幼い頃に両親を失い、辺境の砂漠の惑星タトゥイーンで育った少年ルーク・スカイウォーカーは、自分の運命を知ることなく、叔父夫妻の経営する貧しい水分農場で退屈な日々を過ごしていた。彼のわずかな楽しみといえば、叔父に買ってもらったランドスピーダーを乗り回し、友人たちとT-16スカイホッパーでベガーズ渓谷を疾走するレースを行うことだけだった。
ルークは明るい金髪と輝く青い瞳をしたハンサムで健全な若者である。タトゥイーンの水分農場では標準的な白いチュニックを身に付け、腰には水分凝結機の修理道具を収容したユーティリティ・ベルトを巻いていた。宇宙への冒険に憧れるルークは、いつの日か帝国宇宙軍アカデミーに入学し、宇宙戦闘機のパイロットとなって銀河系を駆け巡ることを夢見ていたのである。しかし、叔父のオーウェン・ラーズは、タトゥイーンの小さな田舎町アンカーヘッドの近郊にある水分農場でルークの力を必要としており、毎年のように彼の進学を先送りし続けていた。彼の本当の生い立ちを知る叔母のベルーは、ルークが一生農夫のままでいるべきではないと考え、陰でオーウェンを説得する。また、先にアカデミーへ入学していた友人のビッグズ・ダークライターも、ルークの持つパイロットとしての天性の素質を認め、ルークと共に宇宙を冒険することを心待ちにしていた。事実、タトゥイーンを離れて帝国の圧政に苦しむ銀河の現状を見たビッグズは、ルークとの再会の折に反乱軍と合流することを打ち明け、ルークにも参加を呼びかけている。しかし、叔父は決して首を縦に振らず、やがてタトゥイーンを出て行った友人たちと会う機会も失われていくと、かつて抱いていた希望も現実味を失っていくのだった。
彼の人生の大きな分岐点は、ベン老人との出会いによって始まった。ルークはスカイホッパーが事故で墜落したとき、サンド・ピープルに襲われていたところをベンに救われたことがある。実はベンは若き有望なパイロットであるルークの将来を見守るジェダイ・ナイトの生き残りだったのだが、当時のルークにとってそんなことは思いもよらないことだった。そして彼を真実から遠ざけようとするオーウェンはベンを狂人扱いし、ルークの前から追い払っていたのである。しかし、オーウェンがジャワから購入した2体のドロイド、C-3POとR2-D2がルークを再びベン老人に引き合わせることになる。タトゥイーンの軌道上における帝国軍の襲撃から脱出したR2は、かつてのクローン大戦の英雄であるジェダイ・マスター、オビ=ワン・ケノービ、すなわちベン・ケノービへの重要なメッセージを託されていたのだ。
R2-D2に収められた反乱軍のリーダーの1人であるレイア姫のホログラム・メッセージは、このドロイドに入力された帝国軍の究極兵器デス・スターの設計図を、オルデランで待つベイル・オーガナ総督のもとに届けて欲しいというものだった。このとき初めて、オビ=ワンはルークに真実を告げる。オーウェン叔父はルークの父親がスパイス密輸船のパイロットであり、クローン大戦中に死んだのだと説明していたが、それはルークの将来を案じるが故の嘘だったのだ。オビ=ワン曰く、ルークの父アナキン・スカイウォーカーは彼の弟子として修行を積んだ有望なジェダイ・ナイトだったのだという。しかし、同じくオビ=ワンの弟子だったダース・ヴェイダーという若いジェダイが共和国を裏切り、多くのジェダイを虐殺したのだった。このときアナキンもヴェイダーに殺されたというのだ。
オビ=ワンはルークに自分と共にオルデランへ行き、そして父の後を継ぐためにジェダイの訓練を積むべきだと説く。ルークは次世代のジェダイ・オーダーを復興させるための新たなる希望なのだ。ルークは叔父夫妻の反対を懸念し、一度はオビ=ワンの申し出を断るが、オーウェンとベルーがドロイドを捜索していた帝国軍に惨殺されていたことを知り、決心を新たにする。彼らはモス・アイズリー宇宙港で密輸船<ミレニアム・ファルコン>の船長ハン・ソロと出会い、オルデランへと旅立っていった。そしてルークは旅の傍ら、オビ=ワンからフォースの使い方を伝授されたのである。しかし到着したのもつかの間、オルデランは帝国軍のデス・スターによって既に破壊されており、<ファルコン>もデス・スターのトラクター・ビームによって拿捕されてしまう。ルークらは捕らえられていたレイアの救出に成功するが、オビ=ワンはそこでかつての弟子ヴェイダーと因縁の対決を交えた。衰えたオビ=ワンはシス卿の前に成す術なく破れ、肉体を消滅させてしまう。それでもオビ=ワンの魂はルークの心の中で生き続け、フォースを通じて彼に助言を与え続けたのである。そして、ヤヴィン4にある同盟軍秘密基地を飛び立ったルークは、見事デス・スターの破壊に成功したのだった。
3年後、デス・スターの破壊を生き延びたヴェイダーは、ヤヴィンで強いフォースを覚醒させた反乱軍パイロットの名がスカイウォーカーであることを突き止め、銀河系規模の捜索を行っていた。スカイウォーカーの末裔がジェダイとなることは、シスにとって最大の脅威だったのだ。ルークは反乱軍を氷の惑星ホスに導くが、それも帝国軍の知るところとなり、後にホスの戦いと呼ばれる壮絶な地上戦の末、同盟軍は撤退を余儀なくされる。そこでルークはオビ=ワンの助言に従い、R2と共に単身でジェダイ・マスター、ヨーダが隠遁しているというダゴバへと向かう。一方で、ヴェイダーはルークを捕らえるためにクラウド・シティの執政官であるランド・カルリジアンを脅迫し、ハン、レイア、チューバッカらを罠にはめるのだった。
およそ800年にもわたって若いジェダイを訓練してきた小柄なジェダイ・マスター、ヨーダは、ルークを最後の弟子として訓練する。しかし、仲間の危機を感じ取ったルークは修行を終えぬままダゴバを発ち、ハンたちが捕らえられているクラウド・シティへと向かう。だが、ハンは既にカーボン冷凍にされており、タトゥイーンのジャバ・ザ・ハットの元へと運ばれていった。そして、ルークはついにヴェイダーとの対決を向かえることになる。ヴェイダーはルークを力で圧倒し、絶望的状況にまで追い詰めると、自分こそがルークの父親であるという衝撃の事実を語るのだった。ヴェイダーは息子を仲間に引き込み、やがてはパルパティーン皇帝を倒して親子で銀河系に君臨しようと目論んでいたのである。しかし、激しく動揺するルークは誘いを拒否し、自らクラウド・シティの奈落の底へと身を投じる。それを救ったのはルークの心の叫びに共鳴したレイアだった。
その1年後、ジャバ・ザ・ハットの犯罪組織を壊滅させ、ソロを救出したルークは再びヨーダを尋ね、修行の再開を求める。しかし、力を付けたルークにヨーダが教えるべきことは残っておらず、ヴェイダーを倒したとき、彼はジェダイとして認められることになるのだ。このとき、ヴェイダーの言葉に悩み続けてルークはヨーダに真相を問い詰め、それが真実だったことを知る。その直後、病に苦しむヨーダは息絶え、再び姿をあらわしたオビ=ワンはルークと彼の双子の妹であるもう1人のスカイウォーカーこそが銀河系に残された最後の希望なのだと告げる。ルークは妹がレイアであることを直感で見抜き、父をダークサイドから救い出す決心を抱くのだった。
そのころ、エンドアの軌道上で建造中の第2デス・スターを攻撃するため、同盟軍艦隊が集結しつつあった。同盟軍は既に皇帝が自ら視察のために第2デス・スターを訪れているという情報を入手し、これが銀河内乱における最後の戦いになると考えていた。ルークはシールド発生装置を破壊すべくハン、レイア、チューバッカらと共にエンドアに潜入するが、ヴェイダーと会うために自ら帝国軍に投降する。そしてヴェイダーはルークを従え、パルパティーンの玉座の間へと帰還した。2人は皇帝の前で再びライトセイバーを交え、激しい戦いを繰り広げる。外の戦いはデス・スターのスーパーレーザーによって同盟軍が劣勢に立たされており、仲間の身を案じるルークも不安と動揺を隠し切れなかった。ヴェイダーは戦いを避け物陰に隠れたルークの心を読み、娘の存在を知ることになる。レイアに危険が及ぶことに激怒したルークは激しい攻撃に転じ、ついにヴェイダーを屈服させるのだった。このとき彼が完全にダークサイドに落ちたと確信した皇帝は、ルークを従えようとするが、怒りの感情を制御したルークは皇帝の誘惑を敢然と拒否する。彼はついに真のジェダイとなったのだ。
しかし、パルパティーンにとって、これはたいした問題ではなかった。ダークサイドを拒むのなら殺せばいいのだ。皇帝はフォースの稲妻でルークの抹殺を開始するが、ここで彼にとって最大の誤算が生じることになる。息子の悲痛な叫びに呼応したヴェイダーがダークサイドからの帰還を果たし、自らの命を捨てて皇帝に立ち向かったのである。ヴェイダーはこれまでの師を第2デス・スターの反応炉に突き落とし、ルークと共に銀河系をダークサイドから救ったのだ。このときスカイウォーカー親子は初めて素顔の対面を果たすが、同時にそれは最後の対面になるのだった。
やがて帝国は名実共に崩壊し、新共和国の樹立が宣言される。ルークはヤヴィン4に悲願のジェダイ・アカデミーを設立し、ジェダイ候補生たちの育成に努めていた。ソロとレイアの子供たちも加わり、数々の危機を迎えながらも次世代のジェダイ・オーダーは着実に成長し続けている。
レイア・オーガナはわずか18歳にして故郷オルデランのプリンセスとなり、養父ベイル・オーガナの後継者として史上最年少の帝国元老院議員に選出された。彼女は幼少のときに双子の兄ルーク・スカイウォーカーと隔離され、オルデランの総督にして第一議長でもあるオーガナのもとに養女として預けられていたのだ。レイアは幼い頃に母親を亡くしたことを覚えているが、その後、総督である父とその妹たちによって養われたと記憶している。レイアはベイルから政治について多くを学び、上流貴族として礼儀作法は叔母たちから、歴史学はアーン・ホラーダから、武器の使い方や護身術はガイルズ・デュレインから学んでいた。彼女はベイル・オーガナを実の父親であると信じており、本当の父親が実は最悪の政敵であるなどとは考えてもいなかった。
レイアは当時から壮麗な美しさと力強い性格を併せ持った印象的な女性だった。彼女は美しい茶色の髪と瞳を持ち、オルデラン王室の伝統である白いガウンを身に纏っていた。多くの訓練と献身を重ねてきたレイアはときおり極少数の反対者から罵声を浴びせられるが、彼女と面識のある人々の多くは、レイアを心の優しい思いやりのある女性だと考えている。
帝国元老院では自らを皇帝と称したパルパティーンによって巻き起こされた大きな論争が渦巻いており、彼女は即座に自分がその中へ巻き込まれていく姿を目の当たりにする。レイアが皇帝の政策に対して議会で激しく反対する傍ら、ベイル・オーガナはチャンドリラのモン・モスマ議員やコレリアのガーム・ベル・イブリス議員に働きかけ、皇帝に対抗するレジスタンス組織を築き上げた。この組織は後に反乱同盟軍となり、若きプリンセスも元老院の外交特権によって内密に彼らを支援することになる。
反乱同盟軍を支援するレイアの秘密活動は、ときとして彼女を危険に晒すことになる。しかし、レイアは革命の重要性と比べれば自分など消耗品に過ぎないと考えており、帝国軍の捕虜となることも含め、あらゆる手段をもって反乱軍を援助する決意を固めていた。そして、ラルティアへの外交任務の際に当地の反乱グループから皇帝の新型超兵器デス・スターの存在を聞かされたとき、決定的な事件が起こったのである。ラルティアを統治するタイオン卿との晩餐会の席でレイアは彼と口論となり、デス・スターの名を口にしてしまう。これをレイアと反乱軍との関係を示す証拠とみなしたタイオン卿は、彼女の身柄を拘束すると告げるが、不慮の事故でレイアによって射殺されてしまったのだ。この事件は同席していたベイルの力で事故として扱われたが、レイアは既に自分が後戻りできない危険な立場に身をおいていることを認識するのだった。
数日後、帝国軍のモッティ提督のスター・デストロイヤーを襲撃した反乱軍のスパイ部隊は、デス・スターの設計図の奪取に成功する。オルデランの外交船<タンティヴィIV>で設計図の伝送を受けたレイアは、その情報を父に届けるためオルデランへと急ぐが、帝国軍のインペリアル級スター・デストロイヤー<デヴァステーター>に発見されてしまう。彼女はやむなく辺境の惑星タトゥイーンにコースを変更するが、そこはベイルがかつて彼女に教えたオビ=ワン・ケノービという名の高名な将軍が隠遁している惑星だった。オビ=ワンはベイルと共にクローン大戦を戦った偉大なジェダイ・マスターであり、ベイルも彼ならば同盟軍を救うことができると信じていたのである。
しかし、<タンティヴィIV>はハイパースペースを離脱した直後に<デヴァステーター>の攻撃を受け、メイン・ドライブを破壊された後、トラクター・ビームによって拿捕されてしまう。レイアは素早く考え、奪取したデス・スターの設計図をアストロメク・ドロイドのR2-D2に転送させると、彼にケノービを捜索し、設計図をわたすようにと命令する。ケノービに自分の状況を説明するメッセージを記録し終えた直後、彼女は帝国軍のストームトルーパーに捕らえられ、シスの暗黒卿として知られるダース・ヴェイダーのもとへ連行されたのだった。レイアは帝国軍の捕虜となって数々の尋問を受けるが、たとえ自分にどんな悲劇が待っていようと、R2-D2が任務を成し遂げて反乱同盟軍を救ってくれるはずであると頑なに信じていたのである。
タトゥイーンに不時着したR2-D2とC-3POは、トラブルに見舞われながらも無事にメッセージをオビ=ワンに伝え、水分農夫のルーク・スカイウォーカーらと共にオルデランを目指した。そのころ、デス・スターでは最高司令官のグランド・モフ・ターキンによる尋問が開始されており、レイアは反乱軍の秘密基地の場所を追及される。彼女は嘘の情報を伝えるが、その直後、デス・スターのスーパーレーザーによって父のいるオルデランが宇宙の塵に変えられてしまったのである。そして彼女は死刑囚として再び監房区画に収容されるのだった。だが、オルデラン星系に到着したオビ=ワンの乗る<ミレニアム・ファルコン>もそのままデス・スターに収容され、彼女はルーク、<ファルコン>の船長ハン・ソロ、副操縦士のチューバッカらの勇敢な行為によって救出される。しかし、オビ=ワンはかつての弟子であるダース・ヴェイダーとの対決に破れ、この世を去るのだった。
やがてヤヴィンの戦いによってデス・スターは破壊されたが、帝国軍はすかさず勢力を挽回し、逆に反乱同盟軍は窮地に立たされていた。苦しい戦いの中で、次第にレイアは自分と正反対の境遇を過ごしてきたハンに思いを寄せるようになる。ホスの戦い後、ルークを執拗に追跡するダース・ヴェイダーは、ベスピンのクラウド・シティでレイアたちを捕らえ、ルークを誘い出そうと企んだ。ハンはルークを皇帝に献上する際の実験台としてカーボン冷凍処理され、悪名高い賞金稼ぎのボバ・フェットによってタトゥイーンへと運ばれる。レイアとソロの旧友ランド・カルリジアンはハンの追跡を断念し、<ファルコン>で脱出を図るが、レイアはルークの心の叫びを聞くとランドに引き返すことを要求し、クラウド・シティの下部にしがみつくルークを発見したのである。
1年後、仲間と共にハンの救出に成功したレイアは、彼に完全に心惹かれていることを認識していた。そしてエンドアでの決戦の前夜、彼女はルークから彼が自分の双子の兄であること、そしてヴェイダーが実の父であることを告げられ、現実から逃げ出したい衝動に駆られる。だが、ルークは父に善良な心を取り戻させるために第2デス・スターへと向かい、レイアは当初の計画通り帝国軍のシールド発生装置への攻撃を開始する。大部隊の待ち伏せによって戦いは劣勢を極めたが、エンドアの原住種族イーウォックたちの助けを借りた反乱軍の工作部隊は見事任務を果たし、その直後、第2デス・スターは皇帝と共に滅んだのである。
やがて苦難の末、新共和国が樹立され、レイアとハンは永遠に結ばれることになる。2人は双子のジェイセンとジェイナ、そしてアナキンの3人の子供を授かり、親として、そして新共和国のリーダーとして多忙な毎日を過ごしている。
幼い頃に両親に捨てられたハン・ソロは、コレリアの路地で海賊ギャリス・シュライクに拾われ、彼の船<トレーダーズ・ラック>で働きながら奴隷同然の生活を送っていた。ときには物乞いとして街頭で小銭を稼がされ、ときにはスリを働いて上流階級の貴族たちから大金を盗まされていたのだ。実際、ハンは自分の本当の名前も知らなかった。彼自身は自分の生い立ちを知りたがっていたが、シュライクは真実を一切明かさず、ハンを完全に所有物のように扱っていたのである。唯一、彼が自分との血縁を発見したのは、シュライクの命令で泥棒に入った家が偶然にも彼の従兄弟であるスラッカン・サル=ソロのいる屋敷だったということだけだった。だが、そのサル=ソロも冷酷非情な男であり、ハンの孤独な思いが救われることは無かったのだ。
ハンは同じように雇われている同世代の少年たちと比べ、群を抜いて活発で頭のいい少年だった。ときおり潜り込んでいた学校ではガーム・ベル・イブリス元老院議員を驚かせるような質問をすることもあり、またシュライクの金稼ぎのために出場していたスウープ・レースでは英雄的な活躍を見せていた。そして19歳のとき、彼はついに<トレーダーズ・ラック>から脱走することに成功し、新しい人生を歩み始めたのである。
宇宙船の操縦には自信のあったハンは、パイロットの募集広告を頼りに宗教惑星イリーシアへと向かい、トランダ・ティルの最高位司祭テロエンザに雇われることになる。彼はこの大気が荒れ狂う熱帯惑星で見事な操縦を見せ、ときには海賊をも撃退し、英雄として扱われるようになった。しかし、イリーシアはハットのベサディ氏族によって管理された惑星であり、その実態は信徒たちを奴隷として洗脳し、スパイスの精製に従事させるスパイス製造工場だったのだ。真実を知ったハンはトランダ・ティルたちに大きなダメージを与え、この惑星を脱出したのである。
その後コルサントにわたったハンは、カリダの帝国アカデミーに入学を果たす。彼はアカデミーを優秀な成績で卒業し、その後もキャリアを重ね、帝国宇宙軍司令官への出世コースは約束されたも同然だった。しかし、そんな彼の人生を変えたのは、他ならぬ彼自身の良心だったのである。ある日、彼は帝国軍の奴隷収容施設で1人のウーキーが鞭打たれている姿を目撃してしまう。そして、彼は自分の良心に基づく衝動でそれを止めてしまった。帝国の法律ではウーキーをはじめとするエイリアン種族の奴隷売買は合法とされており、ハンはその法律を守る立場にあったにも関わらず、奴隷を解放してしまったのである。法廷で有罪判決を受けた彼はその代償として軍籍を剥奪され、再び放浪を余儀なくされてしまう。一方、彼に助けられたウーキーのチューバッカはハンに「命の借り」と呼ばれる、生涯の忠誠を誓うのだった。だが、すべてを失ったハンは自分の行動を誇りに思うことができなかった。
密輸業者に落ちぶれたハンは取るに足りない仕事で生計を立てていた。チューバッカはそれでも「命の借り」を返すべく、ハンについて回っていた。ハンはそんなチューバッカにいらつきを覚えていたが、数々の苦難を共にするにつれ、2人の間には大きな友情が芽生え、ついに彼はチューバッカの忠誠を受け入れる。そして2人は良き友人、そして良き相棒となったのである。ハンとチューバッカは帝国軍の追跡から逃れ続け、そしてハットの権力争いなどに巻き込まれながらも数年にわたって共に密輸の仕事を続けていた。なかでもケッセルでしか採ることのできないグリッタースティムの密輸は、2人にとって重要な収入源だった。ある日、ハンは悪名高きジャバ・ザ・ハットからグリッタースティムの密輸を依頼される。しかし、ケッセルで密輸の手引きをしていたモルース・ドゥールの裏切りによって、彼の愛機<ミレニアム・ファルコン>は帝国軍の密輸監視船の検問に見つかってしまう。彼は仕方なく密輸品のスパイスを宇宙空間に放棄し、結果的にジャバにとても返すことの出来ない多額の借金を背負うことになったのだった。
ジャバの怒りを買い、途方にくれていたハンに救いの手を差し伸べたのは、オビ=ワン・ケノービと名乗る老人だった。モス・アイズリーの酒場で、オビ=ワンは彼に17,000クレジットもの報酬でオルデラン行きのチャーターの仕事を持ちかけてきた。ハンはこの仕事に飛びつき、ジャバに返済の約束をすると、オビ=ワン、ルーク・スカイウォーカー、そして2体のドロイドを乗せてオルデランへと旅立つ。しかし、ハンを待っていた運命は意外なものだった。オルデランは既にデス・スターと呼ばれる帝国軍の新兵器によって破壊されており、彼はオビ=ワン、ルークらと共に戦いへの道に進むことになる。反乱軍の指導者の1人レイア姫を救出した彼らは、デス・スターの弱点を突き止め、それを破壊することに成功した。こうしてハンとチューバッカは反乱軍の信頼を得て、その後3年にわたって彼らと行動を共にすることになる。一方、ハンに逃げられたジャバは彼の首に法外な賞金を懸けており、賞金稼ぎたちもハンを捕らえるべく銀河を徘徊していたのである。
惑星ホスに秘密基地を構えていた反乱軍は、帝国軍の攻撃を受け、撤退を余儀なくされる。いつしか恋に落ちていたハンとレイアは共に<ファルコン>でホスを脱出するが、ダース・ヴェイダーの執拗な追跡によって追い詰められてしまう。ついにベスピンのクラウド・シティに辿りついたハンたちであったが、旧友ランド・カルリジアンの裏切りによって、ヴェイダーに引き渡されてしまう。彼らはルークを誘い出すための囮だったのである。ヴェイダーはハンをカーボン冷凍し、賞金稼ぎのボバ・フェットに身柄を渡したのだった。
フェットが彫像と化したハンをタトゥイーンへと連れて行くと、ジャバはそれを大変気に入り、宮殿の壁飾りとしたのだった。しかし、ハンは1人ではなかった。その1年後、彼との友情で結ばれた仲間たちはジャバ一味を滅ぼし、彼を救出することに成功する。そして、ハンは再び反乱同盟軍に将軍として迎え入れられ、帝国軍との戦いに協力することになったのだ。レイア、チューバッカらと共にエンドアに潜入したハンは見事に第2デス・スターのシールドを破壊し、反乱軍を勝利へと導いたのである。
その後、銀河は新共和国の時代へと移り、ついにハンはレイアと結婚することになる。帝国軍の残党や、新たな悪の軍勢との戦いは続いていたが、彼らはスローン大提督との戦いの最中にジェイセンとジェイナを、蘇った皇帝との戦いの最中にアナキンを授かる。ジェダイの素質を強く持つ3人の子供たちは叔父のルークが指揮するジェダイ・アカデミーでフォースの手ほどきを学び、たくましく成長していった。
一度は軍籍を引退したハンだったが、新共和国の高官たちは彼の才能と資質を高く評価しており、その後も幾度と無く彼を戦いに引きずり出している。一時はみすぼらしい密輸業者だったハンも、いまや銀河系の平和を維持するために欠かすことの出来ない存在となっている。
ヤヴィンの戦いからおよそ200年前、密林の惑星キャッシークで生まれたウーキーのチューバッカは、深い茶色の獣毛に覆われた忠実で力強い戦士である。賢明なチューバッカは、若い頃から故郷で卓越した宇宙船の操縦技術と修理技術を習得していた。そして、クローン大戦が勃発し、キャッシークを含む銀河系の多くの惑星が戦場と化したとき、彼は故郷を独立星系連合による侵略から守るため、共和国のクローン軍と共に戦ったのだった。このとき、チューバッカと仲間のターフルは、コルサントから派遣されたジェダイ・マスター、ヨーダ将軍の指揮下にあった。ヨーダはかねてからウーキーたちの厚い尊敬を浴びており、彼らと良い信頼関係を築いていたのだ。
やがて、戦いの終盤にコルサントで帝国が誕生しようとしたとき、突如としてクローン軍がヨーダを裏切ったが、チューバッカは老ジェダイ・マスターへの忠誠を失わなかった。チューイーとターフルはクローンによる罠を潜り抜け、ヨーダを脱出ポッドで無事にキャッシークから飛び立たせることに成功したのである。彼らの献身によってヨーダは無事にジェダイの粛清を生き延び、銀河系をダークサイドから救う新たなる希望を見守ることができるようになったのだ。
そして戦争が終わったとき、キャッシークのジャングルから滅多に離れようとしない多くのウーキーたちとは異なり、若いチューバッカは果てしない冒険心に取り付かれていた。彼は初期の旅の中で、故郷の樹上都市ルウークロロから遠く離れた危険な場所を探検し、ついにはさらなる冒険を求めて宇宙へと旅立ったのである。しかし、チューイーの心はキャッシークに深く根付いており、どこで旅をしていようとも、ウーキーたちの休日には必ず故郷で家族たちと過ごすことを忘れてはいなかった。だが、ウーキーはその野性的な怪力と優れたテクノロジーへの適応力によって、帝国から格好の労働力と見なされていた。やがてチューバッカも帝国軍によって奴隷として捕らえられ、故郷へ帰る自由を奪われてしまったのである。
帝国軍の施設で重労働を強いられていたチューバッカを救ったのは、帝国宇宙軍アカデミー出身のハン・ソロと呼ばれる正義感の強い士官候補生だった。ソロはこれが原因で軍籍を剥奪され、行き場を失うことになったが、彼にとって放浪のならず者生活は馴染み深いものだった。チューバッカはハンに、ウーキーの慣習に従った「命の借り」と呼ばれる忠誠を誓い、彼と行動を共にするようになる。ソロは絶えず巨体が付きまとうことをひどく嫌っていたが、多くの冒険を乗り越えるごとに2人の友情も深まっていき、やがてはお互いになくてはならない存在へと発展したのだった。
一方で、チューバッカは帝国軍に捕らえられる直前に、キャッシークで愛する妻マーラトバックと結婚しており、息子のランパワランプを授かっていた。それでもウーキーにとって命の借りは絶対であり、彼を引き留めたくないと考えるソロの思惑とは関係なく、チューバッカが単独で家族の元へ帰ることは許されないのだった。幼い息子は父の記憶を持たずに、妻と祖父のアテチトカックによって育てられることになる。チューイーとマーラが正式な婚姻の儀式を挙げられるのは、これから何年も先のことなのだ。
その後、当てのない生活をおくっていたハンは、宇宙船の操縦技術を認められ、ジャバ・ザ・ハットのお気に入りの密輸業者となった。当初は気が進まなかったチューイーも、やがてはソロの不法行為に手を貸すようになり、2人は銀河系の裏社会で最も名の知れた密輸コンビとなる。そして彼らが貨物船<ミレニアム・ファルコン>を手に入れると、その功績は伝説的なものとなった。チューバッカとソロは愛機<ファルコン>の改造に多くの時間を費やし、オリジナルのYT-1300軽貨物船が持つ本来のパフォーマンスをはるかに超える性能を引き出すことに成功する。チューイーにとって<ファルコン>のメンテナンスは最愛の仕事だったが、彼はことあるごとに天性の気性の荒さを披露し、その毛むくじゃらの腕で何度も愛機の部品を殴りつけていた。
チューバッカはソロの良心のような存在だった。ソロは自分の身を守る以外の行為を頑なに拒否し、金儲け主義の虚勢を張るだけだったが、チューイーはどちらかというと思いやりにあふれた性格だったのだ。これはおそらく、帝国軍に捕らえられている仲間たちの苦痛によってもたらされたものだろう。ソロは銀河内乱の最中にもあらゆる忠誠を避けたが、帝国に激しい憎悪を抱くチューバッカは、反乱を明確に支持していたのだ。しかし、2人は戦争に巻き込まれることを必死に拒否し、やがて運命の出会いを迎えるまで、裏社会での汚れた仕事を続けていたのである。
スパイスの密輸に失敗したことから、ジャバ・ザ・ハットに多額の借金を背負うことになったチューイーとハンは、何としてでも大金を手に入れなければならない状況に追い込まれ、2人の乗客と2体のドロイドをタトゥイーンからオルデランに運ぶという破格の仕事を請け負うことになる。2人の密輸業者にとって、この乗客たちが伝説的なジェダイ・ナイトと、やがて銀河を救うことになる選ばれし者の息子、そして帝国軍と反乱軍の双方にとって極めて重要な情報を持ったドロイドたちであることなど、まったく関係のないことだったのだ。しかし、結果的にこの旅はハンとチューイーを銀河内乱の渦に巻き込み、2人はその後何年も反乱軍のために宇宙を駆け巡ることになるのだった。
ヤヴィンの戦いでルーク・スカイウォーカーを助け、デス・スターの破壊に貢献したハンとチューバッカは、反乱同盟軍から英雄として迎え入れられた。その後も、彼らは仲間たちと共に多くの戦いと苦難を乗り越え、かけがえのない友情と名声を手にしていく。チューバッカはどんなときも常に仲間のことを心配し、心から彼らを気遣い、反乱軍の中にあって誰からも信頼される重要なメンバーとなったのだ。
そしてエンドアの戦い後、ソロと彼の妻となったレイア・オーガナ・ソロは、3人の子供、ジェイナ、ジェイセン、アナキンを授かっていた。ウーキーの命の借りはその家族にも及ぶため、チューバッカはソロの子供たちをあらゆる危機から絶えず守っていた。だが、彼の任務は最悪の状況によって終わりを告げることになる。銀河系の外からやってきた侵略者ユージャン・ヴォングの先兵がサーンピダル星系を攻撃したとき、彼はソロの息子アナキンと<ファルコン>、そして多くの難民たちを救うためにその命を犠牲にしたのだ。このとき、チューイーは命の借りを全うしたのである。