ヤモスクはユージャン・ヴォングの生物工学によって造られた知的生命体であり、戦いの調整者と呼ばれる役割を果たしている。このクラゲに似た骨のない軟体生物は躍動と興奮に満ちた赤い輝きを放つ球状の頭部に2つの黒く丸い目を持ち、たくさんのとぐろを巻いた震える触手を生やしている。それぞれの触手には太いものもあれば、フィラメントのように細いものもあり、すべてを伸ばすと全長数百キロメートルにもおよぶ。また、頭部からは1本の巨大な歯が生えており、レーザー・キャノンのように惑星を掘り進む力を持っている。ヤモスクはこの歯から液体を分泌させ、惑星の地殻の侵食を促進させることができるのだ。
ヤモスクは水中にプラスチックのような巨大な泡を吐き出すこともできる。これは空気の塊として働き、その中に入ったユージャン・ヴォングはヌリスや他の呼吸装置がなくても酸素を吸うことが可能になる。
また、テレパシーはヤモスクの最も大きな武器である。彼らのテレパシー能力は大規模なユージャン・ヴォング軍全体の意思疎通を手助けする。ヤモスクは自分の思考や感情を、人間を含む他の種族に投影することができるのだ。
そして、ヤモスクは素早く繁殖を行う。彼らは1体の子供を産むと、精神的に融合することによって即座に訓練を開始し、自分たちの果たすべき特別な役割について教えることになる。また、彼らの目の間を走る青い大きな脈打つ血管は転移点として機能し、テレパシーによってユージャン・ヴォングと精神を融合させるための信号を送りつけている。
戦いの調整者としてのヤモスクは完璧な意思の伝達を浸透させ、少なくとも激しい戦場へ向けて遠征する3隻のワールドシップの戦力を調整することができる。同時に多くのコーラルスキッパーを完璧に調和して飛行させ、通常の戦闘機の何倍もの効果を上げることができるのだ。しかしその一方で、ヤモスクが敵に滅ぼされるようなことがあれば、たちどころにして混沌が生じ、ユージャン・ヴォング軍は大惨事に見舞われることになる。
グルッチンはユージャン・ヴォングによって創造された生物兵器であり、まさしく食欲だけのために生きている生物である。その強力な下顎は、まるで昆虫が土を掘るかのように、シャトルの船殻を引き裂くことができる。また、グルッチンは真空の宇宙空間だけでなく、ハイパースペースにおける超肉体的ストレスにも耐えることができるため、殺すことが非常に難しい。
ユージャン・ヴォングはグルッチンを有機体でできた魚雷の一種として使用しており、ハイパースペースへ逃走しようとしている敵機に対して投げつけている。実際、グルッチンはこうした使い方が最も効果的なのだ。彼らは一旦放たれるとミサイルのようなスピードで船から船へと乗り移り、手当たり次第に金属塊を貪り食う。なかでも特に、ドロイドやイオン・エンジン、戦闘機のコクピットなどの内部部品に使われているような柔らかい金属を好む傾向があり、血肉のようにさらに柔らかい物でも喜んで食べてしまう。だが、グルッチンの下顎から生えた酸性の歯は、大抵の金属を簡単に溶かすことができるのだ。
当然のことながら、成熟したグルッチンは極めて制御しづらい存在である。ユージャン・ヴォングも一度敵に対して放ったグルッチンは消耗品であると考えており、生き残った使用済みのグルッチンを頻繁に殺している。なぜなら、グルッチンはユージャン・ヴォングの船や兵士たちにも見境なく襲い掛かり、再び捕まえることはほとんど不可能なのである。幸いにもグルッチンは繁殖力が強く、成長も早いため、事実上この怪物が枯渇するということはあり得ない。
キャプチャー・ビーストは、敵を殺さずに生け捕りにするために造られたユージャン・ヴォングの生物兵器である。先端部に吸盤のついた何百対もの脚を生やした、全長およそ200メートルのこの節足動物は、冷光を放つ無数の目を持ち、痙攣する触角を生やした巨大なイモムシに似ている。
キャプチャー・ビーストは、戦闘時にもその巨大な体を前後左右に動かすことによって、地上にいる生物たちを自分の前に集めることに専念する。彼らの攻撃方法は吸盤の付いた脚で敵を掴むだけであり、その目的はダメージを与えるというよりもむしろ、単純に獲物を決まった場所に集める(もしくは、自分で作った囲いの中に戻す)ことにあるのだ。
ユージャン・ヴォングからの命令があると、キャプチャー・ビーストは体を回転させ始め、頭を尻尾の部分に結合させることによって、獲物を閉じ込めるための空間を確保する。キャプチャー・ビーストに閉じ込められた者たちは、獲物を捕捉できる無数の脚に囲まれているため、容易には体を乗り越えて脱出することはできないのだ。さらに、この生物は高さも4メートルほどあるため、背後から簡単に飛び越えられるような種族もほとんどいないのである。こうして、犠牲者たちはユージャン・ヴォングが回収にやってくるまで、捕らえられたままの状態となるのだ。
ヴォクシンは、ユージャン・ヴォングがヴォーンスカーの遺伝子素材に彼らの銀河系の生物工学テクノロジーを適用することによって造り上げた恐ろしい怪物である。この生物はユージャン・ヴォングによる対ジェダイ用兵器であり、フォースを使う者を探し出して無差別に殺戮することを目的としている。
ヴォクシンは8本の曲がりくねった足で移動し、獲物を発見すると平らな頭に付いた大きな口から強力な胃酸を吐きつける。この茶色い粘液は付着したあらゆる物を蝕み、生きている肉であればものの数分で溶かしてしまう。また、ヴォクシンの体には鎧のように頑丈な黒いウロコが付いており、背中に並ぶ隆起した背骨はセンサーの役割を果たしている。そしてヴォーンスカーの特徴でもあるムチのような尻尾の先端には白い棘がちりばめられている。
ユージャン・ヴォングはマーカーの軌道上に停泊しているワールドシップ<バヌー・ラス>内に研究施設を設け、そこでヴォクシンたちをジェダイと戦うように調教していた。また、ここではすべてのヴォクシンをクローンとして生み出すヴォクシン・クイーンも育てられている。研究所から放たれた通常のヴォクシンは寿命が短いが、彼らは短い命を十二分に活かすよう訓練されている。ヴォクシンの製造を担当したシェイパーたちは、自然界での狡猾さを失い混乱状態にあるヴォクシンでも、イサラミリを見せることによって野性味を取り戻すことを発見したのだ。
ヴォクシンは獲物を発見し、攻撃可能な距離に接近するまで、実質的にその小さな黄色い目を使用しない。彼らの最も恐ろしい攻撃方法の1つは、激しい破壊力のある音波を発し、獲物を身動きできない状態にしてしまうことである。また、ヴォクシンは血液も独自の性質を持っており、神経毒に変化させて大気中に放出することができるのだ。さらに、足の指先には何十種類もの様々なレトロウイルスが繁殖しており、1種類の解毒剤では何の効果もない。そして、尻尾の棘は本来のヴォーンスカーと同じく、触れた獲物の神経を麻痺させることができる。
新ジェダイ・オーダーはヴォクシンの脅威を悟り、クイーンを抹殺するためマーカーに潜入する計画を実行に移した。この計画のなかでアナキン・ソロを含む多くのジェダイが犠牲となったが、最終的にヴォクシン・クイーンはドヴィン・ベイゾルの作り出す重力井戸の中に飲み込まれ、滅ぼされたのだった。
しかし、ウォーマスター・サヴォング・ラはヴォクシンのクローンを1匹だけ隠しており、やがて訪れるジェダイとの戦いのために温存していたのである。彼はこのクローンから6匹のヴォクシンを生み出すことに成功し、エバックの戦いでジェダイを捜索するために使用したのだった。