ジェダイ公文書館の磨き上げられたホールには、莫大な情報貯蔵庫が存在している。この知識の管理人として従事していた人物が、ジェダイ公文書保管員のマダム・ジョカスタ・ヌーである。彼女は見た目こそひ弱な老婆に過ぎないが、活発な振る舞いと無骨な気性を併せ持つ女性だった。彼女の象られたローブには、知識と学習への献身を意味するアンサータの象形文字が刻まれている。かつて偉大なジェダイ・マスターだったジョカスタは、後に皇帝の手となるジェレクや、オリー・スターストーンなど、数多くのパダワンを訓練してきたのだった。
ジョカスタ・ヌーはジェダイ評議会に10年間在籍し、その後30年以上にわたってジェダイ公文書館の管理人を務めていた。彼女はドゥークー伯爵とも旧知の仲であり、彼を最も偉大なマスターの1人として強く尊敬していたのである。もはや前線で戦う戦士ではないが、ジョカスタは若き日の実戦任務の証として、公文書館の管理人になった後も自分のライトセイバーを携帯していた。さらに記録の管理者として貢献しながらも、彼女は任務を与えられたジェダイの機動部隊や戦士たちに向けた指示書の準備などを行っていたのである。
オビ=ワン・ケノービがパドメ・アミダラ元老院議員を狙う暗殺者を捜索していたとき、ジョカスタ・ヌーは彼にオーダーで大きな賞賛を浴びたかつてのジェダイ、ドゥークー伯爵に関する情報を与えてくれた。だが、彼女もケノービが捜し求めていた惑星カミーノに関する情報には頭を悩まされる。その惑星が公文書館の記録に存在しないので、ヌーは即座にカミーノが実在しない惑星であると断定したのだ。彼女はジェダイ公文書館のデータを強く信頼しているため、記録が改ざんされている可能性についてなど考えようともしなかったのである。これはジェダイの仕事の妨げとなる慢心のほんの一例にすぎない。
クローン大戦終結間際にダース・ヴェイダーによって行われたジェダイの大粛清のためのジェダイ聖堂襲撃事件の際、ジョカスタは可能な限り子供たちを助けようと努力し、彼らに評議会室へ隠れるよう言いつけた。そして聖堂に侵入してきたヴェイダーと対面したとき、彼女は勇敢にも青い光刃のライトセイバーを起動したのである。しかし、暗黒卿はジョカスタが聖堂のシグナル・ビーコンへのアクセスを拒むと、彼女をフォースで空中に吊り上げ、その胸を光刃で貫くことで即死させたのだった。子供たちを隠した彼女の努力も無駄に終わった。ヴェイダーは彼らを発見すると、無情にも一人残らず切り倒したのだ。その後、聖堂に帰還したオビ=ワンとヨーダは、変わり果てた姿となったジョカスタの遺体を目撃することになる。
銀河帝国が誕生したとき、皇帝の第一顧問を務めるセイト・ペスタージによって、ジョカスタ・ヌーの死が公式に発表された。彼女は帝国と市民に対する重大な脅威についての情報を隠匿した罪によって、処刑されたことになっている。
コールマン・カジはオングリーのジェダイ・マスターである。彼はクローン大戦の晩年、そしてジェダイ・オーダーの崩壊直前に、ジェダイ評議会のメンバーに抜擢されていた。
ジェダイ聖堂で修行する他のすべてのパダワンと同様に、ゼット・ジュカッサも幼い頃からジェダイ・オーダーに入門し、それまでの生活から隔離されていた。彼の両親は、息子がより恵まれた将来を手にすることを熱望し、遠く離れた危険な故郷の惑星から、ゼットをジェダイへと託したのである。そのため、ゼットはモン・ガザで鉱石取引業を営んでいる両親のことを何一つとして知らなかった。もちろん、7歳を迎えたとき、両親が残忍な殺人事件の犠牲者となったことなど、彼には知る由もなかったのだ。
だが、彼はフォースを通じて何か悪いことが起きたと感じていた。彼は新生児のときに両親と別れているため、両親との接点はごくわずかでしかなかったが、それでも彼らに対するぼんやりとしたイメージと感情を保持していたのである。その中にはとても詳細なものもあった。それは、彼がわずかに訪れたことのある惑星と、両親のことを知っている奇妙な人物に関する描写である。やがて、モン・ガザの鉱石取引業者の殺害について調査していたジェダイ・ナイト、ミアム・ウニルが、この少年による報告から、事件に関する不自然で鮮明なビジョンを聞くことになるのだった。
ゼットが潜在意識の中に価値ある手がかりを握っていることを知ったウニルは、評議会に掛け合い、この少年にジェダイとなる前の情報を提供する許可を求めた。評議会もそれに同意し、ウニルがジョカスタ・ヌーの助力を得て、ゼットは自分の生い立ちを知ることになる。彼の本当の名前はウォーポック・スカミニといい、モン・ガザで鉱石の調査を行う発着基地の所有者、センブリック・スカミニとアシール・スカミニの息子だった。そしてウニルは、ゼットの抱くぼんやりとした回想から、ブラック・サンがこの事件に関わっている証拠を発見する。こうして実行犯である残忍な強奪者はジェダイに逮捕され、この捜査も幕を下ろしたのだった。
犯人捜索の間に見たゼットの決意と成熟に感動したウニルは、この少年を自分のパダワンとして選ぶことになる。しかし、その直後にクローン大戦が勃発したため、若きパダワンはその明敏な能力をまったく磨くことができずにいた。そのため、彼は戦闘訓練に重きを置くようになり、10歳にして有能な剣士であることを証明して見せたのである。
やがてクローン大戦も末期を迎え、ダース・ヴェイダーがクローンの縦隊を従えてジェダイ聖堂を襲撃したとき、ゼットはこの神聖な建造物への破壊的な攻撃に対して、勇敢な防衛を繰り広げた。そして、聖堂の中に身を潜めていた彼は、ついにハンガー・プラットフォームを経て、死地からの脱出を試みるのだった。その途中、ゼットは見事なライトセイバー・テクニックで数人のクローンを斬り倒したが、ついにはエリート・クローン兵の放ったブラスターの光弾に倒れ、殺されてしまう。偶然その場に居合わせたベイル・オーガナ議員は、エアスピーダーで聖堂を飛び立つ直前に、10歳のジェダイ訓練生の最期の姿を目撃し、銀河系の異変を確信するのだった。
かつてヨーダからライトセイバーの訓練を受けたシン・ドローリグは、ソードマスターの称号を授かった伝説的なジェダイ・マスターである。彼は控えめに言っても、ジェダイ・オーダーにあって最高の剣豪の1人であり、評議会のメンバーでこそないが、その剣術は評議員たちと匹敵するものだった。ドローリグは弟子のセラ・ケトーを指導する傍ら、幼い訓練生たちにライトセイバーの基本フォームを指導していたが、オーダーの中では、その無情な訓練法や恐ろしい攻撃スタイルから、彼を「トロール」と呼ぶ者も多かった。
クローン大戦の末期、メイス・ウィンドゥが他の3人のマスターを伴い、パルパティーン議長とダース・シディアスの関係を暴きに向かったとき、ドローリグは教え子のケトー、ベネイ、ウィーらと共に、聖堂の子供たちを守る任務を与えられていた。だが、ダークサイドに転向し、ダース・ヴェイダーと化したアナキン・スカイウォーカーと、その配下のクローン兵たちによる突然の奇襲は、彼らの力を持ってしても防ぐことができなかった。ヴェイダー卿は聖堂への襲撃でケトーを殺害し、その後、自分の力を誇示するため、ドローリグ、ベネイ、ウィーの3人を片手だけで一瞬にして殺害したのである。ドローリグはヴェイダーの光刃によって肩から切り裂かれたが、死の直前に、共和国の英雄アナキン・スカイウォーカーが悪に寝返ったことを知るのだった。
この惨劇の様子は聖堂の保安用ホロカムに一部始終が記録されており、後にオビ=ワン・ケノービはこの映像によって、弟子の裏切りを知ることになる。
幼いころから、ウィー・マルローは優雅に調整された強力なフォースの持ち主として見出されていた。ウィーが授かった能力の1つは、瞑想や夢を通じて未来を予見する力である。当初、彼はこの能力を恐れていたが、未来は絶えず動いており、何も決められたことはないと心に刻むことによって、この能力と共に生きることを学んだのだった。
彼の故郷ヴジャンは毒雨が降りしきる不毛の惑星だったが、ウィーの家族はこの惑星で最も裕福な名家の1つであり、シャトー・マルローと呼ばれる城に住んでいた。ヴジャンの名家は伝統的に非常に高いミディ=クロリアン値を示しており、それが一族の間でのステータスの証となっていたのである。そして、銀河共和国によって商業航路が整備されると、ジェダイもこの惑星を訪れるようになり、ジェダイの訓練のためフォース感知力の強い赤ん坊をコルサントへ連れて行くことを望むようになったのである。
ウィーの父親、マルロー伯爵はミディ=クロリアン現象に強い関心を抱いており、遺伝子工学的手法によって、ヴジャンの人々の間に天然のミディ=クロリアンを増やそうと試みた。だが、その実験は部分的な成功に終わり、人々は狂いだし、互いに殺し合いを始めたのである。そして、半酔状態で気が狂ったウィーの母親は、息子をジェダイに差し出した。ウィー自身はこうした過去をまったく知らなかったが、クローン大戦が勃発したとき、彼はついに事実を知ることになる。
ドゥークー伯爵はシャトー・マルローを乗っ取り、この城を隠れ家として利用すると、オーダーで最強のジェダイ・マスター、ヨーダのための罠を仕掛けた。そして、ヨーダはヴジャンへ向かうため、少数のジェダイの一団を選抜する。ウィーもその1人として選ばれ、他のメンバーは彼のマスター、マックス・リーム、仲間のパダワン、タリシベス・エンワンダン=イスターハジー(通称、スカウト)、彼女のマスター、ジェイ・マラクだった。
ヨーダがドゥークーと対面していたとき、ウィーとスカウトはアサージ・ヴェントレスと遭遇していた。常に狡猾な語り手である彼女は、ウィーをダークサイドへ誘惑し、ダークサイドも彼を引き寄せていた。そして、スカウトの命を手中にしたヴェントレスは、ウィーに決断を迫る。彼は疑念を抱いていたが、スカウトは必死に、彼が正しい決断をするはずだと告げ、ウィーはダークサイドを拒否する決断を下すのだった。一方で、アナキン・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービが救助に現れたことで、ヨーダもドゥークーの罠から脱出することができた。ヴェントレスはシャトルを盗んで逃走することになる。
やがて、ジェダイの一行はコルサントへ戻ったが、ウィーはジェダイ聖堂にいても、かつてのようにくつろいだ気分に浸ることができなくなっていた。するとヨーダは、フォースを身の回りに感じることができれば、常に落ち着いた気持ちでいられるだろうと説くのだった。
パルパティーン議長によってオーダー66が発令された夜、ウィーはパダワンとしてジェダイ聖堂で訓練を行っていた。シス卿となったアナキン・スカイウォーカーが聖堂の訓練ホールに入ってきたとき、ウィーは友人のベネイと共に、ソード・マスター・シン・ドローリグのもとでライトセイバーのスパーリングを行っている最中だった。このとき、ウィーはかねてから予見していた通り、この遭遇を生き残ることができなかった。彼は抵抗したが、ダース・ヴェイダーに胸を切り裂かれ、シン・ドローリグとベネイもその直後に倒されたのである。
ベネイはクローン大戦最後の夜、仲間のウィー・マルローと共に、マスター・シン・ドローリグの下でライトセイバーの訓練を行っていたジェダイ・パダワンである。パルパティーンによってオーダー66が発令され、ダース・ヴェイダーが片手でドローリグと戦っていたとき、ヴェイダーはもう片方の手をベネイに伸ばすと、彼女の喉をダークサイドのフォースで締め付けた。ベネイとウィーは即座に殺され、続いてドローリグもシス卿によって斬り殺されたのである。
圧制的な惑星ケーガンで生まれたオラーナ・シオンは、生まれてまもなくジェダイ・マスター、クワイ=ガン・ジンとアディ・ガリア、そして彼らのパダワン、オビ=ワン・ケノービとシーリー・タチによって見出され、コルサントのジェダイ聖堂へと連れてこられた。ジェダイは惑星の支配者の願いに反し、このフォースの強い子供を厳格な世界から連れ去ったのだ。他のケーガナイトと同様に、彼女の当時の名、O=ラーナはこの子の性別を表している。ケーガナイトの女性はすべて、名前の前に「O」を付けることになっており、男性は「V」を付けることになっているのだ。しかし、ジェダイ聖堂に入った彼女は、ケーガンのあらゆる慣習から自身を切り離すため、オラーナ・シオンという普通の名前を名乗るようになったのだった。
聖堂でのすべての訓練を通じて、オラーナはオビ=ワンに強く憧れていた。彼女はやがて成人したときに、いつか彼のパダワン見習いになりたいと願っていたのである。だが、彼女の13歳の誕生日が近づいても、オビ=ワンにはまだパダワンをとる準備ができておらず、オラーナは失望していた。そのため、彼がジェダイ・ナイトに昇格し、異例なパダワン見習い、アナキン・スカイウォーカーを伴ってナブーの任務から帰還したことは、彼女にとって驚くべきことだった。オーダーに在籍する多くの人々は、オビ=ワンに若きスカイウォーカーを訓練する準備ができているのか疑いを抱いていたが、オラーナの疑念はより個人的なものだったのだ。
結局、オラーナはアヴァン・ポストの弟子として選ばれ、このジェダイ・マスターがクローン大戦で死亡するまで、10年以上にわたって彼と行動を共にしていた。そして、クローン大戦の慌しく、そして困難な時代の中には、伝統が崩れ落ちることもあった。オラーナはごくわずかな儀式を経てジェダイ・ナイトへの昇格を受け入れたのである。また、この戦争のすべてにおいて、彼女はアナキン・スカイウォーカーの功績から用心深い視線を離さずにいた。オラーナには選ばれし者を完全に信じることはできず、むしろアナキンが戦争を嬉々として楽しんでいるように思えていたのだ。
オラーナは第一に調停者であり、彼女はこの戦争に不安を感じていた。もちろん、彼女は分離主義勢力を制止させる必要があることを理解していたが、兵士たちを戦闘へと導くことはできなかった。その代わりに、彼女は戦線の拡大によって追われた民衆の避難を調整することで、この戦争に貢献していたのである。そして、戦渦がコルサントにまで及ぶと、彼女はこの都市惑星の最も混乱した地域から、何百万人もの人々を避難させるという支援任務に就くことになる。その後も彼女は戦いの後始末のためコルサントに留まり、ジェダイ聖堂の外で働いていたのだった。
グリーヴァス将軍による首都襲撃の後、オラーナはアウター・リム包囲作戦の概要説明を行っていたオビ=ワンと、短い再会を果たした。しかし、オビ=ワンにはジェダイ評議会から緊急の任務が与えられ、2人には冗談を交わす暇さえなかった。スカイウォーカーにジェダイ規範の例外として、前例のない名誉が与えられたという話が聞こえてきたのはその直後のことである。彼はジェダイ評議会の一員に任命されたのだ。
そして数日後、オラーナのスカイウォーカーに対する疑念は、最悪の形で証明されることになる。クローン・トルーパーの一団を率いたスカイウォーカーによって、ジェダイ聖堂が襲撃されたのだ。オラーナはシン・ドローリグの指揮のもと、聖堂の防衛にあたった。そして、彼女は可能な限り多くのパダワンを救助しようと努力したのだった。最終的に、オラーナは聖堂の中で殺害されたと考えられているが、彼女の遺体は決して見つからなかった。