キャラクター・ガイド / モス・アイズリーの酒場

タトゥイーンの水分農場で働くアリク・ジョアンソンは、オーウェン・ラーズと同年代の農夫である。彼は誰も農地になるとは思っていなかった大砂丘海近郊の荒れ果てた地に水分凝結機を立てていた。彼の努力によってこの土地は僅かながらに有益な農場となったが、ジャワやサンド・ピープルたちの生活圏に隣接しており、不安の種が尽きなかった。しかしアリクは、いつか必ず3種族が平和的に共存できる日が来るはずだと考えていたのである。

アリクは平和的友好活動として、ジャワとサンド・ピープルに定期的に水を提供し続けた。そしてついに、ウィマティーカと名乗るジャワが率いる氏族の信頼を得ることに成功する。アリクとウィマティーカは協力してタトゥイーンの「平和の地図」を作成し、両者の土地の権利に境界線を引くことに合意したのだ。一方、サンド・ピープルとは平和的とは言えないまでも、不安定な休戦状態に持ち込むことができた。彼らはいずれサンド・ピープルとも和解し合いたいと考えていた。

ジョアンソンはこの夢を実現するべく仲間を募ろうと考える。なかには協力を申し出る農夫たちもいたが、逆にサンド・ピープルに家族を殺された経験のある農夫もおり、反対派は少なくなかった。彼と同じ農場で働くエイヴィンドもこうした反対派の1人であり、アリクのやっていることを狂気の沙汰だと主張する。しかし、アリクはそんな意見にも動じることなく、ウィマティーカたちとの地図の作成に力を尽すのだった。

やがてエイヴィンドが恋人だったアリエラと婚約すると、アリクは彼らの披露宴にウィマティーカたちを出席させてくれないかと申し出る。かねてからアリクの考えに同調していたアリエラはこの申し出に賛同し、エイヴィンドの説得にも成功した。こうして2人の披露宴には31人のジャワたちが参列することになる。ジャワたちは初めて経験した人間の慣習と礼儀作法に感動し、また人間たちもジャワが極めて友好的な種族であるという事実を知って驚愕した。これは両者にとって大きな第一歩となった。しかし、悲劇はこの直後に起こるのだった。

突如として血気盛んな青年期のサンド・ピープルが大挙して押し寄せ、披露宴を襲撃し始めたのである。多くの仲間たちと共にエイヴィンドが惨殺され、アリエラも襲撃者たちによってさらわれてしまう。アリクは突然の大惨事にただ愕然としただけだった。

それでもなお、アリクは恐れることなくサンド・ピープルたちの元を訪れ、水を提供する代わりにアリエラを釈放してくれと申し出る。そしてようやく両者の間に和解の兆しが見え始めたとき、タスケンのキャンプに帝国軍のストームトルーパーがやってきたのである。帝国軍は物々交換を妨害し、2人の人間を救出に来たと主張してサンド・ピープルに攻撃を開始した。これによって、人間とサンド・ピープルの確執は一層深まることになるのだった。

結局、すべては人間とサンド・ピープルの緊張状態を持続させたほうが好都合だと考えるタトゥイーンの帝国軍総督の筋書き通りだったのだ。これを知ったアリクは大きな挫折感を抱き、帝国を打倒するため反乱軍に身を投じることになる。一方、アリエラは亡きエイヴィンドの農場に留まり、帝国軍の妨害に逆らってアリクの夢を実現させるために奮闘するのだった。

ラルティアの帝国官僚だったヤーカ・ミッグは、故郷が占領された後に辞職し、帝国から身を隠すためにアウター・リムへと逃走した。やがて、彼はモス・アイズリーで自分の高位にある身分証明証を売ろうとするほどにまで落ちぶれてしまう。

ルーク・スカイウォーカーとオビ＝ワン・ケノービがオルデラン行きの船を捜すため酒場を訪れたとき、彼はその後現れた帝国軍のストームトルーパーから逃げるように立ち去ったのだった。

ガルーフ・ラフォーはタトゥイーンで使う水を得るため、オーハンとエイドリアーナから氷を運ぶ事業を開始した自由貿易商である。この収入によって彼は裕福な生活を営んでいたが、それも帝国が自由貿易に対する取締りの強化と、輸入品への関税率の引き上げを行うまでのことだった。

モス・アイズリーの酒場でオビ＝ワン・ケノービがならず者相手にライトセイバーを起動させたとき、ガルーフはストームトルーパーのモド・テリックにその様子を通報し、褒賞を得たのだった。

ティラック・マンダ出身のマーク・サンレットは、黄金の心臓を持った悪賢い盗人である。旅の経験が豊富で高度な技能を持つサンレットは多くの言語に精通していた。彼は自分の家の安全装置に欠陥がないか調べようとする裕福な顧客に雇われることが多い。

デブノーリはモス・アイズリーの酒場をよく訪れる良心的なパイロットであり、素晴らしい射撃の名手としても知られていた。ルーク・スカイウォーカーらがハン・ソロと運命の出会いを迎えたときも、彼は友人のブロン・バースを探すため、この酒場に顔を出していた。その後、デブノーリは帝国に船を押収されてしまうが、彼はどんな手段を使ってでも帝国に復讐すると誓い、決死の覚悟をもって出発したのである。

スウィラ・コーレイは生まれたときからターナブの裕福な動物業者の奴隷だった。だが、野蛮なカラザックの奴隷商人が彼女の乗船していた船を襲撃したとき、コーレイは突如として自由を手にすることになる。機知に富むコーレイは、そのとき寄港していた惑星、タトゥイーンの大地へと逃走し、そこでも奴隷時代に毎日行っていたことをしながら生活するようになった。つまり、動物たちの世話である。

コーレイはモーテスタ・オアシスの植民地付近で、牧場労働者やジャーバ飼いとして働き、そこで破棄された小屋に住んでいた。農場集落を渡り歩きながら、彼女はミルク、革、食肉などのジャーバ製品を売っていたのである。利益はほとんど無に等しかったが、彼女にとっては自由であることが何よりも幸せだったのだ。

しかしある日、彼女のジャーバの群れは巨大な砂嵐によってばらばらにされ、残りもアヌーバスの大群によって殺されてしまった。コーレイは他にどうすることもできず、モス・アイズリーへと旅立つと、物乞いや盗みをして生き残ろうと努力したのだった。だが数日後、彼女はウーキーのチャルマンの酒場の外で、自分のジャーバを1頭発見する。そして数少ない友人の1人、キティック・キードカックの話によると、そのジャーバはケトウォルと名乗るパシスヒップの偵察員のものだというのだ。ちょうどキティックがコーレイにその話を告げたとき、彼女は見知らぬ老人がライトセイバーで2人の暴漢を斬り付ける光景を目撃する。彼女は急いで酒場を出ると、ケトウォルが店から出てくるのを待つのだった。

コーレイはケトウォルを尾行し、彼の宇宙船へと向かった。彼の宇宙船は砂にまみれた郊外に停めてあり、しばらくの間、ケトウォルはそこに住んでいたのだった。そして、好機を伺っていたコーレイは、ケトウォルが背を向けたときにジャーバを盗み返そうとするが、逆に自分が捕まってしまう。彼の説明によると、数頭のジャーバが砂漠からこの宇宙船を目当てにやってきたのだというのだ。そして、怪我をしたものや、弱っていたものがいるため、彼はジャーバたちの世話をしていたという。コーレイは自分が不幸にしてモス・アイズリーへたどり着いた理由を説明した。すると、ケトウォルはこの少女の苦労について理解を示し、彼女の保護を申し出たのだった。

コーレイはしばらくの間、ケトウォルと生活し、その後、生き残ったジャーバと共に砂漠へと向かった。また、ケトウォルは彼女に、宇宙船がモス・アイズリーにあるときなら、いつでも戻ってきていいと告げてくれた。彼女もその好意に甘え、しばしば新しい友人とのひと時を楽しんでいる。

ダンズ・ボーリンはナー・シャダーに住居を構える砲手であり、賞金稼ぎギルドに所属する賞金稼ぎでもある。彼は自惚れ屋だが自慢するだけの腕は持っており、いつも顧客を満足させていた。また、ダンズは自分の船を所有していたが、愛機に一度も名前を付けたことがない。

ヘム・ダズンはアウター・リムで偵察員として働くアルコーナである。金色に輝く瞳をしていることから、彼が食塩の魅力に取り付かれた中毒患者であることが伺える。事実、彼の日常は食塩とジュリ・ジュースを求めて浪費することだけだった。

背の高い短気なエイリアン、キティック・キードカックは、隠密行動と高度な科学技術の知識で知られるヤムリ（またの呼び名をハックともいう）の女性である。肉食昆虫種族のキードカックは、新鮮な卵が大好物であり、特に知的生物であるクオサヴの卵に目がなかった。そのため彼女はその複眼と強靭な刃で、常にクオサヴのカルファルニル・シンドロスが産んだ卵を付け狙っていたのである。

キラッシュのリーサブ・サーリンはフォースの技に熟練していたため、ある程度の予知能力に長けており、子供の頃から帝国の高位調査官トレメインの下で奴隷として働かされていた。しかし彼女は脱出に成功し、モス・アイズリーの路地裏の迷宮に身を隠すようになる。

典型的なドロイド商人であるハーチェクはダークティール出身のサウリンである。彼は闇市場を駆け巡り、最安値のドロイドを購入している。従妹のサイトア・カル・ファスをボディガードに雇っていた。

サイトア・カル・ファスは従兄のドロイド商人ハーチェクのボディガードを務める女性サウリンである。彼女は卓越した戦士であり、自らがその価値を認めた相手には快く戦闘技術を教えていた。また、サイトアは偵察員や訓練員として反乱同盟軍のために働いていたこともある。

エリス・ヘルロットは長期にわたってタトゥイーンに滞在し、モス・アイズリーで奴隷やスパイスの輸送に関する情報を探し回っている。彼は＜ヒンスラ＞と名付けられた宇宙船を所有しており、これらの貨物をカラウーンに運ぶため幾度となく旅に出ているのだ。

ステネス・シフターのトリント・デュアバは犯罪行為を暴き、犯人を追跡、捕らえるために、群集に溶け込む特殊能力を使用している。彼はこうした犯罪者を帝国当局に引渡し、褒賞金を受け取っているのだ。彼はタトゥイーンに滞在していることが多く、モス・アイズリーの酒場でよくその姿を見ることができる。

モス・アイズリーの酒場にはボシェックから「ブレイニアック」というニックネームを付けられたシニティーンの常連客がいる。なぜなら彼はハイパースペース・ジャンプの計算を自分の頭だけでこなしてしまうのだ。

ルートリリアンのソロマハールは、クローン大戦で共和国軍の将軍を務めた退役軍人である。彼の主な功績はウォードの解放に名を連ねたことであり、同様に、サン・ガード第2連隊を敗退させたことでもある。しかし、アズーアに築かれた銀河共和国軍の秘密基地の指揮官だったときの彼は、アズーア宇宙港を巡る戦いでこの惑星の統制を失い、独立星系連合に敗北を喫したのだった。

大戦後、既に忘れられた存在となっていたソロマハールは、タトゥイーンのモス・アイズリー郊外で偵察員となって生計を立てていた。彼はYV-888貨物艇＜クワッドスター＞を飛ばしながら、ノソインの犯罪者コヴァをグレーター・ジャヴィンにある故郷にまで運ぶ仕事など、数々の任務をこなすようになる。その後、ソロマハールはブリジットのティズィヴィットと友人となり、「超越者の目」と呼ばれる古代の秘宝を探す旅に出たのだった。

モス・アイズリーのパイロットたちは皆、ティズィヴィットの語る遠い昔に失われた財宝についての狂気の物語を嘲笑っていた。だが、白髪混じりのルートリリアンの退役兵、ソロマハールだけはティズィヴィットの話に耳を傾け、チャルマンの酒場で冷たい酒を飲みながら、このブリジットの羽音のような話を聞いていたのである。

ティズィヴィットによると、彼はジャンドゥーンの出身だという。この見捨てられた惑星には失われた古代文明の遺跡があり、亡霊が出没するという噂さえも流れていた。彼自身も宇宙考古学の教授であり、故郷を捜索するためのパイロットと乗員を求めていた。ティズィヴィットは「超越者の目」と呼ばれる秘宝の在り処を知っており、また、この遺物はジャンドゥーン星系にある伝説の財宝の在り処を解き明かす地図としても役立つと主張していたのである。

懐疑的なソロマハールは、また近いうちに会おうとだけ言い残して、ティズィヴィットと別れた。ソロマハールはティズィヴィットの話を疑っていたが、彼はブリジットに特有の誇大妄想癖があることを知らなかったのだ。

ルートリリアンは旧知の仲であるガリンダンを呼び、このクバーズのスパイに、「狂気の老人」であるティズィヴィットを信用していいものかと尋ねた。そのとき、ホロネットの海賊局から得た大まかな検索結果から、イルナという名のブリジットに対する捜索および拘束命令が出ていることが発見される。イルナはバイトゥとルーンから価値ある遺物を盗んだ犯人だというのだ。顔と名前だけでブリジットを特定することは困難であり、帝国の手配書も漠然とした内容だったが、ソロマハールはそれがティズィヴィットであると確信していた。彼はティズィヴィットにもっと多く会う必要があると認識したのである。

ソロマハールはタトゥイーンの旧式の下水道にある汚い曲がり角の1つに作られたティズィヴィットの地下の隠れ家で、彼と会う約束をした。彼の家には凄まじい悪臭が漂っていたが、ソロマハールはそこにあった光り輝く巨大な宝石に目を惹かれ、感動を覚える。ティズィヴィット曰く、それはジャンドゥーンで発見されたものだというのだ。

ソロマハールも彼の話をすべて信用していたわけではなかった。彼はティズィヴィットが教授の地位にあることに疑いを抱いており、何らかの学者ですらないと考えていたのだ。しかし、財宝を前にしたこの複眼のエイリアンの表情は、ソロマハールから見ても誠実そのものだった。ティズィヴィットは前金を払えなかったが、ソロマハールは見つけた財宝を折半にすることを条件に、彼を宝探しへ案内することを約束する。ティズィヴィットもこの条件に同意し、彼らは富と栄光を求める大冒険へと出発するため、タトゥイーンを後にしたのだった。

アドヴォーゼのボム・ヴィムディンは同族を軽蔑していた。悲観的かつ縄張り意識の強い彼は、帝国官僚などの腐敗した役人のために単独で密輸を行っていたのである。彼は最も高値を付けてくれた顧客のために仕事をしていたが、同業者だったハン・ソロ曰く、ボムは最も腕利きの密輸業者の1人だったという。

エンドアの戦い後、ヴィムディンは帝国軍スパイを帝国領に連れ戻す仕事をしていたため、新共和国の捜査当局によって逮捕された。そして、彼の名をお尋ね者リストのトップに挙げていたクラッケン将軍は、ボムがわずかなクレジットで自身と同種族の仲間の魂を売り払う男だと確信していたのだった。しかし、彼はその後も何度か逮捕されたものの、決して仕事上の付き合いのあった役人の名前を口にすることはなく、頑なに保身を行ったのである。