ラハーラ・セクターに属する惑星アガマーで育ったキーヤン・ファーランダーは、モン・モスマが地下組織の支援を求めてこの惑星を訪れるまで、銀河系の治世にはまったく関心を抱いていなかった。だが、彼はモスマから「理への要請」というパンフレットのコピーを受け取ると、一転して同盟軍に関心を寄せるようになる。彼は反乱同盟軍に加わり、宇宙戦闘機のパイロットになりたいと決意するのだった。そして初めての任務を与えられたファーランダーは、当時としてはまだ同盟軍の未熟なパイロットに過ぎなかったが、ターカナの近郊で帝国軍シャトル<トーロン>を航行不能とすることに成功し、帝国軍の重要文書を奪回する手助けを行うことができたのである。
その後も、彼は数々の実戦で素晴らしい操縦テクニックを示したが、なかでも特に有名な功績は、フィーニックスVIとファーフェルドIIの近郊に位置する帝国軍の星系パトロール中隊基地への攻撃であり、彼はこの戦いで一度に多数の帝国軍コルヴェットを破壊したのだった。また、最も大胆な成功を成し遂げた任務は、ホランD1セクターにある重要な帝国軍貯蔵施設を破壊したことである。彼とその仲間の同盟軍パイロットたちは、この攻撃の最中に大君主ゴーリンから奪った戦闘機を使用し、パルパティーン皇帝が大君主ゴーリンに反感を抱くよう仕向けたのだった。
やがて、キーヤンは同盟軍を代表するエース・パイロットの1人となった。事実、彼はいくつかの帝国軍基地への攻撃で華々しい活躍を披露し、デス・スターに対する攻撃に備えるため、ヤヴィン4へと配属されたのである。ヤヴィン4の基地に滞在していたとき、ファーランダーはルーク・スカイウォーカーと知り合い、彼がXウィングの操縦に慣れるように手を貸していた。そして、彼自身もYウィングでこの戦いに参加し、ルーク、ウェッジ・アンティリーズ、そして<ミレニアム・ファルコン>の乗員たちと共に、この凄惨な戦いの数少ない生存者の1人となったのだ。
その後もキーヤンは同盟軍のために働き続け、新共和国の時代には軍司令官および軍事顧問として活躍するようになる。また、後に彼はヤヴィン、ホス、エンドアでの戦いで自分を守ってくれた神秘的な力の存在に気づき、ルーク・スカイウォーカーからフォース感知能力に関するテストも受けている。その結果、ファーランダーがジェダイの素質を持っていることが判明し、彼はヤヴィン4のジェダイ・プラキシウムで何年にもおよぶ訓練を行ったのだった。やがてファーランダーは、ジェダイ・ナイトの称号を手にすることになる。
そしてユージャン・ヴォングによる既知銀河系への侵略が開始されると、ファーランダーは新共和国軍における将軍に抜擢された。彼はトレイスト・クレフェイ提督の指揮下に置かれ、コルサントの戦い後、クレフェイの旗艦<ラルルースト>に配属される。彼はここで、シーン・ソウヴ提督、アクバー提督、そしてクレフェイ提督の立案した計画を実行に移していったのである。
反乱同盟軍における大戦の英雄の息子、パッシュ・クラッケンは、ほどなくして偉大な父エイレン・クラッケン将軍と競い合うほどの名声を得ることになる。若い頃から卓越した操縦技術を見せていたパッシュは、13歳のとき既に単独で戦闘機を飛ばせるほどの腕に成長していた。また、父から徹底して道徳を教えられていた彼は、銀河帝国がいかに邪悪な存在であるかを知っており、圧制に対しての戦いに身を投じたいと考えるようになったのだった。
パッシュは父と共に故郷コントルームを発った。そのとき父は若き息子にヴェンセノアの帝国アカデミーへ入学するようにと薦める。このセクター・アカデミーのキャンパスは長年にわたって反乱軍が新兵を探す豊潤な草刈場となっていたのだ。エイレン・クラッケンは息子に偽造身分証を渡し、帝国の目を逃れた教育を受けさせたのである。
パッシュは既に凄腕のパイロットだったが、同時に卓越した戦術家としての才能も披露していた。彼の立案する計画は邪道であり、しばしば無謀なものだったが、繰り返し行われる戦闘シミュレーションでは無敵の計画だったのである。また、パッシュは有能な指導者でもあり、チームメイトの間に忠誠心を喚起させることでその指導力を示していた。
やがてパッシュは彼のクラスの上位1%に入る優秀な成績でアカデミーを卒業した。彼は即座に帝国宇宙軍へ編入され、航宙大隊の指揮官に任命される。だが当初の計画通り、彼は配下の72機の戦闘機すべてを引き連れて反乱同盟軍に亡命したのだった。この逃亡劇の詳細は機密扱いとされているが、帝国宇宙軍の上層部にとって著しく不名誉な出来事であったことは確実であり、ダース・ヴェイダーも自らこの事件に関して多大な関心を抱いたと言われている。
パッシュのグループはクラッケン小隊と呼ばれるようになり、ジクイーンの同盟軍基地に配置された。そして、彼の配下のパイロットたちは帝国軍艦船に対する一撃離脱戦術を用いた奇襲でその名を馳せるのだった。やがてジクイーン基地を放棄する必要に迫られると、クラッケンは帝国軍のスパイに偽情報を掴ませるという単純かつ巧妙な作戦を実行し、反乱軍の逃走を阻止しようとする帝国軍の封鎖網を誤った場所に導くことに成功する。この送信された脱出ベクトルの座標の2番目の数字から2を引くというパッシュの作戦は、俗に「クラッケン・ツイスト」と呼ばれている。
エンドアの戦いの直後には、クラッケン小隊はアウター・リムの通信センターを防衛する任務を割り当てられ、アトリヴィス・セクターのジェネリス星系に転属させられた。そこでローグ中隊が補充要員を求めているという知らせを聞いたパッシュはそれに応募し、自分の小隊の指揮権をバース大隊長に委譲する。ローグの一員としてのパッシュの最初の任務は、ナー・シャダーで反乱軍を攻撃していたスター・デストロイヤー<ヴェンジャンス>への奇襲だった。彼はこの戦いで<ヴェンジャンス>の前後のシールドを消失させる作戦に貢献する。また、コルサント奪回計画の際には、首都惑星での工作任務に送り込むブラック・サンの犯罪者たちをケッセルから移送する任務にも参加した。そして、パッシュは新共和国による攻撃からコルサントを守るシールドを陥落させる作戦にも貢献し、ローグたちを支援したのである。
こうしてコルサントが新共和国による強固な統治体制下に収まると、パッシュは再びジェネリスへと戻り、自分の小隊の指揮官に復帰した。だが、スローン大提督による新共和国への反抗が開始されると、アウター・リムの通信センターは帝国軍による攻撃の前に陥落してしまうのだった。
パッシュ・クラッケンはその後も新共和国の軍人として貢献し続けた。やがてユージャン・ヴォングとの激しい消耗戦のなかで、彼は少佐から将軍へと昇進する。また、ビルブリンギではウェッジ・アンティリーズの戦闘グループに加わり、新共和国のインターディクター級クルーザー<メモリー・オブ・イソア>の指揮を命じられた。しかし、この大型艦はユージャン・ヴォング軍の攻撃によって大破し、彼自身も行方不明となってしまう。だが、パッシュはユージャン・ヴォングの捕虜となっており、後に銀河同盟によって救助されるまでにセルヴァリスに捕えられていた囚人たちを解放することに成功したのだった。
テルシジ・ケイアは、ブレンタルIVの戦いの直前に新共和国防衛軍に参加した女性パイロットである。
ブレンタルIVの戦いは彼女にとって最初の戦いだった。ケイアは中尉に抜擢され、アグレッサー大隊のアグレッサー7に搭乗することになる。しかし、この惑星から帝国軍を撤退させていた輸送船に近づこうとしたとき、彼女は帝国軍のスーンター・フェルに撃墜されてしまったのだった。ケイアは奇跡的に救助され、治療を受けたが、彼女の砲手を務めていたキン・キアンが墜落の際に死亡してしまう。そして、ケイアも左足の一部を失い、左眼も人工擬似生体の移植が必要な状態だった。だが、重傷を負いながらも、彼女はパイロットとして任務に戻ると宣言したのである。
その後、フェルが新共和国に亡命したことを知ったケイアは、初期の混乱を隠せなかった。それでも、新共和国に加わった者はすべて盟友であるという事実はすぐに受け入れられた。彼女はフェルに、チャンスがあれば一緒に飛びたいと告げたのである。
タトゥイーン生まれのギャヴィン・ダークライターは、ローグ中隊で最も多くの勲章を獲得したメンバーである。彼は伝説的英雄であるビッグズ・ダークライターの従兄弟であり、ヤヴィンの戦いでビッグズが戦死したときにはまだほんの10歳だった。ギャヴィンはタトゥイーンでも裕福な家庭で幸せな少年時代を過ごしていたが、ビッグズやルーク・スカイウォーカーのようにこの辺境の惑星から飛び出したいと強く願っていた。彼はちょうど偉大な先輩たちがしていたように、T-16スカイホッパーでパイロットとしての訓練を積み、来るべき運命を待っていたのである。
やがてウェッジ・アンティリーズからローグ中隊への参加を打診されたとき、彼はまだ若干16歳でしかなかった。ギャヴィンにはアカデミーでの経験もなく、シミュレーションでのスコアも他のメンバーたちと同程度だったが、彼にはビッグズから受け継いだパイロットとしての偉大な才能があったのだ。その後、ギャヴィンはローグ中隊の紋章の作成を命じられ、同盟軍の青いシンボルを取り囲む12個の赤い星を考案する。星の位置から放射状に広がる航跡は、彼らのXウィングを表しているのだ。そしてギャヴィンはウェッジから独自のXウィングを与えられ、ローグ5に抜擢された。彼はシスタヴァネンのパイロット、リヴ・シールとペアを組み、数々の任務を遂行することになる。
コルサントの解放後、ローグ中隊が新共和国における任務を放棄したとき、ギャヴィンは愛機にクレイト・ドラゴンを髣髴とさせる塗装を施した。また、同時期に彼はボサンのパイロット、エイシア・セイラーに想いを寄せるようになり、2人の間は次第にロマンチックな関係へと発展していく。しかし、バクタ戦争の最中にバクタ・タンカー<ズークフラ・アラジ>が拿捕され、その際に彼のXウィングが損傷を受けると、2人の関係もほぼ解消されてしまう。ギャヴィンはなんとかハラニットに逃げ込むが、これが結果的に帝国軍を引き寄せてしまったのだ。イセイン・アイサードはヴィクトリー級スター・デストロイヤー<コラプター>とタイフェラ国防軍でハラニットを襲撃する。エリジ・ドラリットは、この襲撃がギャヴィンの行動の結果によるものであると彼に信じ込ませたが、実際にバクタの出荷元を追跡していたのはアイサードだった。責任を痛感したギャヴィンは可能な限り多くの住人をハラニットから避難させるが、前哨基地の破壊を防ぐことはできず、多大な犠牲者を生み出してしまうのだった。
さらにいくつかの戦闘を経験した後、ギャヴィンとエイシアは関係を修復させ、2人はより深い愛情で結ばれるようになる。やがて2人はついに結婚し、養子を引き取る決意をしたのだった。しかし、ギャヴィンにも知らされていなかったが、ボサンの子供を捜すというエイシアの試みは、ボースク・フェイリャによって妨害されていたのである。フェイリャはエイシアにボサンの英雄の姿を重ねており、ギャヴィンとの結婚はそのイメージを汚す要素となり得ると考えていたのだ。彼女はそれに反抗し、このようなボサン社会に変革が必要であると考えたが、そのための方法に確証を抱いていなかった。彼女の戦闘機はコーヴィス・マイナー5上の戦いで敵機と衝突し、ギャヴィンを含む全員が彼女の死を確信する。彼はエイシアの死を深く追悼するが、同時に彼女の高貴な生き方を継承する決意をしたのだった。実際にはエイシアの死はブースター・テリックのアイデアによる偽装だったのだが、ギャヴィンはそんなことを全く知らず、エイシア自身もそれを願っていたのである。
その後の数年の間で、ギャヴィンはますます有能な指導者へと成長していった。やがて彼はセラ・フォルアと結婚し、スローン大提督による反抗の最中に孤児となった2人の少年を養子として引き取った。その後、2人は長女、三男、次女を順に授かる。そして次女が生まれた直後、エンドアの戦いからおよそ20年後に、ギャヴィンはウェッジ・アンティリーズ、タイコ・ソークーの後任としてローグ中隊の隊長に任命された。ユージャン・ヴォングによる既知銀河系への侵略が開始されたとき、ローグ中隊を指揮していたのはギャヴィンなのである。
ギャヴィンは純粋な軍人だが、ジェイナ・ソロのローグ中隊への参加を境に、政治的な騒乱にも巻き込まれるようになる。ジェダイ・ナイトとしての顔も持つジェイナは並み居る元老院議員たちとも幾度となく渡り合っており、ギャヴィンは彼女を長期的に中隊から離脱させたのだった。しかし、彼は自分のミスを認識し、サーンピダルの残骸付近でユージャン・ヴォングの造船子宮(ユージャン・ヴォングがワールドシップなどの宇宙船を育てる畑)を破壊する際には、彼女にもローグ中隊と共に飛ぶことを許可している。やがてユージャン・ヴォングとの戦いが激化すると、ギャヴィンとローグ中隊は首都防衛のためコルサントに呼び戻された。タイコ・ソークー大佐が惑星防衛軍の司令官として軍に復帰し、ギャヴィンは彼の下で新共和国のために奮闘を続けることになるのだった。
2メートル近い長身に黒い瞳、そして禿頭という異様な風貌のプルーア・イローは、帝国に激しい憎悪を抱く女性戦士である。彼女はとても短気で腕力もあり、癇に障るとすぐに殴り合いを開始する。そして、常に超然とした態度をとる一方で、陰気になったり疑い深くなる傾向もあった。口数が少なくストイックな皮肉屋という一面もあり、ブラック・ユーモアも得意としている。プルーアは早期から反乱同盟軍に参加しており、エンドアの戦いのときはアクバー提督の旗艦<ホーム・ワン>に技術者として乗艦していた。だが、彼女の素性は天性のパイロットであり、エイドロン基地の発見直後にはウェッジ・アンティリーズ率いるローグ中隊のメンバーに抜擢されている。故郷エイアトゥの貴族たちが新共和国にプルーアの返還を求めてきたのも、彼女がローグ中隊に参加したころのことだった。彼女は本名をイスプルーアダカーサ・エスティローといい、エイアトゥVIの国王ウソアフェレル・カーサの生存する唯一の相続人だったのだ。
貴金属の産出地として有名なエイアトゥVIは、パルパティーン皇帝が権力の座に就いて最初に軍隊を派遣した惑星の1つである。プルーアの祖父アントビアンプルーアIII世は帝国と敵対するより譲歩する道を選び、貢物を利用して全滅させられることを防いでいた。地元のモフへの賄賂によって前国王は名目上の権力を保っていたが、帝国が人々を攻撃することを阻止することはできなかった。彼の後継者である息子はさらに権力に乏しく、ついには他の貴族たちによるクーデターによって王の座を奪われてしまう。国王の一族は全員逮捕され、国内流刑に処されたのだった。また、これとほぼ同時期に、皇帝は極めて残忍なモフを惑星の統治者に指名し、内乱に介入していた。帝国は王族を救出するという名目で軍を派遣するが、その後救出する前に反乱軍が彼らを全員殺害していたと発表する。実際に王族を殺害したのは一部の貴族たちと共謀した帝国軍だったのだ。しかし、プルーアとその弟ハランダーサだけが惑星からの逃亡に成功したという噂も囁かれていた。エイアトゥVIに残された国王派の貴族たちはプルーアを捜索し、彼女が故郷に戻って惑星が帝国の駐屯軍に対し団結する一助となることを望んでいたのである。
プルーアが自分を国王の後継者であると認めたことで、エイアトゥ社会に政権争いの騒乱が巻き起こる。彼女はローグ中隊に父に対するクーデターのこと、そして自分がいかにして王族の処刑から逃れたかを説明した。プルーアは逃亡の際に実弟ハランダーサの殺害を強いられていたのだ。しかし、このときエイアトゥVIで権力の座に就いていたのは、自らをハランダーサであると主張するハラン・エスティローだった。真相を知るローグ中隊はハランが偽者であることを暴露し、プルーアの復権に助力する。また、プルーアが幼少の頃に婚約させられていた相手のリアル・パーノンも、後に彼女が政治派閥に復帰し、故郷に王制を回復させる際の支えとなった。プルーアは貴族階級による圧政を排除し、一般市民に再び政府に対する発言権をもたらすと、プリアムスタ(前国王に反対する貴族派閥)の勅令を無視して自らを唯一の支配者であると宣言する。こうしてハランは権力の座から追放され、その背後にモフ・レオニア・タヴィラがいたことも発覚した。プリアムスタは自分たちが帝国の傀儡でしかなかったことに気づき、最終的にはプルーアの政権を承認する。彼女はエイアトゥにかつての栄光を取り戻すことを誓約したのだった。
だが、プルーアにとって故郷の女王の座に就くことは、ローグ中隊からの引退をも意味していた。ウェッジは彼女の選択を公然と支持するが、彼女はすぐに1つの妥協案を考えつく。プルーアは公務が障害とならない場合に限り、ローグ中隊と共に飛ぶことを要請したのである。ウェッジは喜んでこの提案を受け入れるのだった。後に彼女は本来の長い名前を使うようになり、エイアトゥの新共和国への参加交渉の際には代表団の一員としてレイア・オーガナ・ソロ元首とも会談を行っている。
若きコレリアンのアイエラ・ウェジリは、かつてコレリアン防衛軍(コルセック)でコラン・ホーン、ギル・バストラのパートナーとして活躍した美しい女性である。彼女はディリク・ウェジリの妻であり、コルセックを退役後は新共和国情報部の一員として活動を続けている。その後もアイエラはローグ中隊のメンバーとなったコランとペアを組んで任務に当たっており、コルサント解放作戦に先立つケッセルでの任務でも彼に同行している。そして、彼女はローヘア生物化学クリニックの代表アイリン・フォスィアを装い、スパイとしてコルサントに潜入した。やがてウェッジ・アンティリーズとローグ中隊が惑星シールドを破壊するためコルサントに送り込まれると、彼女はこの肩書きを使って彼らの活動を援助する。しかし、第1の目標だったパラー社のメモリー・コア製造工場の倉庫での作戦は情報漏洩によって失敗に終わった。続く第2の作戦では、アイエラはウェッジらと共に建設用労働ドロイドの誘導を行うが、この作戦の最中に上空で部隊の援護を行っていたコランのZ-95ヘッドハンターが墜落してしまう。コランの死、帝国軍のイセイン・アイサードによるクライトス・ウイルスの散布、そしてアイエラの偽装が暴かれるという事態も発生したが、最終的に作戦は成功し、コルサントは新共和国の手に落ちたのだった。
長年共に戦ってきたコランの死に、アイエラは深い悲しみを抱いていた。しかし、彼女にはスパイとしてコラン殺害の嫌疑を掛けられたタイコ・ソークーの弁護という重要な仕事があった。アイエラはこの裁判の検事に任命されたハーラ・エティックに協力を約束し、弁護団の1人として活動していたのである。彼女は必死に証拠集めを行うが、審議が進むにつれて裁判は次第にタイコにとって不利な状況へとなっていく。そんな彼女にとって唯一の慰めとなったのは、コルサント陥落を機に帝国軍から解放された夫ディリクとのおよそ1年振りの再会だった。実際、アイエラは既に夫の生存を断念し、急速にウェッジと親密な関係を築いていたのである。しかし、彼女は依然としてディリクを愛しており、彼の生還に歓喜を表した。妻が喜びを示す一方で、ディリクも肉体的にやせ衰えていたが、過去と同様に元気な状態を維持しようと努力する。彼はタイコとも定期的に会話を交わし、アイエラが証拠集めに苦戦しているのに反して、彼の無罪を確信するのだった。
やがて裁判に転機が訪れる。同盟軍に拘束された元帝国情報部員カータン・ルーアが弁護士のナワラ・ヴェンと接触し、証人として出廷してタイコに有利な証言をしてもいいと提案してきたのだ。彼はまずナワラとアイエラの2人と話し合うことを要求し、両者もそれに同意する。そしてアイエラは帝国裁判所の建物の秘密の入り口でルーアと接触した。しかし、彼女の夫ディリクも帝国軍幹部が拘束されていることを知っており、その人物がかつて自分を監禁していたエヴァー・デリコート将軍であると確信していたのである。彼は検察官の階層で3人を待ち伏せし、彼らが姿を現したときに発砲を開始した。この襲撃でナワラが右でん部を負傷し、ルーアが致命傷を受ける。アイエラはとっさに証人の保護と暗殺者の拘束を考え、ブラスターで応戦した。彼女が襲撃者の正体を認識して愕然としたのは、この戦いが終わった後のことだった。そしてディリクは息を引き取り、ルーアも法廷で証言することなく死亡したのである。
その後、失意に打ちひしがれるアイエラの前に、死んだはずのコランが現れた。彼は自らの証言でタイコの無罪を晴らし、アイエラにつかの間の慰めを与える。同時に彼女は、自分がウェッジの魅力に惹かれていることにも気づいていた。しかし、ウェッジには重大な任務が数多く残されており、それらが2人を真剣な恋愛から遠ざけていたのである。そして彼女も新共和国軍に残り、バクタ戦争の間にはエルスコル・ロロと共にタイフェラに潜入した。彼らは現地でアシャーンの反乱部隊およびゾルティン治安維持部隊と合流し、アイサード政権の中枢であるズークフラ社の政府ビルを占拠したのだった。
その後、アイエラは新共和国情報部の一員となり、モフ・レオニア・タヴィラとインヴィッドを捕らえるべく、主要な調査員の1人として活躍した。また、惑星アダマーが新共和国と帝国との間で加盟に関する公開交渉を開催したときには、その直前に何も知らないままこの惑星に送り込まれていた。そうしたなかで、彼女は仕事によって次第にウェッジとの距離が遠ざかっていき、代わりに彼とキウイ・ズークスの関係が進展しつつあることを懸念するようになる。しかし、2人はアダマーで再会を果たし、アイエラはウェッジの口からキウイとの破局を知らされるのだった。彼らはトーマー・ダーペンの行動によって開始された内乱に直面し、そのなかでロマンスを再燃させる。やがて戦いが終わりダーペンが逮捕されると、彼女はアダマーにおける共和国情報部の主要な連絡員に任命された。その後、2人はついに結婚し、新しい家庭を築き始めることになる。
そして15年後、外宇宙からの侵略者ユージャン・ヴォングによってコルサントが陥落したとき、アイエラは夫と共にボーレイアスで果敢な戦いを繰り広げていた。彼女はウェッジによって創設されたインナー・サークルの初期メンバーの1人となり、グループ活動の情報部門を指揮する任務を与えられたのである。
灰色の肌に赤い目をしたトゥイレックのナワラ・ヴェンは、ウェッジ・アンティリーズ隊長率いる新生ローグ中隊のメンバーの1人である。ナワラは故郷ライロスのヴェン氏族に生まれた。本来、ヴェンはトゥイレッキ語で「舌」や「話し手」を意味し、ナワラは「銀」を意味する言葉であるため、彼の名前の訳語としては「雄弁家」という意味が相応しい。だが、ライロスでは彼は姓と名を繋げ、若干発音を変化させた「ナワラアヴェン」という名前で呼ばれている。これは意味する内容を明確にするために発音を変えるというトゥイレックたちの慣習に由来しており、もし彼が本当の氏族名である「ナワラヴェン」という発音で呼ばれていたら、その意味するものは「腐食した銀」になってしまうのだ。
戦闘機パイロットになる前のナワラは、故郷ライロスにおける有望な弁護士だった。だが、帝国時代はエイリアン蔑視の政策によって判事からも差別を受け、依頼人たちに十分な弁護を行うことができなかったのだ。そのため新共和国の時代になると正義を求めて戦う決意をし、フォアロでの軍事訓練にも参加した。やがてナワラはコラン・ホーンと知り合い、共にローグ中隊の隊員に抜擢される。パイロットとしても優秀な資質を開花させたナワラは同じローグ中隊の女性パイロット、リザティ・イーナと恋するようになり、コルサント解放作戦では中隊の一部を率いて出撃するようにもなった。その一方で、彼には法律家としての知識や経験によって仲間を助ける場面も多い。ギャヴィン・ダークライターが背信容疑でエイリアン連合の裁判に掛けられたときには、持ち前の雄弁さで彼を弁護し、死刑を回避させることに成功したのだった。
コルサントに潜入したナワラは人間以外のエイリアン種族を死に至らしめるクライトス・ウイルスに感染するが、即座にバクタ治療を行ったため、この恐ろしいウイルスを克服することができた。その後、彼はバクタに混入することで治療効果を向上させることのできるコール・ライルを入手するため、ウェッジと共にライロスへと向かう。同様に、彼はコラン殺害の嫌疑を掛けられたタイコ・ソークーの裁判で、彼の弁護人を務めていた。ナワラにはボーレイアスの戦いでタイコに命を救われた経験があり、彼はこの弁護を恩返しであると考えていたのである。そのため、ナワラは協力を申し出たアイエラ・ウェジリと共に膨大な資料を用意するが、それでも無実を立証することは困難な状況だった。
裁判の状況を一変させる要素を携えた元帝国軍情報部員カータン・ルーアが同盟軍側に接触を求めてきたのは、ナワラがライロスからコルサントへ戻ってきたときのことである。ルーアはイセイン・アイサードから逃れて自由を手にすることと引き換えに、ローグ中隊内部に潜入したスパイを含む、コルサントに残留している全ての帝国軍スパイの情報を提供すると申し出た。ナワラはこの取引きの内容を新共和国暫定評議会に提供し、アイエラと共にインペリアル・シティ内部でルーアと面会する。だが、検察官の階層でターボリフトを降りたとき、彼らは謎の暴漢による襲撃を受けるのだった。犯人はアイエラの夫ディリク・ウェジリである。彼は投降者をエヴァー・デリコート将軍と勘違いし、かつて自分を奴隷としてこき使っていた復讐を果たそうとしたのだ。この惨劇でナワラは尻を撃たれて負傷し、ルーアは致命傷を受けて証言を封じられてしまう。そしてディリクも、そうとは知らず反射的に応戦したアイエラによって射殺されてしまうのだった。
やがてナワラは怪我を克服してローグ中隊に復帰した。しかし、バクタ戦争の最中、彼のXウィングは裏切り者のエリジ・ドラリットによってタイフェラで撃墜されてしまう。彼は機体が爆発する直前に緊急脱出に成功したが、真空スーツが榴散弾によって破損したため、再び体に大きな損傷を被ることになる。こうしてナワラはこれ以上の飛行を断念し、ローグ中隊の行政官になることを決心したのである。そして、彼はトゥイレックのディア・パシックとの関係を進展させようとするが、彼女はナワラが未だに多くの点でライロスに忠誠を維持していることを快く思っておらず、彼との距離を置いたままだった。その後、ナワラは<エラント・ヴェンチャー>に乗り込み、ブースター・テリックの下での仕事を開始する。彼は法律と会計の知識を駆使し、この移動基地をいつでも商売可能な状態に維持しているのだ。
エイシア・セイラーはコルサントの暗黒街に広がるインヴィジブル・セクターで暮らしていた聡明な女性である。彼女はすみれ色の瞳を持ち、全身を黒い体毛に覆われたボサンだが、胸や顔、両手のところどころに白い毛が筋状に走っている。新共和国軍によるコルサント解放作戦に先立ってローグ中隊がこの首都惑星に潜入したとき、エイリアン連合の一員だったエイシアはインヴィジブル・セクターのアズーア・ダイアノーガ・カンティーナで組織の会合に出席していた。彼女がギャヴィン・ダークライターと出会ったのもこのときのことである。彼女はギャヴィンを見て取ると、ダンスを誘いかけた。しかし、ギャヴィンがそれを拒否したことで、エイシアは彼をエイリアン差別主義者だと認識する。彼女はギャヴィンをエイリアン連合のもとへ連れて行き、処罰するよう訴えた。しかし、彼女はすぐにギャヴィンがダンスを拒否した理由が怪我によるものだったこと、そして彼があらゆるエイリアン種族に理解を示していたことを理解する。さらに、ギャヴィンの友人であるエイリアンの元弁護士ナワラ・ヴェンによる弁護や、帝国軍の襲撃も手伝って、ギャヴィンはなんとか死刑判決を回避することができたのだった。
また、エイシアはボサン軍事アカデミーの卒業生でもあった。彼女より1年早く卒業した先輩にはボーレイアスで戦死したローグ中隊の元隊員ペシク・ヴリシクがおり、彼女の積んできた訓練は新共和国とローグ中隊からの尊敬を得ることになる。そして、エイシアは帝国への憎しみとローグ中隊への信頼感から、コルサント解放作戦に協力を申し出るのだった。彼女はコルサントの防御シールド・システムを破壊する作戦において、太陽エネルギー反射鏡を使って貯水池の水を蒸発させ、雨雲を形成させて雷雨を起こすというアイデアを提案する。この計画は成功し、落雷による電気系統の麻痺によってシールドの一部が消失した。その後もクライトス・ウイルスの猛威によって危機的状況が続いたが、最終的にコルサント解放作戦は成功し、新共和国は正式に首都を奪回することができたのである。
やがてエイシアは控え目ながらも、17歳を迎えたギャヴィンと親密な恋愛関係を築き上げていった。そして彼女はウェッジ・アンティリーズからも正式にローグ中隊への参加を要請される。しかし、彼女の活躍は同じボサンのボースク・フェイリャ評議員からも注目されていた。フェイリャは彼女がボサンの政治的理念に依然として忠誠を誓っていることを期待し、ローグ中隊にとって不利な要素となる潜在的な情報の提供を希望する。だが、エイシアはフェイリャの要望を拒否し、ローグ中隊への忠誠を貫くのだった。そしてエイシアとギャヴィンが2人の関係を公表し、養子を引き取ることを決意すると、フェイリャは彼らの間を引き裂きに入る。彼はエイシアの行動がボサンの上流社会にとってあるまじき行為であると断言し、ギャヴィンとの交際はやがて深刻な事態を招くだろうと警告した。フェイリャは彼女をボサンの英雄マーティアスの姿に重ねて見ており、彼女こそボサン社会に変革をもたらす存在であると信じていたのである。エイシアは再びフェイリャの要求を拒否するが、ギャヴィンとの生活が望みどおりにはならないだろうということには同意していた。同時に彼女はボサン社会に変革が必要であることも認めており、そのためにはまずボサン自身が変わらなければならないと考えていたのである。
その後もエイシアはローグ中隊の一員として飛び続け、ライネードIIIやコーヴィス・マイナー5で帝国軍の残党を相手に戦っていた。しかし、彼女もついにコーヴィス・マイナーで敵の戦闘機に撃墜されてしまう。彼女の喪失はギャヴィンとローグ中隊たちに大きな衝撃と悲しみを与えた。しかし、エイシアはブースター・テリックの<エラント・ヴェンチャー>に救助され、一命を取り留めていたのである。エイシアは事実を知るブースター、ミラックス・テリック、そしてアイエラ・ウェジリに自分が生存していることを口止めし、密かに新共和国から去っていった。彼女はボサン社会に変革を興すため、素性を変えて暗黒街へと潜っていったのである。
ギャンドの戦闘機パイロット、オーリル・クリッグは、フォロアでの訓練中にコラン・ホーンと親しくなり、ローグ中隊への入隊後も彼とペアを組んで、チョーラックスやヘンサーラIIIなどで行われた数多くの戦闘に参加してきた。また、彼はギャンド特有の特殊な生理機能を活かして数多くの仲間を死の危険から救っている。ギャンドは人間と比べて必要な睡眠時間が極端に短いため、ローグ中隊のタラシーア基地へ夜襲を仕掛けてきたストームトルーパーに気づくことができたのだ。オーリルとホーンは他の隊員たちに警報を発し、帝国軍との激しい戦いを繰り広げた。このときのオーリルの勇敢な戦いによって多くのパイロットの命が救われたのである。
その後、ローグ中隊はタラシーアへの奇襲に対する報復として、帝国軍のデヴリア提督の本拠地ヴラデットへの攻撃を開始する。この作戦にはオーリルも参加し、ローグ中隊は見事に勝利を収めたのだった。しかしその後、コルサント奪回への足がかりとして開始されたボーレイアスへの第1次攻撃では、惨々たる結果が待っていた。激戦の中でオーリルのXウィングが撃墜され、彼は間一髪で脱出に成功したものの、宇宙空間を漂っていた際に自機のSフォイルの断片で右腕を肘から切断されてしまったのだ。 しかし、ギャンドには肉体の再生能力があるため、彼は数週間で元の体に戻り、コルサントでの秘密工作任務に参加することができたのだった。
コルサント解放作戦においても、オーリルは自らがローグ中隊にとって必要不可欠な存在であることを証明している。彼のチームの工作員たちが侵入した補助コンピュータ・センターには帝国軍の神経ガスFex-M3dが充満しており、コントロール室への入室が不可能な状態だった。しかし、ギャンドの呼吸機能は人間とは本質的に異なっているため、彼は神経ガスを苦にすることなく、仲間のために部屋の内部にあったガス・マスクを入手することができたのだ。こうして彼らはコントロール室から軌道上にある太陽エネルギー反射鏡の角度を操作し、近くの貯水池を沸騰させることに成功したのである。その結果、インペリアル・シティには激しい雷雨が発生し、惑星の防御シールドの崩壊を導いたのだった。
やがて、オーリルの数々の英雄的行為と敵を打ち負かす能力は、ルエトサヴィと呼ばれるギャンドの3人の賢者たちの関心を引き寄せた。タイフェラの戦いの直前には、ヴァイア・ウィアムディら3人のルエトサヴィがローグ中隊を訪れ、オーリルの能力を見極め、批評するために、可能であればローグ中隊と一緒に飛ぶことを希望する。そして彼らは全員この戦いを生き延び、バクタ戦争の終結に貢献したのだった。戦いの後、ヴァイアたちはオーリルにジャンウィンの称号を与え、ローグ中隊のメンバーをヒンウィンとしてギャンドに招いた。オーリルにはその後すぐにギャンドの捜索師の称号まで与えられたが、彼の居場所はローグ中隊をおいて他になかった。オーリルはその後もスローン大提督やモフ・レオニア・タヴィラとの戦いでローグ中隊の一員として活躍することになる。
エリジ・ドラリットはタイフェラ出身の若く美しい女性である。彼女の家族は長年にわたってバクタの独占権を掌握していた2大企業の1つ、ズークフラ社と密接な関わりを持っており、エリジもバクタ利権の恩恵によって幼い頃から裕福な生活をおくっていた。しかし、家族が彼女にも家系の伝統を受け継いだ人生を期待する一方で、エリジはより冒険に満ちた人生を望むようになっていく。そして訓練を積み優秀なパイロットとなった彼女は、その才能を見込まれてローグ中隊の隊員に選ばれるのだった。当時、ローグ中隊にはホスの戦い時から在籍しているベテラン・パイロットの1人、ブロー・ジェイスがおり、彼もエリジと同じタイフェラ出身だったが、ズークフラ社のライバル企業、ゾルティン社の関係者だった。そのため、エリジをローグ中隊に入隊させることは反乱同盟軍にとってもバクタの安定需給の面で大いに有益だったのである。
しかし、エリジの正体は、バクタ・カルテルを支援する帝国軍のイセイン・アイサードによって送り込まれたスパイだった。彼女はコラン・ホーンの殺害を計画し、何度も彼を誘惑している。また、数名の犠牲者を出したタラシーア基地へのストームトルーパーの襲撃も、背後で彼女が画策したことだった。そしてコルサント解放作戦の最中、彼女はついにコランを殺害し(実際には帝国軍の捕虜にし)、タイコ・ソークーに嫌疑を掛けることに成功する。その後もエリジはアイサードが残していったクライトス・ウイルスに対する新共和国の反応を見るためにコルサントに残っていた。クライトス・ウイルスは帝国の支配下におけるバクタ・カルテルの市場独占を保証する切り札だったのだ。だが、コランの生還によってエリジの裏切りが発覚し、彼女はコルサントからの逃走を余儀なくされる。アイサードは首都の地中に埋められたスーパー級スター・デストロイヤー<ルサンキア>を浮上させ、エリジを回収すると、タイフェラへと撤退したのだった。
アイサードと共にタイフェラに帰還したエリジは、タイフェラ国防軍の航空隊長に任命され、バクタ輸送船団を護衛するTIEファイター・パイロットたちの訓練を行っていた。また、彼女はバクタ・カルテルの重要閣僚として大きな権力を得た帝国の元モフ、フラリィ・ヴォールーの愛人としても振る舞うようになる。しかし、この関係もヴォールーがアイサードへの裏切りを見抜かれて新共和国軍の捕虜となった際に終わりを迎えるのだった。やがてバクタ戦争が開始されると、エリジは<ルサンキア>の護衛を命じられ、彼女の戦闘機部隊は宿敵となったローグ中隊との交戦を強いられる。そして、彼女自身もTIEファイターで出撃し、戦闘の最中に逃亡するアイサードの護衛を命じられていた。この戦いのなかでエリジはナワラ・ヴェンのXウィングを撃破するが、ヴェンは辛くも愛機から脱出し、一命を取り留める。そしてその直後、エリジはコランのXウィングと対峙した。彼女はハイパースペースへの逃走を試みるが、その前に放たれたコランの一撃は正確にエリジの機を貫き、かつては仲間だった裏切り者を葬ったのである。
サクワッシュのホハス・エクウェッシュは、新共和国の精鋭パイロットたちによって構成されるレイス中隊の創設メンバーの1人である。大抵のサクワッシュと同様に、エクウェッシュは全身を短い茶色の毛に覆われており、頭部からは一直線に伸びる栗色のたてがみを生やしている。また、彼は直立すると2メートルにもなる長身だが、それでも「ラント(発育不良)」の異名で知られていた。なぜなら、ホハスは彼の家族の中で最も背が低かったのだ。しかし、彼はその体の大きさから宇宙戦闘機のパイロットになることができ、戦闘機を飛ばすために新共和国軍に加わったのだった。
しかし、サクワッシュ特有の多重人格がホハスの破滅の原因となる。彼のパイロットとしての心が命令の間を不安定に行き来し、様々な状況下で彼自身を当惑させたのだ。その結果、彼はいくつもの中隊を渡り歩くことになり、ウェッジ・アンティリーズが新しく設立した中隊がもはや最後のチャンスとなるのだった。だが、ラントは仲間のパイロット、ケル・テイナーの助けを得てパイロット感を極めて知的に発達させ、優秀なパイロットとなり、ついにはグレイ中隊の一員に抜擢されたのだった。その後、グレイ中隊はレイス中隊と呼ばれる特殊部隊へと変化し、ラントはこの中隊の肉体トレーナーとしても活躍するようになる。
レイス中隊が海賊団を装って行動するという秘密の任務を与えられたとき、彼はそれに先立って中隊の通信スペシャリストとなるべく追加訓練任務を受けていた。後にホハスたちはハン・ソロ将軍と共にセラギスでズンジ大将軍を追跡し、彼のスーパー級スター・デストロイヤー<アイアン・フィスト>を撃破したが、その後、レイス中隊は戦闘機部隊司令部から新共和国情報部へと転属させられる。ホハスも中隊の他の仲間たちと共に、この転属命令に従ったのだった。