キャラクター・ガイド / マックス・レボ楽団

マックス・レボ Max Rebo

種族:
オートラン
出身:
オート
職業:
ミュージシャン
性別:
身長:
1.4メートル
愛機:
不明

Max Rebo

標準的なオートランと比べてかなり小柄な体で生まれたサイルーリアン・ファンテルは、母親からもこのまま何事もなくただ衰弱していってしまうのではないかという不安を抱かれていた。しかし、彼は優れた音楽の才能を開花させ、やがて銀河系屈指のミュージシャン、エヴァー・オーバスによって見出される。サイルーリアンはオーバスから人々により覚えられやすいマックス・レボの芸名を与えられ、ついには銀河系に名を馳せる一流エンターティナーとなるのだった。

レボの最初の芸暦は、エヴァー・オーバス率いる異種族混成バンドのキーボード担当者だった。しかし、仕事のためタトゥイーンのモス・アイズリーへやって来たオーバスは、フィグリン・ダン率いるモーダル・ノーズとの間で繰り広げられた契約を巡る争いのなかでブラスターによって射殺されてしまい、レボが名目上のリーダーとしてバンドを引き継ぐことになる。実際には女声ボーカルのサイ・スヌートルズがバンドを支える頭脳的存在だったが、彼女はレボを代表者として前面に押し出す方を好んでいたのだ。

レボ、スヌートルズ、ドルーピー・マックールで再スタートをきったレボ楽団は、資金不足からタトゥイーンを離れられずにいた。その後、彼らはジャバ・ザ・ハットの執事ナルーン・キューザスの目にとまり、ジャバの宮廷バンドとしてのオーディションに応じることになる。そこで彼らは素晴らしい演奏を行い、ジャバから生涯契約の申し出を受けるが、不幸にしてレボはジャバから食べ物への飽くなき執着心を見抜かれてしまい、他のメンバーの了承を得ずに、一生タダで食べられるという条件だけで生涯契約を結んでしまう。マックスは何も考えずにこれこそ究極の報酬だといって大喜びしていたが、スヌートルズはあまりの仕打ちに怒り心頭だった。

ジャバがルーク・スカイウォーカーとその友人たちを処刑するためカークーンの大穴に向かったとき、レボ楽団のメンバーも大半がセール・バージに搭乗していた。セール・バージはジェダイの思わぬ反撃によって爆破されるが、彼らはバージの下層にいたため、間一髪で砂漠に飛び出すことに成功し、全員が生き延びている。

ジャバの死後、マックールはバンドを退団して砂漠の彼方へ消えたが、レボとスヌートルズはレディ・ヴァラリアンと短期契約を結び、マックス・レボ・デュオとしてしばらくの間一緒に演奏を続けていた。やがてスヌートルズがソロ活動を行うためバンドを解散させると、レボは放浪の果てに反乱同盟軍へとたどり着く。彼はアウター・リムで任務に就く同盟軍兵士たちから食料をもらい、それと引き換えにエンターテイメントを提供することで、帝国軍兵士たちよりうまいご馳走を食べることができたのだ。

エンドアの戦い後、マックス・レボは8つの惑星でレストラン・チェーン「マックスのフラングス・ハウス」を成功させ、コルサントで贅沢三昧の生活を送っている。

ドルーピー・マックール Droopy McCool

種族:
キトナック
出身:
キアドIII
職業:
ミュージシャン
性別:
身長:
1.58メートル
愛機:
不明

Droopy McCool

キトナックのドルーピー・マックールはマックス・レボ楽団のチディンカル笛の担当者である。この「マックール」とはバンド仲間のサイ・スヌートルズによって付けられた芸名であり、本名はフルートの音色の組み合わせのような音で、キトナック以外の種族には発音できない。オヴラックスIVで奴隷として働いていた彼はミュージシャンのエヴァー・オーバスに購入され、彼のバンドの一員となって共に音楽の道を歩むことになるのだった。

惑星レタキ出身の嫌みな多触手エイリアンであるオーバスは、彼らのバンドを開店時の屋内オーケストラとして指名してきたモス・アイズリーの酒場と契約交渉を行っていた。一方で、当時の屋内バンドだったフィグリン・ダン率いるモーダル・ノーズは、明らかに交渉で一歩遅れをとっていた。しかし、オーバスはモス・アイズリー到着直後に死んでしまう。公式にはブラスターの流れ弾による事故死ということになっているが、彼らの契約を無効にしようと企んだモーダル・ノーズのメンバーによる暗殺だったとの噂も流れている。

オーバスの死はバンドのメンバーを分裂させたかに思えたが、サイ・スヌートルズ、マックス・レボ、そしてマックールの3人は一致団結してこの難局を乗り切った。このときマックールは他のメンバーに彼を「スニット」と呼ぶことを禁止するという条件を出している。この名前はオーバスが彼に付けたあだ名であり、フルートに似た笛の名前だったのだ。マックールがスヌートルズから現在の名前をもらったのもこのときのことである。

マックールはレボやスヌートルズと一緒に音楽の演奏を楽しんでいたが、自分と同じキトナックの仲間が欲しくてたまらなかった。ときおり他のメンバーもマックールが孤独さに負けて部屋で1人すすり泣いている姿を目撃している。

オーバスの死後、マックールはレボとスヌートルズにバンドの運営を一任し、彼自身はより一層リラックスしていた。しかし、バンドの資金が底を突き始めると、彼らはついにジャバ・ザ・ハットのオーディションに応募し、生涯契約を結ぶことになる。ところが、音楽と食べることにしか執着心のないマックス・レボは、馬鹿げたことに一生分の食料だけの報酬で契約してしまったのだった。

ジャバの宮殿で過ごしていたマックールは、ある日遠くでキトナックの仲間の声を聞いたと主張する。だが、タトゥイーンの砂漠でキトナックが何をしているのかと聞かれても、彼には単に「生きている」としか答えようがなかった。そしてジャバの死後、マックールは砂丘海にいる「兄弟たち」を探したいと言ってマックス・レボ楽団を退団してしまう。彼は大砂丘海の中に消えていき、それ以来誰にも姿を見せていない。ときどき地元の水分農夫からも砂漠の外れでキトナックのパイプ音楽が漂っているのを聴いたという報告があるが、その噂も真偽の程は確認されていないのだ。

サイ・スヌートルズ Sy Snootles

種族:
パロウィック
出身:
ロウィック
職業:
ミュージシャン
性別:
身長:
1.6メートル
愛機:
不明

Sy Snootles

おそらくマックス・レボ楽団でもっとも実践的なメンバーは、パロウィックのサイ・スヌートルズだろう。だが、彼女はたちどころにしてジャバ・ザ・ハットの陰謀に巻き込まれてしまうことになる。

長い唇と細い足が特徴的なパロウィックの女性歌手サイ・スヌートルズは、銀河系で最高のボーカルの1人としてエヴァー・オーバスに雇われた。彼女はオーバスのぶっきらぼうな態度を嫌っていたが、彼が優れた歌手であり、そしてミュージシャンであることも十分に理解していたのだ。だが、ヤヴィンの戦いの直前にタトゥイーンでオーバスが死亡すると、スヌートルズは残りのメンバー、マックス・レボとスニットに、トリオで演奏を続けようと提案する。彼女はスニットをドルーピー・マックールと改名し、レボをバンド・リーダーに任命した。やがて彼らはジャバ・ザ・ハットの執事だったナルーン・キューザスに見出され、ジャバの宮廷楽団のオーディションに参加することになる。そこで彼らは生涯契約を獲得したが、不覚にも大食漢のオートランであるレボに契約交渉を任せていたため、ギャラの支払いがすべて食料になってしまったのだ。これに激怒したスヌートルズは、ランコアの餌にならないように気をつけながら、死にもの狂いで契約の解除を求める羽目になるのだった。

Sy Snootles

ジャバの宮殿で歌うようになった直後、彼女はウィフィッドの女性事業家レディ・ヴァラリアンから、報奨金と引き換えにジャバの宮殿に隠された情報を提供してほしいという申し出を受ける。これは10数回にも及ぶ申し出の最初の1つにしか過ぎなかった。これらの内容はすべて、この小柄な歌手に報酬と引き換えにジャバをスパイしてくれという取引きだったのだ。彼女はもちろん金が欲しかったが、ランコアの餌にだけはなりたくなかった。そして、スヌートルズはどうするべきか確信が持てず、ジャバの副官ビブ・フォチューナに相談を持ち掛ける。フォチューナの助言は相手と接触し、その後すべてを報告をしろというものだった。彼はジャバからのより大きな報酬を約束し、彼女をダブル・スパイに仕立てて偽情報を流させたのである。

スヌートルズのスパイ活動はルーク・スカイウォーカーが友人のハン・ソロを救出に現れたことによって終了した。ジャバの死後、そういった様々な「雇い主」からの金も途絶えてしまったのだ。やがてマックールがバンドを退団し、その後しばらくの間、彼女とレボはデュオを組んでヴァラリアンのためにショーを披露していたが、ついにはこのコンビも解消されてしまう。彼女のプロ・シンガーとしての活躍の場も減少する一方となり、単独での仕事を試みたが、もはやまったくの落伍者でしかなかった。スヌートルズはいくつもの別名を使って辺境のみすぼらしいバーを巡回しつつ、様々なステージ・ショーを行うようになる。しかし、リップス・テーネックという名で働いていたとき、彼女はフェタリル・スパイスの味を覚え、その後の人生の大半を薬物による昏迷状態で過ごすようになるのだった。

ジョー・ヤウザ Joh Yowza

種族:
ヤズム
出身:
エンドア
職業:
ミュージシャン
性別:
身長:
1.4メートル
愛機:
不明

Joh Yowza

森林衛星エンドアに原住するヤズムは原始的な種族だが、中には故郷を離れ、歌手として成功した者もいる。彼らの言語は明らかに音楽的概念に基づいており、耳障りな声だとして嫌う者もいるが、知的なヤズムの中には卓越した歌手が存在しているのも事実なのである。そのなかの1人は、やがてジョー・ヤウザ(これはサイ・スヌートルズに付けられた芸名である。彼の本名は J'ywz'gnk Kchhllbrxcstk Et'nrmdndlcvtbrx といい、ベイシックでは発音できないのだ)と呼ばれるようになり、マックス・レボ楽団を大成功へと導くことになるのだった。

ヤウザは身長が低かったために仲間の「群」から追放された。ほとんどのヤズムは最低でも2メートルの身長があるが、ヤウザはたったの1.4メートルだったのだ。群の仲間が獲物を求めて森林を捜索しているときも、彼はしばしば見捨てられ、1人でやりくりしていた。ヤウザはその孤独な生活の間に、彼らの言葉で作った悲しみのメロディを練習していたのである。

ある日、食料を求めてあてもなく森林をさまよっていたヤウザは、奇妙な金属製の建造物を発見する。彼は何か食べ物があることを期待して中に忍び込むが、実は密輸船に捕らえられてしまったのだ。しかし、この船の船長ローク・ガーネットはこの小型エイリアン、特に彼の歌声を大変気に入った様子だった。彼はヤウザ(船長からは「毛玉」という愛称で呼ばれていた)を数ヶ月間船に乗せ、ヤウザも進んで掃除や料理などの簡単な仕事を手伝っていた。しばらくすると、ガーネットはこの「毛玉」にちょっとしたベイシックを教えることに成功したのだった。

ナー・シャダーに停泊したとき、ヤウザはガーネットの船を下りてふらふらとさまよい、「チェスコ伯父の店」というみすぼらしいタップカフェの中から聴こえる野生的な音楽に引き寄せられた。カフェで演奏していたバンドはエヴァー・オーバスの一団だった。このバンドの作り出す音に心を動かされたヤウザが即座に歌い始めると、それを見ていたオーバスは驚き、観衆も歓喜した。いつもは不機嫌な観衆がこの小さな生物のパフォーマンスに歓声と拍手喝采で応えると、オーバスもしぶしぶながらこの「毛玉」をバンド・メンバーに加えたのだった。サイ・スヌートルズが彼に芸名「ジョー・ヤウザ」を付けたのもこのときであり、彼は熱心にその名を覚えていた。

ヤウザは毎日の食事の提供(これはオーバスがオートランのキーボード担当者マックス・レボと交わした契約内容によく似ている)を条件に、タトゥイーンまでバンドと同行することに同意した。ところが、バンドが砂漠の惑星に到着した直後、オーバスはある契約を巡る争いで殺害されてしまう。しかし、彼らは悪名高いジャバ・ザ・ハットの宮殿で演奏できることになった(バンドのメンバーたちは知らなかったが、ジャバはヤズムを嫌悪していた。かつてジャバに負債を抱えていた密輸業者が生きたヤズムを積んだカーゴを運び、借金を返済しようとしたのである)。バンドがオーディションの準備をしていると、ジャバの副官ビブ・フォチューナが何気なくヤズムを隠すようにとほのめかしてきた。そして、スヌートルズはヤウザにオーディション終了まで隠れている様にと説得する。ヤウザは再びかつての孤独と悲壮感を味わいながら、宮殿の下層区域をさまよっていた。

その後、スヌートルズたちが本格的に演奏を開始すると、ヤウザは謁見室に舞い戻り、慎重に死角に隠れていた。しかし、演奏が最高潮に達すると、彼にはもはや自分を抑えることができなかった。ヤウザはステージに飛び乗り、大声で力いっぱい歌い始めた。ベテラン芸人のごとく踊り、跳ね回り、観衆を沸かせた。彼は観衆から、さらにはジャバからも雷鳴のような拍手を浴びた。誰も彼もがこの小柄なヤズムに魅了されたのである。

ジャバの死後、ヤウザはモス・アイズリーに向かい、小型客船での仕事を得る。彼は客船の室内バンドに出演し、寝床とアウター・リムへの旅費を貰うために歌い続けていたのだ。しかしその後、彼はかつての仲間、リスタール、リン・ミー、グリアータとの再会を果たし、彼らの結成したパルパトーンと呼ばれるバンドに加わっている。4人のミュージシャンは新しいバンドで再び銀河系の人気者となったのだ。

ラッパーチュニー Rappertunie

種族:
シャウダ・ユブ
出身:
マンファ
職業:
ミュージシャン
性別:
身長:
0.3メートル
愛機:
不明

Rappertunie

故郷マンファを離れて銀河に旅立つシャウダ・ユブはほとんどいない。大抵はそのぬかるんだ町での暮らしに満足し、沼から湧き出す豊富な石油資源を加工処理している。しかし、ラポトワナラントニー・ティヴトトロンは平凡なシャウダ・ユブではなかった。彼は卵から孵化して以来、ずっと旅立ちたいという衝動を抱えていたのだ。彼は若い頃から楽器を弾いて旅の資金を集め、隔離された村々にニュースを伝えながら、大陸の沼地社会を広範囲に渡り歩いていた。そして、成人期に達したときには、既にマンファで唯一の宇宙港都市シャンパンへ向かう星間シャトルに乗れるだけの資金を貯えていたのである。

シャンパンではラポトワナラントニーの前に銀河系全体が開けており、彼はその都市のバーやカジノに座って、訪れた外界の商人たち(多くは人間だった)と話しをしていた。彼が多くの外界人にとって発音しやすい「ラッパーチュニー」という芸名を付けたのも、シャンパ・バンドで演奏していたときのことだった。彼はシャンパンで過ごす間に多くの新しい楽器の使い方を学び、グロウディをお気に入りに加えようと思っていた。マンファ固有のグロウディは、フルートの一部と水オルガンの一部を合体させたような楽器であり、フルート部分のキーパッドから演奏者の座る半球状の切り株までホースが伸びている。ラッパーチュニーは多くの公演で、電気工学的に改良したグロウディを愛用していた。

ラッパーチュニーは惑星を離れる方法を数年間探しつづけたが、実際に銀河系のより多くのものを見るチャンスを掴んだのは、マックス・レボがマンファにやって来たときのことだった。彼の音楽的才能に感動したマックスは、アウター・リムでの季節公演のため、彼に自分のバンドに加わらないかと呼びかける。ラッパーチュニーは喜んでそれに同意した。

彼が2番目に立ち寄った場所はモス・アイズリーだった。ラッパーチュニーは期間限定契約がジャバ・ザ・ハットの要請で無期限延長になったことを知らなかった。彼はほどなくしてタトゥイーンの観光名所をすべて行き尽くし、早々にこの惑星を出る方法を探し始める。本来、湿地帯の居住者である彼は、タトゥイーンの乾燥した暑さに一瞬にして嫌気が差したのだ。しかし、ラッパーチュニーには所持金もほとんどなく、かといってマックス・レボと一緒に旅立つつもりもなく、結局はジャバの宮殿に留まるしかなかった。ジャバの宮殿でも脱水状態を防ぐために毎日大量の水を飲まなければならず、そのため彼は静かに座って演奏できるグロウディを専門に使い、不必要な激しい運動を抑えていたのである。

通常、ラッパーチュニーのような小型エイリアンは、宮殿にいる他のエイリアンたちから食料のように見られがちだが、幸運なことに彼にはジャバの凶暴な手下から身を守る防衛本能を持っていた。シャウダ・ユブは神経毒を吐くことによって狩りを行うのだ。この猛毒は人間ほどの大きさの哺乳類の動きをおよそ15分間止めることができ、彼らはその間に獲物の息の根を止めることができる。しかし、近代的なシャウダ・ユブの多くは食料を金で購入し、自己防衛以外にはこの能力を使わなくなっている。

ラッパーチュニーは何ヶ月にもわたってサイ・スヌートルズに契約の解消と他の惑星での仕事を求めていた。やがてこの願いはジャバの急死によってかなうことになる。彼は血を見ることを好まず、カークーンの大穴でのハン、チューバッカ、ルークの処刑にも同行していなかった。タトゥイーンを脱出した彼はスヌートルズと共に旅を続けるが、彼女の挫折によって彼のミュージシャンとしての経歴も終わりを告げることになる。その後、ラッパーチュニーはレバクサン・コルムニ社のコンピュータ技師となり、MSE-6マウス・ドロイドの改良に着手するのだった。

バークウィン・ダン Barquin D'an

種族:
ビス
出身:
クラクドアVII
職業:
ミュージシャン
性別:
身長:
1.55メートル
愛機:
なし

Barquin D'an

クルー・ホーンを奏でるビス・ミュージシャンのバークウィン・ダンは、モーダル・ノーズのリーダーとして有名なフィグリン・ダンの実の兄である。しかし、弟の成功をよそに、彼独自の音楽は決して流行しなかった。彼は作曲能力では素晴らしいセンスを発揮しているが、歌や演奏となると、とても洗練されているとは言い難い。しかし、バークウィンはアウター・リム、特にパーメル、ポートモーク、クェンスなどのセクターではそこそこの成功を収めており、レッド・シフト・リミット、スターバースト、アナデイル・フェイドといった有名バンドや歌手の前座公演も行っていた。

バークウィンは新曲のレコーディングの間、弟の応援をしようと考え、タトゥイーンへ向かった。彼は自分の曲がフィグリンの強烈さと巨匠としての能力によって活かされれば、いつの日か自分を銀河音楽界のトップにまで躍進させてくれるだろうという希望を抱いていたのだ。しかし、残念なことにモーダル・ノーズはとうの昔にタトゥイーンを離れており、モス・アイズリーまでの旅費しか持っていなかったバークウィンは行き詰まってしまう。この苦しい期間に若干の余分なクレジットを稼ぐため、彼は数人のミュージシャンと組んでジャバ・ザ・ハットの宮廷バンドへの出演交渉を行った。バークウィンは晴れてマックス・レボ楽団の一員となったのだ。

やがてある日、いつものようにジャバの宮殿でジィズを演奏していたバークウィンは、ジャバの不興を買ったトゥイレックの踊り子ウーラがランコアの餌食にされるのを目撃する。短い間しかバンドに参加していなかった彼は、このときからジャバの悪行に嫌気が差すようになった。ハン・ソロの救出に現れたルーク・スカイウォーカーとチューバッカが処刑のためカークーンの大穴に連行されたとき、バークウィンもセール・バージで見物に同行するが、彼の本当の目的は別のことにあった。彼はルークらが反撃の際に自分をサーラックの巣に落としてくれることを望んでいたのである。彼はそうなることでこの惨めな人生から抜け出したかったのだ。しかし、自分の代わりにジャバが死に、バークウィンは炎上するセール・バージからの脱出に成功する。彼はモス・アイズリーへと逃亡し、そこからステノスへと旅立っていった。その後、バークウィンは完全に音楽から身を引き、貿易業を営んで利益をあげているという。

ドーダ・ボドナウィード Doda Bodonawieedo

種族:
ローディアン
出身:
タトゥイーン
職業:
ミュージシャン
性別:
身長:
1.65メートル
愛機:
なし

Doda Bodonawieedo

大抵のローディアンは、反移住主義指導者であるナヴィック・ザ・レッドを崇拝しており、決して故郷を出ることはない。最高のハンターやプロとして活躍する選ばれたローディアンにのみ、故郷を離れるための許可証が与えられるのだ。他の多くの人々、特にナヴィックに反対する部族の者たちは、彼が力を台頭させたときに惑星から逃亡しており、ドーダ・ボドナウィードの両親もその中に含まれている。両親の逃亡からちょうど5ヶ月後、ドーダはタトゥイーンへ向かう途中の混雑した輸送シャトルの中で誕生した。タトゥイーンはドーダの両親がナヴィックの放った賞金稼ぎから身を隠せることを願った場所だったのだ。彼の家族はモス・アイズリーに移住し、旧市街で小さなクリーニング屋を営むことになる。

ドーダは若い頃に両親から2つのことを学んでいた。母親からは同胞と自分たちの新しい惑星を尊重し、ローディアンの文化を嫌悪するということ、そして父親からは先人に譲ってもらったローディアの古典楽器を含む様々な楽器の使い方である。彼はモス・アイズリーの埃まみれの道端で成長し、ホークという名の人間の少年と仲良くなる。ホークは大胆ないたずら好きの若者であり、道端の露天商からロントのバーベキュー・ステーキを盗んだり、「フリッカー」競争にドーダを巻き込んだりもしていた(「フリッカー」とはジャワの頭のフードを引っ張りながら路上を走って競う、モス・アイズリーの浮浪児に人気のスポーツである)。

彼の両親は10年目にとうとう賞金稼ぎに追いつめられ、その薄汚れた店内で撃ち殺されてしまう。ローディアンの賞金稼ぎはすべてを燃やして去っていったが、幸いにも外界で生まれたドーダは賞金首にはなっておらず、生き延びることができたのだった。孤児となったドーダはモス・アイズリーの雑踏で一生懸命に生きていった。彼とホークが歳を取るにつれ、ホークのスタントはより危険で犯罪的なものへとなっていく。だが、飢えて痩せ細ったドーダには、もはやそれを咎めることすらできなかった。

やがて思春期に入ると、2人の少年たちは周りの若いバンド仲間を集め、シャウピーという名のグループを結成する。ドーダはシャウピーの仲間から、両親が教えてくれなかった、あるいは教えられなかった新しい個性や所属観念を学んでいった。結成当初、彼らは盗みや強盗、対立するギャングとの抗争に明け暮れ、その後さらに成長し、モス・アイズリーの暗黒街との繋がりを持つようにもなった。やがて彼らは数を増やし、スパイスの横流しや恐喝などにも手を出すようになる。こうした中でも、ドーダは情報の仲介などの比較的軽い犯罪活動にしか手を出さず、ホークとの友情や吟遊詩人としての才能を維持していたのである。

やがてドーダとホークはシャウピーを引退し、ジャバ・ザ・ハットのサテライト事業へとたどり着く。彼らはついに、運命を求めてジャバの宮殿に入ったのだ。ドーダはガモーリアンのお気に入りの詩人という適所を見付け、使用人用サバック・テーブルの常連となる。しかし、一方のホークには哀しい運命が待っていた。彼はビブ・フォチューナの使いとして有望なスタートを切ったが、その探求的な性格が破滅を誘うことになる。彼はジャバとフォチューナの会話を立ち聞きしていたところを発見され、即座に処刑されてしまったのだ。幸運にも、ドーダ(彼はそのときいなかった)は彼と同じテツァス族のグリードが代理人として弁護してくれたおかげで、難を逃れることができた。ドーダはやがて同じようにフォチューナの使いの1人となり、ときどき時間が空いたときは得意のスライザーホーンで居合わせたバンド仲間と演奏を行っていたのである。

ジャバがハン・ソロとその友人たちを処刑するために出かけたとき、ドーダはフォチューナの使いでオニキ・ウェンにメッセージを届けるためモス・アイズリーにいた。彼は砂漠での出来事を知るとジャバのタウンハウスへ向かい、ミストレルやダンシング・ゴッデスを含む貴重な彫刻をごっそり持ち出してタトゥイーンを去ったのだった。その後、ドーダはこれらの財宝を元の持ち主のもとに返し、その報酬を得てサーコスで快適な隠居生活を送っているという。

アク=レヴ Ak-rev

種族:
ウィークェイ
出身:
スリルア
職業:
ミュージシャン
性別:
身長:
不明
愛機:
なし

Ak-rev

アク=レヴはウィークェイの出身惑星スリルアの首都アル=キャンパーの埃にまみれた通りで生まれた。そこで若い頃に孤児となった彼は、稲妻の神アム=シャクを祭る修道院に連れていかれる。彼は修道院で生活する間に、アム=シャクを称える宗教的儀式の中で重要な役割を果たす寺院のドラムを愛するようになっていったのだった。

彼は監視役や教師役の修道僧から逃れられたときはいつも、外の道端で多くの時間を費やしていた。アル=キャンパーのストリート・ギャングたちと衝突する中で、アク=レヴは戦うことを学び、震動ブレードの腕前も上達させていったのだ。こうして次第にアク=レヴは修道院の上位僧たちの注目を集めるようになる。上位僧たちは合法的戦闘やボクシングがアク=レヴの攻撃性を生産的な方向へ向けてくれることを期待し、彼に素手同士の戦いの芸術を訓練した。アク=レヴは少なくとも永久に修道院を離れることができる年齢に達するまで、兵法を学び続け、そして成人に達したとき、彼はついに修道院を去ったのである。

どの部族にも属していなかったアク=レヴは、仕事が見つかれば内容を問わず従事しなければならず、金のためにアル=キャンパーの地下闘技場で戦うことも多かった。試合が無いときや怪我をしていたときなどは、坑夫や輸送車の運転手などをしながら極限の状況で働いたり、ただ単にかつての住家だった修道院の前で物乞いをすることさえあった。しかし、例えどんなに生活が苦しくても、彼は常に収入の5パーセントをアム=シャクに献金しており、その見返りとして、僧侶たちはアク=レヴに彼が子供の頃から叩いていたドラムを使わせてくれるのだった。これは彼の喜びの源の1つだったのである。

ある日、彼が宗教的式典でドラムを叩いていると、偶然その前をジャバ・ザ・ハットが通りかかった。すると、ジャバはアク=レヴのテクニックに感嘆し、タトゥイーンにあるタウンハウスで仕事をしないかと申し出る。アク=レヴはそこでジャバのためにドラムを演奏する機会を与えられ、熱心にそれに応えたのだった。

彼が前の主人の名前を自分自身の名前にしたのは、スリルアを去ったときのことである。個人の名前を必要とするのは外界人と大規模な接触を行うウィークェイだけであり、大部分は種族の一員ということだけで満足している。アク=レヴは最初の1年間をジャバのモス・アイズリーでのスタッフとして過ごし、交代で使用人やドラム・ミュージシャンも務めていた。さらにジャバは彼が経験を積んだ戦士だと知ると、西大砂丘海にある宮殿へ転属させ、衛兵やガモーリアンの訓練役としての任務も与えるようになる。そして、年老いたドラム・マスターが病死すると(スパイスの摂り過ぎだったと囁かれている)、アク=レヴはその跡継ぎに昇進したのだった。ドラム・マスターとしてのアク=レヴの仕事はドラムを常に最高の状態で管理し、ジャバをいつでも繊細な音色でなだめられるように準備することだった。また、彼のたった1人の子分であるクラトゥイニアンのアンパス=ステイを監督することも彼の重要な仕事だった。しかし、彼らもジャバが謁見室で居眠りしている間は、2人で延々とサバックをして楽しんでいた。

アク=レヴはジャバのセール・バージが破壊されたとき、搭乗していなかったために助かっている。しかしその数日後、彼は不運にもモス・アイズリーへ向かう途中でランドスピーダーをタスケン・レイダーに襲われ、全財産を失ってしまう。タスケンが獲物を連れ去ることはほとんどないが、彼のその後の行方は不明であり、再会したいと思っている者もほとんどいない。

アンパス=ステイ Umpass-stay

種族:
クラトゥイニアン
出身:
シャウティ
職業:
ボディガード
性別:
身長:
不明
愛機:
なし

Umpass-stay

アンパス=ステイは何世紀にもわたってハットのデシリジク氏族に仕えるクラトゥイニアンの家系に生まれた。彼は幼年期をデシリジクが所有するハット・スペースでも有名な入植惑星シャウティの巨大農業植民地で過ごし、成人してからは地元のハットの指導者が使用する泥風呂の整備法を訓練させられた。彼はまもなく農場主のシェバ・カルシ・デシリジクから気に入られるようになる。最初は彼の食事の味見役となり、後にはボディガードに抜擢されたのだった。

彼はさらに優れた使用人になるべく、多くの自己防衛術についても訓練させられた。シェバの多様な商売の静かな目撃者となったアンパス=ステイは、ハットの商売の表と裏を学び、自分にシェバに近づく者の意図を察知する才能があることに気づく。やがてシェバも親戚や仲間と会うときにはアンパス=ステイの本能を頼るようになり、彼を身近に引き留め続けるのだった。

アンパス=ステイの前途は有望だったが、シェバの商売相手の1人、ジャバという名の野心的な甥の意図を誤って判断したことにより、彼の人生は大きく変わってしまう。この過ちはシェバにとっても致命的なものだった。彼はジャバによって氏族への裏切りを告発され、処刑されてしまったのである。アンパス=ステイはこれで自分の人生も終わったと考えたが、彼がデシリジク氏族で歓迎され、重宝されている存在だと聞いたジャバは、このクラトゥイニアンを自分の犯罪組織の一員として加えようと申し出る。宮廷スタッフの1人に抜擢されたアンパス=ステイは、宮殿で働く他のメンバーを観察し、ジャバに害をもたらそうとする者を発見する仕事を与えられたのだった。

アンパス=ステイはついにタトゥイーンに到着した。彼は他の宮廷メンバーに軽食を配ったり、ウィークェイのアク=レヴと共に巨大なドラムを叩いたりしながら、スパイとしての活動を行っていた。そしてさっそく、吟遊詩人のバンドの振りをしていた暗殺者の一団がジャバの殺害を企てるという事件が起こる。幸いにしてこの計画は失敗に終わったが、それ以来ジャバは宮殿内で演奏するすべてのバンドに、アンパス=ステイとその巨大なドラムを加えるよう命じたのだった。彼の本当の才能を知らない多くの傍観者は、その命令も単に数多くあるジャバの気まぐれな取り決めの1つだろうと考え、話題にもしなかった。しかし実際には、ジャバは先のような事件の再発を防ぐために、彼をボディガードとして近くに置こうと考えていたのだ。当然、中には「芸術的な信条」のもと、演奏にドラムを加えることを拒否するバンドもあった。ジャバはこのことを特に問題視せず、気の進まないバンドにはランコアの穴の中で演奏することを強要するだけだった。そのときの音色はそれほど音楽的ではなかったが、それでもジャバは楽しんでいたのだ。この取り決めのことが広まると、ジャバの宮殿やモス・アイズリーのタウンハウスにおける演奏にはドラムが付き物となる。事実、マックス・レボのバンドも、ジャバの宮殿バンドとなったときにビブ・フォチューナからジャバの要請について予め注意を受けていた。彼らはあわててドラムを起用するナンバーを準備したと言われている。

アンパス=ステイはルーク・スカイウォーカーが現れた最中にも、マックス・レボたちと演奏しながらランド・カルリジアンを注意深く観察していた。しかし、彼は卑しい使用人の身分だったため、ジャバと共にカークーンの大穴へは行っておらず、そのため、ランドの裏切りを主人に報告する機会も得られなかったのだ。ジャバの死後、自由を手に入れたアンパス=ステイはアク=レヴと共にランドスピーダーでモス・アイズリーへと向かう。だが、その途中で彼らはタスケン・レイダーたちによる待ち伏せを受け、所持品を全て奪われてしまった。このときアク=レヴは襲撃者たちに連れ去られたが、アンパス=ステイは無事解放されている。その後、彼はモス・アイズリーでダーソン・キンダーロットと出会い、ハット・スペースへ戻ることに同意した。最後の報告によると、彼はデュー・ハッタでジョコーロ・デシリジク・ティウレに仕えているという。

リスタール・サント Rystall Sant

種族:
ハーフ・シーリン
出身:
ボーナレックス
職業:
エンターティナー
性別:
身長:
1.7メートル
愛機:
なし

Rystall Sant

リスタールはコルサントの観光客や帝国の特権階級の人々が目にする輝かしいタワーや、果てしない陽光のはるか下方にある薄暗い通りで育った不遇な少女である。彼女は惑星ボーナレックスで人間の母サイル・サントとヒューマノイド型エイリアンの父との間に生まれた混血児だった。その後、サイルはより良い生活を求めてコルサントへと移住するが、不幸にして首都惑星は彼らに何も幸せを与えてくれなかった。母にできることといえば、娘がより裕福な人物に拾われることを期待して、彼女を捨てることだけだったのだ。こうしてリスタールは孤児となり、やがて新秩序による厳しい人種差別を避けるため地下都市に移り住んでいたオートランのミュージシャン夫妻に拾われる。親切で賢明なオートランの夫妻は彼女に自分たちの持つ音楽の才能を教えつつ、インペリアル・センターの恐ろしい難所から彼女を守ってくれたのだった。

10代の初期に、リスタールは養父母と共に暗い曲がり角で公演を行い、生きるためのクレジットを稼ぐため、活発な伴奏に併せて歌と踊りを披露していた。ある日、このエキゾチックな少女は犯罪組織ブラック・サンのヴィゴの目を惹きつける。彼はコルサントの衛星の1つに所有する休暇用の宮殿に入れば、リスタールと養父母により豪華な生活を与えると申し出た。リスタールは都会の渓谷を越えて輝かしい世界を目の当たりにできるチャンスに飛びつき、またオートランの夫妻も慎重だったが楽観的だった。しかし、宮殿に行った途端に彼女は鎖で繋がれ、かつての部屋を豪華にしただけのような狭苦しい部屋に閉じ込められてしまう。そしてこの犯罪王は、重要な客を迎えるたびにリスタールを無理矢理躍らせるのだった。犯罪王は彼女が協力しなければ、奴隷用の牢獄で下働きをさせられている両親を殺すと脅していた。リスタールと養父母は2年以上もの間、この残酷な生活を余儀なくされたのである。

その後、犯罪王は銀河系に名だたる数多くのプレーヤーを集めたサバック・トーナメントを開催した。参加者の1人ランド・カルリジアンはリスタールに興味を示し、彼女と少しだけ話をする機会を得る。リスタールは彼をこの宮殿にやってくる他の人々よりも善良な人間であると感じ、苦境を打ち明けると、自分と両親を助けて欲しいと懇願する。カルリジアンは犯罪王との最後の勝負で掛け金の一部にリスタールとオートランの夫妻を要求し、そして勝利した。しかし、犯罪王はブラック・サンのヴィゴである自分がサバックで負けたなどという事実を漏らすわけにはいかず、リスタールとその両親、そしてカルリジアンに刺客を放つ。だが、彼らは辛うじて衛星を脱出することに成功したのだった。

その後、オートランの夫婦はタトゥイーンで旧友のマックス・レボと再会する。オートランの夫妻は養娘にバンドのオーディションを受けさせる手はずを整え、彼女は3人のバック・ダンサー兼歌手の一員として受け入れられた。彼女はルーク・スカイウォーカーが友人のハン・ソロを救出に来たときも、ジャバ・ザ・ハットの宮殿で踊っていた。レボ楽団の他のメンバーと同様に、彼女も運よくセール・バージの爆破から生きて脱出することができたが、彼らと違って、リスタールはスカイウォーカーに儲かる契約を台無しにされたことを憤慨してはいなかった。ジャバとその宮殿は、彼女を奴隷としていたブラック・サンのヴィゴのことを嫌というほど思い出させていたのである。

ジャバの死後、リスタールは仲間のリン・ミー、グリアータと共にパルパトーンというバンドを結成した。その後、彼女は演奏ツアーの一環でナー・シャダーへと渡り、そこでシャグ・ニンクスと遭遇する。リスタールは彼から自分の父がシーリンの生き残りに違いないという情報を入手した。彼女はすぐにパルパトーンを脱退し、父に関する情報の捜索を開始したのである。

グリアータ・ジェンドワニアン Greeata Jendowanian

種族:
ローディアン
出身:
ローディア
職業:
ダンサー
性別:
身長:
1.7メートル
愛機:
なし

Greeata Jendowanian

グリアータ・ジェンドワニアンは彼女の種族の中でも希な存在である。大多数のローディアンは暴力や争いを好むなか、グリアータはいつも芸術的活動、特に音楽を作ったり、歌ったり、踊ったりすることにより大きな関心を抱いていたのだ。例えば、彼女はジャングルに棲む色鮮やかな鳥たちを狩るゲームよりも、その鳴き声を真似て歌うことを好んでいた。そのため他の子供たちからも相手にされず、少女時代は両親をやきもきさせてばかりだった。彼女の両親は彼女をローディアンの伝統的な芝居やオペラへ連れていき、芸術への関心を励まそうと努力したが、その乱暴な内容は彼女を不愉快にさせるだけだった。しかし、グリアータはその後すぐに、もし自分が他の子供たちと同じように育っていたら、それが自分自身と両親にとって最良のことだっただろうと考えたのだった。

昼間にすべてのローディアンが暴力的な遊びで楽しんでいるときも、彼女はこっそり首都のエイリアン地区へ行き、あらゆる種族の吟遊詩人から音楽や歌、踊りを学んでいた。非常に難解なものも併せ、多くの文化の音楽を習得したグリアータは、宇宙航路を渡って酒場や多種族バーでショーを行う放浪の劇団に入団し、人気も知名度もある看板スターへと上り詰めていったのである。

彼女がたった1つだけ興味を示さなかった文化は、自分たち自身の文化だった。彼女は決してローディアンの芸術にあるような破壊を賞賛する作品を作ったり演じたりはしなかった。そして、グリアータは故郷での学校生活を修了させるとすぐに、今までの二重生活を終わらせるときだと思い立ったのである。

彼女は有名な豪華星間客船<クアリ・プリンセス>のバンド・メンバーに応募し、クルー・ホーンを演奏させてくれるという契約を手にする。そこで彼女はリード・ボーカルをしていたサイ・スヌートルズと出会い、友人となった。2人は仕事の合間にトシスのナイトクラブ・グリーン・プラネットでもコンサートを開き、幸せの絶頂を迎えたのだった。だが、グリアータの幸せな日々は凶暴なローディアンの賞金稼ぎによって崩されることになる。突然彼女の前に現れた賞金稼ぎはグリアータを気に入ったと言い、自分と一緒にローディアへ帰れば完璧な妻にしてやれると提案してきたのだ。もちろん彼女は力ずくでも拒否するつもりだった。そしてこの出来事を機に、2人の女性エイリアンは<クアリ・プリンセス>を降りたのである。

その後、2人は酒場でデュオをしながら短い時間を共に過ごしていたが、ある晩、エヴァー・オーバスのバンドでキーボードを担当していたマックス・レボと名乗るオートランによって見出された。彼はサイ・スヌートルズのボーカルとしての資質に魅了され、彼女に自分たちのバンドのオーディションを受ける機会を与える。サイはグリアータにも同等のチャンスがなければ申し出は受けられないと答えた。マックスは必要なミュージシャンはすべて揃っていると主張したが、グリアータが歌や踊り、そしてクルー・ホーンの演奏を披露すると、バンドの後援歌手として使えると考えた。他のバンドのメンバーも同意し、2人の新メンバーが加わったマックス・レボ楽団は成功への道を歩み始めたのである。

そして15年後、グリアータはついにレボ楽団の正式メンバーに昇格し、仲間たちと共にジャバ・ザ・ハットの宮殿で演奏を行っていた。反乱軍がジャバのセール・バージを破壊したときは彼女も同乗していたが、辛くも砂漠への脱出に成功する。そして、グリアータと仲間の後援歌手リン・ミーは、砂漠で立ち往生していた他のミュージシャンたちを救出することに成功したのだった。この2人の女性の戦闘能力はバンド・メンバーをタスケン・レイダーたちから守ったり、比較的安全なモス・アイズリーまで乗っていくバンサを捕まえるのにとても役立ったのだ。

ジャバの死後、グリアータは仲間のリスタール、リン・ミーと共に新しいバンド、パルパトーンを結成し、後にはそこにジョー・ヤウザも加わった。グリアータはその歌声で大観衆を魅了し、今までに得たことのない最高の名声を獲得したのである。

リン・ミー Lyn Me

種族:
トゥイレック
出身:
ライロス
職業:
エンターティナー
性別:
身長:
1.6メートル
愛機:
なし

Lyn Me

リン・ミーの若き日の思い出の1つは、マンダロア装甲服の傷ついた冷たい胸当てで占められている。トゥイレックの長老たちは彼女にライロスの村が奴隷商人たちによって激しく荒廃させられていること、そして彼らを根絶しようとする村の指導者たちが賞金稼ぎを雇うための資源を貯えていることを語った。そして、その賞金稼ぎこそがボバ・フェットだったのだ。

村の指導者たちは救済の申し出と共にベスピンの口座にあった村人たち全員のクレジットを振り込んだ。彼らは待ち続け、何週間も経過したが、奴隷商人たちの襲撃は続いていた。そしてちょうどトゥイレックたちが希望を断念したとき、ついに賞金稼ぎが到着したのである。ボバ・フェットは戦いに勝利し、奴隷商人たちは全員死に絶えたのだった。

しかし、戦いによる被害は少なくなかった。多くの村が集中砲火を受け、地元の学校も燃えていた。リン・ミーや他の子供たちはボバ・フェットがいなければおそらく死んでいただろう。賞金稼ぎは宇宙へ帰る前に、子供たちを救出するまで留まっていた。リン・ミーはこの日のことを鮮明に記憶している。彼女はその日以来、ボバ・フェットの足取りを追い求めていた。彼女は毎日ニュース放送のホロを見ており、フェットの評判が上がると、彼の功績に関する報告にも可能な限り多く目を通していた。心の中で、彼女はフェットを不正行為の激しい場所を正しながら宇宙を渡り歩く、汚れた鎧を纏った英雄だと受け止めていたのである。彼女にとってフェットは英雄の理想像だった。彼女は鎧の下に隠されたこの男の本性をあれこれと想像して楽しみながら成長していったのである。

リン・ミーはライロスを離れるために自分の技能を利用することを希望し、魅力的なトゥイレックの古代芸術的ダンスを学んだ。そこで彼女はますます腕を磨き、ついにトゥイレックの全部族で一番のダンサーとなる。ある公演の後、彼女のところに小柄なオートランが現れ、次回行われるアウター・リムへのツアーに自分のバンドの後援ダンサー兼歌手として参加しないかと申し出た。このオートランがマックス・レボであり、リン・ミーは他の2人のダンサー、リスタールとグリアータに加わって、マックス・レボ楽団を未だかつてない成功に導いたのである。リン・ミーは他の2人の女性やバンドのリード・ボーカル、サイ・スヌートルズたちとさっそく友人になったが、その友情も彼女にとっては2番目に大切なものでしかなかった。彼女はその後もボバ・フェットを追い求めて酒場や公共劇場などの観衆を絶えず調べ続けていたのである。

ツアーが終了すると、マックス・レボ楽団はタトゥイーンにあるジャバ・ザ・ハットの宮殿で契約延長を求められた。しかし、リン・ミーは自分の芸術的センスを銀河系で最も力のある犯罪王の1人ジャバやその手下たちの中で浪費させていることが不満だった。彼女はバンドを脱退するつもりだと申し出るが、当然、ジャバもその取り巻きたちも彼女の主張を認めてはくれなかった。しかし、リン・ミーはそのときボバ・フェットが個人的な傭兵としてジャバに雇われていることを耳にしたのである。おそらくすべてが終わればジャバも認めてくれるだろうと考えたが、たとえそれが無理でもこれはボバ・フェットと再会し、彼への敬意を示す絶好のチャンスだったのだ。最初の数週間、フェットはジャバの宮殿に姿を現さず、その代わりにジャバの不愉快な取り巻きたちからみだらな前金を取って苦しまなければならなかった。しかし、憧れの男はついに謁見に現れ、彼女はようやくフェットのために踊るチャンスを掴んだのである。ダンスの休憩中、リン・ミーはボバ・フェットと話す機会に恵まれた。フェットは彼女の才能に感動したと言い、リン・ミーを称えてくれた。そして、彼女も子供の頃、どうやって命を救ってくれたのかとフェットに尋ねたのだった。

フェットはもうしばらく彼女と過ごすと約束したが、そうはならなかった。ある日、ジャバはルーク・スカイウォーカーと名乗るジェダイ・ナイトとの交渉を決裂させ、スカイウォーカーやその反乱軍の仲間たちとの戦いによって組織もろとも滅ぼされてしまう。リン・ミーやレボ楽団の他のメンバーは辛うじて脱出し、生き延びることができた。だが、リン・ミーはボバ・フェットも死傷者の1人だと信じ、ルークを殺すことを胸に誓ったのである。無論、彼女はレイア姫やハン・ソロについても殺害のチャンスを伺っていた。しかしその数年後、仲間のダンサーたちと共にパルパトーンの一員としてコンサート・ツアーを行っていたリン・ミーは、ボバ・フェットが再び姿を現したという噂を耳にする。彼女はソロたちへの復讐を忘れ、ボバの消息を求めて旅立っていくのだった。

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