惑星ホスのエコー基地を指揮していたカーリスト・ライカン将軍は何事にも動じることのない、用心深い男である。彼の表情は過大な用心からかいつも皺が深いように感じられるが、それには必然とした理由があるのである。
エコー基地にいる戦士たちはライカンの過去を知っているために、あえて彼の雰囲気を明るくするようなことはしなかった。ライカンの故郷である平和主義の惑星オルデランはクローン大戦以前からあらゆる武力を放棄しており、軍隊を持たない惑星として牧歌的平和主義の道を歩んでいたのである。しかし、ライカンは軍人への道を選んだ。それは彼が戦いを望んだからではなく、将来起こるであろうより大きな悲劇を防ぐため、戦いに備える必要があると考えたからだった。彼は理想を求める戦いに信念を見出した信頼すべき理想主義者でもあったのである。
彼は17歳のとき、共和国地上軍に入隊するため故郷を後にした。若いライカンは天性の指導力で素早く昇進し、士官養成学校に入学を果たしたのである。そこで彼は当然のように同じ理想を目指す士官たちと出会うことになった。その中には後に親友となるジャン・ドドンナ、エイダー・トーロン、そしてクリックス・メイディーンも含まれていたのである。
帝国の時代となり新秩序が施行されると、ライカンはおのずと信念の命じるままに反乱同盟軍に参加することになった。そこでまた彼は多くの同志たちと出会い、さらにその中にはオルデラン出身の者たちさえも多く含まれていたのである。しかし、ライカンが最初に驚いたのは平和主義の第一人者であるベイル・オーガナとその娘レイア・オーガナの姿を見たことだった。2人は反乱軍を支える秘密の指導者となっており、ライカンはその事実を素直に喜んだのである。
ライカンは主に反乱軍の秘密基地およびオルデラン周辺で活躍していた。しかし、彼の在任中に起こった出来事はライカンに非常に大きな悲しみと罪悪感を与えることとなり、彼の楽観的で親しみやすかった性格を極度の心配症へと変えてしまったのである。
彼は大災害が起こったという知らせを聞き、オルデランの姉妹惑星であるデラヤの軌道上に新設された衛星通信ステーションを視察していた。ちょうどそのときオルデランにデス・スターが接近してきたという情報は彼にもすぐに伝えられたが、帝国軍の巨大兵器を妨害する手段などあるはずもなく、オルデランに撤退を勧告するには今しかなかったのである。
オルデランは帝国に忠誠を誓っており、官僚たちは何も恐れる必要はないと唱えていたが、彼の考えは違っていた。実際に帝国軍は武力の誇示のために多くの人々を虐殺しており、オルデランの人々はまさに窮地に立たされていたのである。しかし、ライカンは撤退命令を出すことによって同盟軍のデス・スターに対する知識が帝国軍に知られることを恐れていた。もし、何千もの宇宙船がオルデランを発つ光景を見れば、帝国軍は間違いなくオルデランと反乱軍との関係に気付いていただろう。
数分後、デス・スターは一撃でオルデランを滅ぼし、無数の罪のない人々がその犠牲となった。それ以来、ライカンは二度と帝国軍の冷酷な作戦を過小評価しないようになったのである。彼にできることは何もなかったのだが、ライカンは故郷が滅びる姿を黙ってみていた自分に激しい罪悪感を抱くようになり、その後は行動の前に必ず用心することを忘れず、自分の下す命令から冒険的な要素をすべて除外したのである。
ホスにおいてライカンは同星系の全地上部隊および艦隊の総司令官を務めていた。彼は仲間の脱出を成功させるため地上戦を長引かせたが、この作戦も大きな犠牲を伴う結果となったのである。ライカンにはこの戦いで多くの勇敢な戦士が失われることも分かっていた。厳しい決断だったが、どうしても必要なことだったのである。
エンドアの戦い後、ライカンは同盟軍の銀河中心部への進攻計画を主導し、コルサントおよびインペリアル・シティの奪回の際にも大きな活躍を収めている。
ファール・マクォーリー将軍はジェローン・ウェブと共に故郷ラルティアの反乱軍セルを支援し、帝国軍が新型超兵器を建造中であるという情報をレイア・オーガナ姫にもたらした。だが、彼は故郷が帝国軍によって征服された際に難を逃れ、同盟軍へと加わる。マクォーリーは兵法と戦略に関する知識によって戦略会議に不可欠な人物であり、ホスのエコー基地設立の際にも同盟軍に大きな貢献をもたらしたのだった。
惑星ホスに建設されたエコー基地の防寒扉を閉めさせたことは、ダーリンの人生で最もつらい命令の1つだった。ルーク・スカイウォーカーとハン・ソロは同盟軍にとっての英雄であると同時に彼にとっては大切な友人でもあり、エコー基地の防衛と軍事行動を担当していた彼と2人の間には大きな信頼関係が存在していたのである。
しかし、彼が同盟軍の中で著名な存在であるのとは逆に、彼の父ギャレン・ダーリンが旧共和国で最も有名な元老院議員の一人だったことを知る者は少ない。ダーリン元老院議員はオルデラン選出のベイル・オーガナとも親密な関係にあり、共に共和国の腐敗と戦う覚悟を決めていたのである。しかし、政治的な力で皇帝を打倒することに限界を感じた彼らは政界からの引退を決意し、それぞれの故郷へと戻っていった。そして、オーガナはデス・スターの攻撃によってオルデランと運命を共にし、ダーリンも故郷ティシェランで帝国軍の刺客によって暗殺されてしまったのである。ダーリンの家族はこれが皇帝による政治的策略であることを確信し、復讐を誓ったブレン・ダーリンは反乱軍への参加を決意したのである。
ホスでのダーリンの主な任務は、緊急時におけるエコー基地の安全確保だったが、この任務は地味で報われないことが多く、想像以上に厳しいものだった。ルーク・スカイウォーカーとそれを救助に出たハン・ソロが帰還していない状況にも関わらず、他の兵士たちの安全のため基地を閉鎖する決断を下したのもダーリンである。彼がこの任務に就いたのはライカン将軍にネンタンでの活躍を認められ、昇進した後のことだったが、彼はエコー基地でも優秀な働きぶりを発揮し、ライカンの決定が賢明なものだったことを自ら証明してみせたのだった。
ダーリンが大佐に昇進した経緯は特筆に値する。大尉だったころの彼はモノン大佐の指揮下にある技術者部隊に配属されていたが、その後、ライカン将軍の指揮下に転属し、長年にわたって銀河系全域で数多くの小規模な戦闘に参加していた。そして、ダーリンがその素質を開花させ、大佐へと昇進するきっかけとなったのがネンタンでの出来事である。当時、設立後まだ2ヶ月ほどしかたっていなかったネンタン基地には撤退命令が出されていた。しかし、そこには無関係な市民が大勢いたため、容易な撤退とはならなかったのだ。
ネンタンは反乱軍に守られた安全な星系への亡命を望む難民たちの護送中継基地だった。帝国軍によってその所在が明らかにされたとき、基地の収容人数は既に限界に達しており、通常なら難民を優先して脱出させるのだが、余りにも人数が多かったために全員を撤退させることができなかったのである。反乱軍の兵士たちの中には志願して残ろうとする者もいたが、ライカンにとってはとても受け入れられることではなかった。しかし、このときダーリンが最善の策を提案したのである。
彼は残った仲間を引き連れて広大なネンタンの荒地へと向かい、岩でできた太古の塔の跡に身を隠す。すると帝国軍のストームトルーパーたちも到着し、彼らはダーリンの予想通りに破棄された基地を襲撃し始めたのだった。敵に対して可能な限りの軍事力を誇示することが帝国軍の日常的なやり方だったのである。
ストームトルーパーたちは基地への攻撃に全力を尽くしており、シャトルには最低限の衛兵しか残していなかった。そのため、ダーリンとその部下たちは比較的簡単に着陸地点に近づくことができ、その帝国軍のシャトルを奪い取ることに成功したのである。彼らは衛兵を始末すると他の仲間たちを呼び集め、帝国軍が事態に気付く前に惑星を飛び立った。軌道上で待機していたインペリアル・スター・デストロイヤーの司令官でさえ不意を付かれて囚人を運んできたものと勘違いし、ダーリンたちは識別コードの送信を要求されるより先にハイパースペースへと跳躍したのである。
その後、ダーリンはエンドアの戦いでも大きな活躍を披露し、現在では新共和国地上軍司令官として、主にコルサントの防衛に従事している。
ゼヴのスノースピーダー・ローグ2が撃墜され炎上する光景はルーク・スカイウォーカーにとって見るに耐えられないものだった。彼はホスの戦いで非業の最期を遂げる前日、雪原でルークとハン・ソロを発見した張本人だったのである。2人はゼヴに借りのようなものを感じており、勇敢なパイロットとしての彼の信頼は数々の武勇と共に多くの反乱軍兵士たちに浸透していたのである。
ゼヴ・セネスカはベスティン星系近郊の植民地であるケスティック・ステーションで民間の商人として生まれ育った。ケスティックはギルドや帝国に属さない自由貿易商や小惑星採掘業者たちの拠点となっており、彼の両親もそのころまで反乱軍に武器を提供していた商人だったのである。当時、反乱軍を支援することは極刑に値する違法行為とされており、彼らも大きな危険を感じてはいたものの、この仕事を誇りに思っていた。彼らはこの信念を貫き続け、ついに反乱同盟軍の生命線を握る存在となったのである。
このような自由な環境と誇り高い人々に囲まれて成長したゼヴは当然のように反乱軍兵士として志願し、両親に励まされながらケスティックを離れていった。しかし、愛する両親が殺されたのもその直後のことだったのである。
反乱軍の物資供給ラインからケスティックとゼヴの両親にたどり着いた帝国軍は囚人の逮捕や尋問を行おうともせず、インペリアル・スター・デストロイヤー<マーシレス>でケスティック・ステーションを焼き払ってしまった。両親を含む多くの人々が殺されたが、その非道に対してゼヴの頭を過ぎったものは絶望ではなく怒りだったのである。彼は故郷の崩壊と両親の死は同盟軍の責任だとして非難し、一年以上共に戦ってきた同盟軍を飛び出すと、再び自由な商人としての生活へと戻っていったのである。
しかしその後、ゼヴは恐ろしい真実を知ることになった。反乱同盟軍とケスティック・ステーションに関する情報を帝国に売り渡したのは彼が最も信頼していた友人であり、その友人を信用して反乱軍の供給ラインのことを話したのは他ならぬゼヴ自身の過ちだったのである。彼はかつて両親の死の責任を反乱軍に擦り付けたことを後悔し、真の敵、すなわち帝国と戦うために再び同盟軍に参加することを決意した。その後も彼は長年にわたって反乱軍に尽くし、数多くの活躍を披露していったのである。その戦歴の中で彼は48の敵機を撃墜させ、いくつかの勲章も獲得している。特にアリス・ポイントで非武装の貨物船がハイパースペースへ跳躍する間に3機のTIEファイターを仕留めたときの勲章は彼の最大の自慢だった。
砲手席に座るには多大な技量と勇気、そしてパイロットからの大きな信頼が要求されるが、それはYウィングの場合でもスノースピーダーの場合でも同じである。砲手は凄まじい速度で飛ぶ戦闘機に後ろ向きで搭乗し、機体の操縦を行うことなく、ただ自分と敵機との間にある強力な武器を操作している。彼らの役割は自機の後方を守ることであり、自分が鮮やかな攻撃を行おうとしているときにパイロットが急旋回しないこと、そしてもちろん、パイロットが自分を忘れて後方に攻撃を受けないことを願っているのである。
ユーモアのセンスに溢れるウェス・ジャンソンもこのような勇敢かつ無謀な戦士の一人であり、高性能戦闘機の後部座席に座りながら帝国軍のエリート・パイロットとの命懸けの戦いを楽しんでいる。中でも彼は特別な存在であり、真の砲手にのみ与えられる権威ある勲章も授与されているのである。この勲章は砲手にとっては反乱同盟軍の階級にあって最高の栄誉とされており、ジャンソン中尉はティアフォン戦闘機基地で行われた授与式においてドドンナ将軍から最大の賛辞を贈られたのである。
ジャンソンはいつもティアフォンから飛び立つと、反乱軍のトップ・パイロットたちと共に輝かしい功績を上げ、その名声を高めていった。その当時、彼と共にティアフォン基地に在籍していたパイロットにはヤヴィンの戦いの英雄の一人であり親友でもあるジェック・ポーキンスも含まれていた。ジャンソンはいまでもポーキンスを誇りに思っており、しばしばかつてのティアフォンでの思い出を語るのである。
しかし、彼はポーキンスの死は避けることができたはずだと思っており、そのため彼のことを思い出しては悲しみにくれていた。初期のティアフォンは主に新米パイロットのための訓練に使われていたが、この任務は非常に活発的に行われる一方で、決して危険なものではなかったのである。多くの訓練生がティアフォンに配属され、それほど厳しい状況に直面することなく、多くの実戦経験を積んでいった。この中にはジャンソンとポーキンスも含まれており、同じグループに所属していた彼らは親友となって共に戦っていたのである。
その後、オルデランが破壊されデス・スターの脅威と直面するようになると、次第にティアフォン基地もヤヴィン4と同じように警戒厳重な星系基地となっていった。しかし、防衛体制がそれほど整っていない他の基地が優先されたため、ティアフォンへの戦闘機の配備は著しく減少させられていたのである。特にヤヴィン基地には多くの援助が必要とされており、ヤヴィンへの転属者のリストが発表されたとき、ジャンソンの名前も挙げられていたのである。
しかし、彼は以前の偵察任務の際にヘスケン病をわずらい、転属の当日に間に合うことができなかった。ジャンソンは何としてでも行きたかったのだが、彼の穴を埋めるべくポーキンスがヤヴィン転属を志願したのである。結局、ポーキンスは二度とヤヴィンから戻ってこなかった。これは明らかにジャンソンの責任ではないのだが、彼は決して自分の犯した過ちを許さなかったのである。
その後、ジャンソンはローグ中隊の一員となり、ホスの戦いではウェッジ・アンティリーズの砲手を務めていた。絶えず失った友人のことを考えながら戦っている彼にとって、ポーキンスへの償いは帝国軍と戦い、それに勝利することだけなのである。
ホビーはローグ中隊の中でも特に疑い深い男である。彼は楽観主義者のルーク・スカイウォーカーやウェッジ・アンティリーズとは対照的に悲観主義的、あるいは彼曰く現実主義的であり、互いの欠点をうまく補いながらローグ中隊を効果的な戦闘部隊に仕立てているのである。ルークとウェッジが攻撃方法について語っていると、ホビーは必ず退却方法や防衛手段の話題を持ち出す。しかし、彼は単に人の意見に反対しているだけではなく、ローグ中隊の他のメンバーも彼の意見をルークたちの意見と同じように尊重しているのである。
ホビーが反対姿勢を取るようになったのは、彼が帝国アカデミーに在籍していた頃からだった。アカデミーに入学したとき、周囲に影響されやすい典型的な若者だったホビーは宇宙に憧れ、宇宙戦闘機を操縦することを熱望していたのである。帝国宇宙軍に入隊するという義務も彼にとっては見当違いなことだった。彼が思い描いていたのは若くてハンサムでスマートな宇宙パイロットになって銀河を疾走し、女をしびれさせることだけだったのである。しかし、アカデミーで作った友人たちがそんなホビーの態度を急変させることになった。その中でも傑出した存在が若くてハンサムで熱狂的なパイロット、ビッグズ・ダークライターだったのである。
2人と他の訓練生たちは銀河系を単なる帝国以上のものとして見るようになっていた。彼らは秘密の会合を開き、自分たちの力で帝国に対してできることを話し合っていたのである。この会合は他の何よりも意義のあるものだった。しかし、アカデミーの士官はこれをスパイ活動と見なし、参加者たちを即座に逮捕してしまったのである。偶然にもそのとき欠席していたホビーとビッグズはスパイ・リストに挙げられておらず、難を逃れることができた。逮捕された友人たちも2人を裏切るようなことはしなかったが、その後二度と彼らの姿を見ることはなかったのである。
始めのころはホビーとビッグズもこれは単なる懲罰であり、長引いているだけなのだと考えていた。その後も2人は彼らが別の棟に移されたのだと思っていたが、次第に恐ろしい現実が見えてきたのである。
ホビーとビッグズは帝国が逮捕した訓練生たちにしたことを決して信じようとしなかったが、2人に対する効果は十分なものだった。もはや彼らにとって帝国打倒は子供じみた話題ではなく、2人は反乱同盟軍に加わるため真剣に脱走を考えるようになったのである。2人は賢明に卒業まで平静を装い、偶然にも同じ宇宙貨物船<ランド・エクリプティック>に配属された。これは比較的小さな船だったが、ビッグズは一等航法士、ホビーは船の管理責任者という重要な任務を与えられたのである。
ついに<エクリプティック>を脱走した2人は反乱同盟軍と接触することに成功し、反乱軍の中でも最も有能なパイロットとなった。しかし、無二の親友だったホビーとビッグズも反乱軍の事情によって引き離されてしまったのである。当時の同盟軍には帝国アカデミーの出身者が極めて少なく、彼らのように有能な人材はドドンナ将軍によって効果的に各地の前哨基地に分配させられていたのである。
ヤヴィン4にいたビッグズがジェック・ポーキンスらと共に勇敢な最期を遂げたとき、ホビーはサラスト星系で武器の輸送を行っていた。卓越した操縦技術で評判を集めていた彼は、ルークやウェッジのような他のパイロットと共に反乱軍基地の定期的な移動を手伝い、帝国艦隊や賞金稼ぎたちの追跡をかわしていたのである。ヤヴィンの戦い後の反乱軍は新しい惑星を見つけては基地を設立し、帝国軍に見つかれば撤退するという日々を繰り返していた。多くの場合、こうした撤退のための時間を稼ぐのはホビーのようなパイロットたちの役目なのである。
反乱軍基地で働くようになった最初のころ、ホビーはルークからビッグズの死を知らされた。彼らは今までの任務に関する情報を交換し合い、ついには親友となっていたのである。ローグ中隊が編成されたのもこの頃のことだった。
しかし、アカデミーからの友人を失ったショックは大きく、それ以来彼は懐疑的な人生を送るようになってしまった。さらに、ホスの戦いにおける凄惨な経験も彼のその後の人格形成に大きく関わったのである。
血生臭い戦争は常に若い戦士たちの命を犠牲にし、そんな彼らは平和だった旧共和国の美しい情景を知ることもなく死んでいく。彼らが知り得るものは恐怖と圧政の舞台となった銀河系、そして帝国による抑圧だけであり、彼らは語り継がれてきた古き良き時代を取り戻すために反逆者として戦い続けるのである。
そんな夢見る若者の一人が反乱軍のローグ中隊の一員であるダク・ラルターだった。彼はホスの戦いでルーク・スカイウォーカーの操縦するスノースピーダーの砲手を務めていたが、帝国軍の地上部隊による攻撃を受け死を遂げたのである。
ダクの両親は旧共和国時代に生まれているため、彼は子供の頃からかつてこの銀河に存在していた驚嘆と歓喜にあふれる物語を聴かされていた。そして、彼は就労植民地カリストVIで生活していた頃の大半をその物語と共に生きていたのである。ダクが生まれたのもこの惑星だったが、彼は政治犯の子供として家族ともども監禁され、外へも出ることさえできない巨大透明ドームの中に閉じ込められていたのである。
しかし、ダクは何としても生き延びていつか喜びを掴み取るというかすかな希望を抱いていた。彼が自由へのチャンスを手にしたのは弱冠17歳のときであり、これまでに蓄積された怒りと闘争心を爆発させることになったのである。ダクよりわずかに年上の新しい囚人がやってきたとき、2人は互いに最初の友人となった。ブレッグと名乗る彼は偵察中に墜落して捕らえられた反乱軍のパイロットだったのである。帝国軍はブレッグと反乱軍との関係を突き止めようとし、彼を何度も拷問ドロイドと対面させていた。
ブレッグの自由への執念に心を打たれたダクは彼と共にカリストVIからの脱出を計画していた。監禁生活から逃れるにはその方法しかないことを知っていた両親も息子を励ましたが、2人は自分たちが付いていくことがこの計画の妨げになることも承知しており、ダクとブレッグに自分たちを置いていくようにと説得したのである。若いダクにとってこれは難しい選択だった。しかし、希望を誓った彼は涙を飲んで両親の願いを聞き入れたのである。
帝国軍が囚人輸送船の到着を待っていたとき、ダクとブレッグは内側のパワーフェンスを飛び越え、外側のフェンス近くにいる衛兵をかわそうとしていた。帝国軍の制服を拝借して発着場に近づくことも比較的うまくいき、2人が偽の警報を鳴らして動力装置を遮断させると周囲一帯は停電となった。そして2人は囚人船に乗り込み、すべての装置を作動させたのである。しかし、2人が離陸する前に事態に気付いたストームトルーパーも船に侵入し、ダクが撃つより先にブレッグが標的にされてしまったのだった。
ブレッグはなんとか一命を取り留めたものの、瀕死の重傷だった。しかし、ダクには宇宙船の操縦などできるはずもなく、離陸するにはブレッグの助けがどうしても必要だったのである。ブレッグは喋ることが精一杯の状態だったが、必死になってダクに指示を与えていた。思いがけないことにダクの素質には素晴らしいものがあり、2人は何とか離陸に成功すると、ハイパースペース航行への準備を始めたのである。
ブレッグの状態はますますひどくなり、ティアフォン基地に到着するまでの間、ダクは一人での操縦を余儀なくされていた。決して簡単なことではなかったが、彼は奇跡を信じていたのである。しかし、彼の努力も空しく、ブレッグが死んだのは離陸後わずかのことだった。
ホスの戦いで命を落とす前に、ダクは操縦と射撃のセンスについて質問されたことがある。そのとき彼は、素晴らしい先生と出会ったからだと答えたという。
コルサントで生まれたケシン・オミスは武器のスペシャリストである。彼はヤヴィンの戦いの1年後に同盟軍に参加し、エスコート・フリゲート<サレン>を始めとする数隻の宇宙船で砲手を務めていた。後にホスのエコー基地に配属され、ホビー・クリヴィアンらと共に戦闘機や車両の後方に搭乗する砲術兵曹として働くようになる。オミスはこの戦いで戦闘中に負傷したのだった。
元帝国軍パイロットであるターン・マイソンは、ヤヴィンの戦いの直後に同盟軍に参加した。卓越した射撃の名手であり、ホスから脱出する貨物船<ブライト・ホープ>をXウィングで護衛した。
ホスのエコー基地の司令センターでは、帝国軍のあらゆる兆候を探るため、近隣の宇宙空間の入念な探索が行われていた。もちろん、司令センターの最大の目的は探索だが、緊急事態となれば最適化された防衛用戦略室にもなる。事実、ここでトアリン・ファーに与えられた任務は、脱出を試みる反乱軍の輸送艇を支援するため、スター・デストロイヤーに強力なイオン・キャノンを浴びせることだったのだ。
トアリン・ファーは、エコー基地を最後に脱出した1人でもある。エコー基地の主任通信士官だった彼女は、姉のサモックと共に輸送艇<ブライト・ホープ>でホスを脱出するが、この船は逃走中に帝国軍のインペリアル級スター・デストロイヤー<ストーカー>と、賞金稼ぎザッカスの宇宙船<ミスト・ハンター>による攻撃を受けていた。このときファーはなんとか18人の乗員を脱出ポッドに収容するが、不運にも彼らはそのままホスに引き戻されてしまう。その後、ファーは意外にもザッカスと4-LOMの助けを得て、航行不能になった<ブライト・ホープ>の残りの乗員90名をダーリン・ボーダへ安全に移送することができた。ファーはこの功績によって特別軍の中佐に昇進し、同時に勇気を称えるカリドア・クレスントを授与される。後に彼女は再びホスへと向かい、惑星に戻された18人を無事救助したのだった。
ワイロン・サーパー大尉はセンサーを専門とする反乱同盟軍のスパイである。かつては亡命志願者と接触するためにインペリアル級スター・デストロイヤー<アヴェンジャー>に侵入したこともあり、ホスのエコー基地でもセンサーと通信装置の専門家として貢献していた。彼の任務はホスの小惑星帯から可能な限り帝国軍艦船を探し出すことであり、その際に帝国軍艦船のセンサー機影に関する知識を役立てていたのだ。だが、不幸にしてサーパーの部隊は、エコー基地に侵入してきた帝国軍によって殺されてしまう。彼は部下たちに撤退するよう命じるが、スノートルーパーの1分隊に阻止され、即座に皆殺しにされたのだった。
ローマス・ナヴァンダーは帝国アカデミーに在籍していたことのあるコレリアンのパイロットである。だが、彼は卒業と同時に同盟軍に亡命したのだった。彼がアカデミーで受けた訓練と習得した専門技術の大半は、通信と戦術立案に関するものであり、反乱軍で中尉に昇格した後、その技術を活してエコー基地の上級技術通信士官の1人となった。ホスの戦いによる基地からの撤退の際には、タミザンダー・レイと共に同盟軍艦船への指示の伝達を監督している。
ケイソル・セクターから反乱同盟軍に加わったカル・エルダーは、長年にわたってブレン・ダーリン大佐の部下を務めている偵察員である。ホスのエコー基地では防衛線の外周パトロール部隊の隊長の1人を務めており、帝国軍による攻撃が開始された際には、主要基地を守るスノースピーダー部隊を統括していた。
そしてホスの戦いの数年後、エルダーは新共和国軍の将校グループに加わり、ケイソル・セクター内に潜伏するモフ・サーンを捜索するべく、<ファースター>の任務を立案している。
ショーン・ヴァルデズはホスのエコー基地で撤兵士官を務めたカリスマ的指導者である。彼には基地を放棄し、速やかに撤退するという計画に関しての豊富な経験があり、事実、ホスからの撤退を最大限の効率で指揮していた。また、プライベートな時間におけるヴァルデズは詩的なミュージシャンでもある。
タミザンダー・レイが故郷エッセレスの防衛軍から退役したのは、パルパティーン皇帝が帝国元老院の永久解散を宣言した直後のことである。その後、彼は反乱同盟軍に加わり、ホスのエコー基地では上級甲板士官としてドッキング・ベイでの任務に当たっていた。彼はエコー基地で働く多くのパイロットから尊敬を得ようと躍起になっており、基地のシールド発生装置が作動するまでにすべての補給船を着陸させるようにと命令を出したのだった。
オンダロン出身のティグラン・ジャミロは長年にわたって反乱同盟軍に尽くしてきた。彼はダントゥイーン基地に配属された後、ヤヴィン4に異動し、ヤヴィンの戦い後はホスのエコー基地に配置されている。ジャミロの専門分野は兵站任務であり、エコー基地でも上級兵站士官を務めていた。基地に到着した人員は必ず彼に直接報告を入れなければならなかったのである。
エンドアの戦い後もジャミロは新共和国軍で任務を続けており、ユージャン・ヴォングが銀河系への侵略を開始したときには将軍の地位に就いていた。彼はトレイスト・クレフェイ提督の指揮下に置かれており、コルサントの戦いの直後にはピース・ブリゲイドのリーダーを捕らえるためにイリーシアへ派遣された地上部隊を指揮している。
ラルティア出身のジェローン・ウェブは、故郷が帝国軍に征服された後、この惑星の地下に存在するレジスタンス軍の活動を監視するために送り込まれたスパイだった。しかし、彼はそこで偵察員の1人として同盟軍に加わることになる。
後にホスのエコー基地に配置されると、ウェブはトーントーン調教師の1人に任命された。彼の役目は同盟軍のパトロール兵が乗るトーントーンを捕獲し、飼いならし、訓練することである。
コーマン・クイエンは偵察員としての訓練を積んだ反乱同盟軍の一員である。ホスに配置された後、彼はトーントーンの調教師の1人に任命された。クイエンの任務は野生のトーントーンを捕獲して飼いならし、乗用獣として訓練することだったのだ。だが、不運にも彼はホスからの撤退作戦の際に命を落としている。帝国軍の攻撃に驚いたトーントーンの一群が興奮して脱走し、彼を含む5人の兵士たちを踏みつけていったのだ。
トレイ・カランは同盟軍に亡命した数多くの元帝国軍士官の1人である。彼はホスの戦い前に同盟軍に加わり、フィレスト大佐による数年間の厳しい監視を受けながら、エコー基地の兵員士官として従事していた。やがてカランは資源を有効利用する術に長けていることで知られるようになり、物資に乏しい反乱軍において、その才能はとても重宝されたのだった。
同盟軍の信頼を勝ち取り、上級曹長に昇進したカランは、ホスの反乱軍基地に対して進軍するAT-ATを最初に発見した兵士としても知られている。彼は防衛準備を始める前に迅速に主要基地に状況説明を行ったが、不運にもその後の最初の戦いで戦死したのだった。
同盟軍の若きベテラン、ジェス・オーラシェインはホスのエコー基地に配置された寒冷地用兵員の1人である。彼はホス基地に配置された他の兵士たちと同様に、帝国軍の寒冷地用戦術に対抗するための訓練を受けている。
パロー・トーシャンはヤヴィン4のマサッシ基地でドドンナ将軍の部下を務めていた反乱軍将校である。ヤヴィンの戦いでの作戦を立案したのも彼の所属するグループだった。後にホスのエコー基地に配属され、防諜能力に長けていることから同盟軍の警備責任者に抜擢されている。
ライ・ホリス軍曹はホスの戦い時にエコー基地に配置され、防衛任務に当たっていた反乱軍兵士の1人である。ナブー出身の彼はルーティン・ホリスの息子であり、フィレスト大佐の厳しい監視の下で訓練を受けた後、軍曹に昇進したのだった。彼はフィレストの部隊の一員としてホスの戦いを生き延びた唯一の兵士であり、AT-STに傷付けられながらも、医療班の2人を救助したことで知られている。だが、ホリスにとってはこの生存も彼の記録的な成功の数々の1つでしかない。その後、ホリスは幾多にもおよぶ勇気を称えられ、ケノービ・メダリオンを授与されるのだった。
ヴィルダー・ブリンはホスの戦いの直前にエコー基地に配属された同盟軍の偵察員である。彼にはコンプノア(新秩序維持委員会)の一員だった実兄に裏切られた過去があり、両親を帝国軍に引き渡された後、同盟軍に加わったのだった。ブリンは特殊部隊にも在籍していたことがあり、第一応答戦術の経験を積んでいる。
ホスの戦いで、ブリン伍長は不運にも味方の誤射によって戦死することになる。ウェッジ・アンティリーズがワイヤーで帝国軍のAT-ATを倒したとき、彼はその車体から回収できるものを回収してくる部隊の一員に任命されていた。だが、血気盛んなパイロットが状況を確認する前にAT-ATを破壊してしまい、ブリンたちはそのときの爆発に巻き込まれてしまったのである。