セブルバはマラステアの小さな集落ピクサリトで生まれた樹上種族のダグである。彼は共和国の終わりにモス・エスパで広く名声を得た、アウター・リムで最高のポッドレーサー・パイロットだった。多くの観衆は彼の高度にパワーアップされたレーサーの速度と彼自身の高度な操縦テクニックを信じて疑わないが、セブルバの勝利の多くはポッドレーサーに隠された違法な武器の使用によってもたらされたものだった。セブルバは反則行為に染まっており、有力なライバルへの妨害行為はレースの開始前にまで及んでいる。他のパイロットの死を見届ける行為は、レースでの勝利以上にセブルバを喜ばせるのだった。
また、セブルバの不道徳な性格は奴隷売買に携わっていたことでも証明される。彼はアウター・リムで売り払う子供たちを管理するため、アビシンとサキヤンの子分を雇っていたのだ。
こうしたスポーツマンシップに反する卑劣な手口にも関わらず、彼はファンからの圧倒的な人気を誇っている。モス・エスパのファンたちはアキムのムンク・ストリート・カフェでセブルバを取り囲み、この人気スターにプレゼントを捧げていた。評論家たちは彼の人気を詐欺だと言って冷笑する。結局のところ、セブルバが出場するレースには激しいクラッシュが保証されているだけなのだ。
また、セブルバは完全主義者でもあった。彼はいつもレース会場で紹介される際にファンファーレを鳴らす個人的なバンドを用意しており、レース前にリハーサルまで行っている。そして、彼の所有物で最も高い評価を得ているものは、美しい双子のトゥイレックのマッサージ師、タン・ゲラとアン・ゲラだった。彼は大きなレースの前には必ず彼女たちのマッサージを受けている。
運命のブーンタ・イヴ・クラシックでも、セブルバは優勝候補として圧倒的支持を得ていた。だが、地元タトゥイーン出身の奴隷少年、アナキン・スカイウォーカーの健闘によってレースは意外な展開を見せる。そして、最終ラップでトップ争いを演じた2人はお互いのマシンをもつれ合わせ、結局、制御を失ったセブルバは高価なレーサーを不毛の砂漠に激突させるのだった。
しかし、セブルバはこの程度の失敗で落胆するような男ではない。彼はその日のうちにクワイ=ガン・ジンからアナキンの使ったポッドレーサーを購入し、大急ぎで自分のトレードマークであるオレンジ色に塗り替えるのだった。その後、セブルバはヴィンタ・ハーヴェスト・クラシックに出場するため故郷のマラステアへと旅立っていった。
なお、セブルバのその後は記録に残されていないが、後世になって彼の孫パグウィスがポッドレースの伝統を引き継いだと言われている。
ガスガノはトロイケン出身のゼクストで、6本の手足に計24本の指を持っている。彼はセブルバに一度も勝ったことがないが、ブーンタ・イヴのレースでは人気の高い優勝候補の本命である。ガーデュラ・ザ・ハットのためにレースに出場し、ガーデュラとジャバとの間で行われる激しい賭けの対象となっている。レースではアナキンに次いで2番目にゴールした。
ガスガノは多くの腕と器用な指で同時に多数のマシン調整を行えるため、極めて恐ろしい存在である。種族の他のメンバーと同様に、素早い反射神経と長い首を持っており、エンジンに対振動タービンと推進式安定コーンの付いたカスタム・レーサーに搭乗している。
ツンド星系出身の愛想のよいベン・クワディナロスは、標準的なトーングよりは小さいが、ブーンタ・イヴ・クラシックの参加者中で一番の長身である。全くの経験不足だった彼は、慌てて作ったポッドレーサーでブーンタ・イヴ・クラシックにエントリーした。通常のポッドレーサーはエンジンを2基搭載しているが、彼のバルタ=トラバットBT410は4基のエンジンを搭載し、出場者の中でも最も強力なマシンとなるはずだった。しかし、アナキン・スカイウォーカーのポッドを壊そうとしたアーク・ルースによって間違って操縦系統を破壊されてしまい、結局彼はスタートラインを越えることさえできなかった。だが、クワディナロスはボールズ・ローアとの賭けに勝利し、5,000,000ペガットという莫大な利益を手に入れる。ローアはこの臆病なトーングが、危険なブーンタ・イヴ・クラシックに出場するとは思わなかったのだ。
惑星ホック出身のポッドレーサー・パイロット、マーホニックはグランであり、種族特有の羊に似た顔に3つの目を持っている。3つ目による視界は危険なコースを走る際にとても役に立つ。彼はブーンタ・イヴ・クラシックに出場し、最前列からスタートした。しかし、レース開始直後、セブルバによってマッシュルーム・メーサの巨大な岩壁に叩きつけられ、1周目でクラッシュしてしまう。
マーホニックはグランの出身惑星であるキニエンには一度も行ったことがなく、グランの植民星の1つであるホックで生まれ育った。彼は標準的なグランからすると発育不良であり、幼い頃から友人たちによくからかわれていた。そこで彼は自分が尊敬を集める手段を考え、思いついたのがポッドレースだったのだ。ポッドレースには彼の呪われた小さな体格が有利に働くのである。
マーホニックはタトゥイーンのレースをなんとか生き延び、その直後にヴィンタ・ハーヴェスト・クラシックに出場している。彼はマラステアのグランたちの間で人気を集めており、まさにそこが彼の追い求めていた場所だったのである。
ノーサウリアンのホールドファストは自らが記者を務める「季刊ポッドレーシング」の体験取材のため、年に4回のポッドレースに出場するジャーナリストである。彼は素晴らしいライターだが、ポッドレースの腕前はそれより明らかに劣っている。そのため、同僚たちからは出場自体をジョークとして受け止められ、決して成功するパイロットになるとは思われていない。
彼はレースに出場する勇気の証として、輝くメダルを襟首で誇らしげに振り回しているが、セブルバのような残忍なパイロットには何の意味もなさなかった。ホールドファストのレーサーは2周目でセブルバの火炎放射を浴びて大破し、彼自身も砂漠に投げ出されてしまったのである。しかし、彼は生き延び、レースの公式記録によると完走して7位に入賞を果たしている。これは、ホールドファストがジャーナリストの特権を利用し、自分のキャリアを救うために結果を改ざんしたものだとささやかれている。
レースのとき、ホールドファストは敏感な目を保護するため、電気式サンバイザーを装着している。身長は1.52メートルで、頭からは6本の角が生えている。
無慈悲で自慢屋のプーアイで、種族特有の長い曲がった首、くちばしのような鼻面をしている。マース・グオはリムで行われるマイナー・リーグの常連だが、大きな大会に出場したことは一度もなかった。
ある日、グリミックのコンサートで泥酔していたグオは、セブルバのマッサージ係の1人、青いトゥイレックのアン・ゲラに惚れ込んでしまう。彼はブーンタ・イヴ・クラシックで優勝し、その賞金で彼女を買取り、タトゥイーンから連れ去るという非現実的な約束をしてしまった。これを知ったセブルバは激怒し、レース中にグオを抹殺することを決意したのである。ポッドレーサーの調整に集中していたグオは目が疲れていたため、セブルバがポッドの右エンジンに小さな金属片を入れたことに気づかなかった。その結果、彼のレーサーは大破し、彼自身も重傷を負って医療センターへと運ばれたのだった。
オディ・マンドレルはタトゥイーンで生まれた爬虫類型種族、エルキットのポッドレーサー・パイロットである。青い肌に尖った耳を持つマンドレルは、高スピードのスリルに取り付かれた狂人であり、後にアウター・リムで最高のパイロットとして知られるようになる。他のパイロットたちからコース上の向こう見ずな脅威として恐れられている彼は、死や怪我を恐れず、さらには他のどんな生命にもほとんど敬意を払わないのだ。
ブーンタ・イヴ・クラシックのレース中、彼はポッドのエンジンをオーバーヒートさせてしまい、ピットでの修理を余儀なくされる。しかし、ピット・ドロイドのDUM-4が誤ってエンジンに吸い込まれ、マンドレルのポッドレーサーは大破してしまうのだった。彼はなんとか修理を終え、レースに復帰するが、セブルバとアナキンのデッドヒートに押されたため、再びコースに入ることはできなかった。
その後、怪我によってレースを引退したオディは機械工の職を見つけ、ウルダ・バナイのモス・エスパ・スウープ・アリーナで働くようになる。
ラッツ・ティレルはタトゥイーンのブーンタ・イヴ・クラシックに出場したアリーナのポッドレーサー・パイロットである。一般に彼らの種族は必要以上のスピードを出すことで知られているが、それは故郷の惑星にサグキャッチャーと呼ばれる極めて足の速い肉食獣が生息しているからである。
ティレルも一見したところ大人しく無邪気に見えるが、実際は驚くべき反射神経の持ち主だった。彼のポッドレーサーは巨大なタービンによる吸引力で有名であり、これまでのレースでも確実に賞金を手にしている。ティレルは退院したばかりの妻と3人の幼い子供が見守る前で、ブーンタ・イヴ・クラシックのレースをスタートしたのだった。
しかし、彼は家族の期待を裏切り、このレースで優勝することができなかった。1周目の洞窟に入った瞬間、油断していた彼は目の前に現れた巨大な岩の柱に激突し、ポッドレーサーと共に爆炎に包まれてしまったのだ。ティレル自身もこの事故で死亡し、残された家族はタトゥイーンで悲しみに浸ることになる。
その後、亡き父の思い出を胸に秘めた息子デランド ”パブズ” ティレルによってラッツ・ティレル基金が設立され、ポッドレースから法による保護を奪おうという動きが展開された。財団の目標は父の命を奪ったブーンタ・イヴ・クラシックであり、彼はこれ以上自分と同じような孤児を増やさないために、ポッドレースを違法なスポーツとして禁止することを求めていたのである。
大きな目と短く平らな耳をしたティーント・パガリスは、ブーンタ・イヴのポッドレースで最も長いエンジンに引かれていたヴェクノイドのポッドレーサー・パイロットである。彼は故郷ムーナス・マンデルで慣例とされている見合い結婚を拒否し、その罪で故郷を追われた追放者だった。やがてタトゥイーンにたどり着いたパガリスは、セブルバの専属マッサージ師、ルーシアン・トゥイレックのアン・ゲラに密かな想いを寄せるようになる。だが、後に仲間のポッドレーサー・パイロット、マース・グオも彼女に惹かれていることを知ると、グオがアン・ゲラを誘拐しようとしていることに恐怖を抱くのだった。彼はセブルバにグオの陰謀について警告し、それを聞いたセブルバもレース中にグオへの報復を行おうと考える。結果的にグオはレース中の事故に見せかけて病院送りにされるが、パガリスとアン・ゲラが結ばれることもなかった。
ティーントのポッドはこのレースの途中にサンド・ピープルたちの襲撃を受けリタイアするが、彼は頑丈なコクピットに助けられ、なんとか一命を取り留めている。その後、ティーントはヴィンタ・ハーヴェスト・クラシックのレースに出場するため、マラステアへと旅立っていった。だが、彼は度重なるクラッシュによって腕や体を何箇所も損傷してしまい、最終的にレースを続けることを断念してしまう。その後、パガリスはタトゥイーンで引退生活に入り、ウルダ・バナイの経営するモス・エスパ・スウープ・アリーナで、機械工として働きながら余生を過ごしている。
ダッド・ボルトは残忍で恐れを知らないヴルプタリーンのポッドレーサー・パイロットである。身長0.94メートルと小柄なボルトは、セブルバの空中におけるボディガードとして密かに報酬金を受け取っていた。セブルバには劣るものの、彼はそこそこ腕の立つパイロットだが、ボルトの真の目的はセブルバを毎回優勝させることにあり、ひたすら他のパイロットの妨害に専念している。実際に通常の報酬に加え、他のポッドレーサーを破壊したり、コース上から消すごとにボーナスも支払われているという。
同じ種族の仲間と同様に、ダッド・ボルトは突き出た数本の牙に飾られた分厚い鼻面をしている。目と目の間には耳に向かってギザギザに尖った一列の毛がまっすぐ生えており、鼻面からは奇妙なアンテナのようなものが1本伸びている。
彼はレースの3周目でアーク・ルースとクラッシュしてしまい完走を逃がしたが、モス・エスパの医療センターで治療を受け、生還を果たした。
身長1.02メートルの野心家カム・ネイルは、プルー・セクターに属する惑星プルーIV出身の水陸両棲種族である。彼は素性を隠すためイラン・マックという偽名を使ってブーンタ・イヴに参加した新参者のポッドレーサー・パイロットである。ネイルは最近になってプルー・セクターで殺害されたフラグリアンの犯罪王ボーズ・ネイルの息子であり、父の敵である殺し屋オルダー・ビードの命を狙っている。
フラグリアンは神経系が額にあるため、レースの最中でも驚くべき速さで知識を仕入れることができる。ブーンタ・イヴ・クラシックでは父の敵を討つことはできなかったが、5位でゴールした。
バンピーの異名をとるアーク・ルースは、ブーンタ・イヴ・クラシックに出場した間抜けなポッドレーサー・パイロットである。前回のレースでアナキン・スカイウォーカーに追い抜かれた直後から、バンピーは彼を驚異とみなすようになった。セブルバの旧友でもあるルースは、アナキンの妨害を企て、彼のポッドレーサーの操縦系統を壊そうとしたが、間違えてベン・クワディナロスのポッドレーサーをいじってしまう。彼自身はダッド・ボルトのレーサーとクラッシュし、3周目でリタイアしてしまった。
強烈な悪臭を放つスニーヴルのボールズ・ローアは、悪名高い大酒飲みであると同時に、最高のグリミック歌手でもある。彼はブーンタ・イヴ・クラシックの前夜、混雑するモス・エスパのカジノ、プードー・ラウンジで仕事をしつつ、ステージから臆病なトーングのベン・クワディナロスをあざけり笑っていた。そして酔った勢いで、臆病なトーングがレースに出場できるわけがないと5,000,000ペガットを賭けてしまう。しかし、予想に反してベンはレースに出場し、賭けに敗れたボールズは、悔しさをあらわにした。
彼は歌手として財産を築き、稼ぎを趣味のポッドレースにつぎ込んでいるが、自分のマシンの改造はほとんど行っていない。パイロットとしての腕前も未熟なことで知られているが、ブーンタ・イヴ・クラシックでは完走を果たし、6位でゴールした。
グライムフィッドの殺し屋、オルダー・ビードは二流のポッドレーサー・パイロットである。身長は1.3メートルほどで、長い鼻面とひょろ長い唇をしている。黄緑色の体は斑模様をしており、細い目には赤い瞳が輝いている。また、指の先には吸盤がついている。
彼はプルー・セクターで犯罪王ボーズ・ネイルを殺害するという仕事に成功し、最近になってレースに復帰したばかりである。ビードはブーンタ・イヴ・クラシックにエントリーしたが、彼の興味はレースで優勝することよりも、むしろセブルバを殺すことによって得られるワン・サンデッジからの莫大な報酬に向けられていた。しかし、結局今回の仕事には失敗してしまう。それでも彼はブーンタ・イヴ・クラシックに3位で入賞し、その後セブルバを追ってマラステアへと向かった。彼はそこで行われたヴィンタ・ハーヴェスト・クラシックで再びワン・サンデッジに雇われ、セブルバ暗殺を試みるが、またしても失敗してしまう。
やがてビードは「選ばれし者の教団」からジェダイ評議会のメンバーの殺害を依頼される。教団はジェダイ・マスター、イーヴン・ピールの出身惑星ラニックにおけるテロリスト活動を広めようとしていたのだ。
イブ・エンドコットはマラステアで行われるポッドレースのセミ・プロ・トーナメントで、3回連続優勝の記録を誇るポッドレーサー・パイロットである。彼はその賞金でコレリア製の貨物船を購入し、自分のポッドレーサーをタトゥイーンへ運んだ。かなり自信過剰なエンドコットは、セブルバの勝利の日々も終わりを告げると信じていたのだ。ブーンタ・イヴ・クラシックでは4位に入賞を果たした。
トリフィアンのイブは身長1.22メートルで、外見上の最大の特徴は、頭から生えた温度調整機能を持つ一対の耳たぶである。ブーンタ・イヴ・クラシックでアナキン・スカイウォーカーに敗れた後、彼はマラステアに帰り、再びレースに出場している。
ネヴァ・キーは大きな耳を持つ爬虫類型のポッドレーサー・パイロットである。彼は通常のリパルサーリフト・ポッドとは異なる、エンジンとポッドが一体化した珍しいポッドレーサーに搭乗し、スターティング・グリッドの最後列からスタートした。彼の特徴的なレーサーはレース事務局とファンの注目を集め、彼が自分の決めたルールにしか従わない一匹狼であるという印象を植え付けることになる。
キーは極めて注目されたパイロットだったが、ファンの熱狂を浴びることはなかった。彼は2周目でコースを外れてハット平地へと突き進み、その後二度と姿をあらわさなかったのである。
数多くの女性ファンを持ち、威勢のいいプレイボーイとして知られるワン・サンデッジは、2歳のころからポッドレースに参加している。ブーンタ・イヴ・クラシック出場時には6歳だったが、平均寿命が10年ほどと短いデヴリックとしては、彼は既に老人の仲間入りだった。
サンデッジはレースで自分が優勝する唯一の可能性があるとすれば、それはセブルバを排除することだということを知っている。1人では達成が不可能だと悟った彼は、殺し屋のパイロット、オルダー・ビードを雇うが、失敗してしまう。しかし、仮に成功していたとしても、彼は優勝することはできなかっただろう。サンデッジは3周目でレーサーのコントロールを失い、ジャワのサンドクローラーに衝突してしまったのである。
その後、彼はマラステアで行われるヴィンタ・ハーヴェスト・クラシックに出場するため、大急ぎでレーサーの修理を行った。そこでも彼はライバルのセブルバを始末するためビードの助けを借りるが、再び失敗し、優勝することはできなかった。