旧共和国の末期に活躍したナブー選出の元老院議員パルパティーンは、この時代の他の議員たちと比べ、極めて異色な人物だった。実際のところ彼の初期の経歴は失望の連続だったのだ。彼は何度となく重要な役職を飛ばされたが、それでも忍耐と着実に最終目的に立ち向かう能力によって辛抱をし続けた。そして、ついに故郷ナブーを含む32の惑星を代表する元老院議員の地位を手に入れたのである。
権力は手にしたが、パルパティーンはナブーの元首ヴェルーナ王という難敵に直面していた。両者に合意はほとんどなかったが、彼はヴェルーナに、外交に対してより積極的になるようにと説得する。結局、これは外交政策における危険な懸念を生じさせ、ついにはヴェルーナの失脚を招いたのだった。パルパティーンはヴェルーナの後継者アミダラ女王が彼の有益な助言を熱心に聞いてくれると感じ、喜んだ。彼が初めてアミダラと対面したのは彼女の戴冠式のときである。その後、アミダラが銀河元老院に嘆願するためコルサントを訪れるまで、2人は一度も直接顔を合わせていなかった。
多くの腐敗した議員が数々の不正を行い私腹を肥やしているなか、パルパティーンは元老院を蝕むあらゆる疑惑や汚職から一線を画していた。彼は物静かで口数も少なく、野心や狡猾さとは無縁の政治家だったのだ。彼の有益な助言や聡明な政策はときとして政敵たちをも懐柔し、やがて彼自身も議会で一目置かれる存在となったのである。
関税問題に端を発する通商連合のナブー封鎖事件は、パルパティーンを銀河政治の主役に抜擢することになる。議会にはナブーの悲劇に対する同情だけでなく、腐敗しきった共和国を変えることができるのは彼だけだという期待感もあった。ナブーの悲劇の最中、パルパティーンはアミダラ女王にヴァローラム最高議長へ対する不信任案を動議するよう勧め、ついに最高権力の座を手に入れた。彼は共和国にはびこる不正を一掃し、正義と秩序をもたらすことを公約する。そして誰もがそのとおりになると信じていた。
元老院最高権力者となったパルパティーンは即座に腐敗した官僚機構を合理化し、巧みな演説によって民衆の絶大な信頼を手にする。彼の統治は完全に良好な結果を招くように思えた。だが共和国の平和は長くは続かなかった。共和国の複雑なしがらみに不満を募らせていたコマース・ギルド、企業同盟、テクノ・ユニオン、そして通商連合といった有数の大企業からなる分離主義勢力が、共和国に反旗を翻したのである。彼らはかつてのジェダイ・マスター、ドゥークー伯爵と手を組み、数千にもおよぶ星系を共和国から脱退させた。同時に彼らは強大なドロイド軍を組織し、この分離主義運動を銀河系の各地における小規模な武力衝突へと発展させていく。一方、パルパティーンの議長としての任期はこの時期に終わりを迎えようとしていたが、この重大な危機によって彼はその後も官邸に留まる権利を得たのだった。
こうした緊張状態のなか、もはや少数のジェダイ・オーダーだけでは銀河系の秩序を保てないとする声が目立ち始める。元老院でもこの脅威に対抗するため共和国独自の軍隊を設立すべきだという意見が急増し、パルパティーンはついに投票による決着を図るのだった。しかし、早くから軍隊の設立に反対の姿勢を表明していたアミダラ議員が謎の暗殺者から襲撃を受けるという事件が起こり、票決は延期されてしまう。そして、さらに共和国を震撼させる大事件が起こった。この暗殺未遂の裏側を調べていたオビ=ワン・ケノービからの報告により、辺境の惑星カミーノで共和国のための大規模なクローン軍が準備されていたことが発覚したのだ。
分離主義勢力の脅威が増大するにつれ、パルパティーンは全面戦争が避けられない道であると判断する。そしてついに、アミダラの代理を務めるジャー・ジャー・ビンクス議員から、彼に非常時特権を与えようとする動議がなされ、議会も全会一致でこれを可決したのである。パルパティーンはカミーノのクローン軍を共和国の軍隊として正式に認め、独立星系連合への武力行使を開始させた。分離主義勢力の本拠地ジオノーシスへ派遣されたクローン軍はジェダイ・オーダーと共にドロイド軍と激突し、これを打ち破る。こうして、共和国と分離主義勢力との全面戦争、すなわちクローン大戦の幕が開けたのである。
クローン大戦の勃発後、元老院は多方面にわたる戦争を効率的に進めることができないという弱点をすぐに露呈させ、パルパティーンは次々と新たなる政令の公布を行うことになる。彼は憲法を改正することで自身に更なる権力を集中させ、元老院の複雑な官僚機構を巧みに回避したのだった。民衆や元老院は保安強化の名の下に、喜んで権利と自由を放棄する。やがてパルパティーンによる指導によって共和国は戦争に勝利し、安全が保たれたのである。戦争の最終段階に行われたグリーヴァス将軍によるコルサントへの襲撃も、増大するパルパティーンの権限に対する疑問の声を封じる手助けになるだけだったのだ。
その間、ジェダイ評議会は大きな危機感を抱いていた。ジェダイ・オーダーは民衆と元老院の道具となり、パルパティーンによる直接統治に抵抗する。この対立は次第にエスカレートし、元老院の中にも不安の声がささやかれるようになっていった。パルパティーンも自らに反対する議員の代表者を知っており、彼らを次々と表舞台から追放していくのだった。やがて彼は銀河系の歴史に前例のない、大規模な軍事力の増強を行い、恐怖による支配を掲げる新秩序と銀河帝国を築き上げたのである。
これらはすべてパルパティーンが当初から描いていた壮大な策略だった。周囲の目を欺き、銀河政治の表舞台で卓越した演技力を発揮していた彼は、強力なダークサイドのフォースを操るシスの暗黒卿だったのである。パルパティーンがいつ、どのようにしてダークサイドの力を手にしたのかは全く分かっていない。確かなのは、元老院議長として自らの権力強化を図りつつ、その一方で、シス卿ダース・シディアスとして通商連合をはじめとするエイリアン勢力をそそのかし、共和国との対決を煽ったという事実だけである。彼はジェダイ・オーダーと袂を分かったアナキン・スカイウォーカーを誘惑し、ダース・ヴェイダーを誕生させた。ヴェイダーは帝国に対する唯一の脅威であるジェダイを根絶やしにし、師であるパルパティーンの絶対的な独裁体制を大いに手助けしたのである。
皇帝はすべてのエイリアン種族を迫害し、帝国に対する反逆は確実な死を意味するようになった。やがて皇帝に異を唱える星系を中心に反乱同盟軍が産声を上げると、彼はデス・スターをはじめとする強大な軍事力によってそれを一掃しようと考える。彼はデス・スターの完成と同時にもはや無用の長物となった帝国元老院に永久解散を宣言し、銀河系各地の帝国総督による直接統治が開始された。しかし、パルパティーンの帝国はタトゥイーン出身のルーク・スカイウォーカーの出現によって最初の打撃を受けることになる。
ジェダイ・ナイトの生き残りの1人、オビ=ワン・ケノービの下でわずかな修行を積んだスカイウォーカーは、ヤヴィンの戦いでデス・スターの破壊に成功する。そして、彼こそはパルパティーンの腹心ダース・ヴェイダーの息子だったのだ。ホスの戦いの直後、皇帝はアナキン・スカイウォーカーの血を引くルークを脅威とみなし、ヴェイダーに彼の抹殺を命じるが、ヴェイダーはルークと共に皇帝を倒し、親子で銀河に君臨しようと考えていた。しかし、クラウド・シティでの対決でルークはヴェイダーの誘いを拒否し、父を正義のジェダイへと改心させようと心に誓ったのである。
エンドアの戦いの最中、再会を果たしたスカイウォーカー親子は皇帝の前で再び対決することになる。ヴェイダーへの憎悪をあらわにしたルークは父を怒りの力で圧倒するが、そのときダークサイドの誘惑に駆られてしまう。しかし、ジェダイとして訓練を積んだ彼は皇帝の誘いを敢然と拒否し、自分はジェダイとして父の後を継ぐと宣言するのだった。パルパティーンはルークの懐柔を諦め、ダークサイドのフォースの稲妻によって彼を抹殺しようとするが、善の心を取り戻したヴェイダーによって第2デス・スターのシャフトに突き落とされてしまう。こうして最後のシス卿が消滅し、銀河系にフォースのバランスがもたらされたのである。
パルパティーンと共に帝国は滅びたかに思えたが、平和は長く続かなかった。残された帝国の覇権を巡ってグランド・モフたちや、残存帝国軍の大将軍たちが内乱を開始し、新共和国が樹立した後も銀河系に争いの火が潰えることはなかったのだ。やがてこの混乱はスローン大提督の出現によって終息する。彼も最終的には敗北を喫したが、パルパティーンの死後、新共和国に初めての深刻な被害を与えたのだった。
スローンの勝利に牽引され、残された6人の帝国軍大将軍たちによる中心勢力は、コルサントに対する破壊的な大攻撃を開始する。だが、スローンがこの首都惑星を無傷で手に入れようとしていたのに対して、大将軍たちは徹底的な破壊を行った。この戦いによってインペリアル・シティの大半が焦土と化し、新共和国は首都からの脱出を余儀なくされたのだった。そして表面上の勝利を得ると、大将軍たちは再び分裂に転じ、混沌とした摩天楼の中での小競り合いを再燃させたのである。
復活したパルパティーンによる反抗が開始されたのはそのときのことだった。ダークサイドの奥義を極めていた彼は、かつてスローンが発見したものと同じスパーティ・クローニング・シリンダーを惑星ビィスに温存しており、肉体から離れた魂をクローンに移植することで復活を果たしていたのだ。蘇った皇帝は暗黒の力を使うことで強大なフォースの嵐を巻き起こし、ジェダイ・マスターとなったルークをビィスへと召還する。彼はそこでルークに自らの復活を示し、ダークサイドの真の力を披露した。不死の敵と直面したルークは考えられない行動に出る。彼は内部からダークサイドを打ち破るべくパルパティーンの間で膝を付き、自分が皇帝の新しい弟子であることを宣言したのである。
ルークはダークサイドに深く巻き込まれ、結果的に新しいマスターへの反抗を成功させる。彼はパルパティーンによって再編された帝国軍に対して破壊工作を行い、ワールド・デヴァステーターと呼ばれる巨大兵器工場などを破壊した。しかし、依然として彼にはダークサイドの覆いから自身を引き出すことができなかった。そんな彼に大きな力を与えてくれたのが妹のレイアである。彼女の助力によって、双子のスカイウォーカーは一時的にパルパティーンを撃退することに成功したのだった。
だが皇帝は再び蘇り、攻撃の手を緩めなかった。驚異的な力を持つ新型超兵器ギャラクシー・ガンで武装したパルパティーンは、新共和国に属する無数の惑星を攻撃し、帝国の支配へと屈服させていく。こうして帝国は拡大していったが、一方で皇帝の肉体は衰弱していった。やがて彼のクローンは役に立たなくなり、新しい肉体を必要とするようになる。パルパティーンはその邪悪な精神の次なる受容体として、生まれたばかりのレイアの息子アナキン・ソロに目を付けた。しかし、アナキンを誘拐しようという企ての最中に、衰弱した皇帝はハン・ソロによって背後から撃たれる。そして、パルパティーンの魂がアナキンの肉体に入ろうとする直前に、彼は新たに発見されたジェダイ、エンパトジェイオス・ブランド王によって妨害されたのだった。肉体から切り離された皇帝の精神は消散し、ダークサイドの狂気によって消滅させられる。長年にわたる血塗られた歴史の末、パルパティーンは完全に滅んだのだった。
フィニーズ・ヴァローラムは、圧制的な帝国を設立するために急速に崩壊していった銀河共和国における最後の元老院議長の1人である。2期8年にわたって議長職を務めたヴァローラムは、数少ない良心的な政治家だった。しかし、彼は同時に悲劇の人物でもあったのだ。
ヴァローラムはおよそ1,000年にわたって政治家を輩出してきた有力な家系の出身である。ヴァローラムの家名は共和国政府における彼の地位を確固たる物にしたが、同時にそれが破滅の原因にもなるのだった。彼の政敵たちは、彼が本来の能力によってではなく、家系の力によって議長の座を掴んだのだと主張している。ヴァローラムにとって最大の欠点は、カリスマ性の乏しさだったのだ。
ヴァローラムは陰謀的な告発や個人攻撃を回避することができず、これらはメディアの偏見的な報道によってさらに勢いを増していった。彼は通商連合への課税によって同族企業の利益を上げようとしたという告発を受けるが、その怖気づいた態度はますます彼自身を窮地に追い込み、やがては彼の政治生命をも封じてしまう。
ヴァローラムが共和国の自由貿易地帯に対する課税を提案したのは、同僚であり親友でもあるナブー選出のパルパティーン議員の忠告によるものだった。しかし、通商連合がナブーへの武力封鎖を行うと、多くの議員達はニモイディアンではなく、ヴァローラムを非難したのである。
彼の情報源だったジェダイ・マスターのアディ・ガリアは、通商連合の目的がナブーではなく、何か別のものにあることを感じていた。ヴァローラムは事実調査のため秘密裏にジェダイを特使として派遣し、元老院議会の官僚的な手続きを回避しようと試みるが、既に議会の大半は彼に敵対していた。さらに通商連合は話し合いの前にジェダイを攻撃し、交渉も決裂してしまう。ナブーのアミダラ女王が現状を訴えるためコルサントを訪れたとき、彼は女王の生存を知って喜びを見せるが、腐敗した議会ではもはや彼の求心力は期待できず、当然のように官僚たちの言いなりになってしまう。議会での常識の欠如と重大事に対する無関心に憤慨した女王は、無益な討論に明け暮れる議員たちを非難し、パルパティーンの忠告どおりヴァローラムの不信任案を動議したのだった。
こうして罷免され、元老院議員の地位にまで降格されたヴァローラムにとって、最高議長に選出された当時が、見かけ上は政治的成功の絶頂期だったのである。しかし、彼の政権下の元老院は腐敗し、完全に機能を失っていた。正規の手続きに縛られ、根拠のない告発で追い詰められ、ヴァローラムの力が貪欲な通商連合による狡猾な陰謀の前には無力であることが証明されたのである。
その後の数年間、彼の後任となったパルパティーンの政権下でも、ヴァローラムは共和国の政治の裏舞台に辛うじて留まっていた。その間、彼は自伝を執筆し、やがて銀河系がクローン大戦の戦禍に包まれるまで、難民救済運動に加わって働いていたのである。彼が増大し続けるパルパティーンの権力についてベイル・オーガナと話し合うべくコルサントに帰還したのは、ジオノーシスの戦いからおよそ16ヵ月後のことだった。ヴァローラムはパルパティーンに特別な権力を与えてしまったオーガナと元老院を叱責し、パルパティーンを一時的にとはいえ信じてしまったことに苛立ちを募らせていたのだ。同様に彼は、オーガナの輸送船の1隻を襲撃した海賊団が、パルパティーンによって組織されていたものであると確信していた。この攻撃によってパルパティーンは、防衛および武装化法案への賛同を得ることができたのである。
その後、ヴァローラムは自主的に世間から切り離された生活を送ろうと考え、<スター・オブ・アイスキン>に搭乗してコルサントを離れた。しかし、<スター・オブ・アイスキン>は離陸した直後に爆発し、ヴァローラムを含むすべての乗客と乗員が死亡する。この卑劣な攻撃によって分離主義勢力は激しい非難を浴びることになった。そしてこの事件の後、元老院議事堂ホールにはフィニーズ・ヴァローラム記念碑が建てられ、彼の政治世界における功績が称えられることになるのだった。
マス・アメダは銀河元老院副議長にして、元老院議会の議事の運営に最高の責任を有する代表者である。彼のオフィスはスキャンダルに溢れており、一度は収賄の容疑で告発されたこともあるが、厳格に個人の名誉を証明してみせた。パルパティーンは彼を利己主義的な通商連合の飼い犬と称したが、実際にはアメダはヴァローラム議長と共和国の法に極めて忠実な議員である。
アメダはシャグリアンであり、種族特有の1対の長い角を肩に垂らしているが、相手を威嚇するときはそれらを顔の前に伸ばすことができる。彼の大きな頭部は神経組織の層によって覆われており、一方で青い皮膚は強力な放射能に対する耐性を有している。アミダラ女王がヴァローラム議長の不信任を訴えたとき、マス・アメダは一時的に元老院の議事を取り仕切ることになった。
セイ・タリアはヴァローラム議長の在任中に議事運営を補佐していた若い女性政治家である。裕福な家庭に育ったタリアは高価なセプトシルク製のローブ姿で元老院の会合に出席している。彼女は主に調査作業や複雑な元老院における法案手続きの調整などを担当していたが、議長の罷免と同時に自ら職を退いた。また、タリアはパルパティーン議員を大切な助言者として尊敬している。
ロット・ドッドは通商連合を代表する銀河元老院議員のニモイディアンである。彼は通商連合の公式カラーである深紫色のローブを着用し、ラベンダー色の最高級のマントを羽織っている。
狡猾で道徳心に欠けるドッドは通商連合の目的と自らの利益を助成するために、共和国の官僚主義を利用していた。しかし彼の最善の努力も虚しく、共和国は自由貿易地帯への課税を決定し、通商連合の利益率は深刻な打撃を被ることになる。アミダラ女王が通商連合によるナブー侵略の問題に挑むため元老院議会に出席すると、ドッドは嘘の答弁によって彼女の主張を激しく否定し、議事の進行を妨げた。ドッドは元老院に対してナブーへ中立な代表団を派遣し、状況を調査させるよう要請する。マラステアの代表団の賛同によってヴァローラム議長がその提案を受理すると、アミダラ女王はヴァローラムを罷免すべく、彼に対する不信任案を提出したのである。
アクス・モウはマラステア選出のグランの元老院議員である。当初、彼はマラステアの外交大使だったが、後に政治的才能を買われて共和国元老院議員に選出された。彼は極めて有能な政治家として台頭したが、同時期の他の議員たちと同じく、共和国が内部から腐敗していくにつれて自らの利権のために帆走するようになる。故郷では豪勢な生活を満喫する恥知らずな人物として知られ、ダグの使用人を半ば奴隷として扱っていた。また、彼はマラステアにおけるグランとダグとの和平交渉を決裂させようと画策した首謀者の1人でもある。やがてこの計画は多くのジェダイ・マスターたちを標的とした暗殺計画へと発展したのだった。
アミダラ女王が議会でナブーの現状を訴えた際、モウは通商連合の議員団に賛同し、ナブーで起こっている事実を突き止めるための調査団の派遣を要求する。しかし、この案は女王によって拒否され、ヴァローラム議長が罷免されると、一転して彼は同僚のエインリー・ティーム議員を新議長候補として擁立した。だが、選挙には破れ、新議長にはパルパティーン議員が選出されるのだった。
そしてナブーの戦いから9年後、ドゥークー伯爵によって扇動された分離主義勢力の脅威が増大すると、モウ議員は共和国に正規軍を設立することの重要性を訴え始めた。この軍隊設立法案は元老院を二分する大論争へと発展する。そして、モウが軍隊設立時における融資の可能性について、インターギャラクティック銀行グループの代表と会談を行うべく惑星アーガウを訪問したとき、大事件が起きた。モウのスピーダーが高速道路でニュー・エスクロウへ向かう途中、突如爆発したのである。この爆破テロによってモウ議員も死亡してしまう。この事件をきっかけにマラステアは分離主義派に対する態度を一層厳しくし、後継に選出されたアスク・アック議員も軍隊設立へ向けて強固な姿勢を打ち出したのだった。
マラステア選出のイースリム議員は、3つの目と山羊に似た顔を持つ典型的なグランである。彼は多くの元老院議員と同じく腐敗しており、自分の信念を曖昧にする傾向が強い。
青い肌をしたルーシアン・トゥイレックのオーン・フリー・タは、肥満体の実に不愉快な元老院議員である。彼は元老院議員の地位を自らの思いつきを満足させるために利用し、元老院議員に就任した際にあらゆる夢を達成させた。コルサントでは贅沢なペントハウスで退廃した生活を満喫し、一方で政治という「スポーツ」に従事している。オーンは決して自分の意見を隠したりせず、議会を分裂させた多くの決定的問題に対しても堂々と発言した。彼は故郷ライロスの利益のことを真剣に考えているが、常に美しい2人のトゥイレック女性、パンピーとスーピを見せびらかしており、彼自身の政策よりむしろその2人の方が有名なくらいである。しかし、彼女たちもオーンにとっては単なる権力の象徴でしかないのだ。
元老院の財政予算委員会に席を持つオーンはヴァローラム議長の有力なライバルであり、公衆の面前や政治フォーラムの場で幾度となく彼を批判しては、激論を繰り広げていた。彼はティッキーズ議員やパルパティーン議員らと協調してマス・アメダ議員を副議長に推薦し、さらにヴァローラム議長をスキャンダルで追い詰める。アミダラ女王によってヴァローラムの不信任案が提出されたとき、オーンは率先して仲間の議員たちと共に賛成の意を表明したのだった。
真紅の肌をした美しいレサン・トゥイレックのミーラは、オーン・フリー・タ議員を補佐する共和国元老院議員の1人である。
青い肌をしたルーシアン・トゥイレックのスーピとパンピーは、元老院でオーン・フリー・タ議員のエスコートを務める細身の美しい女性たちである。フリー・タ議員は常に彼女らを脇に従えてライバルたちに誇示しているのだ。