッシーク自体も戒厳令下に置かれ、彼らは帝国軍によって奴隷として酷使されていたが、なかには宇宙へ逃れていった自由のウーキーたちもおり、帝国軍の追跡部隊に追われる身となっている。
ウータパウに原住する2種族のうちの1つ、ウータイは極めて無知であり、惑星の内外における交流にほとんど関与していない。彼らは同じ惑星に同居するパウアンたちと比べて身長が低く短命であるため、他の種族からは「ショート」と呼ばれている。また、パウアンたちは地表で進化した種族だが、その一方でウータイは長年にわたって縦穴で生活を送っている。彼らはウータパウの縦穴の内壁や亀裂の中に入植し、かつては大空を震撼させていたダクティリオンや、役に立つヴァラクティルなどを飼いならしているのだ。
怖がりなウータイは、低光量の環境に十分適応できる大きな目を持っている。また、彼らは丈夫な体をしており、縦穴の低層にある洞窟に足を踏み入れて、そこで発見した水文化の基礎となる水溜りを利用している。長身のパウアンたちは、初めてウータイと遭遇したとき、惑星の上層部で利用されていた風力に関する秘密を提供した。両者は双方の文化にある有益な点を交換し、互いの資源を共有したのである。
パウアンたちがウータパウの政府機能を担当している一方で、ウータイの多くは主としてこの惑星の労働者階級に属している。彼らはウータパウの縦穴でよく見られる竜骨の柵の管理や、宙港にある様々な離着床プラットフォームでの雑用などに従事しているのだ。そのため、ウータイたちはこの惑星の管理にほとんど関与しておらず、クローン大戦によって故郷が独立星系連合による征服を受けたときも、彼らの日常生活にはほとんど影響がなかった。
よく誤解され、誤った説明がなされることの多い種族、ウォル・カバシャイトは、テクノロジーを必要とせずに知的種族へと発展した文化の特異な例である。彼らの発達した脳は極めて知的だが、極度に抽象的かつエイリアン的なライフサイクルのため、その思想を理解することは難しい。実際に、ウォル・カバシャイトの最も有名かつ奇怪な書物に関する長時間の討論を行い、彼らの哲学を研究することは、エリート知識人たちの間で長年にわたって流行していた余暇の過ごし方だったのだ。
ウォル・カバシャイトは非常に長寿であり、遺伝子的に比較的近い種族とされるのは、プラズマ・リーチと呼ばれる非知覚生物である。プラズマ・リーチは宇宙船の内部で完全な一生を過ごし、プラズマや他のエネルギー・パワー・ソースを摂取する。そして、故郷のウォル・カバシュから遠く離れた知性のないリーチとウォル・カバシャイトは、数千年におよぶ宇宙旅行によって、銀河系全域に広がったのだった。
ウォル・カバシャイトは極めて丈夫な種族である。彼らには呼吸器系や天然の体内圧力が存在しないため、真空中でも大気中でも生存することができるのだ。さらに、彼らは極限の温度にも強い耐性を持っている。
プラズマを豊富に常食し、血液中における金属濃度が極めて高いウォル・カバシャイトは、周囲に磁場を形成し、舌を含む特定の筋肉によってそれを制御することができる。彼らはこの磁場を変形させ、強度を操ることによって、最大25メートルの範囲で仲間と相互に交信を行うことができるのだ。
彼らの言語は、磁場の中で統語的に区切られたエネルギーによる音素パルスを利用している。なかでも磁気による歌は、ウォル・カバシャイトにとって重要な文化である。天分のあるウォル・カバシャイトは、磁場を使って他の知的種族の神経系と直接交信することができるが、それには直接的な接触が要求されることが多い。ウォル・カバシャイトとの直接神経通信は、ときおり相手の感覚を不安定にさせるため、彼らは相手の脳をコントロールできるのではないかという噂もあるが、実際にはそのようなことは不可能である。
ウォル・カバシャイトの磁場を操る能力は、他の文化による通信補助装置の開発へと帰着した。また、彼らは磁気の歌声に反応する装置を操作することで、移動、通信、さらには防御さえ行うことができるが、多くはわざわざそのようなことをしようとはしない。多くのウォル・カバシャイトは単に座っているだけで満足であり、宇宙の謎についての熟考や、あるいは食べることに専念している。
生理学的に見ると、ウォル・カバシャイトの体は大部分が胃である。そして、彼らは脳を2つ持っており、1つは消化作業のために使用され、もう1つは認識を行うために使用する。彼らは触れたほぼすべての物質から栄養素や金属を抽出し、絶えず食べ続けている。ウォル・カバシャイトにとって有毒な物質はこれまでに知られていないが、空気感染型ウイルスのブレーンワーム・ロット・タイプAにだけは影響を受けやすく、感染すると認識機能を狂わせてしまう。ウォル・カバシャイトの思想は奇妙な性質を持っているため、診断は非常に困難である。
ウォル・カバシャイトは胃の中身(これがカバシャイトの蛹になる)を吐き出すことによって無性繁殖を行うが、成人は相互の舌を絡めあうことで、遺伝子交換を行うこともある。この結果、彼らは他の個体の独立した遺伝子情報を持つ有機体を手に入れることができるのだ。
エロムは小柄でがっちりとしたヒューマノイドであり、その全身は油ぎった細く黒い毛皮に覆われている。また、丈夫な皮膚、厚い脂肪で覆われた手足、地底での生活に適した硬い鉤爪の付いた指を持ち、足には器用な2本の指が生えている。広い顔の両端に位置する目には卓越した夜間視力が備わっているが、彼らの目は明るい光に弱く、簡単に失明してしまう。さらに、彼らは口からは突き出た2本の鋭い牙を生やしており、顎には頬袋も付いている。
エロムは乾燥した環境で進化したため、砂漠での生活によく適応している。彼らは体内に水を蓄える厚い層を持っており、毛皮によって皮膚に潤いを保たせているのだ。
エロムは温厚な草食種族であり、彼らの鋭い鉤爪と牙は厳しい環境に適応した際の副産物に過ぎない。彼らは洞穴や洞窟での生活に満足しており、そこで子供たちを育て、硬い殻に包まれた岩メロンやクリスタル草を収穫している。
惑星エロムの地上で生活しているエロミンとの境遇の違いは明らかだが、彼らはエロミンたちに対して一般的な悪意はまったく抱いていない。しかし、エロムの若者たちの間には故郷が帝国の支配から解放されることを望む声も多く聞かれ、エロミンが権力の座から排除されることを要求する派閥も存在している。
奇妙なことに、外界に進出したエロムには、故郷に留まっている者より犯罪に手を染めている者が多い。この原因については文化人類学者たちも様々な理論を打ち立てているが、故郷を離れたいと考えているエロムだけがあらゆる意味で富と名声を求めているのだという明白な説明もある。エロムは共同生活と帰属の必要性に対する強い観念を持っているため、簡単に「悪の集団」に加わってしまうことや、他人の指導だけに従ってしまうという一面もあるのだ。
不毛の砂漠惑星エロムでは、エロムとエロミンの2種類の知覚種族が生活している。エロミンは科学技術を発展させ、国家を形成し、惑星の未知領域へ進出するために人口を地理的中心に集約させた。この惑星をほぼ真っニつに分けるアドリアンナミーク山脈はエロミンにとって自然の国境となる広大な場所である。アドリアンナミーク山脈を越えた最初の探検家たちは、何千という洞窟に覆われた厳しい砂漠の荒野を発見した。そして、その洞窟は無秩序な方向で並んでおり、その内部は何者かが生活していたという確証に満ちていたのである。自分たちの宇宙を明らかに組織的かつ予測可能なものとして捉えていたエロミンには、自分たちの惑星に新しいエイリアン文化が存在するという考えを受け入れる準備ができていなかった。戻った彼らはエロミン評議会に領土を交渉する相手はいなかったと報告したが、洞窟は砂漠の地下に都市を築いていたエロムたちが作った物だったのだ。
エロムは常に地底で暮らしているわけではない。彼らは本来は地表で生活していたのだが、何千年もかけて惑星の水位が下降したのに伴い、徐々に地底民族へと発展していったのである。彼らは鋭い鉤爪で多肉多汁植物の根や天然の泉を掘り起こし、原始的なエロム社会に天変地異的な気候の変動があっても生き残れる可能性を与えた。
惑星エロムはエキゾチックな鉱物が豊富であり、リン光性クリスタルが地下の巨大な洞窟にイルミネーションを与えている。これらのクリスタルはエロムたちの地下生活への移行の大きな助けとなったが、彼らの視力は何世代もの間に著しく退化してしまった。エロムは明るい光の下では盲目になってしまうため、夜間しか地表で活動することができない。
旧共和国がこの惑星を発見したとき、最初に共和国の代表者と接触を行ったのはエロミンだった。旧共和国はトランスパリスチールの製造に使われるロマイトが豊富な天然鉱床に関心を示した。
水の備蓄と引き換えに、エロミンは惑星に採掘企業を設置することを許可し、その水は惑星が直面した最悪の干ばつの1つからエロミンを救ったのである。一方で、外界人に知られていなかったエロムは、この干ばつで多くのものを失った。エロムは生活様式を変えることを望んではおらず、銀河系探索にも関心を示していなかった。エロミンと銀河系との一般的な取り決めにもまったく無関心だったのだ。現在、エロムはより暗い、より深い洞窟へと引き下がっており、未だに帝国に対する反抗の準備もできていない。逃げ回ることに嫌気が差したエロムの若者たちは、エロミンの奴隷を解放するために無数の「採掘事故」を自演し、彼らを洞窟に匿った。この動きはエロムの長老たちからは難色を示されていたが、寄せ集めのテロリスト集団にしては上出来な成果を上げていた。
エロムは歴史的にセリアと呼ばれる村長によってまとめられた小規模な共同グループで生活しており、現在セリアたちは自分たちの村が戦争に引き込まれることを阻止しようと努力している。また、エロムの科学技術は銀河の標準と比べると極めて原始的であり、単純なパワーマシン程度のものしか作っていない。エロミンとは違って彼らは旧共和国から何の利益も得ておらず、いくつかの村が贈り物として液化装置と水分凝結機をもらっただけである。
帝国軍は非精練ロマイトを惑星外に輸送するために多くの労働者を雇っているが、無節操な労働者や、わずかな利他主義者たちの中には、エロムを連れて惑星を出て行く者もいる。原因は不明だが、こうしたエロムたちは洞窟の中で培った平和的で温厚な性格を捨て、犯罪に走る傾向が強い。彼らは急速に活動範囲を広げているのだ。
オートランは太めのずんぐりとしたヒューマノイドであり、ビーズのような黒い目と象のような長い鼻をしている。耳は平たく、口は比較的小さいが、底なしの食欲を誇っている。両手には丸まるとした4本の指が付いており、それぞれは完全に非対称である。また、丸い体から垂れ下がった厚いだぶだぶの皮膚は、ビードロに似た柔らかい毛皮で覆われている。
本来夜行性であるオートランは原始的生活様式の名残りを多く残している。明るい光は彼らの目を傷付けるが、一方でその瞳は薄暗い光の中でも効果的に機能する。彼らの平たい耳は音波に対して極めて敏感だが、長い鼻も低周波音を柔軟な管を通して耳へと伝える中耳器官をしっかりと包み込んでいる。もちろん、オートランの鼻は音を聴くこと以外にも役立っている。彼らは優れた嗅覚によって、2キロメートル先にある食べ物の臭いを嗅ぎとることができるのだ。また、その柔軟な(しかし物は掴めない)鼻は音を出すためにも使われる。他の大抵の種族の耳にはオートランの音声はほとんど聴きとれず、まったくの無音に感じられる。しかし、超音波聴力をもつ種族は、超音速での会話を延々と続けるオートランに満たされた部屋に座らされることはこの銀河で最も残酷な拷問であると主張している。もちろん、オートランも必要であれば普通の音域で会話することができる。
オートランの厚い脂肪層には断熱効果と食糧不足のときの補助エネルギー供給源という2つの役割が備わっている。この豊富な安定性要因を維持するため、彼らは食べられるときにはいつも何かを食べている。オートランの両手は蹄のような足から進化しており、そこには完全に非対称な指が付いている。その代わりに、それぞれの指の先端は吸盤状になっており、道具の扱いや食料調達の際の木登りなどを容易にしている。
オートランは特に食べ物をくれる相手には親しみやすい種族である。この食べ物に対する異常な執着心によってオートランは他の種族から愚か者扱いされているが、実際にはこの認識は間違っている。他の種族の恩着せがましい態度を利用して食べ物をせしめるという事実からも、オートランが非常に賢い種族であるということが分かるだろう。
オートランは惑星オートの出身である。オートは極端な楕円軌道を描いて赤色歪星を巡る寒冷惑星であり、その公転周期は589標準日、自転周期は24標準時間をわずかに上回っている。オートは水の豊富な惑星だがそのほとんどは雪や氷であり、小さな惑星であるために大気は希薄だが、酸素は豊富である。オートはその楕円軌道と地軸の傾き、希薄な大気のために作物の茂る季節が赤道付近でも平均して161標準日しか訪れず、長い成長期を必要とする農作物を栽培することが困難になっている。
かつて地質学者が地震測定器を用いて惑星の北極の地下に巨大なクレーターが埋没していることを発見した。このクレーターは最近になってこの惑星が彗星あるいは他の惑星と衝突したことを示す証拠であり、この衝突がオートの奇妙な軌道の原因であること、そしておそらく一晩でこの惑星の気候を変化させ、不毛の荒野にしてしまったのだということを物語っている。当然、この天変地異によって食料は激しく減少し、200キロ以上の体重を持つすべての生命が滅んだ。オートランの祖先は小柄な体つきだったために必要な食料も少なく、絶滅を避けることができたのだ。さらに獰猛な肉食獣がすべて姿を消したことも、彼らの繁栄を助けている。彼らは大きな頭部と良く発達した脳に助けられてシェルターを建設、あるいは発見し、ほとんどの種が凍死や餓死したなかでも補助食料を見つけることができたのである。
オートランの赤ん坊は完全な筋構造と歯の構造を持って生まれるが、出生率は低い。子供の教育は親の責任とされ、ときにはある分野において親の専門知識をはるかに越えた才能を持つ子供が産まれることもある。親はこのような状況を認識すると巧みな交換教育を開始し、他の奉仕と引き換えに他のオートランの家族に自分の子供の教育を依頼する。親の義務は子供が7標準歳に達したときに終了し、そのとき子供たちは自身の食料を調達するために突然家を追い出される(ただし、家庭の利益となる能力を持っている子供はその限りではない)。
優れた聴覚のセンスを持つオートランのお気に入りエンターテイメントは音楽(特にディナー・ミュージック)である。彼らは低周波音から超音波までのすべての音域からなるコンサートが大好きである。オートランのコンサートは広くてフード・バーが利用しやすい、薄暗い灯のともるホールで開催されることが多い。コンサート自体はさまよう売り子の悲鳴や、丁寧にかつ幸せそうに食べ物をほおばる観衆の雑音をかき消すため、かなり騒々しく行われる。
オートランの若者の間で一時的に流行しているものの1つは、デヴァロニアンの密輸業者が食物染料を持ってオートを訪れた際に学んだボディ・カラーリングである。オートランには食料に色を付けるために時間を潰す理由など想像できない。しかし、そのビードロのような毛皮に大胆なペイントを施すことが大好きなのである。若いオートランたちは着色法の改善が帝国様式の維持になると感じているが、年配者の多くは自分の柔毛に食料染料をつかうのは時間の浪費であり、食糧探しをするほうが賢い時間の使い方だと感じている。
オートランの持つテクノロジーは原始的だが、食料生産技術に関してだけは高度に発達している。社会もそれ相応に工業化はされているが、特に目立った技術はない。オートの厚い永久氷の下には重金属や放射性燃料が豊富に埋蔵されている。彼らは他の種族が製品を作るのに必要な非精練金属を採鉱しており、この結果オートランの社会にも貨幣制度が導入されたが、いまだに彼らの経済は物々交換が基本になっている。しかし、彼らは金を使えば普段は交換できないような食べ物も手に入れられるということを学び、物々交換だけでなく、金を貯えることも好むようになってきている。
現在、オートランは惑星から採鉱されるすべての鉱物資源を帝国軍の目的のために奉納している。これを容易にするため、帝国軍はオートにいくつかの巨大処理施設を設立した。しかし未だに多くの密輸が行われており、オートの多くの資源が帝国軍の敵対勢力の手に落ちている。
帝国軍とオートランとの協定では、彼らが(保身のために)惑星を離れることは許されていない。しかし、これは密輸業者たちを抑制してはおらず、依然として弱いオートランが奴隷として連れ去られ、銀河全域に売られている。そのため、外界でも限られた数のオートランを見ることができる(彼らは通常、密輸業者や誘拐犯の側についているが、その主な理由は他に行くところを知らないからである)。さらに、数人のオートランには仲間を裏切り、奴隷商人や密輸業者として暗躍している者もいるらしい。
多数派種族ではないため、オングリーについて知られていることは極めて少ない。だが、記録には、彼らの出身地はアウター・リムのスカステル星団であると記されている。オングリーは猫背をした2足歩行の両生類型ヒューマノイドであり、他の多くの種族には逆さまに見える特徴的な頭部によって、容易に識別することができる。彼らは砂のような茶色の皮膚をしているが、濃淡には種族内に様々な個体差が存在する。また、口は4つの鼻孔の上に位置しており、頭部の下半分の位置から外側両方向に伸びる2本の眼柄の先端に目が付いていることから、魚のような外観を見せている。さらに、オングリーの眼柄は伸縮可能であり、そのため彼らは様々な角度から対象物を見ることができるのだ。一方、手には表裏一体の2本の太い指が生えている。オングリーは指の数こそ少ないが、かなり小さな物体でも器用に掴むことができ、不器用な外見に反して、驚くほど敏捷な種族なのである。
オングリーには行動指針を決定する前に、あらゆる可能性について熟考する傾向がある。彼らはあらゆる角度から物体を観察することに慣れているため、おそらくは心理学的にもその傾向を踏襲しているのだ。この傾向によって、彼らの多くは特に有能な外交官、政治家、交渉者として活躍している。また、オングリーはその人口が許す限り、旧共和国に仕えており、少なくともクローン大戦時において2名のオングリーがジェダイとして活躍したことが知られている。しかしその一方で、物事をあらゆる方向から観察できる能力によって、犯罪王やギャングの親玉と結託するなど、不法行為に手を染めるオングリーも少なくない。彼らは正と負の両面から社会の主流に影響力を与えているのだ。