エイリアン・ガイド

ヴァーク Vurk

原住地:
センブラ
身長:
2.1メートル
主な個体:
コールマン・トレバー、スウェット・コンコーキル

Vurk

ヴァークは、タイオン・ヘゲモニー近郊のアウター・リムに属する辺境の惑星、センブラに原住する水陸両棲の爬虫類型哺乳類の放浪種族である。2足歩行で長身の彼らは、深く沈んだ暗い目の上に、先細っているが尖ってはいない、薄い大きな上向きに反ったトサカを持っている。腕の先端は大きく、手には3本の指が生えている。また、皮膚は硬く、灰緑色である。また、水陸両棲種族に相応しく、女性ヴァークは水中で出産を行い、助産師はその職務内容から、彼らの文化の中で尊敬されている。

惑星センブラは形成の過渡期にあり、いまだ研究対象として確定された惑星にはなっていない。温暖な海洋が火山の尾根によって隔てられ、それらがゆっくりと大陸を形成しつつあるのだ。おそらく惑星がいまだ発展段階にあるため、種族としてのヴァークも同様に進化の過程にあるのだろう。センブラには重工業が存在しておらず、ヴァークも自力では宇宙へ進出する技術を手にしていない。一般に、ヴァークは銀河系の他の種族から原始的であると考えられているが、これは不正確な認識である。ヴァークは高度な知性と、個々の自由を尊重する、熟達した哲学的伝統を持っているのだ。彼らは誠実さに重きを置き、自身についての内省的な素直さを奨励している。そして、ヴァークは終始一貫して、あらゆる局面でこの信念に従った行動をとる。そのため、彼らは冷静で哀れみ深い性質であり、優れた外交官や交渉者になる者が多い。

一方で、彼らにも保身という概念がないわけではない。彼らは自身を守ることや積極的な攻撃を、個人的な誠実さの延長として捉えているのだ。事実、旧共和国にはジェダイとして活躍するヴァークも存在していた。

今日でも、センブラはかつての時代と同様の姿で存在している。この惑星は銀河系規模の大きな関心を寄せられているわけではなく、主要な交易ルートからも外れているため、ユージャン・ヴォングによる侵略から逃れることができたのだ。また、銀河系で自由に活躍するヴァークもそれほど多くないため、新共和国や銀河連邦自由同盟への参加を求められるには至っていない。

パウアン Pau'an

原住地:
ウータパウ
身長:
1.9メートル
主な個体:
ティオン・メイドン、ランペイ・フェイ、ジン・ジャヴェブ

Pau'an

ウータパウに原住する2つの種族のうちの1つ、パウアンは、ヒューマノイドとしては長寿であり、百年単位の人生を過ごすことになる。そのため、彼らはウータパウを頻繁に訪れる外界の人々から、古代人というあだ名を付けられたのだった。

長身で威厳ある風貌のパウアンは、故郷を共有するもう1つの種族ウータイよりも高度に発達した種族であり、外界からウータパウを訪れる旅行者にとって、公の顔とも言うべき存在である。彼らは厚手の、それでいてきつく締められた衣装で顔と手を除くすべてを覆い隠しており、顔には暗い目と縦に走る縞模様が付いている。また、彼らはこの惑星の政府と、縦穴都市にある宙港施設を管理運営している。

パウアンは強風が吹き荒れる惑星の地表で進化した種族だが、その後の気候変動によって、縦穴の奥深くへと移動することを強いられた。しかし、彼らはこの暗い都市郊外を好んでおり、やがてはウータパウの縦穴にある影に覆われた裂け目の中で繁栄を遂げたのだった。こうした好みから、彼らは青白い容貌へと変化し、さらに生肉を好んで食べることから、鋭い二重の歯を発達させ、より一層肌を青白くしていったのである。

このような縦穴に基づく文明では、都市ごとの隔たりが回避できず、そのためパウアンの遺伝子的系統や方言には様々なものが存在する。また、血統を遡る行為はパウアンの文化において敬愛すべきこととして扱われており、しばしば熱烈な伝統として認められている。他の文化的差異とともに、遺伝に関する論争が、過去に都市間の衝突や全面戦争へと発展したこともあったほどである。

だが、ティモン・メイドンという名の崇められたパウアンは、有益な原理から議論によって憲法を取り除くだけでなく、様々な縦穴都市の間における協定を起案することによって、本質的差異を抱える各共同体を統一させることに成功した。そしてクローン大戦の時代になると、彼の末裔であるティオン・メイドンが、パウ・シティの宙港管理官を務めていた。彼は先祖の伝統を引き継ぎ、外交的妥協の使い方を心得ていたが、好戦的な独立星系連合の軍隊と遭遇してしまう。グリーヴァス将軍が交渉の余地のない相手だったことは、ウータパウの人々にとって悲運でしかなかった。

パシスヒップ Pacithhip

原住地:
シミア
身長:
1.3〜1.7メートル
主な個体:
ケトウォル、ボク・アスコル

Pacithhip

パシスヒップは惑星シミアに原住する厚皮型エイリアンである。アウター・リムに属するシミアはコレリアン・ランに面した温暖な惑星であり、海にそり出た山脈によって広大な草原が隔てられている。

緑灰色の厚い皮膚をしたパシスヒップは、体中にたくさんの細かな皺が刻まれており、後頭部には脳を保護するための堅い隆起した骨が突出している。顔面からは長い幹のような鼻が伸びており、目は頭部の両側に付いているため、360度の視界を見渡すことが可能である。また、彼らは男女共に頭部の隆起の付け根部分から優雅な牙を生やしており、それを顔の前へ伸ばしている。太古の昔には今よりも大きな牙が生えていて、護身用や繁殖の際の闘争用に使われていたのだという。現在はこのような牙も退化し萎縮しているが、それでも鋭敏な感覚器官として役立っているのだ(もちろん、戦闘時に限定的な利用を行う習慣もわずかに残っている)。

パシスヒップを見たことのある他の種族には、彼らをヒューマノイドであると主張する者もいれば、丸いトカゲのような姿をしたエイリアンだと主張する者もいる。だが、これはパシスヒップに体形の大きく異なる2種類の種族が存在するのではなく、彼らの習慣に由来する誤解なのだ。パシスヒップの本来の姿は、丸い体に短い手足を生やした爬虫類のような外見である。だが、人間をはじめとするヒューマノイドの支配する惑星を訪れるときだけは、彼らもヒューマノイド型のボディスーツを着用して本来の姿を偽っているのだ。

パシスヒップの湾曲した牙にはとても重要な意味が込められており、彼らはその形状によって社会的地位を決められる。彼らの牙の形状には3種類しか存在せず、すべてのパシスヒップが遺伝子情報に従ってそのなかの1つの形状を持って生まれてくるのだ(ただし、思春期までに形状が特定できる大きさにまで成長するとは限らない)。そして、子供が成人に達すると、牙の形状によって区分される3つの階級構造、すなわち学者、戦士、農民のいずれかに割り振られる。学者は法を作り、若者たちを教育する。戦士は社会を守り、法を施行する。そして農民は社会に食糧と衣料を供給するのだ。ただし、農民の役割は次第に拡大しつつあり、現代では乗り物やドロイド、武器の製造も彼らの仕事の範疇となっている。それぞれの階級には名誉があり、社会にとって必要不可欠なものである。だが、パシスヒップの社会では禁欲が奨励されているため、自分の運命に失望する者がいたとしても、不満を漏らすものはほとんどいないのだ。

しかし、なかにはこうした階級制度に不満を持つ者も少なくなく、そうしたパシスヒップたちは故郷を離れて他の場所での生活を求める傾向にある。それでも、銀河系を探索しようとする意思によって反逆者扱いされるようなことはなく、むしろ多くの局面で近代パシスヒップ社会は「己の道を切り開く」自立心を奨励している。事実、コレリアン・ラン沿いで商売を行っているパシスヒップの商人も数多く存在しているのだ。

帝国が初めてシミアを訪れたとき、パシスヒップはまだハイパードライブ、核融合発電、リパルサーリフトなどの基礎技術を手に入れていなかった。しかし、シミアは賑わう交易ルートの近くに位置するため、彼らは旧共和国によって作られたいくつかの宇宙港を持っていた。だが、当時の彼らはまさに化石燃料と時代遅れの精密機器の使い方を習得した状態であり、帝国によって容易に征服されてしまう。宇宙港もすべて帝国によって管理されるようになったが、幸いなことにパシスヒップは帝国に対して全く関心を抱いておらず、そのため帝国の役人や兵士たちが宇宙港周辺を離れることもほとんどない。帝国は原住民が惑星を離れることを妨害していたが、特に禁止していたわけではなく、宇宙船を盗んで他の惑星へ飛び立とうとしているパシスヒップも存在した。彼らは概してより高度な文明を持つ世界を求めており、そこで新しい生活を経験しようと目論んでいたのだ。

やがてエンドアの戦いが終わると、パシスヒップたちは無人と化した帝国軍施設を奪回し、標準技術の習得を開始した。そして新共和国が樹立すると、彼らは銀河系全体でありふれたごく一般的な種族となるのだった。

生来、理性的で寛大な心を持ったパシスヒップは、物事をありのままに受け入れ、権威に対して滅多に異論を唱えることがない。標準的なパシスヒップは公正と平等を謳った学者階層の教えを心に留めているのだ。また、彼らは他種族との取引きを楽しんでおり、変化する気候や習慣にも素早く対応している。

パシスヒップは会話の際に鼻息とトランペット音、複雑な母音を組み合わせたシミア語を使用し、文字としては様々な名詞や動詞、比喩を表す象形文字を使用する。しかし、彼らの多くは楽にベイシックを話すことが可能である。

ハット Hutt

原住地:
ヴァール
身長:
体長3.0〜5.0メートル
主な個体:
ジャバ・デシリジク・ティウレ、ダーガ・ベサディ・タイ、ランダ・ベサディ・ディオリ

Hutt

ハットは巨大な腹足動物であり、球根のような頭、筋力のある尻尾へと急速に先細りする太い胴体、比較的小さく限定された用途にしか使われない2本の器用な腕を持っている。ハットの頭部は平凡な容姿をしているが、2つの巨大な黄色い爬虫類の目が顔の表面から突き出ており、反り返った鼻の下には耳穴から耳穴まで唇のない口がいっぱいに広がっている。

進化の合併体である彼らは、生理学的にはアネリディアン・ワームと同様に、男性と女性の両方の生殖器官を併せ持つ両性具有の種族である。しかし、出産と育児の際には、彼らは有袋哺乳動物のように、子供を特別な袋に入れて育てる。さらに、海生哺乳類のようにハットの鼻孔はきつく閉じることができ、極端に大きな肺と併せて、水の中でも十分な時間を過ごすことができるのである。そして、彼らはしばしば不本意ながら比較対象にされる大蛇のように、顎を驚異的な広さにまで開くことができるので、ほとんど何でも飲み込んでしまう。こうした様々な特徴はあるが、彼らが最も酷似しているのはやはり腹足動物である。(動けなくなるほど大きく成長することはハットにとっては珍しいことではないが)胴体の基部全体はゆっくりと這いずる足として働き、骨格を持たない代わりに内部に頭部を支え、形成する覆いを持っている。その一方で、喉の奥深くには食べ物を消化する前にかみ砕く特別な器官も備えているのである。

ハットの皮膚はその最大の防衛手段である。その表皮は著しい化学的腐食以外のあらゆるものに耐えられ、粘液と脂っこい汗が体表を滑りやすく、かつ掴みにくく保っている。万が一、敵がハットの身体を掴んだり、刺そうとしても、分厚い筋肉の層と脂肪が重要な器官を守ってくれるのである。

生まれたばかりのハットは重さ100グラムにも満たず、それはやがて到達する体重の1万分の1程度である。生まれた後、その目の見えない子供は本能的に親の繁殖用袋へ向かっていく。そしていったん安全な袋の中に収まると、子供は親の乳を吸い始めるのである。赤ん坊は袋の中でおよそ50標準年を過ごし、その年月の中で体の大きさとずる賢さを発育させる。この歳になると子供は体重70キロ以上、頭から尻尾の先までの体長も1メートル以上にまで成長するが、知性は10歳の人間程度でしかない。

ハットは銀河系で最も長寿命な種族の1つであり、少なくとも千標準年は生きると言われている。彼らはおよそ130年を掛けて人間と同等の大きさと知性にまで到達し、そのときの体重はおよそ500キロにも及ぶ。悪名高いタトゥイーンのジャバ・ザ・ハットは推定年齢600歳であり、体重も1,000キロを超えているという。

ハットの主な特徴はその自己中心性にある。彼らは自分こそが宇宙の中心であるという信念を持って生まれ、その欲望を他の何よりも大切にしている。この信念は彼らを成功に導く力となっているが、その反面、彼らが物理的には完全に無力なのも事実である。彼らは極めて印象的な自我と知性の力を示すことによって、外部に影響を与えている。ハットは他者に働くように仕向けることに関する最高の専門家なのである。彼らは通常、不快な生物として見られているが、目的を達成させてくれる相手にとっては親切で優しい存在になり得るのである。

ハットは白色歪星アードスを巡る不毛の洞窟惑星ヴァールの原住種族である。ハットの伝説によると、彼らと惑星ヴァールはこの天体を見舞った大悲劇の数少ない目撃者なのだという。かつてのヴァールは緑豊かな森林惑星であり、その青い空にはハットの神話で愛し合う神々として崇められていた2つの太陽、アードスとエヴォナが輝いていた。そしてこの2つの神は、エヴォナが小さなブラックホールに飲み込まれ、消滅するまで星系を平和に支配していたのである。彼女の死を悲しんだ他の惑星は互いに衝突し、小惑星へと砕け散り、その多くはヴァールの地表へと降り注いだ。配偶者を失った悲しみに暮れるアードスは自己崩壊を開始し、ガス殻を放射させ、ヴァールを枯渇させた。そしてついにアードスは今日のような白色歪星となり、神はもはやハットの尊敬を得るに値しなくなったのである。この物語はハットの自種族に対する高い視野への重要な洞察を与えている。エヴォナが滅び、アードスが衰えても、ハットだけは生き延びた。炎、熱、流星雨が故郷をほとんど滅ぼしても、ハットは生き延びたのである。ハット曰く、これは彼らの偉大さを物語っているのだという。確かに、このことは彼らがかつて神だった者より偉大な力を持つ真の神であることを示している。帝国の天文学者はハットの伝説に不可能な事象が存在することを容易に指摘できるが、その多くは事実だった。白色歪星アードスの周りには、ヴァールしか存在しておらず、その星系には多くの小惑星が存在しているのである。

ここ数年の間に宇宙船パイロットや銀河探検家によってもたらされたより信憑性の高い説明によると、惑星を滅ぼしたのはハットたち自身であり、ハットだけが理解できる邪悪で凄惨な市民戦争に惑星を巻き込んだのだという。どのような自然災害があろうとも、ハットは生き延び、不毛の荒野となったヴァールから「ハット・スペース」として知られる銀河領域の中心に位置するイトーブ星系の楽園ナル・ハッタまで移動する力と科学技術を取り戻したのである。

ナル・ハッタは「太古の氏族」と呼ばれる、アードスの崩壊以前からの家系をたどれる一族の長老評議会によって治められている。評議会の意思決定方法は不明だが、彼らが巨大な権力を振りかざし、銀河系のすべてのハットに尊敬と服従を求めているのは明らかである。ハットにとって、一族の絆とは、ハット社会全体を結び付ける絆と受け止められている。また、多くのハットはその長い一生の中で子孫を1人しか残さず、その財産をすべて子に相続させるので、極めて裕福である。

ハット自身によって開発された科学技術の水準に関する正しい情報は全く存在していない。しかし、彼らが銀河系の最新技術(これらはしばしば帝国に差し出されるはるか以前に盗みなどによって手にしたものである)を使っていることに疑いの余地はないのである。

ハットは製造業者ではないため自分たちで物を作ることはないが、需要を持つ者と需要を満たせる者とを引き合わせ、その両者から利益を上げている。つまり、彼らは銀河の仲介人なのである。

ハットは銀河系の多くのセクターに燃料取引に関する知識と見識を与えている。ハットは銀河共同社会の中で多くの人々から侮蔑されているが、彼らの努力がなければ現在豊かな惑星や星系も、生き残ることのできない貧しく空虚な惑星となっていたことは事実なのである。銀河でハット自体を見かける機会はそれほど多くないが、その影響力はアウター・リムに存在する無数の星系全域に浸透している。現在も彼らの勢力範囲はますます拡大し続けており、宇宙旅行者がハット業者によっていつのまにか影響を受けた人々と遭遇することも避けられない状況となっているのである。ハットは犯罪ビジネスだけでなく、多くの重要な産業にその努力をつぎ込んでいる。一般にハットが銀河の犯罪帝国を支配していると信じられているが、その噂は完全な真実というわけではなく、実際には、彼らはそこに強力な基盤を築いているだけなのである。

バラグウィン Baragwin

原住地:
不明
身長:
1.4〜2.2メートル
主な個体:
ハーミ・オードル

Baragwin

猫背の爬虫類型ヒューマノイドであるバラグウィンは、銀河系の至るところにある宇宙港や酒場でその姿を見ることができる。彼らの首は筋肉質で逞しく、その上には肩幅とほぼ同じ大きさの巨大な頭が付いている。硬い皮膚には皺が多く、所々にウロコがあり、体毛は生えていない。また、大きな手と太い足の皮膚も硬直している。

多くのバラグウィンは森林のような緑色から暗いオリーブ色の肌をしているが、黒味がかった灰色の皮膚をした個体も存在する。一般的に目は黒く、瞳孔は青く輝いている。また、彼らは体臭がひどく、何キロ先にいても匂ってくると言われているが、それは間違いであり、匂うのはせいぜい数メートル程度である。

バラグウィンはよく動物の皮やボロ布を纏っており、それによって奇妙な体形を覆い隠している。また、足に何かを履いている者はほとんどいないが、履いていたとしてもサンダルなどを好み、他人から足を隠していることも多い。

バラグウィンの特徴は窮屈な歩き方と重苦しい態度である。彼らの動きは緩慢であるが、硬い皮膚によって肉体的ダメージには耐性がある。動きは遅いが、小さな生物からの攻撃は効果が無く、バラグウィンは頑丈な戦士としての名声を得ているのだ。

バラグウィンの出身惑星は、彼ら自身にさえ知られていない。彼らの植民地は長年にわたって銀河を転々とし、古代の歴史は神話に包まれ、事実と作り話との境界が曖昧になっているのだ。そのため、バラグウィンたちは自分の生まれた惑星を原住地だと考えている。

バラグウィンは非常に多様な性格を持つ種族でもある。多くは狡賢で残忍だが、一方で人間のように穏やかで落ち着いた者もおり、また攻撃的で行動が予測できない者も少なくない。主に彼らの行動は居場所や仲間によって決定され、例えばタトゥイーンでは自惚れが強く、他人に対して疑い深くなり、食べ物や富に対して貪欲になる。一方でデヌイ8では用心深くなるが、親しみやすくもなるのだ。

バラグウィンは銀河系に散在しているため、彼らの歴史を特定することは難しい。その代わりに、学者たちは異なる惑星間にまたがったバラグウィンの集落に焦点を当てている。彼らは先入観なしで他の生物を受け入れる傾向が強く、物理的外見や文化的背景に関係なく、すべての生物を等しく扱うことが多い。しかし、この場合の「等しく」は「公平に」という意味ではない。彼らは多数の集落で自分たちの周りにいる他種族を隷従させており、その意味であらゆるエイリアン種族を同等に扱っているのだ。

多くのバラグウィンは原始的な剣から新型の振動武器やブラスターに至るまで、様々な武器の製造に精通している。もちろん彼らは自分たちの肉体構造に応じて武器を設計しているため、無改造で普通の人間が扱うには大きすぎる。また、彼らは人や物を探す術にも長けている。ルタルダーのハンターたちが大きな獲物を追跡するためにバラグウィンを雇っていることは有名な事実であり、帝国軍司令官も脱獄囚の捜索に彼らを使っている。

バラグウィンは正規化された政府を軽蔑し、無政府主義の小さな入植地を好む。彼らにとって望むべき事を行う権利は法や手続きを超越した存在なのだ。しかし、利口な彼らは法を破ることが自由を制限し、健康を害することになるということも知っている。

バラグウィンの集落では多くの演説と公約の発表が行われた後に指導者が選出されるが、その任期は長くも短くもなり得る。公約に恥じない指導者は長い政治的キャリアを保証され、逆に自分の言動に背く者は早急に追放されるのだ。

大部分のバラグウィンの集落はハイパードライブを搭載した宇宙船、ドロイド、エネルギー兵器などの銀河系レベルのテクノロジーを有している。

彼らは様々な社会から購入した、あるいは盗んだ宇宙船で銀河を動き回っている。そのため、バラグウィン専用に設計された宇宙船というものは存在していない。しかし、武器には別の事情があり、彼らはエイリアン種族の指や手に合ったブラスターを開発する専門家でもある。また、宇宙港に配置された厳重な警備ドロイドを通過できる原始的な武器も製造することができる。そのため、多くの企業が兵士用の武器を造るためにバラグウィンの武器職人を獲得しようとしている。こうした武器職人の一部は同盟軍のためにも働いているが、企業はより多くの資金を持っていることが多く、獲得競争ではしばしば打ち勝っている。

バラグウィンはあらゆる場所であらゆる仕事を行っている。宇宙船のパイロットもいれば傭兵として働いている者もおり、医学を教えたり、実践したりしている者もいる。しかし、既知のバラグウィンは非常に少数であり、およそ100万人程度とされている。彼らは雇用の条件面で有利な帝国軍が背後にある企業を好む傾向があり、帝国による人間至上主義の政策のなかでも労働を行っている。なかには反乱軍に参加したバラグウィンも存在し、数人はそのなかでも重要な地位に就いている。

パロウィック Pa'lowick

原住地:
ロウィック
身長:
1.6メートル
主な個体:
アニーサ・ディム、サイ・スヌートルズ

Pa'lowick

ロウィック出身の内気な両生類型種族パロウィックは、丸々と太った胴体からカエルのような長い手足を生やしている。彼らの滑らかな皮膚には緑色、茶色、黄色の縞模様が刻まれており、故郷の熱帯雨林のなかにうまく溶け込むことができるようになっている。パロウィックの最大の特徴は顔の中央から伸びた細い管状の口であり、その先端には似つかわしくない人間のような唇が付いている。また、一部のパロウィックには管の下に第2の口があり、そこには牙が生えていることもある。若いパロウィックは青年期の間この第2の口を保持しているが、これはやがて自然消滅し、顔面の皮膚に吸収されてしまう。

管状の口では一度に食べられる量が限られているため、第2の口は若いパロウィックが成長期により多くの栄養分を摂取する際に使用されている。しかし、大人になると次第に必要となる食糧とエネルギーが少なくなるため、第2の口はその役目を終え、消滅するのだ。また、牙も第2の口が消えるのに伴って消滅するが、これは若者たちの自己防衛に使われることがある。

パロウィックの体は彼らの故郷ロウィックのじめじめとした環境によく適応している。彼らは長い脚で薄暗い沼地を素早く走り、魚、トカゲ、水鳥などを捕獲する。よく効く鼻は巨大なマーレロー・ダックの卵を嗅ぎ分けるのに役立ち、管状の口を突き刺して舌で黄身を吸い取っている。また、獰猛な肉食獣が現れると、水中に潜って顔から生えた2本の枝目を水面に出し、危機が去るのを待つことができるのだ。

パロウィックは卵を産むことによって繁殖を行う。彼らは乾燥した泥や葦、草で作った屋根付きの小屋で生活し、女性は卵を産むと子供が孵化するまで家で保護をしている。子供たちは名家による封建制が敷かれた農業集落で成長し、教育される。パロウィックはやや原始的な生活をしており、貿易商や採鉱者たちによってもたらされた最低限のテクノロジーしか有していない。実際、高価なロウィッカン・ファイヤージェムを探していた採掘者によってこの種族が発見されたのは、エンドアの戦いのわずか10年前のことである。

バロサー Balosar

原住地:
バロサー
身長:
1.6メートル
主な個体:
エラン・スリーズバガノ

Balosar

バロサーはコア・ワールド全体で胡散臭い評判を得ているヒューマノイドである。彼らは唯一の特徴であるアンテナパルプを髪の中に収納することによって簡単に人間に成りすますことができ、意志の弱い者や刺激を求める者たちを食い物にしながら、社会の最下層に紛れて暮らしていることが多い。

バロサーの福祉機関は何年もの間、貧困、堕落、腐敗の悪循環を断ち切ろうと努力しているが、惑星政府はほとんど何も支援を行っていない。逆に、外界の惑星企業が定期的にバロサーの役人に賄賂を届けており、その見返りとして政府が所有する土地に劣悪な条件の工場を建設しているのだ。バロサーにはこうした工場で安く働く労働力があり余っているのである。

バロサーは意志が弱く、自己陶酔しやすい種族である。彼らの多くが重度の鬱病に苦しんでおり、どこかに閉じ込められているかのような感情を抱いている。そうでない者たちも、皮肉な笑みを浮かべながら自分たちの運命をしぶしぶ受け入れているに過ぎない。バロサーの道徳および倫理観は過酷な人生経験に歪められてしまうことが多く、善と悪との間で誤った認識を抱いてしまう者も後を絶たない。

バロサーは概して虚弱体質である。彼らは硬い髪を持ち、頭頂部から収縮可能なアンテナパルプを生やしている。また、日の光と綺麗な空気が不足していることから、顔色も悪くなっている。

古き良き時代を経験したバロサーも、いまではコアに属しているだけの荒れ果てた惑星である。この惑星は犯罪発生率が異常に高く、腐敗した政府には観光客さえも落胆している。そして工場による大気汚染もひどく、呼吸するのがやっとの状況である。バロサーでは確かに犯罪が多発しているが、これはバロサーの人々の生物学的本能というより、むしろこの嘆かわしい惑星環境への対処法そのものなのだ。そのため、より良い生活を求めて故郷を離れるバロサーは増え続けており、同じように厳しい環境であっても、他の惑星での生活だというだけで満足している者も少なくない。

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