エイリアン・ガイド

サーカン Sarkan

原住地:
サーカ
身長:
1.9〜2.2メートル
主な個体:
メラーズ

Sarkan

サーカンは莫大な宝石の産出量で有名な惑星サーカに原住するヒューマノイドである。彼らは長身(概ね2メートルを超える)のトカゲ型2足歩行種族であり、厚い緑色をしたウロコ状の皮膚と瞳孔の裂けた黄色い目を持っている。また、顔からは長い先細りの鼻面とカミソリのような牙も生やしている。指先には鉤爪も生えているが、それらは意外に小さく、サーカンたちは自分の鉤爪に様々な色でできた模様や、氏族の紋章などを描いて装飾していることが多い。そして、サーカンの最大の特徴は太くて長い尻尾である。彼らはこの尻尾でバランスをとっており、また戦闘時には武器として使うこともある。彼らは様々な特徴から同じ爬虫類型種族であるバラベルと近縁種ではないかとも言われているが、生物学者たちによると、両者の遺伝子的関係を示す決定的な証拠は存在していないという。

サーカンはだぶだぶのゆったりとしたローブを着ていることが多く、しばしば宝石で花綱状の装飾を施している。また、彼らは常に3つのグループに別れて旅をするが、それは氏族に支配された文化の名残りでもある。

サーカンは交渉が難しい相手としても知られている。彼らは契約に関する厳格な規範を有しており、取引きの際にはすべての外界人がその規範を完全に理解し、従ってくれることを期待している。サーカンの礼儀に反した外界人は野蛮人と見なされ、退けられてしまうのだ。

サーカンの礼儀作法によると、大使との会合はサーカンの主要な5つの言語のなかの1つで行われる長い挨拶によって始められなければならないとされている。この挨拶には、各人の人生の歴史、戦いに勝った回数、これまでに採掘してきた宝石の数と価値、人生の中で連れ添った配偶者、などに関することが含まれていなければならない。挨拶は最低でも1時間は続けられなければならず、サーカンの大使は1時間に満たない挨拶を侮辱として捉えている。大使は自分が完全な挨拶を行う価値のない相手だと思われたと認識し、同時に相手を取るに足りない人生を歩んできた者でしかないと考える。大使はそのような相手に自分の時間を費やす必要はないと判断するのだ。晩餐会や政治交渉などの最も格式の高い会合になると、こうした挨拶が8時間以上続けられることも多い。

そして儀式的な挨拶の後には、訪問した代表団側による手の込んだダンスが披露されなければならない。尻尾のない種族は古代サーカンのダンスにある複雑なステップと動きの完全な組み合わせを実践することが免除されるが、尻尾のある種族はダンスを披露する前に厳しい訓練が必要となる。通常、このダンスは3時間続けられ、訪問代表団の全メンバーが順番に踊らなければならない。こうした儀礼に従わないことは大使に対する重大な侮辱行為として認識され、この場合、サーカンの大使は訪問団を自分の視野から速やかに「除去」することになる。

サーカンの外交官のボディガードは粗暴であることが多い。サーカンは故郷から産出されるノヴァ・ルビーによって莫大な富を築き上げ、その光り輝く宝石を欲しがる人々を見て楽しむ傾向にある。ノヴァ・ルビーはサーカンではありふれた存在だが、他の惑星では知られておらず、銀河系の文明社会では価値ある貴重品であると考えられているのだ。

サウリン Saurin

原住地:
ダークティール
身長:
2.0メートル
主な個体:
ハーチェク・カル・ファス、サイトア・カル・ファス、ガロン・ナス・タル

Saurin

サウリンは惑星ダークティールに原住する爬虫類型種族である。彼らはトランドーシャンの亜種であり、太古の祖先から分化して独自の発展を遂げている。肉体的に特に異なる点は、半透明の目と、指の数である。サウリンの手にはトランドーシャンより短い指が5本生えているのだ。

サウリンにトランドーシャンと同様の、失われた四肢の再生能力があるかどうかは不明である。また、スコアキーパーの神に捧げるための殺人競争のような、トランドーシャンの持つ基本的信念がサウリンにも受け継がれているかどうかも分かっていない。

サキヤン Sakiyan

原住地:
サキ
身長:
1.6〜2.1メートル
主な個体:
ジャス・パー、ソープ

Sakiyan

サキヤンは髪のない、漆黒色から深紫色、そして深紅色など、様々な皮膚の色をしたヒューマノイドである(青白い肌をした亜種も存在しているが、通常サキヤン社会ではこうした者たちを追放者として扱っている)。そして彼らは大きな頭蓋骨と、点ではなくスリットとして機能する大きな瞳を持っている。

旧共和国の時代、宇宙生物学者の間でサキヤンも他の亜人間種と同じように分類すべきかどうかという議論がなされた。だが、最終的には彼らの特殊な脳の構造が決め手となり、帝国の生物学者たちは、サキヤンは明らかにエイリアン種族であるという結論を下したのだった。

高度に発達したサキヤンの脳の大きさは、平均的な人間の脳の倍の大きさにもなる。一般的なエイリアン種族の中でも最も高度な脳を持つ種族はビスだが、一部のサキヤンの脳はビスをも凌駕する感覚入力処理能力を有しているのだ。サキヤンの祖先はこの鋭敏な感覚によって恐ろしい肉食獣が生息する故郷を生き延びた。だが、知性の発達によって道具を使い、武器や住居を製造するようになっても、彼らの鋭い感覚はそのまま引き継がれている。事実、他種族はサキヤンの持つ感覚を不可解かつ神秘的なものであると考えているのだ。

サキヤンは銀河系における広範囲な旅行や取引きにほとんど関心を示しておらず、故郷を遠く離れて危険を冒すような真似は滅多にしない。彼らは他種族との取引きに慎重であり、通常は自分たち自身と他者より上位にある社会にのみ関心を置いている。また、彼らはユーモアのセンスに乏しく、間違いを指摘されることを極端に嫌っている。

一方で、敢えて故郷を離れる大胆なサキヤンも存在し、概して偵察員や悪党として活躍している。なかには鋭い感覚を活かして嗅覚で獲物を追跡する賞金稼ぎや殺し屋になる者も少なくない。彼らの鋭敏な感覚はフォースと相性が良いようにも思えるが、フォース感知能力を持つサキヤンは極めて稀な存在である。

サキヤンの歴史は度重なる外界からの侵略によって何度も分断されたが、その間も彼らの文化は一定の警戒体制を維持することによって生き残り続けている。惑星からの脱出計画も慎重に準備されており、継続的に変更されているのだ。多くのサキヤンの共同体は侵略や戦争が起こった場合に備える脱出計画を複数用意している。さらに、各世帯や政府機関は人々や資源、必需品を安全な場所へ運ぶための軽量型リパルサーリフト・プラットフォームを準備しているのだ。移動が開始されると、サキヤンの兵士たちは侵略者が占領地から撤退するまで、敵に対する断続的な一撃離脱攻撃を行う。彼らの植民地には防衛と移動に関する言い伝えがあり、シスやタイオン・ヘゲモニー軍による支配や他の圧制に反抗してきた歴史を有しているのだ。ここ数世紀の間に、サキヤンはハットによって経済を牛耳られていたこともあったが、彼らはサキの主要商業センターを除くあらゆる場所で、手を伸ばせば届くところにハットを留めておいたため、奴隷化を避けることができたのである。

サキヤンとハットとの関係は、主としてリパルサーリフト技術に関連して築かれたものである。サキヤンは旧共和国の偵察員によってもたらされたリパルサーリフト技術を素早く採用し、それを改良していった。そして数世紀後、彼らはこのテクノロジーを需要に対して適応し、より小型かつ効率的な起動装置の開発に重点を置くようになる。ハットはサキヤンのリパルサーリフト技術を大変気に入り、彼らにより小型でエレガントなリパルサー・スレッドを製造させているのだ。

サキヤンの故郷である熱帯惑星サキはアウター・リムにあるハット・スペースの中心に位置しているため、帝国の専制政治による弾圧を避けることができた。しかし、多くのサキヤンの技術者が帝国軍の研究施設に強制連行されており、帝国軍の新型リパルサータンクの製造に協力させられている。また、サキ星系は少なくとも初期の時点では、ハット・スペースを征服したユージャン・ヴォングの関心からも逃れていた。だがサキヤンの指導者たちは、ユージャン・ヴォングの戦闘艦隊がサキ星系への攻撃を開始すれば、彼らの伝統的なエイリアン侵略者への対処法もほとんど通用しないだろうと考えている。また、一般に彼らはユージャン・ヴォングが現れる前はヘイパンや新共和国からの政治的申し入れを無視していたが(その代わりにハットとの関係を重視していたため)、その一方でヘイピーズ連合王国や新共和国による侵略者への反撃支援には関心を示している。

ザブラク Zabrak

原住地:
イリドニア
身長:
1.6〜2.1メートル
主な個体:
イース・コス、エージェン・コーラー、ダース・モール

Zabrak

ザブラクは早期に宇宙への進出を果たしたヒューマノイド型種族である。冒険と探索を愛する彼らは長年にわたって宇宙を旅しているため多くの惑星を出身地に持っており、自分や仲間たちを生まれた植民地に従って定義している。

ザブラクは献身的かつ感情的で、集中力が高く、ときとして誠実な種族である。彼らの頭部には既に退化した角の名残りが生えており、これを除けば人間とよく似た姿をしている。ザブラクには数種類の亜種が存在しているが、これらは角の生え方によって識別可能である。また、概して女性は男性と比べてほっそりとした体形をしていることが多い。

ザブラクの本来の出身地であるイリドニアは、深い渓谷が刻まれた荒涼とした惑星である。これらの渓谷には強い突風が吹き荒れ、時には時速200キロメートルを超えることもあるという。また、泡立つ酸性の海では酸の噴水が数百キロメートル上空にまで噴出しており、さらにこの酸の海には巨大な肉食獣も数多く生息しているのだ。こうした厳しい環境は彼らに生き残るための鉄の意志を植え付けた。そしてこの惑星から脱出しようと努力した結果、彼らは宇宙へ飛び立つために必要な知識を獲得したのである。事実、デュロスの偵察員がミッド・リムの領域で探査を開始した当時から、ザブラクは既に5つの異なる星系に8つの成熟した植民地を築いていたことが確認されている。

ザブラクの植民地はそれぞれが独立した君主制度を採択していると考えられていた。しかし、イリドニアも、各植民地も、共和国への加盟に当初から一定の価値を見出しており、それから数千年にわたってザブラクの居住する各惑星は銀河系の境界線を描いていたのである。そのため、共和国が崩壊すると独立心の強いザブラクは帝国による支配を拒絶したが、それも長くは続かなかった。ザブラクはパルパティーン皇帝の意思に果敢に歯向かう他の種族や惑星グループに対する見せしめとされたのだ。帝国軍はザブラクのすべての居住惑星に駐留軍を置き、彼らの工場施設に対する略奪や破壊を行った。さらにザブラクの居住惑星を通過する交易ルートに重税を課し、ザブラクの植民星で疫病が猛威を振るっても、見てみぬ振りをしていたのである。

帝国による弾圧によってザブラクの植民星は再編成され、水面下ではレジスタンス運動も盛り上がりを見せるようになる。だが、後に新共和国が樹立すると、ザブラクは銀河執行委員会に代表者を1名派遣し、統一国家の地位を手に入れたのだった。将来、どんな運命が待ち受けようとも、二度と彼らが弾圧に屈することはないだろう。

サラスタン Sullustan

原住地:
サラスト
身長:
1.0〜1.8メートル
主な個体:
ナフトラット・オダー、ニエン・ナン、テン・ナン

Sullustan

サラスタンは大きな上顎、ネズミのような耳、丸くて大きな眼を持ったヒューマノイドである。彼らの故郷は環境が厳しいため、サラスタンたちは地下に掘られた広大な洞窟の中で生活している。

サラストは渦巻く灼熱の雲と有害な空気に覆われた火山惑星だが、地下洞窟の中は涼しく潤っており、サラスタンにとって快適な環境となっている。彼らがこの惑星の地表で生存できる時間はわずかでしかなく、そこには知性のない極めて獰猛な生物たちによる生態系が存在している。サラストの地表を歩く場合、他の種族たちは生命維持装置を着用する必要があり、サラスタンたちでさえ外出用の装備を身に付けなければならない。

湧き出る溶岩の海の近くにある地底湖やサラスタンの住む洞窟には、驚くほど多種にわたる生物が存在している。しかし、これらの多くは無害であり、食糧や衣服に利用されている。一方で、地表はごくわずかな猛獣たちによって支配されているが、彼らが獲物を求めて地底に侵入してくることはほとんどない。

サラスタンは非常に特殊な言語を使用しているが、これは銀河系全域にわたって知られており、大抵のパイロットや航法士は理解することができる。また、彼らの輝く大きな眼は夜間の洞窟での生活に適応しており、特大の耳はほんのかすかな音でも聴き分けることが可能である。さらに、サラスタンは発達した方向感覚をもっており、一度通った場所や地図で調べた場所を記憶の中に深く刻み込むことができる。逆にこの能力がなければ、迷宮のような地下洞窟で生活することはできないのだ。

サラスタンたちは天然の地下洞窟を拡大し、美しい地下都市に発展させている。玉石の敷かれた歩道を歩くためにやって来る観光客も多いが、この玉石の標本はサラストの地下市場でしか買うことができない。

サラストはソロスーブ社の拠点でもある。同社は銀河系の至るところでエネルギー採集、宇宙採掘、食糧加工、技術提供を行っている鉱物加工の先進企業であり、サラストの人口のおよそ半分もソロスーブ社によって生計を立てている。

反乱同盟軍には多くのサラスタンが参加しているが、一方でソロスーブ社は帝国の政策と要求を支援するという包括的な宣言を掲げている。惑星の自治権を維持し、会社を帝国軍に吸収させないために、ソロスーブ社は惑星政府を解体して自分自身を最高の権威に押し上げた。帝国もこの方針に満足し、彼らを帝国の非軍事産業を担う一員として認めている。サラストは帝国軍から物資の供給を受け、駐屯部隊なしでの惑星自治も容認されたのである。

しかし、サラスタンの大部分はこの状況に対して大きな不満を抱いている。ソロスーブ社主体の新政府は軽々しい言動やふざけた行動に難色を示していたが、サラスタンたちは暗い地下洞窟で生活しているとは思えないほどのユーモアのセンスと生命観をもっている。彼らは明るく陽気でジョークが大好きなのだ。結果的に地下都市での生活はますます憂鬱なものとなり、反乱軍に参加する人々も次から次へと増えていくのだった。

サンド・ピープル Sand People

原住地:
タトゥイーン
身長:
1.5〜1.9メートル
主な個体:
ア゛ウァア゛ゥア゛ウウ、ウゥア゛ゥア゛ウウ、ア゛ウゥア゛ゥ

Sand People

タスケン・レイダーとも呼ばれる長身で力強く攻撃的なサンド・ピープルは、砂漠の惑星タトゥイーンに原住する放浪のヒューマノイドである。一般に彼らはタトゥイーンの2重太陽からくる強烈な日差しを防ぐために、子供の頃から絶えずボロ切れでできたローブを身にまとっているが、その外観は性別によって大きく異なっている。また、顔には砂塵を排除して乾燥した空気から水分を取り込むための簡単な呼吸装置と、強い日差しの中での視界確保に役立つ突き出た視覚補助装置が取り付けられている。

サンド・ピープルの言葉は子音と唸り声の激しい組み合わせでできているため、他の種族にとっては非常に難解である。タトゥイーンのより文明的な地域には彼らと共に何かをしようとする者は1人もおらず、水分農夫たちも可能な限り彼らとの接触を避けている。そのため、サンド・ピープルの言葉にはいまだに多くの謎が残されたままになっており、彼らの伝説も種族の伝承者によって綴られた聖歌として伝えられているだけである。

顔にはミイラの包帯のように長い布を巻き付け、身体にはゆるやかな厚手の生地をまとっているサンド・ピープルは隠密行動に長けた種族である。彼らの文化や習慣に関してはほとんど何も知られておらず、その気まぐれな行動も古の規範に基づいて行われているため、全く予想できない。しかし、1つだけ確かなことは狂暴な彼らが輝く太陽と不毛の砂漠によって鍛え上げられた屈強で危険な戦士たちであるということだ。彼らが恐れをなすことはまず有り得ないが、より大きな力を誇示すれば追い払うこともできる。彼らは通常、20人から30人単位で行動し、一箇所に長く留まることはありえない。また、それほど多くはないが砂漠の荒れ果てた場所に残っている者もいる。なかでもジャンドランド荒地は彼らの出没場所として有名だが、これはアンカーヘッドとモス・アイズリーの間を渡る周回ルートが造られているからである。

サンド・ピープルはバンサを飼い慣らし、乗り物として利用しているが、彼らとバンサとの絆は銀河系の他のどんな社会でも見られないほど強いものである。彼らの主な武器はガダッフィ、あるいはガッフィの杖と呼ばれる両刃の斧であり、砂漠に放棄された金属製の廃品や壊れた乗り物などを解体して造られている。さらに彼らは護身用にブラスター・ライフルも携えてはいるが、これらは殺害した獲物から奪い取ったものであり、帝国軍のストームトルーパーの武器のように洗練されたものではない。実際、彼らは科学技術を信じていないのである。

サンド・ピープルはタトゥイーンに入植している人間たちを嫌って毎年多くの人々を殺害しており、ときにはアンカーヘッドの郊外にまで襲撃に現れることがある。もし、自分たちに多くの犠牲を伴う危険性がないと判断したならば、彼らは孤立した水分農場や旅行者の小グループ、ジャワの一団などにも攻撃を仕掛けてくるだろう。しかし、実際にはジャワの巨大なサンドクローラーや警戒厳重な農場、巨大な都市や入植地、狂暴なクレイト・ドラゴンなどへの攻撃はためらっている。タトゥイーンへの入植者が増加すると、サンド・ピープルたちも人里離れた荒地に追い立てられるようになった。彼らはタトゥイーンに住むすべての人間たちが一丸となって自分たちに怒りをぶつけるような事態になることを恐れており、水分農夫たちとの接触が希であることは彼ら自身の平和のためにも役立っているのである。

シーリン Theelin

原住地:
不明
身長:
1.7メートル
主な個体:
ディヴァ・ファンクイータ、ディヴァ・シャリクア、リスタール・サント

Theelin

シーリンはその芸術的才能とカラフルな外見、そして不遇な歴史で有名な人間に近い種族である。シーリンの音楽家や芸術家たちは、銀河共和国で最も偉大な芸術作品を数多く手がけている。なかでも女性のみからなる宗教組織シーリン・ディヴァスは、多くの音楽研究家たちから銀河系で最高の歌手集団として評価されている。

シーリンにとって不幸なことは、銀河共和国の晩年に起こった種族内での一連の突然変異である。この突然変異は種族内に遺伝子的不一致を引き起こし、彼らは子孫を残すことができなくなったのだ。人間や他の近人間種との交雑の試みも行われたが、幼児期における死亡率が高騰し、もはやシーリンの絶滅は避けられない状況となった。やがて、彼らは個体数を大きく減らし、共和国が終焉を迎えたときには既にシーリンと混血児をあわせてもわずか数百万人になっていた。純粋なシーリンが絶滅したのはヤヴィンの戦いの10年後のことである。皮肉にも彼らの残した最も偉大な作品はこの当時に作られたものであり、死者へ向けた追悼詩文だった。

シーリンは非常に数が少ないため、女性のシーリンや混血シーリンの多くは、ディヴァ・オーダーの伝統を継続させるのに必要な音楽的才能が培われることを期待して、生まれたときに「ディヴァ」の名を与えられる。また、種の希少性に着目したインゴーダ・ザ・ハットは、シーリンや混血シーリンを奴隷として集めていた。純シーリンのディヴァ・ファンクイータと、人間とのハーフのディヴァ・シャリクアは、2人とも奴隷だった。

世に知られているシーリンはほぼすべてが純血種ではなく、混血種であるため、彼らの本来の外見的特徴はよく分かっていない。彼ら個々の外見的特徴の一部はシーリンの遺伝子ではなく、交配した人間あるいは近人間種によるものである可能性があり、種族を襲った大規模な突然変異に起因する個体差もあるとされている。しかし、ほとんどの個体は鮮やかな色の髪と、青白い肌(個体によっては紫や赤みがかったものもある)をしており、多くは皮膚にカラフルな斑点模様が付いている。マックス・レボ楽団のメンバーの1人、リスタール・サントはシーリンと人間の混血だが、側頭部に6本の小さな角が生えており、これはディヴァ・アロクイタス以外の既存のシーリンには見られない特徴である。また、サントは通常の形をした足を持っておらず、この特徴はディヴァ・シャリクアと同じである。同様に、人間とのハーフのアウトロー・テク、シャグ・ニンクスは手の指が3本だが、他のシーリンの手は普通の人間と同じ5本指となっている。

シェヴィン Chevin

原住地:
ヴィンソス
身長:
1.7〜3メートル
主な個体:
エファント・モン

Chevin

シェヴィンは惑星ヴィンソスに原住する厚皮型種族の遊牧民である。背は高く大柄で、太い足がその巨体を支えている。灰色をした皮膚には深い皺が刻まれており、まばらに生えた細い毛に全身を覆われている。手は3本の指が生えた円柱状の足より大きく、腕は膝頭にまで伸びている。最も巨大なシェヴィンの場合、指先が地面をかすめることもあるという。

彼らの頭部は地面に向かって伸びる長い首の先端に付いている。長い鼻は抜群の嗅覚を発揮し、振り向かずに食糧を嗅ぎ分けることも可能である。シェヴィンは視線を平行に保って獲物や猛獣を監視している間でも、食糧を漁り、食べることができる。黒大理石のような円形の目には瞳孔がなく、また瞼は二重構造になっている。その片方は透明になっているため、風や埃によって視界が遮られることを防ぐのに役立つ。だが、彼らは皮膚が厚いため、触覚はやや鈍い。

シェヴィンは一般にゆったりとしたローブをまとい、細いロープ状の尻尾を覆い隠すようにそれを後ろへ引きずっている。裕福なシェヴィンは精巧に作られた高価なローブを選ぶことが多く、同様に特製のネックレスや足首用の宝石も身に付けている。学者たちによると、彼らが衣服を着るようになったのは、他の惑星の知的種族と出会ってからだという。

その巨体からしてシェヴィンは愚鈍な生物のように見えるが、実は器用なハンターである。彼らはチームワークと武器を駆使して標的を取り囲む術に長けており、より素早く機敏な獲物をも仕留めることができるのだ。彼らはこうした狩猟戦略によってこの惑星を支配し、同じヴィンソスに原住するヒューマノイドのシェヴたちを奴隷化することに成功した。シェヴはシェヴィンより機敏であるが、卓越したハンターたちを出し抜くことができず、完全に支配されてしまったのである。

ヴィンソスは広大な平原を有する温暖で快適な惑星だが、砂漠もあり、極部にはツンドラ地帯が点在している。シェヴィンの居住地は惑星全域にわたっており、彼らは高密度な脂肪と結びついた独自の循環器系によって、温暖な気候の下では涼しさを、寒い地方では暖かさを維持している。この幅広い環境適応能力のため、星系の外でも熱帯の惑星から亜寒帯の惑星まで、多くの場所でシェヴィンを見ることができる。しかし、シェヴィンの居住が集中している場所を見れば、彼らが亜熱帯を好んでいるのは明らかである。そして、彼らはヴィンソスを離れると、自分たち自身に従い、違法行為に手を染めることが多い。

一般に、シェヴィンは密輸業者、武器商人、傭兵、高利貸し、ギャンブラー、恐喝者として見られている。そして実際に、外界人が接触したシェヴィンは大部分がそのような職業に就いているのだ。さらに、彼らは奴隷商人としても知られ、ヴィンソスのヒューマノイドたちを無慈悲に酷使している。多くの種族は自分たちも同じように支配され、絶望的状況に置かれるのではないかと危惧しており、シェヴィンとの接触を避けている。しかし、彼らの力を利用して闇市場における有益な情報を得ようと考える者もおり、そのような人々は積極的にシェヴィンを求めている。

シェヴィンは自らを邪悪であるとも悪意的であるとも思っていない。彼らは必要なものを手に入れ、利益や利便性のために他者を使う、日和見的な現実主義者だと自覚しているのだ。彼らの目的ははっきりしている。金、権力、そして地位の獲得である。彼らは陰謀、権力者の密かな操作、注意深い投資、あからさまな窃盗などによってそれを実践している。シェヴィンは様々な武器を必要以上に使いこなす能力を有しているが、ヴィンソスを離れると自分たちは背後で安全を確保し、代わりに他人を使って戦わせることが多い。

しかし、必ずしもすべてのシェヴィンがこのような悪人というわけではない。惑星ヴィンソスには他人のビジネスを利用したり、奴隷売買を行う以上に複雑な機械の製造に関心を持つシェヴィンの技術者も何百人といるのだ。こうしたシェヴィンたちはより攻撃的な同胞たちのために働いていることが多く、平和なシェヴィンはこれをヴィンソスの奴隷たちよりは恵まれた生活であると受け止めている。

シェヴィンは4本足でヴィンソスの平原を徘徊していた太古の哺乳類から進化した種族である。何百万年もの昔、小惑星の衝突によってこうした哺乳類のなかでも大型のものは全滅したとされているが、小型種族は生き残り、現在のシェヴィンへと進化した。今日では古代の巨獣たちの骨や化石が考古学者たちによって探求され、完全な骨格となると法外な値段で取引きされている。もちろんシェヴィンは考古学的な発掘にも高額な料金を徴収しており、学者が発見したものを惑星外に持ち出す場合にはさらに追加料金を課している。彼らは歴史的な発見にほとんど関心を抱いていないが、こうした発見によって得られる利益には大きな関心を示しているのだ。

優秀なハンターであるシェヴィンは、主にヴィンソスの地表を走る野生のバクシンを狩猟している。彼らの集落は大型ワゴンに固定されたロッジだが、より裕福なシェヴィンは巨大なリパルサーリフトの上に住居を構えている。このような「動く村」には大抵40から100棟程度のロッジが備わっているが、大きいものになると1箇所当たり約250棟ものロッジを有するところもある。各村はコムリンクを通じてお互いに接触しており、シェヴィンの指導者は距離に関係なく惑星中で通信を行うことが可能である。ある集落に脅威が訪れると、長老は付近の村に警告を発し、通常は各村が危険を回避するため一箇所に集結する。シェヴィンは奴隷たちも移動させているが、奴隷には贅沢な移動方法は与えられず、目的地までの間、歩くことを強制されている。

シェヴィンの集落が1ヶ月以上同じ場所に留まるのは、特に収穫が良いか、天候不良によって移動ができない場合を除けば、稀である。彼らはバクシンの肉やヴィンソスに土着する多肉多汁草を好むが、他の星系から輸入した食糧を味わうことも学んでいる。彼らは気まぐれだが、長距離ビーコンや通信装置を使って軌道上の商業船と接触し、商談を行うことによって定期的に取引きを行っている。

シェヴィンの文化の大半は他の星系から譲り受けたものである。ヴィンソスは動植物の宝庫であり、食糧や秘密基地の設営のため、外界から多くの人々が訪れている。彼らは飢えた兵士たちの訪問を歓迎し、彼らの船を停泊させ、その貨物室を食糧で満たすのと引き換えに、テクノロジーと不要品を要求していた。しかし彼らも銀河系のテクノロジーを理解するに連れ、自分たちの船や武器を作りはじめていった。

シェヴィンの船には巨大な回廊と特大の貯蔵ベイがあり、大勢の乗員を収容するためにキャビンも拡張されている。彼らは手に入れたテクノロジーの多くを奴隷の抑制に使用しており、それによって惑星の継続的支配を保証させている。

ヴィンソスの大陸は厳選された顧問の一団を従えるシェヴィンの独裁者たちによって支配されており、支配者たちは各大陸の中心に位置する「政府村」から一歩も動かない。こうした集落はおおよそ20ヶ所ほど存在し、そのそれぞれに独裁政権が存在している。競っている集落同士で全面戦争が勃発することはほとんどないが、彼らは常に領土と権威を賭けて競い合っており、異なる集落の境界線では小競り合いが頻発している。こうした集落は永続的なものであるが、建物は動かすことも可能である。「戦闘政治家」と呼ばれる要職に就くシェヴィンは集落を旅して周り、自分たちの独裁者に情報を提供している。彼らは体力試験や戦闘によってその地位を得た屈強な戦士たちである。

シェヴィンの大多数は帝国を支持しており、ヴィンソスの支配階級の多くは帝国軍の高級将校たちと緊密な関係にある。帝国は日々多くの政治的業務を遂行しているが、シェヴィンの独裁者は秩序を守っているため、帝国軍兵士たちがヴィンソスに投入されることはほとんどない。

シェヴィンはハイパードライブを搭載した宇宙船やエネルギー兵器などの銀河系テクノロジーを有している。彼らの主要な産業は食糧および奴隷の輸出である。ヴィンソスの豊かな大地で産出された甘い果実はコアに属する多くの惑星で絶賛されており、赤道付近で収穫されるナッツも高値で取引きされている。また、バクシンに代表される様々な動物たちの食肉もいくつかの惑星で市場に出されている。シェヴの奴隷は闇市場に流され、もしくは「政治犯」という名目で帝国軍総督のもとへ売却される。こうした奴隷は帝国軍の建設計画で高い需要を得ているのだ。奴隷の過剰輸出はヒューマノイドを減らして惑星資源を維持させることに役立っており、彼らが増加することによって脅威となることを防ぐのにも役立っている。

一方で、シェヴィンは最新のコンピュータ回路、ハイパードライブのパーツ、光センサー、その他のテクノロジー装置を他の惑星から輸入している。また、彼らは宇宙船も少数輸入しているが、これらはすぐに解体および研究され、自分たちの宇宙船を作るための素材として利用されている。ヴィンソスを訪問する大胆な商人にとってシェヴィンは良い顧客となるが、それは同時に狡猾な取引相手でもある。

シェヴィンは彼らの出身星系、特にヴィンソスに集中して暮らしている。この惑星の気候が彼らにとって最も適しているのだ。しかし、とりわけ好奇心旺盛なシェヴィンは銀河系に悪徳と財産を求めて故郷を離れており、こうしたなかには賭博場、宇宙ステーション、ハイテク闘技場などを運営している者もいる。他にはスパイス密輸の舞台裏で働いている者もいれば、偽造文書を作成している者や、政府に潜入している者もいる。

また、同胞たちに失望し、奴隷商人でいることに嫌気が差した数人のシェヴィンは、故郷を離れて反乱同盟軍に加わった。彼らは裏切り者と見なされ、彼らが貴重な情報をもっているのではないかと考える同胞たちによって追跡されている。しかし、同盟軍は彼らをヴィンソスおよびそこに住む2つの種族に関する重要な情報源として保護しているのだ。

Presented by じょじょ♪ <webmaster@starwars.jp>  (http://www.starwars.jp/