ジャン・ドドンナ将軍は、ヤヴィンの戦いにおいて反乱同盟軍に劇的勝利をもたらした偉大な戦術家の1人である。旧共和国時代、ドドンナはスター・デストロイヤーの初代艦長の1人として選ばれ、そのころから戦術家としての素晴らしい才能を発揮していた。特に、彼の論理的な戦術と、旧友エイダー・トーロンの有する艦隊戦の心得は互いをよく補完し合っていたと言える。事実、2人は現代の宇宙戦に関する著書を数多く残しており、艦隊戦の専門家だったトーロンが銀河大戦における包囲戦術について記した書物を、ドドンナが兵法の立場にたって全面的に書き直したこともあった。その一方で、彼が初期に考案した多くの兵器が帝国軍によって量産され、運用されたことは、ドドンナにとって痛ましいことだった。帝国軍はこれらの兵器を悪名高きドーロンV包囲作戦やアステロイド計画に使用したのである。
ドドンナとトーロンは無二の親友であり、それゆえトーロンの死はドドンナにとって実に悲しむべきこととなった。やがてパルパティーン皇帝の新秩序が施行されたこともあり、彼は帝国軍を退役する決意を固めたのである。しかし、軍事力増強のため旧共和国時代の優れた将校のデータを詮索していた帝国は、高齢のドドンナを再教育に適さない人材であると判断し、皇帝に仕えさせる必要のない人物として、ドドンナの処刑を命じたのだった。こうして、帝国軍と同盟軍のどちらが先に彼を獲得するかという熾烈な競争が始まったのである。
先にドドンナを見つけたのは反乱同盟軍だったが、彼は実際の年齢以上に肉体に衰えを感じさせていた。退役期間は既に彼の闘争精神をかなり低下させており、反乱軍もドドンナが戦いに貧欲になっていることに気付いたのである。だがちょうどそのとき、老兵の闘争心を再燃させる事件が起こる。同盟軍のシャトルが彼の私有衛星から出発する準備をしていたとき、ランプでドドンナに対する暗殺未遂が試みられたのだ。彼は突如として現れたストームトルーパーからの襲撃を受け、膨れ上がった夜用シャツにブラスターを撃ち込まれたが、幸いにも光弾は大きな服に当たり、年老いた身体は無事だった。そしてシャトルが離陸したとき、ドドンナは自ら機銃を取って暗殺者に報復を行ったのである。
数ヶ月におよぶ訓練と最新の兵器や戦術に関する研究の末、ドドンナは帝国に対する反乱の創始者として蘇った。そのとき彼は同盟軍で唯一の最重要軍事指導者となり、モン・モスマに次ぐ存在となったのだ。また、彼は常に自分の部下にも関心を寄せており、ヴァンデン・ウィラード中佐やカーリスト・ライカン将軍など、指揮下にある兵士との個々の接触にも常に心掛けていた。ドドンナは自ら前線に出ることさえも恐れず、部下に勇気と気力を与えようとしていたのである。
デス・スターから救出されたレイア・オーガナ姫がヤヴィン4に戻ってきたとき、彼は睡眠もとらず、同盟軍の科学者チームと共にR2-D2に収められた情報を徹底的に解析した。そしてついにデス・スターの致命的弱点、すなわち中心部の主反応炉へと続く細い排熱ダクトの存在を発見したのである。ヤヴィンの戦いにおけるデス・スターの攻防において、反乱軍は多くの犠牲を強いられたが、結果的にはドドンナの才覚によって史上初の大勝利を手中に収めることができたのだ。
ヤヴィンの戦い後も、ドドンナ将軍は次の秘密基地を設立するまでの間、ヤヴィン基地の指揮を継続していた。しかし、帝国軍の新型戦艦スーパー級スター・デストロイヤー<エグゼキューター>の破壊任務で最愛の息子ヴラッド・ドドンナが深手を負い、後に悲劇的な死を迎えると、彼の意気は深く消沈してしまう。その落胆振りは、同盟軍も彼が戦いの中で死んでしまったのではないかと感じたほどである。それでも彼はマサッシ神殿に爆弾を仕掛けることによって帝国軍のTIEボマー部隊を壊滅させ、心身共にひどく傷つきながらもヤヴィンからの撤退を無事成功させたのだった。しかし、彼自身はこのとき帝国軍によって捕らえられてしまい、ルサンキアと呼ばれる帝国軍の捕虜収容施設に拘留されてしまったのである。
それからおよそ7年後、ローグ中隊のコラン・ホーンがルサンキアに収監されたとき、ドドンナはそこで採鉱作業を行っている他の囚人たちから「老人」と呼ばれるようになっていた。彼はコランの脱獄を助けるが、他の囚人たちを危険に晒さぬよう、自らはルサンキアに留まることを選ぶ。また、そこには作戦の失敗によって帝国情報部長官イセイン・アイサードの逆鱗に触れたエヴァー・デリコート元将軍も収監されており、コランが逃走しようとしたとき、ドドンナは彼がそれに続こうとしていたことに気づいていた。ドドンナはデリコートを追跡し、彼がコランに襲いかかることを阻止する。そして、コランはデリコートが凶器として使おうとしたシャベルを奪い、逆に彼を殺害することができたのだった。
コランは去ったが、ドドンナはその場に残り、<ルサンキア>がコルサントを飛び立った際に(<ルサンキア>は実際にはアイサードの所有するスーパー級スター・デストロイヤーだったのだ)、おそらくタイフェラに移送された。その後、彼と他の囚人たちはアイサードのクローンによって惑星キュートリックに移され、そこで拘束されると共に反意を抑制するための投薬をされる。アイサードのクローンは彼らにハイパースペースを移動中だと信じさせる精巧な部屋や神経薬を使い、たびたびドドンナたちを移動させる振りをしていたが、実際には彼らはキュートリックから一歩も出ていなかった。やがて、ビルブリンギの戦いでスローン大提督の軍が敗北すると、新共和国は本物のイセイン・アイサードと手を組み、キュートリックを攻撃する。こうしてドドンナを含む<ルサンキア>の囚人たちは、コラン・ホーンによって救助されたのだった。
救助され新共和国に迎えられたドドンナは、そこで思いもよらぬ相手、すなわち死んだはずの旧友エイダー・トーロンとの再会を果たすことになる。トーロンはそれまでタトゥイーンに姿を隠しており、陰から反乱軍を支えていたが、数年前に説得に応じて新共和国に復帰していたのである。2人はヴァンデン・ウィラードと共に、同盟軍の間では「グレイ・ガジュア」として知られていた。その後、ドドンナはクローンとして蘇ったパルパティーン皇帝の反抗の際に、カラマリの戦いで指揮を執るが、これを最後に軍を退役し、新共和国の有能な政治家としても活躍するようになる。そして、最終的にはニュー・オルデランで退役軍人として平穏な日々を過ごしながら、新共和国軍の臨時顧問としてその巧みな戦術を同志たちに分け与え、新共和国のさらなる繁栄に貢献しているのだ。
初老のヴァンデン・ウィラードはオルデランのオーガナ家に仕える聡明な人物である。彼は長年にわたってベイル・オーガナ議員の秘書を務めており、レイアが養父の地位を受け継いだ後も引き続き彼女の秘書として活躍していた。しかし、それは表の顔に過ぎない。ウィラードの真の任務はオーガナ家と反乱軍との間の連絡を取り持つスパイだったのだ。
彼は帝国元老院が解散されるまでスールリープ・セクターの反乱軍司令本部で最高司令官を務めており、その後ヤヴィン基地に移動してドドンナ将軍と共に指揮を執っていた。その最中に流れたオルデラン崩壊の知らせはウィラードの心を動揺させたが、レイアがヤヴィン基地に生還したことによって決戦への意欲を取り戻すのだった。
エンドアの戦い後、ウィラードはドドンナ、パシュナ・スターキラー、エイダー・トーロンらと並ぶ新共和国の主要軍事顧問の1人に抜擢された。長老たちによるこの顧問団は後にグレイ・カジュアとして知られるようになる。
ラジェイー司令官は反乱軍の著名な戦略家の1人であり、ヤヴィンの戦いでも重要な任務を与えられていた。彼は宇宙防衛プラットフォームや軌道戦闘ステーションに関する豊富な専門知識をもっており、初代デス・スターを攻略する作戦の立案にも大きく貢献している。
ボブ・ハドソル司令官は注意深い戦略を執ることで知られる頑固なコレリアンである。ボサン・スペースのレジスタンス組織で指導者を務めていたことから、ボサンのスパイ網と強固な関係を持っている。
デイヴ、ボスなど様々なニックネームを持つレッド・リーダー、ガーヴェン・ドレイスは、初期の同盟軍が誇る数少ないベテラン・パイロットの1人だった。彼は撤退するまでの間、ダントゥイーン基地に従事し、その後ヤヴィンに配属されていた。パイロットとしての有能さから多くの尊敬を受けていたドレイスは、レッド中隊における父親的な存在だったのである。
彼はヤヴィンの戦いにおいてデス・スターを破壊する好機を手にしたが、不運にも彼の放った一撃は排熱ダクトを外してしまい、表面に衝撃を与えることしかできなかった。そしてその直後、レッド・リーダーのXウィングはダース・ヴェイダーによって撃墜されてしまう。彼の死後、同盟軍上層部の護衛はナーラ中佐率いるレネゲード小隊に引き継がれることになったのだった。
ウェッジ・アンティリーズは、ビッグズ・ダークライターと並ぶルーク・スカイウォーカーのもう1人の勇敢な友人である。コレリアンの彼はヤヴィンの戦いでルークと共にデス・スター攻略に向けて出撃する前から自慢げな評判を持っていた。そして、2人の出会いの後、ウェッジは瞬く間に反乱同盟軍の若き新星となる。彼はヤヴィンの戦いを生き延びた数少ないパイロットの1人であるが、決して臆病者ではなかった。ウェッジはこの戦闘で6機のTIEファイターを撃墜し、ルークと共に互いを助け合っていたのだ。2人の若きパイロットはこの戦いを通じて深い友情で結ばれるようになり、後に反乱軍の伝説となるローグ中隊を共同で結成することになる。
ウェッジが幼少のころ、彼の両親ジャグドとゼナは宇宙港がひしめくガス・トリータ星系の最も外側の惑星で、数多く存在する燃料補給ステーションの1つを経営していた。そのため、ウェッジは幼いころから宇宙船のシステムに精通しており、同様に操縦技術にも磨きをかけ、アカデミーへの入学準備も順調に進んでいたのだった。だがある日、逃走中の海賊ロカ・ハースクの指揮する宇宙船<バザー>と、それを追うコレリアン防衛軍(コルセック)の艦隊が両親の補給ステーションに到着する。ハースクは部下に緊急離陸を命じるが、慌てた彼らは補給ケーブルを外し忘れたままハンガーを突破してしまい、その際に誘発された爆発事故によって、アンティリーズ夫妻の補給ステーションも完全に破壊されてしまった。夫妻は補給ステーションの残りの部分を守るために脱出するが、残念ながらこの災害によって命を失うことになる。皮肉にもステーションと両親に掛けられていた保険金を手にしたウェッジは、旧式のZ-95ヘッドハンターを入手し、密輸業者ブースター・テリックの力を借りて、両親の仇を討つべくロカ・ハースクの捜索を開始する。そして彼はついに<バザー>を撃墜し、凶悪犯を仕留めたことに対する賞金を得ると、自分のコレリアン型軽貨物船を手に入れたのだった。
リパルサーリフトとハイパードライブに囲まれて過ごしていたウェッジにとって、船を自分好みに改造することは造作のないことだった。その後、彼は残された金で安全な星系に移住し、そこで密輸業を行うことによって安定した生活を送るという無謀な計画を実行に移す。やがて、ウェッジは武器商人として反乱同盟軍に参加するが、やがてはした金儲けよりもはるかに重大な運命の渦へと巻き込まれることになるのだった。
ウェッジはヤヴィンでの活躍後、同盟軍でも最も有名かつ評判のいいパイロットとなった。そして、ホスからの撤退後、彼はルーク・スカイウォーカーの要請を受けてローグ中隊の隊長に就任したのである。彼はローグ中隊を同盟軍艦隊のエリート戦闘機部隊となるべく編成し、その指導者として中佐の地位を与えられた。彼の中隊が司令艦の直下に配置されていることも、ウェッジの優秀な能力の証である。だが、彼は同盟軍のAウィングやBウィングなどの最新鋭宇宙戦闘機を与えられる機会を持ちながら、あえて旧型のXウィングを選んでいた。帝国軍の新型TIEインターセプターが対Xウィング用に特化して製造された機体であるにも関わらず、彼はXウィングをTIEインターセプターに匹敵する機種であると考えており、さらに新型TIEに対抗するには新米パイロットにこそ最新鋭戦闘機を操縦させた方がより多くの勝機があると主張したのである。
初代デス・スターの表面で勇敢に戦ったウェッジにとって、エンドアの戦いでローグ中隊(このときはヤヴィンの戦いにおける彼らの栄誉を称えてレッド中隊と呼ばれていた)を指揮することは一時的な洗礼でしかなかった。彼とルークはヤヴィンの戦いを生き抜いたわずかな戦士たちであり、たとえルークがいなくとも、ウェッジは新しいレッド中隊にかつてと同じ戦力と決意を感じていたのである。新しいパイロットたちはホビーやジャンソンといった旧ローグ中隊の隊員たちに匹敵する熱意と経験を併せ持っていた。この戦いでレッド中隊は同盟軍のエリート部隊として、確固たる名声を築くことになる。AウィングやBウィングの部隊が帝国軍の熾烈な攻撃によって次々と撃破されるなか、彼らはウェッジの素早い指示によって多くの敵機を撃墜していった。彼らもこの戦いでは多大な犠牲を強いられたが、最終的にウェッジは第2デス・スターの内部に侵入し、<ミレニアム・ファルコン>のランド・カルリジアンと共に、この要塞兵器の破壊に成功したのである。
エンドアの戦い後、ローグ中隊が再編成されてもウェッジはローグ・リーダーの地位に留まり、彼らはイセイン・アイサードやスローン大提督との戦いでも貴重な役割を果たしていた。彼がレイス中隊の編成を提案し、この中隊を一流の侵入ユニットへと昇華させたのもこの当時のことである。また、ウェッジは常に前線でXウィングを操縦することを好んでおり、二度にわたって昇格を拒否していた。しかし、スローンの敗北のおよそ1年前には彼もようやく将軍の地位を受け入れ、スーパー級スター・デストロイヤー<ルサンキア>の指揮官に任命されたのである。
惑星ビィスにパルパティーン皇帝のクローンが出現したときも、ウェッジはローグ中隊に所属していたが、このときはランド・カルリジアンと共に捕獲したスター・デストロイヤー<エマンシペーター>と<リベレーター>の指揮を執っていた。彼はコルサントやカラマリで勇敢に戦ったが、<エマンシペーター>はカラマリの戦いで破壊されてしまう。その後、ウェッジはコルサントへ戻るが、そこで与えられた役割はパイロットではなく戦士であり、将軍として荒廃したコルサントの復興作業を監督することになったのだ。だが、彼は早く戦闘機のパイロットとして復帰したいという願望を抱いており、監督任務を迅速に終わらせると、待望のポジションに戻ることを許されたのだった。
その後、ウェッジはイオール・シャーからの入植者たちをダントゥイーンへ運ぶ輸送船を護衛し、続いてモー研究所からの亡命者キウイ・ズークスのボディガードにも任命される。この間、彼はキウイと恋に落ちるようになり、一方でローグ中隊へと戻ると、新共和国軍によるモー研究所への攻撃を支援した。また、彼は再び<ルサンキア>に配属させられ、この艦を特別機動部隊の指揮を執るための活動拠点とする。しかし、戦争がさらに数年続くと、ウェッジは自分がキウイから離れて成長していたことに気づくのだった。彼は知らなかったが、キウイも自分たちが互いに離れ離れになって成長していることに気づいており、そのため、2人は関係を解消し、別々の道を歩むことに同意したのだった。
残存帝国軍のダーラ提督との戦い後、ウェッジはしばらく休暇をとり、今後の人生の目的について考えていた。だが、彼はエイレン・クラッケン将軍からの指名によって、アダマーへ派遣される使節の代表に任命される。ウェッジの外交手腕は決して最高というわけではないが、彼は天性の才能によってアダマリたちの心を揺さぶり、彼らを新共和国へ加入させることに成功したのだった。また、この任務の間に、ウェッジはアイエラ・ウェジリと相思相愛の仲になっていることに気づいていた。彼はさっそくプロポーズし、アイエラもそれを即座に受け入れたのである。
そして、新共和国と残存帝国軍との間で和平協定が結ばれると、その直後にウェッジは現役から引退し、アイエラと共に自分たちの家庭を築く仕事に専念するようになった。やがてギャヴィン・ダークライターが彼の後を継いでローグ・リーダーに就任するが、ユージャン・ヴォングによる銀河系侵略が開始されると、ウェッジも再びギャヴィンの中隊の支援に駆り出されることになる。彼はユージャン・ヴォング軍との戦闘ではローグ・アルファとして活躍し、情報収集のため偵察用Xウィングを操縦していた。また、ガーキの戦いの直後には、ジャグド・フェルとの初対面も経験し、彼は自分が父親だけでなく叔父でもあったことを知る。結局、ウェッジは将軍として新共和国軍に復帰し、ユージャン・ヴォングとの戦争の最終段階に<モン・モスマ>の指揮を執るのだった。やがて、ユージャン・ヴォングによってホロネットが壊滅状態にされた後、彼はトリニティ作戦をかろうじて生き延びると、モン・カラマリの防衛、そして銀河同盟軍によるコルサントへの最終攻撃計画を支援する。そして長い戦争が終わり、ユージャン・ヴォングからコルサントが引き渡されると、ウェッジを含む同世代の英雄たちは、軍から完全に引退することを誓約したのである。
ビッグズ・ダークライターはルーク・スカイウォーカーの旧友として、そしてヤヴィンの戦いの英雄として歴史にその名を残している。
ビッグズはタトゥイーンの中でもかなり裕福な家庭で生まれており、有力な食品業者だった彼の父ハフ・ダークライターは、生活の中でビッグズが望むあらゆる物を与えることができていた。しかし、息子への愛情と理解だけは例外だったようである。彼は水分農夫から割安で水を購入し、栽培した作物を売って莫大な利益を上げており、その後もタトゥイーンで最大の食品業者となって、地下作物へ供給する水を確保するための水分農場も数十個所ほど所有するようになったのである。
かなり以前から、ビッグズは家庭に不満を感じるようになり、多くの時間をアンカーヘッドで過ごすようになっていた。そこで彼はルーク・スカイウォーカーという少年と出会ったのである。ルークとビッグズはすぐに友人となったが、まったく家庭環境の異なる2人の友情にはいつもライバル意識があったのも事実だった。
その後、フィクサー、ケイミー、ディーク、ウィンディ、タンクなどの友人たちも加わり、彼らは10代の大半を共に過ごしていた。いつか宇宙で戦うことを夢見る彼らはランドスピーダーやスカイホッパーでジャンドランド荒地のベガーズ渓谷を疾走し、ストーン・ニードルを潜り抜け、ワンプ・ラット狩りを楽しんでいたのである。やがて、ルークとビッグズは帝国アカデミーに入学したいと思うようになっていた。ルークの生まれもった素質はアカデミーに入学するのに十分過ぎるほどであり、一方のビッグズは父の力によって願いを何でもかなえることができたのである。卒業後、彼らは自分たちで買った宇宙船に乗り込み、商売をするつもりだった。彼らは宇宙へ飛び出して何をしたらいいのかは全く考えていなかったが、若さと希望にあふれる2人にとってそんなことはどうでもよかったのである。
しかし、残念なことにルークは叔父の水分農業を手伝うために入学を1シーズン先送りにされ、ビッグズは1人で訓練を始めることになってしまった。2人にとってこれは何よりも辛いことだったのである。
アカデミーの友人たちと惑星ベスティンを訪れたビッグズは偶然にも反乱軍の戦士たちと遭遇した。彼らはビッグズに帝国の恐ろしい実体について語り、ビッグズも反乱軍への参加を決意するようになったのである。24歳のとき、ついに卒業したビッグズは新しい友人デレク・ホビー・クリヴィアンと共に非戦闘要員として商業船<ランド・エクリプティック>に配属された。しかし、彼らは辺境の星系で船を降りる計画を立てており、そこから同盟軍に参加するつもりだったのである。
<ランド・エクリプティック>での最初の任務を終えた数週間後、ビッグズは故郷タトゥイーンに戻ってきた。アンカーヘッドにあるフィクサーの店でルークと再会した彼は、ルークに自分の決意を打ち明けたのである。しかし、世間を知らないルークにとって、帝国と戦うというビッグズの考えは危険思想以外の何ものでもなかった。それでもビッグズは反乱軍に参加すると言い放ち、旧友に別れを告げると再び故郷を後にしたのである。
ビッグズとホビーはベスティン星系の中央に位置する帝国軍の造船所で反乱軍と接触することになっていた。そして、2人は反乱軍スパイのヘリスク艦長の助けを借りて<ランド・エクリプティック>の船上で暴動を起こし、船を盗んで逃走することに成功したのである。
ビッグズは反乱同盟軍に確固たる忠誠を示しており、さらに彼のXウィングの操縦術は他に並ぶ者がなく、ビッグズの評判は瞬く間に反乱軍全体に広がっていった。そして、ヤヴィン4で彼はルークとの思いがけない再会を果たしたのである。
彼の最後の舞台となったヤヴィンの戦いのとき、ビッグズはレッド中隊の一員としてXウィング・レッド3で、ルークもレッド5で出撃した。2人は一緒に宇宙で戦うという子供の頃からの夢をついに実現させたのである。しかし、ダース・ヴェイダーの放った光弾によって、ビッグズのXウィングは無情にもデス・スター表面へと墜落してしまった。もしビッグズがヤヴィンの戦いを生き延びていれば、ルークと並ぶ同盟軍の指導者になっていたことは間違いない。彼は反乱軍の勝利と引き換えに命を失ったが、その在りし日の記憶はルークの心の中にいつまでも残っているのである。
ジョン・D・ブラノンはヤヴィンの戦いに参加した反乱軍パイロットの1人である。彼はXウィング・レッド4で出撃したが、この戦いで戦死した。
英雄的な最期を遂げた者に贈られるケノービ・メダリオンは同盟軍で最大の栄誉とされている。しかし、これは同盟軍の一員として銀河帝国の圧政に立ち向かい、勇敢な死を遂げた者の記憶にのみ与えられるものなのである。最初にこの栄誉に輝いたのはヤヴィンの戦いで勇敢な最期を遂げた反乱軍の戦士たちだった。多くの男女がこの日に命を落としたが、ジェック・ポーキンス中尉ほど勇猛果敢だった戦士はいないだろう。
帝国が銀河の統制に際してより強固な防衛基地を必要としていたころ、ジェックはベスティン星系の自由な貿易業者だったが、比較的少数だったベスティンIVの住人は帝国軍による秘密基地設立のため、故郷からの立ち退きを強いられたのである。当然帝国は彼らが移住する新しい土地を約束していたが、それも空約束に終わり、ベスティンIVの人々は何の目的もなくセクターを放浪することになってしまったのである。
この帝国軍による横暴の知らせを受け、生まれたばかりの反乱同盟軍はベスティンIVの難民たちが理想的な同志となるだろうと思っていた。行き先のない彼らなら喜んで自分たちの主義に賛同してくれると考えていたのである。しかし、この思いは現実にはならなかった。故郷での生活にしか関心を示さない彼らは反乱軍の提供した逃走生活を受け入れずにかつての生活だけを望み続け、自分たちの力で奪われた故郷を取り戻すための武器を徐々に集め始めたのである。レイア・オーガナ元老院議員の必死の説得でさえも、彼らの意志を変えることはできなかった。しかし、ジェックだけは同盟軍とレイア姫の言葉に耳を傾け、その中に真実を見出したのである。彼は同盟軍に加わることによって帝国軍に復讐を果たし、おそらくは反乱軍を説得して仲間に故郷を奪回する手助けを申し入れることができるだろうと考えていた。実際に、自分たちだけで帝国軍の基地に対して行動を起こせるようになるには何十年かかるか分からなかった。しかし、ジェックは過ちを犯さないうちにすぐにでも復讐を開始したかったのである。
反乱軍のパイロットには無鉄砲な若者が多く、ジェックも故郷ではスカイホッパー・レースのチャンピオンだった。当然、T-16スカイホッパーからXウィングへの乗り換えも簡単に済み、彼の戦闘記録の素晴らしさを裏付けていた。40時間もたたないうちに、ジェックは16機の敵を撃墜したのである。彼の特技はドッグファイトというよりは、むしろ正確な機銃掃射であり、長年に渡ってベスティンIVの岩島でシンク=クラブを狙い撃ちしていたジェックは、瞬く間に同盟軍で最高のパイロットとなったのである。大柄な身体と天性の才能によってポーキンス中尉は「太ったランナー」という愛称を付けられた。ジェック・ポーキンス中尉は反乱同盟軍で最も尊敬されたパイロットであり、輝かしいケノービ・メダリオンによってその名を歴史に遺している。このメダリオンは彼が授かった他の勲章と共にティアフォン戦闘機基地のパイロット・ラウンジに飾られており、すべてのパイロットたちへの刺激の素となっている。
かつてグリフォン中隊の一員として活躍したエリヘック・ルーは、銀河内乱のベテラン・パイロットである。グリフォン中隊はラルティアの反乱軍に派遣され、タイオン卿の旗艦だったインペリアル級スター・デストロイヤー<デヴァステーター>に攻撃を仕掛けたことで知られている。ルーは後にレッド7としてヤヴィンの戦いに参加し、この戦いで戦死した。
同盟軍に参加する前のブレン・クワーセイは、レイサル・アカデミーへの入学を夢見る若き青年だった。彼はウェッジ・アンティリーズからXウィングの操縦の訓練を受け、ヤヴィンの戦いにもレッド8として出撃した。しかし、クワーセイも多くの仲間たちと共にこの戦いで戦死してしまう。
ネイタンはたった2つの任務でエースの地位を手に入れたことで知られる有能な反乱軍パイロットである。彼は貨物スペースを確保するために自分のXウィングを改造し、クラクドアVIIの反乱軍に救援物資を送る計画で大きな功績を残したのだった。後にレッド9としてヤヴィンの戦いに参加するが、残念ながらこれが彼にとって最後の任務となる。
オード・マンテル出身の密輸業者だったセロン・ネットが反乱軍に加わったのは、ヤヴィンの戦いの直前のことである。操縦経験豊富な彼は同盟軍で最も優れたXウィング・パイロットの1人となり、ガーヴェン・ドレイスの射撃手として働いていた。ネットはヤヴィンの戦いにもレッド10として参加し、デス・スター攻撃の最中にドレイスのレッド1を護衛した。しかし、彼もまたドレイスと共に宇宙に散っていくのだった。
コルラーグ出身のウェントン・チャンは、反乱軍における危険な任務に志願した典型的な新米パイロットの1人である。彼には帝国アカデミーでの訓練実績がほとんどなく、知識の大半はスカイホッパーの操縦に関するものだった。ヤヴィンの戦いで多くの同胞と共に戦死する。
ダッチの愛称で知られるジョン・ヴァンダーは、かつて反乱軍のレンフォーラ基地でスペクター中隊の隊長を務めていたベテラン・パイロットである。彼は旧式のYウィングを好み、ヤヴィンの戦いではゴールド中隊の隊長に志願したが、この戦いで戦死してしまう。彼のヘルメットにはスペクター中隊の紋章が描かれていた。
ティリーはヤヴィンの戦いに参加した反乱軍のYウィング・パイロットの1人である。彼はかつて帝国軍の管理下にあった研究施設に対して大胆な攻撃を仕掛けたことで知られている。そのときティリーはYウィングで占領下にあった施設に突入し、研究員たちの解放に成功したのだった。ヤヴィンの戦いではゴールド2に搭乗してゴールド・リーダーの防衛に当たったが、この戦いで戦死してしまう。
反乱軍パイロットのライル・トーシンは、ダントゥイーンでポップスの中隊に配置されている間、Yウィングを操縦していた。後に彼はガーヴェン・ドレイスに召集され、同盟軍がヤヴィン基地を設立する前に使用していたダントゥイーン基地に配属される。しかし、トーシンはそこで帝国軍の追跡装置を発見し、同盟軍はダントゥイーンからの撤退を余儀なくされた。その後、彼はゴールド3としてヤヴィンの戦いに出撃し、この戦いで戦死することになる。
レピラはアノート星系で行われていたレースを通じて戦闘機の操縦法を学んだ。後にこの若者は反乱軍に参加し、ゴールド4としてヤヴィンの戦いに参加するが、この激戦の最中に命を落とすことになる。
ポップスの愛称で知られるデイヴィッシュ・クレイルは、ヤヴィンの戦いに参加した反乱軍のベテラン・パイロットの1人である。戦闘機パイロットとして20年のキャリアを誇るポップスは、この戦いでゴールド・リーダーの狙撃手としてゴールド5に搭乗したが、帝国軍のTIEファイターによって撃墜されてしまう。
ホール・オーカンドはヤヴィンの戦いの直前に行われたキャッシークの帝国軍前哨基地への攻撃で名声を得た反乱軍のYウィング・パイロットである。彼はダッチ・ヴァンダーの射撃手を務め、シールドを落として基地への爆撃を容易にすることに成功したのだった。ヤヴィンの戦いでもゴールド6としてYウィングで出撃するが、ヤヴィン基地を発つ直前に友人となったチューバッカと再会を果たすことはできなかった。
フェイン・ゴスピックはヤヴィンの戦い前に行われた戦略会議においてドドンナ将軍の主任戦術顧問を務めた反乱軍の将校である。初代デス・スターへの接近について承認された計画はゴスピックの立案によるものだった。
デル・ゴレンは反乱同盟軍の上層司令部に仕える通信およびセンサー妨害の専門家である。彼はかつて反乱軍籍の民間コレリアン・コルヴェット<スパイラル>の乗員だった。
かつてコレリア正規軍の一員としても活躍していたグロドーン・ミューズは、著名なミュージシャンとしても知られていた。しかし、彼は歌詞に含まれる政治的思想によって帝国軍のブラック・リストに記載されてしまい、故郷からの亡命を余儀なくされる。その後、彼は愛する妻デュリエットと共に反乱同盟軍に加わった。
フィリン・モレットはヤヴィンの戦い前にマサッシ神殿に築かれた基地内でレッド中隊およびゴールド中隊の戦闘機を整備していた反乱軍の技術者である。彼はヤヴィン4のドッキング・ベイに集結した各戦闘機に最終的な離陸許可を与える権限をもっていた。
典型的な勤勉家として知られる警備士官のギャレン・トーグは、反乱同盟軍の陰の英雄の1人である。彼はヤヴィン4で行われた祝勝会で、名誉ある衛兵の役を与えられた。
オーガナ家に仕えるレイマス・アンティリーズはオルデランの外交船<タンティヴィIV>の艦長である。彼はレイアと同じく反乱同盟軍を支持していた。
C-3POはアンティリーズを自分とR2-D2の所有者だと主張していたが、これはR2-D2の中にデス・スターの設計図が隠されているという重大な機密を隠すために、アンティリーズが2体に工作したプログラムであるとされている。
<タンティヴィIV>がダース・ヴェイダーの旗艦<デヴァステーター>に拿捕されたとき、アンティリーズは暗黒卿の尋問を受けることになる。そしてデス・スターの設計図の所在を隠しとおしたアンティリーズは、邪悪な力で首を締め上げられ、絞殺されたのである。
ペロー・スクランバスはオルデランの外交船<タンティヴィIV>に乗船していた反乱軍の兵員士官の1人である。オルデラン王宮の衛兵だった彼は20年近くにわたってオーガナ家に忠実に仕えていた。しかし、極秘任務の最中にあった<タンティヴィIV>がタトゥイーンの軌道上で拿捕されたとき、スクランバスは船内で起こったストームトルーパーとの銃撃戦で戦死する。
チャド・ヒルズが帝国を打倒するため反乱軍に加わったのは、故郷オルデランがデス・スターによって破壊される数年前のことだった。彼は艦船の搭乗員として訓練を受け、集団戦闘の技術を磨いていた。後にコレリアン・コルヴェットの外交船<タンティヴィIV>の乗員として反乱軍の極秘任務のために出航する。
しかし、<タンティヴィIV>はダース・ヴェイダーとその旗艦<デヴァステーター>によって拿捕されてしまい、船員と船内に突入してきたストームトルーパーとの激しい銃撃戦が繰り広げられた。そのときヒルズは前線に割り当てられており、この戦いにおける最初の犠牲者となるのだった。彼にとって唯一の幸運は、その直後に起こったオルデランの崩壊を目の当たりにせずに済んだことである。