恐怖による支配という悪名高きターキン教義を掲げたパルパティーン皇帝の恐るべき従者ウィルハフ・ターキンは、彼自身の最も野心的な計画と共にこの世を去った。事実、ヤヴィンの戦いにおける彼の死は、彼の構想によって造られたデス・スターの崩壊と同じく同盟軍の延命にとって重要な出来事だったのである。
辺境に位置するセスウェナ・セクターの狡猾で野心的な支配者だったターキン総督は、贈賄や買収の蔓延する選挙であらゆる権力を手中に収めたパルパティーン皇帝と新秩序に対する熱烈な支持者であり、参謀の1人でもあった。帝国の増税に反対し宇宙港で座り込みの抗議をしていたゴーマンの人々の大量虐殺は彼の帝国への忠誠心と共にその悪名を銀河全体に轟かせたのである。彼は帝国軍に独自のターキン教義を浸透させ、セスウェナ・セクターの惑星エリアドゥで自らの地位を総督からモフへと昇進させていった。
ライロスに帝国宇宙軍の補給基地を建設したとき、モフ・ターキンは若き科学者トール・シヴロンと出会った。同時に彼は技師としての資質に富むといわれるオムワットの子供たちを集め、数々の英才教育を施していたが、なかでも最も成績のよかった少女が当時10歳だったキウイ・ズークスである。
ついに初代グランド・モフとなったターキンはアウター・リムのほぼ全域を統括する権限を与えられた。その後、彼は帝国宇宙軍の美しい女性将校ダーラと出会い、フェラリオンに気品高い妻がいるにも関わらず2人はしだいに心を通わせるようになったのである。2人が愛人関係となると女性蔑視の風潮がある帝国軍の中でターキンは内密に彼女を提督に昇進させ、皇帝にもその存在を隠していたモー研究所の護衛任務に就かせた。ケッセル近傍のブラックホール群の中にあるモー研究所には彼が育て上げた多くの科学者たちが集められ、後に彼が行うことになる大量殺戮のための超兵器の研究開発を行っていたのである。主任技師ベヴェル・レメリスク、キウイ・ズークスらによって設計されたデス・スターもその1つだった。
ホラズ星系の惑星デスペイアの軌道上でデス・スターの建造が始まってからも、ターキンは愛するダーラと会うために何度かモー研究所を訪れていた。その間にも彼は残った科学者たちにデス・スターをも凌ぐような超兵器の開発を要求し続け、9年間の猶予を与えたのである。彼はダーラにしばしの別れを告げたが、2人が再会することは二度となかった。
最初に予期せぬ出来事が起こったのはエリアドゥの総督官邸にデス・スター完成の報告が届いた直後のことだった。彼の旗艦が反乱軍の奇襲を受け、有能な奴隷だったモン・カラマリのアクバーを連れ出されてしまい、さらに別のグループに攻撃されたモッティ提督のスター・デストロイヤーからはデス・スターの設計図が盗まれてしまったのである。この失態は怒り狂ったターキンにデス・スター最高司令官としての最初の衝動を与え、ホラズの流刑植民地がスーパーレーザーで滅ぼされてしまったのである。
デス・スターがなかった頃の帝国軍はそれほど力があるとは言い難かったが、それでも銀河を震撼させる恐ろしさは十分に備えていた。しかし、その一方でターキン自身は不満だったのである。デス・スターの建設は彼の決断と策略によって行われ、自らがその最高司令官となったのもひとえに彼の軍事的才能によるものだった。彼にとってデス・スターは破壊と恐怖をもたらすための超兵器であり、オルデランが帝国と皇帝の権威を安泰とさせるための見せしめとなったのも彼の決断によるものだったのである。
実際にデス・スターによる強大な軍事力を背景にターキンが皇帝に匹敵する力を得ることになったのも事実だった。皇帝の側近としてグランド・モフの地位をつかんだ彼は、次第に次の皇帝の座を狙うようになったのである。モッティ提督も彼に強くクーデターを促していた者の1人だった。そして、このことを察知した皇帝は彼への監視役としてダース・ヴェイダーをデス・スター作戦に加えていたのである。
一方で、ターキンは戦いの最中でも元老院議会の席でもただならぬ雰囲気を漂わせる興味深い男だった。彼のカリスマと存在感にはダース・ヴェイダーの鉄の意志さえ揺れ動かすものがあったのは疑いようのない事実であり、多くの側近をヴェイダーのフォースによる死の裁きから救っていたことさえもあったのである。
モッティ提督やタッグ将軍を始めとするターキンのデス・スター作戦補佐官の顔ぶれは、帝国内でも並ぶものが無いほど凶悪なものだった。それゆえ、これだけの帝国の有能な軍人を都合よく一掃できたことは、同盟軍にとって願ってもない幸運だったのである。ヤヴィンの戦いにおけるデス・スターの崩壊は、辺境の帝国軍を官僚主義的な混沌へと導いた。ターキンに反対していた勢力がその権威を奪回するという壮大な野望を抱いていた一方で、残された彼の部下たちは指導者のない空白の時代の中で残存勢力の奪い合いを余儀なくされていたのである。そして、この内部闘争は結果的に同盟軍にヤヴィンから撤退させる時間を与えてしまうことになった。
ターキンは視野に富み、冷酷さと権力を兼ね備えた優秀な軍人であり、彼の思想は新秩序の形成と銀河への浸透に大いに役立っていた。しかし、邪悪の天才とも言われた彼の死によって銀河はつかの間の平穏を得ることができたが、帝国と皇帝にとっては決して致命傷ではなかったのも事実だった。後に皇帝が滅んでからも天才的な軍指導者の出現によって銀河の平和が脅かされたのはスローン大提督の例を見ても明らかである。
帝国軍の多くの成り上がり将校の1人だったコナン・アントニオ・モッティは、帝国に対して極めて献身的な男だった。彼が多くの命令を出せる立場にあったことは事実だが、そのほとんどは決まりきった社交辞令的なものであり、これは彼が自らの経歴と同じように過大評価されているだけの存在だったことを意味している。
モッティの忠誠心に対して与えられた栄誉の1つは初代デス・スターの3人の司令官の1人に抜擢されたことだった。グランド・モフ・ターキン、タッグ将軍に次ぐ3番目の地位を与えられた彼は、グランド・モフの補佐と警護を務めることになったのだ。デス・スター計画への参加を命じられたとき、モッティは初めてダース・ヴェイダーと口論を交わすことになる。この計画におけるヴェイダーの立場は皇帝の相談役にしかすぎず、命令系統に属していなかったため、彼はヴェイダーを単なるターキンの使用人としてしか見ていなかったのだ。実際、神秘的なフォースについて語り、自分の発言を見下すヴェイダーは、彼にとって古代の魔法使い以外の何者でもなかったのである。
パルパティーン皇帝のデス・スター計画に対する隠れた援助によって、ターキンとモッティはこの計画の中心的役割を果たしていた。もはや2人に関わり合おうとする者はおらず、彼らの冷酷な野望は留まるところを知らなかった。事実、デス・スターの完成によってターキンが皇帝をも凌ぐ権力と軍事力を手中に収めようとしていたとき、モッティは彼にヴェイダーの抹殺と皇帝へのクーデターを助言していたのである。そのときこそターキンに叛意はなかったが、もしヤヴィンの戦いでデス・スターが破壊を免れていれば、ターキンが皇帝にとって代わっていたことは間違いないだろう。
モッティは軍と個人の力を強く確信しており、ヴェイダーとその法力にはまったく敬意を払っていなかった。彼にとって唯一絶対の存在は力であり、その力こそはデス・スターのようにテクノロジーの驚異を象徴したものだったのである。彼にとってフォースなどは古代の宗教やくだらない魔法でしかなく、ヴェイダーがフォースの教義を与えた後でさえ、モッティはその神秘的で無形の存在に対してかたくなな態度をとり続けたのだった。
カシオ・タッグ将軍はスパイスの採鉱によって絶大な富を築き上げ、帝国内で長年にわたって影響力を維持し続けた名家の出身である。軍人の道を歩んだ彼はパルパティーン皇帝に対して忠誠を誓い、主に防衛部門における偉大な戦略家としての名声を手にすると、やがてデス・スターの司令官の1人に抜擢された。グランド・モフ・ターキンがデス・スターの建設と運用を総括する傍ら、タッグは全システム機能と防衛設備の日常的な監視を行っていた。
ターキンはデス・スターの最高司令官として大規模な戦略計画を立案していたが、タッグは主に兵員のモラルの維持に責任を負っており、ターキンの計画を実際に実行に移す立場にあった。彼に関する医学的および心理学的記録は惑星カリダの医療保管センターにも保存されている。デス・スターの設計図が反乱軍の手に渡ったときの状況分析の内容からも、3人の司令官の中で最も現実をわきまえ、適切な判断を下していたのがタッグ将軍だったことは周知の事実である。
タッグの死の直前にホロネットを通じてコルサント在住の支持者宛てに送られた情報によると、彼は帝国元老院の解散を重大な疑惑として受け止めていたという。同時に、彼は当初から反乱同盟軍に深刻な驚異を感じていた数少ない帝国軍の高級将校の1人でもあった。反乱同盟軍を動かしているものは圧倒的な道義的要求から生じる良識であり、タッグは実際にそれが同盟軍に大規模な軍事力以上の力をもたらしていると確信していたのである。さらに、彼はデス・スターの表層を走る溝に致命的な弱点があることも発見していた。タッグにターキンのような説得力や、モッティ提督のような熱弁があれば、デス・スターが破壊されることもなく、逆に同盟軍は既に滅ぼされていたかもしれないのだ。
タッグは戦略上の計算高さを備えた優秀な将校だった。反乱軍の戦い振りを見せつけられて用心深くなった彼は、どんなに優れた計画であってもそれが遂行されるまでは決して動じない心構えを持っていた。しかし、より大きな権力を持つ将校たちは彼の意見に耳を貸そうとせず、むしろ皇帝の銀河支配において元老院制がいかに重要であるかを唱えたことによって、ターキンの信頼を失うことにもなったのである。
事実、ヤヴィンの戦いの最中、タッグはデス・スターの砲撃手をアルファベット順に配置するという愚かな作戦を展開している。不統一な砲撃は兵士たちの潜在能力を活かしきれず、これは結果的に敗北という最悪の事態に直結した。しかし、これはタッグの名声が間違いだったのではなく、彼の不遇に対する焦りによってもたらされた失敗だと指摘されている。
彼は指揮官としては優れた才能を発揮していたが、戦士としての訓練には乏しく、その結果を待ち受けていたのは無情な死だったのだ。もし彼により大きな発言力があり、皇帝に直接意見を唱えることができていれば、デス・スターと運命を共にすることもなく、帝国を勝利へ導いた英雄となっていたことだろう。
バストは初代デス・スターでグランド・モフ・ターキンの作戦参謀を務めた帝国宇宙軍の上級将校である。彼は子供のころから大きな獲物を相手に狩猟を楽しんでいたため、冷静かつ狡猾であり、経験的に敵の戦力を正確に予測する才能に長けている。事実、反乱軍の小型戦闘機がデス・スターにとって脅威となり得ることをターキンに忠告したのもバストだった。
カスはデス・スターでグランド・モフ・ターキンの副官を務めていた帝国軍士官である。彼はレイア姫の自白に伴ってダントゥイーンを調査していたが、この惑星には既に放棄された基地の痕跡が残されていただけだった。
白髪の老人ウルフ・ユレイレンはグランド・モフ・ターキンとパルパティーン皇帝との連絡役を務めていた帝国保安局の諜報員である。彼はそれが皇帝の意思であるならば、どんなことでも遂行することで知られている。彼のもう1つの任務は、デス・スターの乗員たちに皇帝への完全なる忠誠を保証させることだったのだ。
カリダの帝国アカデミーで育成されたプラージは、卒業時に大きな名誉を与えられた帝国宇宙軍の将校である。彼はダース・ヴェイダーの副官としてインペリアル級スター・デストロイヤー<デヴァステーター>に乗艦し、<タンティヴィIV>から初代デス・スターの設計図を回収する任務を与えられた。プラージはR2-D2とC-3POの乗り込んだ脱出ポッドに生命反応が無いことをヴェイダーに報告し、それを回収するためタトゥイーンにストームトルーパーを派遣する。
デイン・ジャー中佐は大胆さと率直さで知られる帝国軍将校である。彼は与えられた任務に対する高度な遂行能力を維持するため、一定の訓練と危機シミュレーションを欠かさない。ダース・ヴェイダーの副官を務めており、彼の旗艦<デヴァステーター>に乗艦している。
帝国軍情報部のエヴァックス参謀は敵艦隊の動きを予測する驚異的な才能を持っており、過去に無数の帝国軍基地を救っている。そのため初代デス・スターでも艦隊戦を想定した戦術を担当していたが、その才能を発揮する前にデス・スターの崩壊によって戦死してしまった。
カーギーはかつてインペリアル級スター・デストロイヤー<サンダーフレア>に乗艦していた帝国軍将校である。彼は<サンダーフレア>での任務の最中に墜落したシャトルから5人の士官を救助したことがあり、そのことを誇りに思っている。後にその勇敢な功績を称えられて昇進を果たし、初代デス・スターのドッキング・ベイにおける保安主任に任命された。<ミレニアム・ファルコン>がオルデラン星系で捕獲されたときも、カーギーはデス・スターのドッキング・ベイで任務にあたっていた。
タンブリス中尉は帝国軍の戦闘機パイロットだったが、重傷を負ったため現在は地上に配置されている。しかし、彼は優れた戦術家としての才能を発揮し、初代デス・スターに配備された戦闘機部隊の責任者に抜擢されている。
ポール・トレイダム中尉はラルティアの占領計画に従事していた帝国軍士官である。彼はこの作戦を通じて、同盟軍が帝国軍内にスパイを送り込んでいるという事実に恐怖を覚えるようになった。
ラルティアでの任務の後、中尉に昇進したトレイダムはデス・スターに配置される。彼はドッキング・ベイのガントリー士官に任命され、ドッキング・ベイにおける磁気フィールドの開閉、大気の管理、警備などを担当していた。しかし、<ミレニアム・ファルコン>が拿捕されたとき、トレイダムはコントロール室に乱入してきたチューバッカによって殴り倒されてしまう。
帝国軍将校のシャン・チルゼンは同僚たちからも弱い者いじめと酷評されており、ついには事務処理上のミスを上官に咎められ、降格されてしまった。彼は皇帝の新秩序が掲げる反エイリアン政策を熱心に信奉しており、保安将校を志したのもそのためだった。
初代デス・スターに配属されたチルゼンは、ルーク・スカイウォーカー、ハン・ソロ、チューバッカがレイア姫の救出に現れたとき、独房区画AA-23で指揮を執っていた。そして彼はそのときストームトルーパーに変装した侵入者たちによってブラスターで射殺されてしまう。
エンフィールド上級曹長は初代デス・スターの監房ブロックAA-23周辺の警備を担当していた帝国軍兵士である。彼はシャン・チルゼン中尉の部下として働き、デス・スター・トルーパーの1個中隊を指揮していた。
エンフィールド上級曹長の上級戦術顧問を務めるグレンウィック伍長は、初代デス・スターの監房ブロックAA-23で、ダース・ヴェイダーによるレイア・オーガナ姫への尋問に立ち会っていた。彼はこの監房ブロックにおける警備任務も担当している。
初代デス・スターに配属されたプレスコット伍長は、自ら監房ブロックでの任務を志願し、警備を担当している。彼は帝国司法局による囚人への尋問を見物することで、サディスティックな満足感を得ているのだ。
トレント軍曹は初代デス・スターで、この宇宙ステーションの司令センターの任務を監視していた帝国軍の上級監視将校である。彼は用心深い男として知られており、外部センサーの監視や周辺で活動する反乱軍艦船の監視にも余念がなかった。
デヴィン・キャントは初代デス・スターで監房区画AA-23の守備任務を与えられたエリート兵士である。彼らの着用するデス・スター・トルーパーの制服は、デス・スター作戦の失敗後、帝国宇宙軍に在籍する兵士たちの制服として正式に採用されることになる。
タジス・ダーミンは戦闘技術と武器の技能について訓練を受けた帝国軍のエリート兵士である。彼は初代デス・スターの重要エリアで衛兵を務めていた。
モド・テリック大尉は2体のドロイドR2-D2とC-3POを捜索するためタトゥイーンに派遣されたデイヴィン・フェルスや他のストームトルーパーの訓練を担当していた帝国軍将校である。テリックの露骨な頭脳は召集された部隊の中でも際立っていた。事実、帝国軍内部でも彼の積極性は高く評価されており、必要とあれば部下を犠牲にすることを厭わない非情な指揮官として知られていたのだ。
タトゥイーンに降り立ったテリックはデザート・サンド・ゼータ中隊の指揮官に任命され、ジャワのサンドクローラーやラーズ家への攻撃を実行した。そして、こうした非情な攻撃は、帝国の横暴に対して憤慨していた部下のフェルスを激怒させることになる。テリックが部下にハン・ソロと<ミレニアム・ファルコン>への攻撃を命じたとき、ついにフェルスはテリックを背後から射殺する機会を手にした。結局、彼の死は敵の反撃による犠牲として処理されたのである。
互いに区別のできない白と黒の装甲服に身を包んだ帝国軍のストームトルーパーは、帝国に絶対の忠誠を誓う恐怖の生きた兵器である。帝国軍によって完全なまでに洗脳された彼らは一切の感情を持ち合わせていないが、惑星タトゥイーンに駐留するデイヴィン・フェルスはある事件をきっかけにその感情を取り戻したのである。
他のストームトルーパーと同様に、デイヴィンは2ピースの黒の温度調整ボディスーツの上に白いプラスチール製の装甲服を付けている。この装甲服はエネルギー源や制御装置など合計で18の部品から構成されており、理論的にはブラスターによる攻撃にも耐えられるはずなのだが、実際にはそうはいかないようである。また、マスクには自動偏向レンズや呼吸フィルター、コムリンクなどが装備されており、腰のベルト部分にもサバイバル装備や非常食、非常用バッテリー、小型コムリンクなどが備わっている。
デイヴィン・フェルスが帝国軍に入隊したのは17歳のときだった。彼は他の兵士たちと同様に帝国のために働き、自分の能力を高めることを熱望していたのである。彼は帝国アカデミーでの訓練を楽しみにしていたが、カリダに到着後30秒でその期待は消え失せてしまった。それでも、6ヶ月間にわたって彼は同期生のジョフ・タフンズやマイケル・オロガットらと共に生きるために必要なこと、上官を満足させるのに必要なこと、ストームトルーパーになるために必要なことなどを学んだのである。
アカデミーでの生活には多くの困難があったが、デイヴィンは他の優秀な訓練生と共にヴィアーズ大佐のAT-AT部隊で特別訓練を受けることになった。
彼はAT-ATの訓練を修了した数少ないストームトルーパーの1人である。4機の戦闘機の襲撃を受けたとき、彼は恐怖を抑えて鮮やかな戦術を披露した。その直後、デイヴィンは撃墜した4機が訓練用のものだったこと、そして自分がヴィアーズ大佐に試されていたことに気付いたのである。大佐は彼を1人呼び寄せ、その戦術について質問した。そこで彼はAT-ATの設計上の欠陥を指摘したのである。
デイヴィンの優れた資質を認めたヴィアーズは、彼をストームトルーパー部隊に加えることを決定した。ストームトルーパー1023となった彼はタトゥイーンに配置され、サンドトルーパーの装甲服を身につけるようになったのである。モド・テリック大尉の指揮する偵察部隊ゼータに配属されたデイヴィンは、反乱軍の宇宙船から脱出した救命ポッドの回収を言い渡された。帝国軍のコンピュータがポッドのおおよその位置を掴んでいたため、彼らは数時間でそれを発見し、R2ユニットの一部を最初に発見したのはデイヴィンだったのである。
さらに砂漠を捜索していたゼータ部隊はジャワの巨大なサンドクローラーと遭遇した。彼らはその内部を徹底的に調べたが、目的のR2ユニットとプロトコル・ドロイドは見つからなかった。テリックがジャワの首領に尋問すると、既にドロイドたちはオーウェン・ラーズという農夫に売ってしまったというのである。テリックはジャワたちの殺害を命令し、これをサンド・ピープルの仕業に見せかけるため、サンド・ピープルの虐殺も行った。このときデイヴィンはひどく心を痛めていた。彼は罪のない生物を殺すために帝国軍に入隊したわけではなかったのである。
ラーズ家に到着した彼らは直ちにドロイドの捜索を開始したが、やはり見つからなかった。すると、突然の無法行為に激怒したオーウェンはテリックにつばを吐きつけたのである。その後何が起こるのかは、デイヴィンにもよく分かっていた。彼が止めようとしたにも関わらず農夫とその妻は虐殺され、彼らはモス・アイズリー宇宙港へと向かったのである。
市内のパトロールを命じられたデイヴィンはタルズのマフタックなどに尋問しながら上官のアリマ中佐と話し合っていた。その後、彼は仲間の1047と共に酒場の中を巡回していたが、店を出たとき1人のジャワが彼らを待ち受けていたのである。そのジャワは仲間の仇を討つため2人にブラスターを向けていたが失敗し、1047に射殺されてしまった。デイヴィンが帝国に疑問を抱き始めたのもこの頃からだったのである。
ついにドッキング・ベイ94でドロイドを発見したという知らせが入り、彼も現場へ急行することになった。貨物船の準備をしていた男とウーキーは彼らに応戦したが、敵に狙いを定めたテリック大尉は既に勝利を確信していた。しかし、デイヴィンは自分の人生を汚した上官を憎み、彼を射殺したのである。
貨物船が逃走した後、デイヴィンは新しい目的を抱いていた。彼は反乱軍が正しく、帝国軍が間違っていたということを悟り、反乱軍に情報提供する決意を固めたのである。もはやストームトルーパー1023ではなくなった彼はこうして気力を取り戻し、人生をやり直したのである。
「砕き屋ミゼル」の異名を取るDS-61-2は、ダース・ヴェイダーの射撃手として特別な訓練を受けたTIEファイター・パイロットである。ヤヴィンの戦いではヴェイダーの左翼射撃手としてブラック2に搭乗していた。彼のTIEファイターの機体には27個の炎が描かれており、各々がこれまでに撃墜してきた同盟軍の戦闘機を表しているのだ。また、制御ヨークには幼い息子レジーのホロも飾られていた。
「背撃者」の異名を取るDS-61-3は、ヤヴィンの戦いでダース・ヴェイダーの右翼射撃手としてブラック3に搭乗したTIEファイター・パイロットである。戦闘時の獰猛さには定評があり、彼のTIEファイターの機体にはコレリアン・スライス=ハウンドが描かれている。
「ダーク・カース」の異名を持つDS-61-4、フェニアは初代デス・スターに配属されたTIEファイター・パイロットである。彼はラルティアやカラマリなどの反体制派惑星への攻撃に参加したパイロットの1人でもあり、ダース・ヴェイダーに随行する2人の射撃手の交換要員でもあった。ヤヴィンの戦いではブラック4として出撃し、ルーク・スカイウォーカーのXウィングに攻撃を命中させる。しかし、彼はこの戦いを最後に軍から退役するつもりだったのだ。
新設された帝国軍の模範兵であるバロー・オイカン中尉は、初期のデス・スターを保護する任務を与えられたエリート宇宙軍特別部隊で、最初に士官として任命された兵士の1人である。オイカンは故郷への忠誠と、より大きな帝国の理想に対する忠誠の感動的調和を具体化したのだった。
クローン大戦勃発当時、ハンバリーン・セクターの重要宙域には共和国軍事評議会の下で組織された艦隊が配置されていたため、彼は故郷の防衛軍に入隊した。彼の故郷の惑星ハンバリーンは、度重なる分離主義勢力の攻撃によって破壊されてしまったのだ。下級士官だったオイカンは、欠陥だらけの共和国軍にあっても有効に働く卓越した戦略を編み出し、自身の価値を証明したのだった。
しかし、分離主義勢力による猛攻撃によって家族や多くの同胞の命が失われると、彼の共和国への信頼も弱まっていった。ハンバリーンはグリーヴァス将軍による大胆な攻撃を撃退しなければならない状況にも関わらず、物資が不足したままの状態で放置されていたのである。このとき彼は非効率的な官僚制度を目の当たりにしたのだった。オイカンは共和国が銀河系の平和と秩序をどのようにして維持するつもりなのか、理解することができなかったのだ。
結局、ハンバリーンは救助を試みるだけ無駄であると判断され、見捨てられてしまう。だが、オイカンの勇気は注目の的となり、彼はコルサント本営艦隊へと転属させられた。そして、コルサントでの休暇中、オイカンはハンバリーンを代表する元老院議員バーナ・ブリームーと交友を深めていった。2人は故郷の絶望的な状況について悲しみの言葉を共有したが、ブリームーはオイカンをハンバリーンの英雄であるとして称え、彼の精神を支えたのである。
分離主義勢力が大胆にも共和国首都を攻撃してきたとき、オイカンはこの戦いをグリーヴァスへの逆襲の機会と捉えていた。彼はドレッドノート<マス・ラムダー>に乗艦し、分離主義勢力の多数の戦艦を消耗させる重要な戦いで、砲術チームを指揮することになる。かつてハンバリーンの窮地は無視されたが、この戦いで彼の銀河政府に対する自由な忠誠は、上官たちに感動を与えることができた。コルサントの戦い後、オイカンは再び高級なポストに転属されたのである。
オイカンはジェダイの反乱に関する報告に懐疑的だったが、彼はパルパティーンが新秩序を宣言したという知らせを熱狂的に歓迎した。銀河系の各惑星に平和と秩序を再構築できるのは、強力な支配者の上に築かれた銀河帝国のみなのだ。オイカンはその強力な支配者となるヴェイダー、ターキン、そしてパルパティーンを賞賛し、帝国軍の司令階層に留まった。やがて、彼は提督の地位にまで昇進し、将来のストームトルーパー部隊のクローン・テンプレートになるという名誉を授かることになる。