ジェレクはジェダイ・オーダーを裏切り、ヤヴィンの戦い後に権力を掴んだダーク・ジェダイの1人である。彼は細い目隠しのようなマスクを常に着用しているが、それは生まれたときから完全な盲目であることを意味しており、強力なフォースによって視覚を補っているのだ。同様に、彼は対戦相手の生命エネルギーを奪い取るという特殊な技も習得している。ジェレクは6人の弟子、ゴーク、ピック、モー、サリス、ボック、ユンを集い、富と権力の追求を開始した。彼は邪悪な力だけでは欲しているものすべてを手に入れることはできないことを知っており、査察官への賄賂や、大企業の後援者を味方につけることで、密かに巨万の富を築き上げたのだった。
フォースのダークサイドに転向する前のジェレクは、熱心に修行に励むジェダイ・ナイトだった。そしてクローン大戦当時、彼は古代ジェダイによって造られた工芸品を保護するという任務を受け、銀河系の端々に派遣されていたのである。だが、任務を終えコルサントに帰還したジェレクは、共和国の終焉と新秩序の完全なる樹立を目撃し、パルパティーンとダース・ヴェイダーによるジェダイの粛清に遭遇したのだった。仲間のジェダイは既に大半が虐殺されており、彼とその部下たちは慌てて未知領域へと逃亡する。しかし、彼らはついに帝国の高位調査官トレメインによって捕らえられ、コルサントに送り返されてしまうのだった。だが、トレメインはすぐにジェレクを処刑しようとせず、新秩序に身を捧げることと引き換えに命を助けようと申し出る。ジェレクはこの取引きに大いに悩むが、彼にはジェダイとしての理想に命を捧げるまでの覚悟はなかった。彼はトレメインの申し出を受け入れ、裏切り者の汚名を背負う道を選んだのである。その後、ジェレクはダークサイドの達人たちによって鍛えられ、銀河内乱の間にはパルパティーン皇帝の従者として働くようになるのだった。彼は皇帝への忠誠の証として、かつてのダース・モールと同じようにシスの紋章を顔に刻んだが、パルパティーンはジェレクにシス卿としての名称を与えなかった。シス卿は同時に2人までしか存在することができず、彼の前任として既にヴェイダー卿が存在していたからである。
ジェレクは他のダークサイダーたち(彼のような元ジェダイや、他のフォースの強い若者たち)と共にインペリアル・パレスに出入りしていた。彼らにはパルパティーンに直接仕える者もいれば、ヴェイダーに仕える者もいるが、そのいずれもが野心を持っており、常にライバルたちより上位の地位を狙っていたのである。こうした中でもジェレクはヘスリアやセドリス、カダーンといったダークサイドの達人たちより一段高い地位にいたと言える。だが、ライバルたちは彼のことを、仲間の背後を襲う機会を伺っているだけの単なる反逆者としてしか見ていなかった。事実、皇帝もそれほど彼のことを信用していたわけではなく、ジェレクの旗艦であるインペリアル級スター・デストロイヤー<ヴェンジャンス>には目付け役として(後に大提督となる)スローン艦長を同乗させていたのである。
皇帝からジェレクに与えられた最初の任務の1つは、パルパティーンが使用するためのスポアと呼ばれる生物を手に入れることだった。スポアはホッジという名のスターフライ・パイロットに乗り移っており、事前に確保することはできなかったが、ジェレクはそれを追跡してイソアへと向かう。そこで彼はスポアに、自分のために働いてくれれば何千もの精神を操る機会を与えると申し出るのだった。ジェレクはスポアに<ヴェンジャンス>の乗員たちを制御させたかったのである。しかし、スポアは独自の計画を持っており、オルデランの孤児タッシュ・アーランダを捕らえるために<ヴェンジャンス>を利用し始める。そしてスポアが彼女を追って艦をイソアの小惑星帯に入れると、スペース・スラッグの群れによる襲撃を受けるのだった。<ヴェンジャンス>はシールドを破壊され、船体に大きなダメージを受けて所々を爆発させた。ジェレクはこの爆発を辛うじて生き延び、スターフライへと逃れると、そこで<ヴェンジャンス>の破片を回収し、艦の修復を命じたのだった。
ヤヴィンの戦いの直前に、ジェレクは惑星サロンにおける反乱軍分子の粛清任務を与えられている。彼はクー・ラーンとモーガン・カターンを殺害し、その後、モーガンが発見していたジェダイの谷へと移動した。ルーサンにあるジェダイの谷には強力なエネルギーが収束しており、彼は弟子たちと共にこの地で自らの力を高めようと考えていたのである。しかし、エンドアの戦い後、ジェダイの谷にモーガンの息子カイル・カターンが現れた。カイルはカリダの帝国アカデミーで学んだ士官候補生であり、そのフォースとの強い結びつきから、ジェレク自身が卒業セレモニーで勲章を与えた相手でもあった。しかし、いまやカイルにとってジェレクは父の仇でしかなかったのだ。彼はジェレクの6人の弟子たちを次々と打ち破り、ついに最後の死闘の末、ジェレクを打ち破ったのである。
黒髭を生やした小柄なカダーンは、ダークサイドの預言者たちと呼ばれる神秘的な集団を代表する最高預言者である。彼はエンドリアン・ツリーの菌糸に覆われた樹皮から醸造されるお茶を好んで飲み、その力によって未来に起こる出来事を予見するのだという。また、彼は銀河系で最も優れた美術品の収集を行っており、これらを本拠地スカーディア・ステーションのホール内全体に飾っている。
シス卿によるジェダイの抹殺が開始される直前に、カダーンはダース・シディアスと接触した。そのとき、彼は預言者として帝国に仕えることを打診されたのである。やがてエンドアの戦いが始まろうとしていたとき、カダーンはこのまま戦いを始めれば帝国が大きな禍を被ることになると預言した。しかし、パルパティーンはカダーンとその預言を受け入れようとしなかった。カダーンは他の預言者を招集してコルサントから逃亡し、スカーディアに本拠地を移したのである。
パルパティーンとダース・ヴェイダーがエンドアで滅びると、カダーンは韻を踏まない4つの文から成る預言を発した。エンドアの戦いで失われたヴェイダーの手袋を手にした者が次の皇帝として銀河系を支配するというのだ。当時、ダークサイドの預言者たちは、依然として帝国内で大きな影響力を維持していた。残存帝国軍の主要なリーダーたちは銀河系の支配権を合法的に手に入れるため、カダーンの暗い祝福を求めて一斉に動き出したのである。
やがて、グランド・モフ中央委員会が担ぎ上げたペテン師トライオキュラスがヴェイダーの手袋を発見し、新皇帝として承認される。しかし、彼はゾーバ・ザ・ハットとの抗争などによってほどなく失脚し、以後、誰も皇帝の後継者としての賛同を得られる者は現れなかった。カダーンはついに自らの手で帝国を支配しようと考え、皇帝を宣言する。だが、ヤヴィン4ではジェダイの王子ケンの捕獲に失敗し、カダーンはジェダイの失われし都に幽閉されてしまう。その後脱出に成功したものの、既にイセイン・アイサードがコルサントで権力の座に就いており、彼の計画は失敗に終わるのだった。
権力の座を追われたカダーンはスカーディア・ステーションに敗走するが、かつての政敵マカティ大提督によって捕らえられてしまう。かつてマカティの部下がカダーンのきらめくローブを嘲笑ったとき、カダーンは彼に警告としてフォースの電撃を浴びせたことがあったのだ。一方でアイサードもカダーンを完全に失脚させようと目論んでおり、マカティに個人的復讐を行う許可を与える。そして大提督は屈辱を一掃するため、艦隊のターボレーザーでスカーディア・ステーションを破壊したのである。カダーン自身もそのときの攻撃によって滅ぼされたのだった。
艶のない白い髪、真っ赤な血走った目、顔には内出血を思わせる紫のしみが点々とした不気味な姿のゲッゼリオンは、ダソミアで繁栄している闇の魔女たちの女性氏族長である。だが、この邪悪な魔女も、かつては歌う山の民の家母長オーグウィン・ジョーの真中の娘だった。オーグウィンに対して強い失望感を抱いた彼女は、ダソミアの魔女たちによって実践される暗黒魔術の力に魅了され、母の力は弱いと感じるようになったのだ。ゲッゼリオンは歌う山の民を暗黒の力で支配しようと考え、オーグウィンの殺害を計画した。だが、彼女の行動は既に見透かされており、計画は失敗して母の代わりにカラティールを殺してしまう。そのため彼女は捕らえられ、投獄されるが、後にバリサによって解放され、2人の魔女は氏族から追放されるように逃れたのだった。
だが、この事件もゲッゼリオンの決意をより強固なものにしただけだった。彼女はダソミアに独自の氏族となる闇の魔女を築き上げる。また、彼女は愛すべき影の魔術に関する既知の情報の集大成として、「影の書」を執筆した。ゲッゼリオンの力はダークサイドに心酔することでますます強くなり、他の魔女たちが呪文の詠唱や手振りによってフォースを使う一方で、彼女だけはこうした儀式なしでフォースを使うことができたのである。しかし、ゲッゼリオンは帝国の目標を十分に理解することができなかった。彼女は逃亡した奴隷を捕らえるために、ダソミアの囚人収容所で見捨てられた帝国の残党によって利用されていただけだったのだ。
しかし、やがてはパルパティーン皇帝もゲッゼリオンの持つダークサイドの力が帝国にとって脅威となり得ることを認識するようになる。皇帝は帝国内のあらゆる商業ルートからダソミアを外し、宇宙船の出入りをなくすことでゲッゼリオンをこの流刑植民地に閉じ込めたのだった。怒り狂った彼女は収容所に駐留していたストームトルーパーを虐殺し、生き残りをある種の警備隊として利用する。こうしてこの隔離された惑星では、善と悪の魔女たちが互いに無益な抗争を繰り広げるようになったのである。
そしてエンドアの戦いから4年後、サバックのゲームでダソミアの所有権を勝ち取ったハン・ソロが、レイア・オーガナ姫を伴って<ミレニアム・ファルコン>でこの惑星にやって来た。また、彼らの後を追うように、ルーク・スカイウォーカーとヘイピーズのイソルダー王子もこの惑星を訪れる。ゲッゼリオンはルークの強力なフォースを察知するが、彼に打ち勝つことはできなかった。一方で反乱軍の英雄たちを追う帝国軍のズンジ大将軍はゲッゼリオンに取引きを持ちかけ、ソロらの捕獲と引き換えに宇宙船を手配すると申し出る。どうしてもダソミアを脱出したかった彼女は取引きに同意するが、両者共に約束を守ることはできなかった。ゲッゼリオンはズンジの派遣した捕虜の引き取り部隊を全員殺害し、ズンジは彼らの乗ってきた船でダソミアから飛び立った魔女たちを軌道上で旗艦<アイアン・フィスト>から撃ち落としたのである。このとき船に乗っていた魔女たちは、ゲッゼリオンを含む全員が死亡したのだった。
新共和国からのコア奪回を目指すスローン大提督は、3つの決定的な発見を軸に壮大な計画を展開させていた。1つはスパーティ・クローニング・シリンダーの隠し場所、もう1つは実用可能なクローキング・シールド、そして最後は狂気に満ちたダーク・ジェダイのクローン、ジョルース・スボースである。
ジェダイ・マスター、ジョラス・スボースがいかにしてクローンとなったのかは定かでない。しかし、精神の不安定さや自分の名前の発音を間違えているところを見る限り、彼がスパーティ・シリンダーの技術によって急速に作られた不完全なクローンであることは明らかだ。ジェダイ・マスター、ジョラス・スボースの最後の足取りは、共和国の境界を越えて探査を行い、悲劇的な運命をたどったアウトバウンド・フライト計画への参加が最後となっている。ジョルースの前身となるジョラス・スボースは、広く尊敬されたジェダイだった。ライスカス・セクターの惑星ボートラスで生まれた彼は、ジェダイ訓練生に加わると共にマーニック大学を卒業している。自らジェダイ・マスターを名乗るようになった後、スボースは共和国に仕え、凶暴なアクアリッシュの非武装化を監視する任務に就いた。また、オルデランの支配権継承問題の調停にも助力し、オーガナ家の血統が正当な総督の地位を継承すべきであるという裁定を下している。他にも数々の交戦状態にあるエイリアン種族たちを調停し、後にはパルパティーン議員とジェダイとの間を取り持つ私的顧問を務めていたこともある。
スローンは惑星ウェイランドで、皇帝の秘密貯蔵庫を守っていたスボースのクローンを発見した。そしてクローンの狂気は、本物のスボースに隠された真実の解明を難しくしていた。彼は壮絶な戦いの末皇帝の貯蔵の番人を殺害し、自分がウェイランドの原住民を支配するようになったと主張する。しかし、真相は彼こそが皇帝に任命された番人であり、彼の言う英雄的な戦いも、狂気のもたらす妄想の産物に過ぎなかったのだ。
スローンはかつてパルパティーン皇帝がフォースを通じて部下たちの戦意を調整していたのと同じように自分の軍隊を調整するため、スボースの力を必要とした。スボースはスローンと手を組むことに躊躇したが、策略家の大提督は彼に訓練するべき未熟なジェダイの提供を約束する。それはルーク・スカイウォーカーとレイア・オーガナ・ソロだった。帝国はフォースの強いジェダイの兄妹を捕獲し、スボースに差し出そうとしたのだ。そしてスボースは2人を自分の思うように訓練し、育て上げるつもりだったのである。
スボースは力に対する考え方で、スローンとは異なっていた。帝国は力を拡大し遠方の惑星まで支配することを求めていたが、スボースはウェイランドの支配だけで満足していた。彼は、権力とは毎日顔を見合わす住人たちの意思を完全に制御することであると信じており、遠方の見知らぬ惑星を統べることではないと考えていたのだ。スローンが新共和国との戦いに連勝し、帝国の力を増大させていくと、スボースの野心も次第に大きくなっていった。彼はかつてパルパティーンがそうしたように再生した帝国を支配し、迅速に暗黒のゆがんだ体制を築こうと考えたのだった。
スボースは極めて強力なダークサイドのフォースの使い手である。彼は指先から青白色の恐ろしい電撃を発することができ、その力で他者を自らの意思に服従させることを好んだ。スローンの仲間に加わったスボースは帝国軍の士気高揚を調整したが、それは彼の飽くなき野望の始まりに過ぎなかった。望むなら彼は獲物の心を完全に支配し、服従を強制することもできるのだ。
旧世代のジェダイ・スボースが再び姿を現したという噂を耳にしたルーク・スカイウォーカーは、慎重に計画された誘導に従い、ジョマークを訪れた。スカイウォーカーはそこで年老いたジェダイ・マスター、スボースと遭遇し、訓練の補完を受ける。しかし、彼と過ごす間に、ルークはスボースの狂気に気づいたのだった。老マスターを哀れんだルークは彼を癒せるかもしれないと考え、彼を狂気の闇から救い出そうと試みる。だがクローンの不安定な精神はあまりにも根深く、ルークはただスボースから逃れることしかできなかったのである。
スローンがなかなか彼の元に新しいジェダイの弟子を連れてこないため、スボースは徐々に不満を増大させていった。スローンがコルサントへの攻撃の際に彼の身柄を完全に拘束すると、ついにスボースは独自に動き始めるのだった。彼はウェイランドのタンティス山に戻り、そこで新しいクローン製造計画を指揮していたコヴェル将軍を殺害した。そして原住民たちに築かせた居城に立てこもったのだ。スローンはおよそ20名からなる厳選した兵士たちからクローンを製造していた。これはスボースにとって、たった20個の心を制御しさえすれば、強大な軍隊を自分のものにできるということを意味していたのである。
ちょうどそのとき、新共和国もスローンのクローン計画を察知し、タンティス山に襲撃部隊を送り込んでいた。このチームにはルークとマラ・ジェイドも含まれており、スボースもマラを有望な弟子になると見込んでいたのだった。ルークをダークサイドに転向させることができないと悟ったスボースは、恐ろしく歪んだ武器を解き放った。ルークのクローン、ルウク・スカイウォーカーである。スボースはタンティス山に保管されていたルークの切断された右腕を発見し、その細胞組織を使って彼のクローンの製造を命じていたのだ。ルークは自分の分身と向き合うことになったが、最終的にルウクを倒したのはマラだった。
ルウクが倒れると、スボースは完全に自制心を失った状態に陥り、激昂によってフォースのダークサイドに包み込まれた。そして怒りとフォースの嵐が吹き荒れ、隙を見せたとき、スボースはマラによって倒されたのだった。
パルパティーン皇帝に仕える数多くのダークサイドの戦士たちの1人であるセドリスは、ジェレクやマラ・ジェイドとは異なり、皇帝の死後も彼への忠誠を捨てなかった数少ない忠臣の1人でもあった。彼は帝国軍の兵役に加わろうという野心こそ特に持たなかったが、フォース・ユーザとしての資質に恵まれた若き傭兵である。当時、帝国のあらゆる組織がセドリスを招き入れようと努力していたが、彼自身は傲慢で暴力的であり、あらゆる権威に対して反抗的だった。そのため、彼は帝国の尋問機関のメンバーから密かに連れ出された際に、数人の帝国軍高官を殺害し、その罪によって処刑を宣告されることになる。そして、セドリスは皇帝の前に引き出されるが、皇帝は彼に、自分を殺したいかと尋ねただけだったという。
皇帝はセドリスの心の中を覗き込み、彼の問題の核心部分を取り除く独自の方法を見出した。セドリスは自分が簡単に殺せると分かっている相手を尊敬することができず、事実、軍内における上官のほとんどがその中に含まれていたのだ。そこで皇帝は彼に取引を申し出る。その内容は2人で決闘を行い、セドリスが勝てば皇帝の命を奪うことができるが、逆にセドリスが負ければ、盲目的な忠誠心を持って皇帝に仕えるか、あるいは想像を絶するほど恐ろしく、長時間にわたる不名誉な苦しみを味わいながら死ぬというものだった。ひ弱な老人を前に勝機を確信したセドリスはこの取引に同意するが、結果は皇帝の圧倒的な力の前に一瞬にして地に叩き付けられてしまうことになる。セドリスは自分が皇帝に敗北したことを認め、合意内容を尊重することを誓った。だが、皇帝は戦いをやめなかった。セドリスは肋骨を粉々にされたことに気づき、改めて皇帝への忠誠を誓う。しかし、それでも皇帝は攻撃の手を緩めず、セドリスは自分の心臓の鼓動が遅くなり、ついには停止してしまうと感じていた。彼は忠誠を懇願し、最後の力を振り絞って立ち上がる代わりに膝まづいた。そして、セドリスは皇帝を自分の上に立つ真の上官として認めたのである。
セドリスは皇帝のもとで広範囲におよぶ訓練を積み、皇帝自らが権力を行使しているかのように見せるべく、フォース能力を発達させる方法を学んだ。そしてその間ずっと、彼は皇帝が自分にどのような役割を用意しているのかを考えていたのだった。しかし、皇帝は目的を一切明かそうとはせず、ついにはそのままエンドアの戦いで死亡してしまう。その後、セドリスは自分と同様に帝国に仕えていた多くのダークサイドの達人たちと共に、ディープ・コアの惑星へと撤退していった。そこで彼はビィスの防衛軍を監視する任務に就くが、強力な指導者が不在のため、他の軍司令官たちは帝国の支配権を巡って互いに争い合っていた。しかし、セドリスはパルパティーンの帝国が不滅であることを知っており、ビィスにある皇帝の施設を、パルパティーンに忠誠を誓う者たちの支配下に残しておく必要があることを認識していたのである。
そして5年後、クローンとして蘇ったパルパティーンはセドリスの献身を賞賛し、彼を7人のダークサイド戦士たちからなるダークサイド・エリートの指導者として、エグゼキューターの称号を与える。彼の役目は、皇帝が再び長期にわたって不在となったときに備え、彼のクローン体を安全な状態に保つことだった。セドリスは、帝国内に不穏分子が存在し、彼らがビィスにある皇帝のクローン培養装置の制御を奪うことで、パルパティーンの復活を阻止しようと考えていることを突き止めていたのだ。さらにこのとき、皇帝は彼をシャドウ・ハンド計画の責任者に抜擢している。この軍事計画の目的は、最新型戦闘兵器を使用した一連の電光石火の攻撃によって帝国を取り戻すことだった。この攻撃にはバルモーラのような帝国に反抗的な惑星が選ばれ、標的となった惑星がかつてのセドリスのように皇帝への服従を求めて膝まづくまで続けられるのだ。
やがて皇帝は、ちょうど彼自身が予言したとおりに、新しい肉体から別の肉体へと転移することを強いられていた。そして、彼の古い肉体が旗艦<エクリプス>上で滅ぼされたとき、セドリスはダース・ヴェイダーのかつての居城、ヴジャンのバスト城に入る。彼はそこからマスターの再復活に備えてダークサイド・エリートの準備をしつつ、シャドウ・ハンド計画を実行に移していたのである。その後、強力な新型兵器を手に入れ、兵器工場の実権を掌握したセドリスはビィスへと戻り、皇帝配下のダークサイドの達人の中に裏切り者がいることを発見する。彼らは皇帝が残したクローンを破壊しようとしていたが、1体のクローンを見逃したことに気づいていなかった。このとき皇帝は既に二度目の復活を遂げており、セドリスは破壊工作をしていた2人の裏切り者、ネフタとサ=ディを切り捨てる。そして、彼は皇帝から新たなる命令、すなわちルーク・スカイウォーカーを捕らえ、ビィスへ連れてくるという任務を与えられたのだった。
セドリスはルークともう1人のジェダイ・ナイト、カム・ソルサー(彼もかつてはダークサイドの達人の1人だった)を追跡し、かつてジェダイの要塞として栄えた、今では荒廃している惑星オッサスへとたどり着く。ルークはこの惑星で古代ジェダイの工芸品を回収したいと望んでいたが、それらを発掘する前にセドリスとの対決を迫られた。だが、ルークはフォースの統制によってセドリスを圧倒し、窮地に立たされたセドリスはオッサスの女性戦士ジェム・イザーナを人質にとる。しかし、永い眠りから覚めた樹木のような姿の古代ジェダイ・マスター、ウード・ブナーの活躍によって、人質は無事救出されるのだった。ブナーはオッサスの崩壊を生き延び、およそ4,000年にわたってジェダイの宝物を守るべく、この場に立ち尽くしていたのである。ダークサイドの戦士の出現によって覚醒したブナーは、破壊的なフォース・エネルギーの閃光を発し、自らと共にセドリスを滅ぼしたのだった。
パルパティーン皇帝の愛人の1人とされるロガンダ・イズマレンは、息子のイリク・イズマレンをパルパティーン自身の息子だと語っていた。だが実際には、イリクは彼女と帝国統治評議会の一員だったサーケヴ・クエストとの間に生まれた子供である。幼いころから強いフォースに恵まれていたイリクは、ナスドラ・マグロディによって脳にAIチップを移植されたとき、母によってその能力をさらに増幅させられた。このチップによって、彼は実践的観点からも、フォースの能力に関しても同様に、素早く熟練した状態に到達したのだった。
亜電子変換チップが脳内に移植されたのは、イリクが5歳のときのことである。そして、7歳になるまでには、彼は正式なフォースの訓練を開始していた。13歳のときは、望めば物理科学の上級課程の学位も容易に取得することができただろう。だが、彼はただ1つの目的、すなわち見捨てられた<アイ・オブ・パルパティーン>を回収するためだけに育てられたのである。長く皇帝に仕えていたロガンダは、この船を復活させるためにはフォースで船との接触を実現させる精神力が必要であることを認識していた。そのため、彼女は自身を成功へと導く道具として息子を利用したのである。イリクはフォースを通じて機械を制御する能力を身に付けており、彼女は息子がこの能力を使って<アイ・オブ・パルパティーン>をベルサヴィスに召還することを望んでいた。だが、イリクの能力はまだ未熟であり、彼は自分がその基本構造を記憶し、理解している物しか制御することができなかった。たとえ基本的な部分であっても変更があれば、彼はその物体を操作することができないのだ。やがて、ルーク・スカイウォーカーとその弟子クレイ・ミングラ、ニコス・マー、そして<アイ・オブ・パルパティーン>のコンピュータと精神を同化させていた旧共和国のジェダイ・ナイト、カリスタによって船が破壊されると、イリクは母と共にその場を逃れ、以後しばらくの間、姿を消したのだった。
ベルサヴィスでの戦いで衰弱していたイリクは抵抗することさえできず、母のなすがままにコルサントへと連れて来られていた。ロガンダは首都惑星のブルーネック地区と呼ばれる場所にイサラミリによって守られた地下研究所を作り、イリクの心と体に改造を加えていたのである。彼の骨と筋肉は限界を超えて成長し、さらに発達し続けることを余儀なくされた。やがてイリクは想像を絶する身長と体重へと成熟し、かつての面影を完全に失うことになる。脳内に移植されたAIチップもさらに高度化され、フォースのダークサイドとの結びつきを与える精神の深層に焦点を合わせることができるようになっていた。さらに、彼の肉体には、両手首、両膝、両肩に、収集したライトセイバーが埋め込まれており、さらなる制御力を維持するために与えられた移植片にそれらを接続させたのだった。
その後、イリクはロガンダに雇われた謎のダーク・ジェダイから武器の使い方に関する訓練を受けていた。そしてこの訓練の最中、彼は師であるダーク・ジェダイに激しい怒りを覚え、決闘の末、彼を殺害する。だが、この戦いでイリクは脳にライトセイバーを突き刺され、瀕死の重傷を負うのだった。そのため、ロガンダは改造の第2段階を開始させ、息子を脳死状態から回復させると共に、その精神を取り戻させることを強いられた。しかし、改造が完全に終わる前にイリクはその場から姿を消してしまう。正気を失った彼は母親を惨殺し、自分の身に起こったことに関する記憶も基本的な理性もないまま、コルサントの地下に広がる闇の世界へと逃亡していったのである。
その後も怪物と化したイリクはコルサントの迷宮内で殺戮を繰り返し、その姿を見た生存者たちから、コレリアの古い民間伝承に登場する亡霊の名にちなんでナイアックス卿と呼ばれるようになる。彼に埋め込まれたプログラムはまだ未完成だったが、ナイアックスはフォースのダークサイドと深い繋がりを保持しており、それによって必要な知識を容易に学ぶことができたのだ。そしてベルサヴィスの事件から15年後、ナイアックスはユージャン・ヴォングの手によって陥落したコルサントでも生き延びており、心の弱い生存者たちを支配するために精神操作を行い、彼らのエネルギーをユージャン・ヴォングの捜索に利用したのだった。また、彼は手袋や体の各関節に連結された何本ものライトセイバーの使い方も学んでおり、敵対する者たちから恐ろしい戦士として見られるようになる。さらに、ナイアックスはかつてコルサントにそびえ立っていたジェダイ聖堂の名残を発見し、その下から信じられないほどのフォース・エネルギーの存在を感じとっていた。彼はそのエネルギー井戸から力を引き出し、それをダークサイドに偏向させることによって、さらなる力の成長を実現させたのである。
ルーク・スカイウォーカーと彼の率いるコルサント潜入チームは、ナイアックスを発見すると、この暗黒卿が新共和国に対する更なる脅威となることを阻止するため、戦いへと突入する。彼らもライトセイバーを使って戦うことはできなかったが、岩や投石で彼を気絶させようという作戦は十分な効果をもたらした。ナイアックス卿は両足と背中に切り傷を負い、ジェダイ聖堂の下の穴へと落ちていく。そして、穴の中で瀕死の状態となった暗黒卿は最後の力を振り絞って可能な限りのダークサイド・エネルギーを集積し、穴からそれを解き放った。大量の砕石が空へと噴出し、それらがコルサントの地表へと降り注ぐ。やがて落石が収まったとき、ルークはナイアックスの肉体が滅んでいるのを発見した。だが、この巨大な生物の持つダークサイドのエネルギーは、いつまでもその場に漂い続けるのだった。
パルパティーン皇帝の内妻の1人であり、「皇帝の手」と呼ばれる密使たちの1人でもあったロガンダ・イズマレンは、皇帝の政敵から情報を引き出すために女性特有の武器を駆使していた。子供のころ、彼女は帝国の調査官アミーザ・ダリスによってベルサヴィスの隠れ家を追い立てられ、そのとき目の前でダリスに兄レイガンを殺害されたのだった。ロガンダはこのときから生き延びるために自身の力を十分に蓄えることを誓い、更なる力を得るために自分の女らしさを最大限に利用することを学んだのである。
レイア・オーガナ・ソロも、初めて元老院の会合に出席した際にロガンダと顔を合わせたことがある。そしてエンドアの戦いの8年後、レイアは夫のハン・ソロと共にジェダイの子供たちの隠れ家を調査するためベルサヴィスを訪れ、プラワルの街でロガンダと再会した。ロガンダはある程度のフォース感知能力を持っており、プレット・ウェルの子供たちの1人となっていたが、後にそのフォースの強さをパルパティーン皇帝に認められ、マラ・ジェイドと同様に皇帝の手の1人として抜擢されていたのである。彼女は帝国の崩壊後7年間ベルサヴィスに隠れており、その間、反パルパティーン派による銀河系掃討から逃れてきたのだとレイアに主張する。彼女は息子を亡くし、今は果樹園で仕事をしているのでそっとしておいてほしいと懇願した。だが、レイアはロガンダの青白い肌と黒髪をはっきりと覚えており、彼女の嘘を見破ったのだった。
ロガンダの15歳になる息子イリクは生きており、フォースのダークサイドを訓練することで確実に力を付けていた。さらに、彼はナスドラ・マグロディ博士の手によって脳にAIチップを移植され、フォースであらゆる機械を制御する能力を身に付ける。ロガンダがベルサヴィスに潜伏していた本当の目的は、密かに息子を訓練させることだったのだ。また、ロガンダは資金を集めるためにかつての帝国での人脈を使い、セネックス・セクターの貴族たちと軍事同盟を結んでいた。同時に、この惑星は見捨てられた巨大戦艦<アイ・オブ・パルパティーン>が最初に攻撃するようプログラムされた場所でもある。彼女はイリクの能力を使ってこの戦艦を回収し、制御させることで、新共和国から銀河系を奪回し、帝国を再興させようと考えていたのである。イズマレン親子は真実を知ったレイアを監禁し、邪悪な計画を実行に移したのだった。
しかし不運にも、彼女の計画はルーク・スカイウォーカーによる<アイ・オブ・パルパティーン>の破壊工作を想定していなかった。彼は艦内に幽閉されていた旧共和国のジェダイ・ナイト、カリスタ・ミングの助けを得て、この巨大戦艦を破壊することに成功する。ロガンダとイリクは爆発前に辛くも脱出し、コルサントへと逃れたのだった。
その後、インペリアル・シティのブルーネック地区に作られた研究施設で、ロガンダはイリクの体と精神を改造する危険な実験を開始する。彼女はイリクの若い肉体からフォースを使う改造人間を作り出し、新共和国を倒すための切り札にしようと考えていたのだ。ロガンダは息子の成長を加速させる技術を使い、さらにフォースのダークサイドとの結びつきを強化して、彼の肉体を慎重に隠していた。同時に、彼女は仲間のダーク・ジェダイの協力を仰ぎ、イリクにジェダイとしての戦闘訓練も与えていたのだった。このとき、彼女は研究所の周辺に捕らえてきたイサラミリを配置し、強大なフォースを遮って新共和国のジェダイたちから自分たちの存在を隠していたのである。
しかし、ほどなくしてロガンダを悲劇が襲うことになる。彼女の改造計画が完成することなくイリクは次第に精神を崩壊させ、自分の状況を把握できなくなっていた。もはや彼に自制心はなく、彼を動かしているものはダークサイドの激しい怒りだけだったのだ。憎悪に駆られたイリクは研究所の大半を破壊し、母ロガンダを殺害する。こうして正気を失った暗黒卿がコルサントの地下都市へと放たれたのだった。
ヘスリアは極めて深い見識を持ったフィレーレオである。彼は金色、銅色、茶褐色の縞模様を織り成す長髪を生やしており、青白い肌、二重まぶたの黒い目、四角い顔をしている。かつてヘスリアは故郷フィレーレの指導者的な立場にまで上り詰め、人々に近隣惑星の植民地化、あるいはそうした惑星への侵略の重要性を説いた。しかし、フィレーレオは未だハイパードライブ・テクノロジーを持っておらず、したがって、冷凍睡眠装置を装備した宇宙船を送り出すことしかできなかったのだ。
やがて、ヘスリアはリラオと恋に落ち、ついには結婚するに至った。そして、パルパティーン皇帝の非人間蔑視政策によって帝国がエイリアンへの迫害を開始すると、亜人間と認定されたヘスリアとリラオはダース・ヴェイダーの影響下に置かれるようになる。だが、ヴェイダーはヘスリアのフォース感知能力に気づき、彼とリラオの2人を密かにダーク・ジェダイの訓練生として匿った。2人はヴェイダーの弟子として修行に励み、ダーク・ジェダイとなるための訓練の一環として、ヘスリアは特徴的なライトセイバーを組み立てる。それはある回線を繋げるためにフォースを使うことが要求され、そうした場合にのみ起動できるというものだったのだ。
また、ヴェイダーは2人に子供が生まれれば、その子も両親と同様に強いフォースを持つことになるだろうと考えていた。だが、完全にダークサイドを受け入れたヘスリアは、植民船の航行計画を帝国に提供し、帝国がフィレーレを生物兵器の実験で滅ぼすことを黙認することで、結果的に故郷とそこに住む同胞たちの虐殺に加担する。こうした非情な行為によって、ヘスリアはヴェイダーと同様に帝国内における地位を確固たるものとするが、その一方で治癒者としてライトサイドに留まったリラオは2人の計画に激しく反発し、子供を密かに身ごもったまま夫のもとを離れるのだった。やがて、ヴェイダーはヘスリアを帝国の司法長官に任命し、彼はその残虐な行為によってさらなる悪名を得たのである。
その後、ヴェイダーがクリシア探査ステーションの監督官としてヘスリアを指名すると、彼はこの科学施設を刑務所へと転用し、囚人たちへの冷酷な虐待を開始する。このとき、囚人たちの苦痛によって生じたフォースの歪みと、ステーションの近傍に存在する結晶化した恒星によって引き起こされた時空の歪みによって、この銀河系にワルーと呼ばれる奇妙な生物が出現した。だが、ヘスリアはワルーに取引を申し込み、彼を故郷の銀河系に戻す手伝いをすることと引き換えに、フォースを凌駕する絶対的な力を要求したのだった。ワルーをもとの銀河系に戻すには大量のフォース・エネルギーを消費させる以外に方法はなく、そのためにヘスリアは多くの囚人たちを生贄として捧げることになる。
そしてエンドアの戦い後、帝国が崩壊すると、ヘスリアは密かに帝国の再興を計画し、長期にわたって姿を消していた。彼は無数の貨物船を拿捕して子供たちを誘拐すると、フォース能力のある子供をダーク・ジェダイとして修行させ、フォース能力のない子供たちは奴隷として売りさばいていたのである。やがて、彼はこのような貨物船の中でリラオを発見し、何も知らない幼い息子タイグリスと対面する。だが、タイグリスは期待に反してフォース感知能力を持っていなかった。そのため、彼はヘスリアに個人的な奴隷として取り上げられ、一方で、リラオは遭難したフィレーレオの植民船の1つに置き去りにされるのだった。彼女は後にレイア・オーガナ・ソロによって救出されるまで、冷凍睡眠状態のまま宇宙を漂流することになるのだった。
その後、クリシア・ステーションの異変を調査するためにハン・ソロの一行が訪れると、ヘスリアは彼の3人の子供たちのフォースの強さを見抜き、この子供たちであればワルーを故郷の銀河系へ戻すことができると確信する。そのため、彼はジェイナ・ソロとジェイセン・ソロ、そしてアナキン・ソロをムント・コドルーで誘拐したのだった。だが、ヘスリアの計画は、クリシア・ステーションに新共和国軍が到着したことによって起こった一連の出来事によって打ち砕かれた。真実を知ったタイグリスによって誘拐された子供たちは解放され、ついにはヘスリア自身がワルーによって吸収されてしまったのだ。彼の生命は、この恐ろしい生物をもとの銀河系へと戻す力となったのである。
ルーク・スカイウォーカーは新世代のジェダイ・ナイトの育成を引き受けたが、オビ=ワン・ケノービの悲劇的な言葉は長期にわたって彼の頭から離れずにいた。オビ=ワンのように強力で天分のあるジェダイ・ナイトでさえ失敗し、ダース・ヴェイダーのような憎悪の象徴を生み出してしまったのである。これは恐ろしい事実だった。しかし、スカイウォーカーは何年にもわたって弟子たちを訓練し、いつからかこのような心配を払拭していたのである。彼の成功は疑いようのない事実だが、オーダー再建の道のりのなかにはライトサイドからこぼれ落ちていった者たちの悲劇的な例も存在しているのだ。
ブラキスもその1人である。ブラキスは輝く金髪、澄んだ青い瞳、滑らかな肌をした大変美しい青年だった。かつて帝国軍がムストを占領したとき、皇帝はフォースに敏感な子供だったブラキスを発見すると、彼を母親から奪い去り、帝国の宗教裁判官の保護下においたのだ。彼は皇帝の精鋭の1人として仕える資格を得ることはできなかったが、宗教裁判官たちによって個人的な武器へと作り変えられたのだった。
彼が隔離された教育を受けている間に、銀河系の体制は大きく変化していた。帝国はパルパティーン皇帝の死とエンドアにおける艦隊の敗走によって崩壊の第一段階を迎え、その後もコルサントを失い、新共和国の樹立が宣言されたのだ。クローンとして蘇った皇帝による共和国殲滅のための反抗計画もあったが、それも結局は失敗に終わってしまう。しかし、ルーク・スカイウォーカーによってヤヴィン4にジェダイ・アカデミーが設立された頃にも、ごく僅かな宗教裁判官たちが生き残っていたのである。
ブラキスのマスターは彼にもっともらしい経歴を与え、ジェダイ・アカデミーに送り込んだ。その目的はダークサイドの門弟を潜入させることによって、アカデミーを不穏な状態に陥れることだった。だが、ルークはブラキスを受け入れ、彼の偽りの経歴を見抜く。ルークはブラキスの使命を完全に把握していたが、彼は大きな可能性を秘めており、胸の内にはまだ善の心が残っていたのである。ルークはブラキスをダークサイドから連れ戻そうと努力するのだった。
ブラキスはルークの教えに基づく集中的なジェダイ訓練を受けた。だが、彼は内に秘めた暗黒と直面し、遭遇した邪悪な力によって精神を打ち砕かれる。そして彼はそれを恥じらい、アカデミーを去っていった。その後、逃亡したブラキスはやはりかつてルークの弟子だったもう1人の堕落したジェダイ候補生、怒りに満ちた若者ドルフ(このときはクウェラーと名乗っていた)と出会う。ブラキスはドルフの新共和国に対する恐怖の計画に加担するのだった。彼は衛星テルティのドロイド製造工場で、銀河系各地のドロイドに組み込まれる無数の爆弾の製造を監督していた。そしてこれらのドロイドが新共和国元老院で爆破テロを起こしたのである。
やがてドルフの計画は失敗し、彼自身もレイアによって射殺されるが、ブラキスは自分の起こした惨劇に対する罪悪感に悩まされ、テルティから逃走した。彼はコアの中心部へと逃れ、帝国軍の大将軍たちと再び同盟を結ぼうと試みる。しかし、銀河系は再び大きな政変を迎えようとしていた。新共和国と残存帝国軍が歴史的平和協定に調印したのである。
長期にわたる戦争は終わったが、コアには暴力の灯を消すまいとする勢力が存在していた。悪あがきを続ける大将軍たちが第二帝政の名のもとに再集結し、コルサントの軌道上にその要となるシャドウ・アカデミーを設立したのだ。これはブラキスの指導のもと、新世代のダーク・ジェダイを育成するための宇宙ステーションだった。幻滅を抱くフォース感知者やダソミアの闇の魔女たちを集めたシャドウ・アカデミーは、新共和国とルークのジェダイ・オーダーに対して攻撃を開始する。若きジェダイ・ナイト、ジェイセン・ソロとジェイナ・ソロも、幾度となくシャドウ・アカデミーとの戦いに参加することになる。
そしてパルパティーン皇帝が第二帝政を指揮するために再び蘇ると、ブラキスは喜んで真のマスターの支配を受け入れた。彼はシャドウ・アカデミーが新共和国を征服し、ジェダイ・オーダーを打ち負かせると信じていたのだ。しかし、弟子たちは次々とジェダイに敗れ、そしてブラキスを裏切っていった。窮地に立たされたブラキスはパルパティーンに指示を求めるが、彼はマスターが実在していないことに気づくのだった。蘇った皇帝は、ブラキスを操るために4人の元ロイヤル・ガードによって造られた虚像だったのである。
怒りに満ちたブラキスはフォースのダークサイドの力で3人の元ロイヤル・ガードを瞬時に殺害する。最後の1人はシャドウ・アカデミーの自爆装置を起動させ、宇宙ステーションからの逃走に成功したのだった。結局、ブラキスは脱出に間に合わず、シャドウ・アカデミーと共に爆死したのである。
辺境の惑星アルマニアに暮らすドルフという名の少年は、ある程度のフォース感知能力を持っていた。だが、銀河系がスローン大提督の脅威に直面していたとき、アルマニアはジェハーと呼ばれる残忍なエイリアン種族の政府によって支配されており、アルマニアンたちは厳しい弾圧に苦しんでいたのである。このような状況のなか、若きドルフはヤヴィン4のジェダイ・アカデミーへと旅立ち、ルーク・スカイウォーカーのもとでジェダイとなるべく訓練を開始する。彼が故郷からの残酷な知らせを受けたのは修行の開始から1年も経たないうちのことだった。ジェハーがドルフたちの村を破壊し、彼の両親を連れ去ったというのだ。ドルフは修行を放棄し、急いで故郷へと戻るが、彼を待っていたのは両親の死だった。ジェハーは彼らを柱に縛りつけ、政府宮殿の外にある真夏の太陽に焼かれた灼熱の荒野に放置していたのである。ドルフの両親は飢えと脱水症と日射病に苦しみながら、1週間掛けて死んでいったのだった。
ドルフは故郷での惨劇を決して忘れることはなかった。さらに、プラキシウムを途中で脱退した数少ない訓練生の1人となってしまった彼は、フォースの持つ危険な一面を十分に理解していなかった。ドルフはフォースのライトサイドやダークサイドの存在を信じておらず、これらはジェダイが弟子たちの行動を制限するために使用する説明的な概念に過ぎないと考えていたのだ。ダース・ヴェイダーがライトサイドに帰還した理由も、ドルフに言わせれば、他に生きる目的がなかったからということでしかない。しかし、皮肉にも彼自身が両親を失った怒りと悲しみによって狂気に取り付かれた状態となり、フォースのダークサイドに深く陥ってしまったのである。
ダーク・ジェダイと化したドルフは圧倒的な力で自身を守る大規模な軍隊を組織し、無慈悲な男として知られた太古のアルマニア軍の将軍、クウェラーの名を名乗るようになる。そして、クウェラーはジェハーに戦争を仕掛け、数ヶ月におよぶ戦いで徹底的に彼らを弾圧したのだった。このとき、彼はジェハーの寺院の残骸からヘンダニンのマスクを発見すると、それを好んで着用するようになり、銀河中から同様のマスクを集め始める。また、彼は自分と同じように堕落したジェダイ、ブラキスと接触し、計画の第2段階を開始した。クウェラーはブラキスの心の傷を癒すことと引き換えに、彼を道具として利用し、衛星テルティのドロイド工場を任せたのである。
クウェラーがジェハーを打ち破るのに使用したドロイドたちはブラキスが製造したものであり、それらには遠隔制御が可能な爆弾が仕込まれていた。これらのドロイドは2年間にわたって製造され続け、惑星内全域に広く行き渡っていたのだ。クウェラーはある特別なときにドロイドたちを一斉に爆発させ、指導者たちを除くすべてのジェハーを殺害する。そしてクウェラーに捕らえられた指導者たちは、復讐として彼の両親と同じく1週間におよぶ拷問に掛けられたのだった。続いて、クウェラーはアルマニアの裕福な衛星パイダーの住人を全滅させるためにも同様の作戦を実行に移した。こうした血の粛清によって何万人もの支持者を集めたクウェラーは、さらなる権力を得るために銀河系の支配をもくろみ、次なる標的として新共和国に目をつけたのである。
クウェラーは、新共和国が航法制御コンピュータとして新型Xウィングに特別装備させたドロイドたちの中に、爆弾ドロイドを紛れ込ませた。彼はスマグラーズ・ランに潜伏する一連の密輸業者たちと接触し、彼らを利用して爆弾を搬送していたのである。彼は首尾よく元老院議事堂の爆破に成功し、フォースを通じてレイア・オーガナ・ソロを震撼させるのだった。そして、新共和国がクウェラーが爆破テロの犯人であることを突き止めると、彼はルークを捕らえ、レイアに新共和国の降伏を要求する。だが、レイアは元首の座を降り、自らアルマニアへと向かうのだった。クウェラーは脱出したルークと対峙し、レイアを捕らえようとする。しかし、ハン・ソロが運んできたイサラミリによってクウェラーはフォースから切り離されてしまい、さらにC-3POとR2-D2の活躍によってドロイドたちが作動停止状態になったことで、彼の邪悪な計画は打ち砕かれた。レイアはブラスターでクウェラーの頭部を撃ち抜き、恐怖の支配に終止符を打ったのである。