銀河共和国が終わりに近づくにつれ、元老院は腐敗に満ちていった。腐り果てた道徳への挑戦には大きな対価が伴うようになり、それに呼応するように理想を追い求める議員たちも激減していったのである。
サゴロ・オーテムは祖父の代から数えて3世代目のセネイト・ガードであり、彼にとってこの名誉と任務は家族への義務よりも神聖な教義となっていた。事実、妻スーラは夫がどこか遠くにいる人間であるかのような錯覚を抱いており、息子レイメットは父親を不条理な人間として捉えている。この反抗的な息子はサゴロの厳格な規律に従って生きることができず、セネイト・ガードの訓練から脱落したのだった。また、サゴロの最大の頭痛の種は兄ヴェンコである。元セネイト・ガードだった兄は良心の呵責を欠いており、議員の不正を見過ごす代わりに賄賂を受け取っていたのだ。彼は理想主義者の弟よりも共和国の運命に対して堅固な理解を示していたのである。
サゴロは有能な衛兵だったが、現場での仕事を好み、管理職への昇進を拒否し続けていた。その代わりに彼はパートナーのアイサル・オミンと共に元老院の巡回を続けており、ザリン・ベイ司令官に任務の報告を行っている。
ジオノーシスの戦いの1年前、ジェラマード・グレイシェイド議員が暗殺されるという事件が起きた。サゴロはこの事件に関する調査を命じられ、ジェラマード議員の後継者サイモン・グレイシェイドも2人のジェダイ・ナイト、オビ=ワン・ケノービとアナキン・スカイウォーカーの保護下に置かれるという事態となる。やがてサゴロは調査によって自分の兄がこの犯罪に関わっていることを知ったのだった。
卑劣なヴェンコは甥のレイメットの純真さを利用し、サゴロの持つ元老院アクセス・コードを手に入れた。彼はこのコードを使い、グレイシェイド新議員を暗殺するため元老院に侵入しようと計画していたのだ。
ヴェンコの関与が明らかになると、調査はすぐにオーテム家に及び、サゴロもこの任務から解任されることになる。しかし、義務を守り通すという彼の責任感は決して揺らぐことがなかった。サゴロは命令を無視して現場に向かい、ヴェンコが議員に対して発砲しようとしているところに遭遇したのである。グレイシェイド議員の命を守るため、サゴロは実の兄を射殺せざるを得なかった。彼は兄を殺害することで、自分がこの犯罪と無関係であることを効果的に立証して見せたのである。
後にサゴロの妻は娘を連れて彼のもとを去っていった。また、彼は息子が間接的に暗殺計画に関与していた事実を許し、自分の経歴を犠牲にして彼をコルサントから送り出している。サゴロの人生は壊され、やがて共和国への忠誠も揺らいでいった。彼が自分の人生を取り戻すのはまだ何年も先のことである。
ナブー出身のキンマン・ドリアーナは、他のナブーの政治家たちと同様に、若いころから政治の世界に関わっていた。そして、ヤヴィンの戦いの52年前、パルパティーンが共和国元老院議員として選出されると、ドリアーナは彼に随伴してコルサントに駐在するようになる。同時に、彼は密かにダース・シディアスからの接触を受け、シスの暗黒卿の暗躍に貢献するようになった。だが、セイト・ペスタージとは異なり、ドリアーナはパルパティーンとシディアスが同一人物であることを知らなかった。事実、パルパティーンも彼に自分の正体を偶然発見されてしまうことを恐れていたのである。一方で、ドリアーナもまた、パルパティーンの一見穏やかに見える人間性と、シディアス卿の明らかな気まぐれを同じように恐れていたのだった。その後、パルパティーンがフィニーズ・ヴァローラム議長の支持者となると、ドリアーナはセイ・タリアと密接な関係を持つようになる。また、彼のコルサントにおける邸宅は、第3リング・アパートメント・タワーの238階にあった。
クローン大戦勃発のおよそ5年前、シディアスの命を受けたドリアーナはストラティスという偽名を使い、アウトバウンド・フライトを妨害、壊滅させるための機動部隊の司令官として派遣された。しかし、彼の15隻の戦艦からなる部隊(これらは通商連合から供出させた艦隊である)は、スローンの指揮するチス拡張防衛艦隊の前哨部隊からの妨害を受け、壊滅させられてしまう。だが、雄弁なドリアーナはスローンを巧みに説得し、アウトバウンド・フライトのジェダイと入植者たちがチスに対する脅威であることを確信させたのだった。さらに、彼は偶然にもスローンが施したドロイド・スターファイターの2次プログラムを起動させ、アウトバウンド・フライトの全兵装を破壊すると共に、ジョラス・スボースの配下にあったほとんどのジェダイを殺害する。怒りに駆られたスボースはフォースでスローンの首を絞めるが、ドリアーナは彼の命を救うことができた。結果的に、チスと敵対するヴァガーリの軍からアウトバウンド・フライトに戻ってきたドロイド・スターファイター部隊による攻撃で、アウトバウンド・フライトの参加者たちはわずか57人を残し、その大半が死亡したのである。
クローン大戦勃発後も、ドリアーナはパルパティーンのスタッフとして働き続けていた。彼は、忠誠派議員団が不条理な「影の政府」であるというブルキッシュ・ブーンの主張を強弁によって退けたこともある。
帝国の時代になってからのキンマン・ドリアーナの活躍については、何も知られていない。だが、ヴォス・パーク提督によると、彼は銀河内乱終結のずっと前に既に死亡しているという。