キャラクター・ガイド / モー研究所

トール・シヴロン Tol Sivron

種族:
トゥイレック
出身:
ライロス
職業:
科学者、モー研究所所長
性別:
身長:
不明
愛機:
プロトタイプ・デス・スター

Tol Sivron

青白い顔をしたトゥイレックのトール・シヴロンは、帝国軍のモー研究所の所長である。彼は研究所を構成する様々な部門を担当しており、さらにPCDS(プロトタイプ建造および設計支援部門)の責任者も兼務している。科学者というよりむしろ官僚的なシヴロンは、短気で器量の小さい非生産的な男であり、部下の科学者たちを重苦しく従えている。実際に、彼は官僚主義的な考え方を気に入っており、管理職の最初の仕事は作業を部下や外部に任せることだと信じている。同時に、実際の研究で生み出せないものを単なる形式的な作業や偶然による出来事、さらには進捗報告だけで生み出せるとも信じているのだ。悲しいことに、彼は自分の業務から生じた書類の山にも滅多に目を通すことはなく、このことは部下たちにとっても周知の事実となっている。しかし、シヴロンは自分の絶え間ない努力が、実は生産的な行動を妨げているのだという事実に全く気づいていないのだった。

シヴロンは生命に対して全く敬意を払っておらず、計画の実行のために他人を犠牲にすることにも非常に無頓着である。例えば、彼は真の才能を極めて脅威に感じており、他人の経歴を抹消したり、気に入らない部下を外すなどして、脅威と感じる存在を影で抹殺しているのだ。彼の下で働く部下たちは皆彼より優れた才能を持っているため、この方針はモー研究所におけるシヴロンの立場を確実に貶めており、もはや彼らを排除するためにできる手立てもなくなっている。もはや彼にとっての最後の保身手段は(彼の考えによれば)、研究所で所員から提出されたすべての研究書類に自分の名前を記載させることだけだった。

シヴロンは先進的な計画に惹かれやすい一方で、難しい決断を求められたときには即断力を発揮する男であると自負している。彼は最後に故郷ライロスを発ったときから帝国軍の学術的研究施設への手堅い出世を果たし、モー研究所の所長就任にいたるまでの多くの道のりの中で、常に新しい状況に適応してきたのである。

かつてのシヴロンは故郷の惑星ライロスの若い部族長の1人だった。彼は長年にわたって贅沢な生活を満喫していたが、5人の部族長の1人が死んだとき、シヴロンはトゥイレックの慣習によって他の部族長たちと共に部族から追放されてしまう。恒久的に太陽が照りつけるライロスの半球には、容赦ない砂漠地帯が広がっている。そこに追放されたシヴロンは自分の生き残る可能性を高めるため、3人の仲間を殺害し、やがて砂漠をさまよう途中で帝国軍の補給教練基地を発見したのだった。彼はこの基地で、小規模な辺境艦隊に重要な補給基地を設立した若き将校ターキンと出会う。シヴロンはターキンのために従順に働き、ターキンの昇進と共に自分の管理補助能力を頭角させていった。そして、グランド・モフとなったターキンがモー研究所を設立すると、ついにシヴロンはその責任者に抜擢されたのである。

シヴロンはダーラ提督が自分の職務を放棄し、彼と研究所を置き去りにしたことに対して憤慨していた。ダーラはシヴロンの下に就くことを拒んでいたため、シヴロンも彼女を嫌ってはいたが、シヴロンとしては彼女の艦隊による防衛に頼るしかなかったのだ。

新共和国によるモー研究所の攻略が開始されると、彼はプロトタイプ・デス・スターでの出撃を決意する。シヴロンは手始めとしてケッセルの衛星を破壊し、敵の間に恐怖を誘発させたのだった。サン・クラッシャーが再びモー星団に姿を現し、デス・スターを攻撃したときも、彼はたった1人残っていたストームトルーパーの忠告を無視してブラックホールの方向へと追跡を命じる。そして、スーパーレーザーによるサン・クラッシャーへの攻撃が失敗すると、彼は操縦士としての経験が乏しいにも関わらず、デス・スターの直接制御を開始した。だが、深く追い過ぎ、プロトタイプ・デス・スターはブラックホールへと吸い込まれていく。シヴロンは残された多くの科学者らと共に命を落としたのだった。

キウイ・ズークス Qwi Xux

種族:
オムワッティ
出身:
オムワット
職業:
科学者
性別:
身長:
不明
愛機:
不明

Qwi Xux

キウイ・ズークスはモー研究所でサン・クラッシャー・チームを先導している、優秀だが無邪気な科学者である。彼女は自分の仕事に完全に集中し、その結末はおろかその必要性や即座に引き起こされた関心以外のことには全く興味がなかった。彼女は到底解決不可能な難問に挑むことを楽しんでおり、そのためだけに自分の仕事をこなしているのである。実際に、彼女は外部の力が自分の創造を濫用していたとしても、それは自分への非難にはならないと考えているのだ。

人間に近いオムワッティであるキウイは、しなやかな体つきに青い色合いの皮膚をしており、美しい白髪を生やしている。その声は甲高く、鳥のさえずりのようにも聞こえ、目は大きく深い青色をしており、永遠の驚きの印象を与えている。また、彼女はコンピュータの操作に特別な音楽キーボードを使用する。なぜなら、オムワットの人々はデータ入力の際に単語やフレーズより音楽コードの方を使う方が簡単だということを知っているのである。

ヤヴィンの戦いの数年前、当時のモフ・ターキンは大量の情報を記憶し、処理する能力に長けたオムワットの子供たちを発見した。そして彼女もターキンによって子供の頃に徴兵され、故郷の都市や家族たちを軌道からの攻撃で一掃する様を強制的に見させられたのだった。これは過酷な人格破壊のために作られた訓練プログラムの一環だった。このプログラムには10人のオムワットの子供たちが参加させられたが、すべての課程を修了したのはキウイだけだったのだ。

彼女は仕事から自分の気を逸らすすべてのものを排除し、生き延びた。彼女は自分の肉親を含む数千人の人々が死んだことも集中力が鈍るほどはっきり覚えていたが、哀れみの心を抑制することを学び、課題に逃避し、以前の自分を戒めているのである。それがキウイにとって最も安全で、かつ唯一確実な方法だったのだ。

すべての訓練が終了すると、ターキンは彼女をベヴェル・レメリスクの下で働かせるためにモー研究所へと連れて行く。そして初期の頃、彼女はデス・スターの設計や仕上げのためにレメリスクと共に働くことになり、彼の第一補佐にまで抜擢されるようになった。しかし初期設計が完了すると、レメリスクはターキンと共に実動段階に入ったデス・スター視察のために研究所を立ち去り、キウイは別のプロジェクトへと異動させられたのである。

キウイはモー研究所の捕虜となったハン・ソロから、自分の携わった研究が軍事兵器に利用されていたことを聞かされ、ショックを受ける。彼女は、デス・スターは死んだ惑星を破壊し、核に含まれる重金属などの資源を収集するために使われるものであり、ワールド・デヴァステーターは居住惑星を汚染せずに小惑星や不毛な惑星から様々な道具を生産するための自動工場であると聞かされていたのだ。彼女に対して公開されていた情報は最高権威からの命令じみたものばかりだった。モー研究所の守備隊長だったダーラ提督が情報を隠蔽し、自分を騙していたことを知ると、彼女もついに怒りをあらわにしたのである。

キウイは新共和国に亡命し、サン・クラッシャーの破壊を進言するために新共和国の代表の前へと向かった。そしてこの何年もの間、自分を支えていてくれた希望をすべて失い、完全な孤独に陥った彼女は、自らボディガードとガイドに志願したウェッジ・アンティリーズを信頼するようになる。彼女はウェッジと会うたびに、自分の人生がどれほど虚しいものだったか、そしてどれほど人間的な関係を欠いていたかを悟るようになった。彼女の喜びといえば、プロジェクトを完了させたり、自分の設計や理論が正しいことを証明することだけだったのだ。

演説が終わると彼女とウェッジはコルサントを離れ、事故によって破損したレリーフの修復を手伝うためヴァーテックスへと向かった。その旅の中で、ウェッジはキウイに対する興味を増し、彼女も内気に彼を勇気づけていった。帰路の途中に、2人は観光のためイソアにも立ち寄った。そこでキップ・デュロンも彼女を発見し、シスのパワーで彼女の記憶からサン・クラッシャーに関する知識を消し去ったのである。しかし、その術は不完全なものだったため、彼女は他の記憶も同じように失ってしまった。幸運にも彼女の基本的な科学の知識の大半は残されたが、先進的な知識の大部分は失われてしまったのである。

記憶を失って以来、キウイは更なる勉強によって失った知識を取り戻すことに没頭するようになった。断片的に戻った記憶もあったが、大半は永遠に失われたままだった。彼女はその隙間を埋めようと最善の努力を行ったが、例え徒労に終わっても、彼女はサン・クラッシャーに関する知識を失ったことだけは残念に思わなかった。彼女にはそれを取り戻そうという意志すらなかったのである。

ベヴェル・レメリスク Bevel Lemelisk

種族:
人間
出身:
不明
職業:
科学者
性別:
身長:
1.68メートル
愛機:
不明

Bevel Lemelisk

ベヴェル・レメリスクはデス・スターの開発を支えた唯一の科学者というわけではないが、彼が惑星を抹殺するという概念に取り付かれているのは事実であり、実際に6つもの異なる超兵器の開発に貢献している。そして、彼は新共和国によって戦争犯罪人として処刑された唯一の人物としても知られているのだ。

デス・スターのように複雑なプロジェクトになると、多岐にわたる分野のテクノロジーと技術者が要求される。レイス・シーナーはこのバトル・ステーションの初期コンセプトを最初に考案した人物であり、トール・シヴロンはデス・スターが現実のものとなったモー研究所の管理者、そしてキウイ・ズークスはシヴロンから最も信頼される科学者の1人として仕えていた。

主任設計技師を務めていたベヴェル・レメリスクは、そのなかでも最高位の人物である。レメリスクの経歴は旧共和国の晩年から始まるが、当時はジオノーシアンの攻撃艇の開発に助力し、その後、ヴィクトリー級スター・デストロイヤーの開発においてワレックス・ブリセックスを支援していた。そして帝国の時代となった数年後、彼はターキンの下で働くようになり、モー研究所に配属される。このときパルパティーン皇帝はデス・スターのプロトタイプ(スーパーレーザーを装備した初の兵器)の開発を承認し、後に実運用バージョンの開発に対しても賛同を示したのだった。

初代デス・スターの建造が開始されると、工事の監督を行うため、レメリスクはモー研究所の他の科学者たちを残して、ターキンと共にホラズ星系へと向かった。やがてデス・スターは計画通りに完成したが、ヤヴィンの戦いにおいて構造上の欠陥が露呈し、反乱軍によって破壊されてしまう。この結果に驚いたレメリスクは皇帝の逆鱗を恐れてヘフィへと逃亡した。しかし、激怒した皇帝は、レメリスクを発見するとコルサントへと連行させ、彼を閉じ込めた檻の中に凶暴な肉食のピラナ=ビートルを放つ。レメリスクは激しい苦痛を味わいながら無残な死を遂げたのだった。しかし、彼は即座に新しいクローンとなって蘇る。こうして死の恐怖に突き動かされた彼は、第2デス・スターおよびターキン・スーパーレーザーの開発に着手した。実際にレメリスクは延べ7回にわたって処刑されており、そのたびにダークサイドの秘術によって意識をクローンに移送させられ、強制的に蘇らされているのだ。

やがて第2デス・スターが皇帝と共に滅びると、レメリスクはクワットの帝国軍開発部隊に加わった。彼はそこで自分の持つスーパーレーザーの知識を応用し、超巨大スター・デストロイヤー<エクリプス>を開発する。しかし、クワットが新共和国に奪われると、エクリプス・チームもディープ・コアへと逃れていった。だが、レメリスクはパルパティーンがクローンとして復活したことを聞き及んでおり、可能な限り彼から距離を置くべく、帝国軍の動きには加わらずにいた。その代わりに、彼は犯罪王ダーガ・ザ・ハットのもとへ身を寄せていたのである。

ダーガは武力によって新共和国を脅迫しようと考えており、レメリスクに、彼が手がけた最後の超兵器となるダークセイバーの開発を命じていた。ダークセイバーはターキン・スーパーレーザーに酷似したデス・スターの簡易バージョンであり、デス・スターからスーパーレーザー以外の余計な装備をすべて削減した宇宙ステーションだった。しかし、ダーガの傲慢さと建造作業に対する無神経さによって、この計画は最悪の結末を迎えることになる。ダーガのペットである気まぐれなトーリルたちによって建造され、完成したはずのダークセイバーは、実は完全な失敗作であり、結局はダーガもろともホスの小惑星で大破してしまったのだ。だが、この事実を見抜いていたレメリスクは1人で爆破の直前に脱出しており、ひとまずは難を逃れることに成功したのだった。

新共和国はダークセイバーから逃亡してきたレメリスクを捕らえると、コルサントで戦犯として裁判に掛け、死刑判決を言い渡した。彼はオリナクラで4年間投獄され、その間、ヘスリア卿の拿捕されたワールドクラフトを研究して過ごすことになる。そしてついに銃殺刑に処せられるとき、彼は最期に「今度こそちゃんと殺してくれよ」と言い残したとされている。

ドキシン Doxin

種族:
人間
出身:
不明
職業:
科学者
性別:
身長:
不明
愛機:
なし

Doxin

ドキシンはモー研究所で働く科学者の1人である。彼はHECIL(高エネルギー理論および実用化研究部門)の責任者であり、同部門ではエネルギーとレーザーの応用についての研究や試験を行っていた。また、ドキシンはベヴェル・レメリスクの生え抜きの教え子でもあり、長年にわたって彼の仕事に従事している。彼はデス・スター計画に参加したことに意気揚々とし、レメリスクの下で働くために喜んでモー研究所に転任してきたのだった。

彼はそこで罠にはめられたこと、特にレメリスクが実動段階に入ったデス・スターを視察するためにターキンと共に立ち去ったことに愕然とした。ドキシンは数年にわたってデス・スターのスーパーレーザー照準システムの開発に専念しており、レメリスクが立ち去った後は別のプロジェクトに参加していたが、その後も長い間、照準システムに手を加え続けていたのである。しかし、MPCS(金属結晶位相変調装置)計画のためにそれを取り外す必要が生じると、彼もついに研究所区画Aにあった最愛の試作機の照準レンズをオフラインにしたのだった。やがてヤヴィンの戦いから12年が経過しても(彼はこの戦いのことをまったく知らなかったが)、ドキシンは依然としてMPCS投射装置に全力で取り組んでおり、1年以内に完全実用化できることを願っていた。また、彼は自分の取り組んでいるレーザー・レンズの限界を疑い、新しい試作品を作るためにトール・シヴロンへの資材要求を検討していたのである。

ドキシンは背は高くないが太っており、かなり丸型の男である。細い真っ黒な眉を除けば完全に禿げており、その眉は額で燃えた細いワイヤのように見え、一方で、唇は非常に厚い。

トール・シヴロンがプロトタイプ・デス・スターを操作してブラック・ホールに落ちたとき、まさに彼はシヴロンの無能力さのために命を落とすことになった。

ゴランダ Golanda

種族:
人間
出身:
不明
職業:
科学者
性別:
身長:
不明
愛機:
なし

Golanda

裕福な実業家の長女として生まれたゴランダは、帝国内で最も優秀な学校に入学した。彼女はそこでさっそく数学とエネルギー科学の才能を台頭させ、いくつかの隔離された科学教室で勉強を続けることになる。こうした雑然とした環境に閉じ込められる一方で、彼女は多くの若い兵器科学の専門家と出会うようになり、幽閉生活が終わるとシュモギの帝国軍需品兵器研究所で彼らのチームに加えられたのだった。ゴランダは軍事兵器設計科学に果てしない魅力を見出し、瞬く間に自分が優れた研究者であると同時に才能のある管理者であることを証明してみせた。そして10年もすると、彼女は当初未熟な実習生として入所した帝国軍需兵器研究所の運営を行うようになっていたのである。

ターキンの代理人としてトール・シヴロンが彼女を訪ね、グランド・モフが計画している新しいプロジェクトの重要ポストへの就任を打診すると、ゴランダはさっそく興奮に駆られた。しかし、事実上どれだけ長い時間か分からないほどの亡命状態になると聞かされると、彼女はこのままコア・ワールドにとどまる決意を固めたのである。ところが、シヴロンは彼女に正しい選択をさせるため、帝国軍需兵器研究所に3百万クレジットの個人的寄付を申し入れた。ゴランダがこの取り引きを撤回しようと試みたときには、既に彼女の過去のポストはふさがっており、研究所内の他のポストや大学の研究施設、防衛会社などへの門も閉ざされていたのである。彼女は生活のために盗みを行うようになり、帝国による突然の不可解な税理審査を受け、もはやシヴロンの気前の良い雇用条件を受け入れるしか選択肢が残されていなかった。こうしてゴランダは快適だった研究所を離れ、モー研究所での完全な亡命生活を送るようになったのだ。とても幸せな人生とは言えないまま、ゴランダは11年間にもおよぶ憎しみを蓄積させていたのである。

しかし、それでも彼女は仕事の中に喜びを見つけ、軍需兵器研究部門の責任者として仕事に没頭していた。ゴランダがモーに配属されてから12年後、彼女の部署はサン・クラッシャーの弾頭に搭載される魚雷および照準装置を開発しており、このときは新型イオン魚雷の実地試験や実験段階にある星雲共鳴シェル計画の初期設計を行っていた。また、彼女は兵器類の実動試験の責任者でもあり、ブラックホール群の中心部で試験を行うことに対する是非を絶えず唱え続けていた。彼女の主張によると、重力変動によってあらゆる測定値が変化し、無意味なものとなってしまうというのだ。しかし、残念ながら彼女の言うことに耳を貸そうとする者は誰もいなかったのである。

ゴランダは日頃から<ハイドラ>の士官たちとサバックを楽しんでいた。モー研究所の中で、ダーラ提督の指揮下にある軍人たちとの非専門的な付き合いに価値感を見出している研究者は彼女1人だけだった。ゴランダは背の高い鷹のような女性であり、スター・デストロイヤーの外観を連想させる痩せこけた顔、尖った顎、そして鷲鼻には彼女自身も嫌気をさしていた。彼女はプロトタイプ・デス・スターに乗り、他の科学者とともにこの世を去ることになる。

ヤム Yemm

種族:
デヴァロニアン
出身:
不明
職業:
法律家
性別:
身長:
不明
愛機:
なし

Yemm

ヤムの人生における目標は、帝国内においてエイリアンが達することのできる最高位にまで登り詰めることであり、実際に彼はかなり良くやっていたと言える。この若いデヴァロニアンは、コア・ワールドで学ぶことのできる賢者の資格を持った、アウター・リムではごくわずかしかいないエイリアンの1人だったのだ。彼はリナルのダンスーン修道院でビジネス管理と法律学の学位を習得し、人材資源管理者として植民地や企業セクター共同体の巨大企業へと働きに出たのである。

彼は適切なときに適切なことを言い、適切な友人を作る才能に長けていた。エイリアンに対して激しい憎悪を抱いていた人間でさえ、やがて彼には好意的になったのだ。

ヤムの作業能力と人材管理能力は仕事を転々としている間にも非常に役に立った。彼はセスウェナ・セクターの首都で外交任務に就いていた当時のモフ・ターキンに見出され、わずか数ヶ月で彼の新しい研究所の管理責任者のポストを打診される。そのとき、ヤムはこの地位が再び浮上するための絶好の機会であると考えた。彼は定期的に帝国の高官たちと接触し、正当な理由なしにグランド・モフの申し出を拒絶するようなことはしなかった。熟考の末、ヤムはそれが正しい道であるという結論に達していたのである。彼はモー研究所に在籍する期間は2年、長くても3年程度だろうと予測し、その間に帝国内での自分の地位を高め、あわよくばコルサントで働きたいと考えていた。しかし、モー研究所に来たことが大きな過ちだったことに気づいたのはその直後だった。彼は高度なセキュリティを期待していたが、手遅れになるまで研究所全体が完全に隔離された状態で運営されていることに気づかなかったのである。ヤムは長い、極めて忙しい歳月をモー研究所で過ごすはめになったのだった。

デヴァロニアンの一般的特徴でもある新しい環境への本能的欲望は、政治やビジネスの世界との接触や関わりを20年間無駄に怠ってしまったという事実によってますます増大させられた。彼はただ景色を変えるだけのために、長い在任期間の半分で22回も自分の部署のオフィスを移動させている。この絶え間ない移動は皆(特にヤムとその部下のために引っ越しを余儀なくされた者たち)を発狂させたが、彼は全員のオフィスをうまく再割り当てしていたので、不満の声は少なかったのだ。

ヤムは主に人材資源(奴隷についてはウェーミンの管轄なので除く)と、トール・シヴロンの大量のデスクワークから出される文書類の管理を行っていた。また、法律部門と娯楽施設の管理も彼の担当である。モー研究所のスタッフや兵員のためのホロ通信を含む書信や書庫、その他の物も、何度もリサイクルされる前はより一般的な物だったのだ。また、ヤムはサバックのリーグ戦を開催したり、個人ファイルから選りすぐったアマチュア演奏家による小規模な室内オーケストラを開いたり、地方の演劇を上演したりすることで、研究所全体の雰囲気を楽しくしようとし、そこそこの成功を収めていた。ヤムは頻繁にオフィスを移動させることへの謝罪の一環として、シヴロンや他の科学者たちに楽しみを与えつづける責任を負っていたのである。このことは彼にとってモー研究所の全スタッフに対する永遠の借りだった。しかし、その借りを返し終わる前に、ヤムはプロトタイプ・デス・スターに乗り込み、他の科学者たちと共にモー星団のブラックホールの1つに飲み込まれてしまったのである。

ウェーミン Wermyn

種族:
人間
出身:
アクエラ
職業:
科学者
性別:
身長:
不明
愛機:
なし

Wermyn

ウェーミンはモー研究所の建造現場の責任者である。彼は基地の運用を行っている作業員たちを監督しており、自身も工場の管理において非常に実務的な人間だった。実際に、彼は梁や構内通信装置の修理や、生命維持装置の作動試験のために、所内の中心部に浮かぶ水処理場の配管を登っているところをよく目撃されていた。

ウェーミンは試験段階にあるビーム発射装置が0G試射の際に暴発し、右腕を失ってしまった。研究所にいる医者や医療ドロイドにはバイオニック・アームを取り付けられるほどの精密な技術はなく、彼は粗雑な人工腕を付けられるよりは、片腕のままでいることを選んだのである。彼にとって、片腕でいることはそれほど不自由ではなかった。両腕が必要とされる仕事を1人で行うときは、人間型ドロイドを伴うことにしていたのである。

初めて紫がかった緑色の皮膚をしたウェーミンの姿を見る者たちの多くは、彼を帝国によって銀河全域に散り散りにさせられた多くの亜人間の一種だと思うだろう。しかし実際には、ウェーミンは普通の人間であり、彼の異様な皮膚の色は若いときに故郷の惑星アクエラで行われた通過儀礼の際に施した、永久的な染料と微細なタトゥーの組み合わせなのだ。

帝国軍がモー研究所から撤退する間、ウェーミンは研究所の破壊を任されていた。彼は自分の仕事を成功させるが、シヴロンによって見捨てられ、脱出するためにウェッジの部隊に降伏したのだった。

フレジャ大尉 Captain Fredja

種族:
人間
出身:
不明
職業:
ストームトルーパー
性別:
身長:
不明
愛機:
なし

Captain Fredja

ストームトルーパーのフレジャ大尉はモー研究所駐留部隊の指揮官であり、2人の上官に仕えていた。彼は公式には司令官であるダーラ提督に報告を行っていたが、日に日に変わる情勢の中で、トール・シヴロンと接する機会がより多くなっていたのである。しかし、シヴロンは彼をエリート士官というよりはむしろストームトルーパーの伍長や軍曹として扱っており、いつも悲惨なほどの混乱を巻き起こしていたのだった。

通常の状況下では、フレジャもシヴロンに対して全てのストームトルーパーに見られるような質疑なき従順さを見せている。しかし、シヴロンが一線を踏み越えてストームトルーパー駐留部隊の任務を妨害し始めると、フレジャは通常、彼にその旨を伝え、妨害を中止させることになる(彼はこれがシヴロンの暴走を止める唯一の方法だということを知っていたが、彼は命令する立場に立つことが好きではなかったのだ)。

ダーラ提督が彼女のスター・デストロイヤーでモー研究所を離れると、フレジャ大尉はその場に残された最高位の軍人となり、研究所のあらゆる軍事行動の指揮を執る立場に立たされた。彼は新共和国の占領部隊が到着した際にこの権限を行使し、研究所のメイン・コンピュータ・コアを破壊したのである。しかし、彼の権限がモー研究所を構成する小惑星の最外郭にまで広がっただけだったのは、占領部隊から逃れるためにプロトタイプ・デス・スターへ引き上げた者たちにとって不運なことだった。デス・スターの中でも彼はシヴロンの命令に従う以外に選択の余地はなかったが、彼は適切な要求や合理的な提案によってシヴロンを揺さ振り、最善の努力を行ったのである。少なくとも、彼の働きはキップ・デュロンによってデス・スターが葬り去られ、乗員たちの運命が決するまでは合理的なものだったと言えるだろう。

グロドン・ラッキー Grodon Lakky

種族:
人間
出身:
不明
職業:
奴隷監視官
性別:
身長:
不明
愛機:
なし

Grodon Lakky

ラッキーはモー研究所で建造や技術保守(研究所内では「無意識的労働」に指定されている)のために使われているウーキーの奴隷たちの監視を行う残忍な男である。彼は太ったよそよそしい男であり、まるで湿った粘土を寄せ集めて造ったような青白い顔をしていた。

ラッキーはウーキーを痛めつけることを本当に楽しんでおり、10年以上にわたってこの仕事を続けていた。モー研究所で最も傷ついた哀れなウーキーの一団は、彼の監督下に置かれたウーキーたちなのだ。

彼は自分の意志を伝えるためにパワー鞭を使用するが、それは奴隷を叩く際に強力かつ痛烈な衝撃を与える。モー研究所内に、ラッキーを好きな者は1人としていなかった。エイリアンの奴隷化を支持している者たちでさえ、彼を怪物だと思っていたほどである。

ナウルーン Nawruun

種族:
ウーキー
出身:
キャッシーク
職業:
奴隷
性別:
身長:
不明
愛機:
なし

Nawruun

ニッシーク族のナウルーンは最も古くからモー研究所にいるウーキーである。重労働と栄養失調によってわずかながらも障害を持つようになった栗毛の彼は、まさしく哀れな姿をしており、彼を10年前にモーへ連れてこられた強靭な戦士として認識できる者はほとんどいない。

ナウルーン本来の楽天主義は何年にも及ぶ重労働と絶望ですっかり削がれていたが、同じウーキーのチューバッカがやってきたことによって、彼はモー研究所と憎むべき帝国軍からの脱出という新しい希望を抱くようになった。

チューバッカが新共和国軍を連れて戻ってくると、反抗と願望の小さな灯火は激しく燃え上がる炎へと転じる。ラッキーの前に立ちはだかり、自らの憎しみの力で彼を殺したのもナウルーンだったのだ。

Presented by じょじょ♪ <webmaster@starwars.jp>  (http://www.starwars.jp/