3B6-RA-7は帝国保安局(ISB)の高官から、モフ・ダンハウゼンへの贈り物として与えられた個人用補佐ドロイドである。だが、この「スリービー」は、重要な約束を忘れたり、総督の発言の記録に失敗するなど、驚くべき無能振りを発揮していた。モフは同僚の高官たちから、彼らのRA-7も同様の振る舞いを行っているという話を聞き、さらにこのシリーズには主人の忠誠心を密告するためのスパイ・システムが装備されているという噂を耳にする。この話は事実だった。3B6は当初から常にダンハウゼンをスパイしていたのである。
タトゥイーンを訪問していた(公式には休暇という名目で)ダンハウゼンは、単独で護衛も付けず、モス・アイズリーで3B6を使いに出した。そして30分後、イオン・ブラスターが発砲され、3B6はジャワのジェック・ニックによって盗まれたのだった。
3B6は無能だった(これはプロトコルを管理し、スパイ活動も行うという過度なプログラムによって引き起こされた意図的な欠陥である)が、愚かではなかった。彼はダンハウゼンが自分を排除しようとしていたことを完璧に理解しており、ジェック・ニックがデータ送信機を除去してさえいなければ、モフの裏切りをISBへ通報するつもりだったのだ。
その後、このドロイドは砂漠の2重太陽による過熱を防ぐため、古めかしい黒い外装を取り外され、下地を露出させるという屈辱的扱いを受けることになる。その結果、3B6は気難しく苦々しい性質を発達させ、ドロイド倉庫で不運な新入りを大声で罵倒することが多くなった。その後、ストームトルーパーがジャワの所有物すべてを破壊したとき、3B6は彼らが探していたドロイドが自分でなかったことを知ってショックを受けるが、一切後悔はしなかった。
再び取り残された3B6は、辛うじてニックの親戚にあたるジャワ氏族によって救助され、その年のドロイドフェストで売りに出されることになった。そこで、彼は10年前のタスケン・レイダーの襲撃によって後遺症を患った水分農夫、ショール・ドアーに買い取られる。3B6は彼の介護人となり、この老人の農場経営を支えたのだった。やがて、このドロイドは心からマスター・ドアーを好きになり、ドロイドとして感じられる限りの感情で、この農場での暮らしに満足するようになった。3B6はいつかプログラムの優先サイクルが過去の任務を完全に消し去り、ドアーに何年も奉仕できるようになることを願っていたのである。
しかし、その一方でドアーは3B6を賢明な投資とみなしていた。特に初代デス・スターの破壊によってRA-7の大半が失われてからは、彼のユニットは貴重なコレクション・アイテムとなっていたのだ。結局、3B6はエポートで開催されたオークションにおいて、ドアーが購入時に支払った金額の1,000倍以上の価格で落札されたのである。
CZ-0R6はダスチャのサンドクローラーに載っていたCZシリーズ通信/ビジネス・ドロイドである。このドロイドはもともと壊れかけていたが、帝国軍のストームトルーパーによるサンドクローラーへの攻撃で、完全に破壊されたのだった。
レリモア・ドロイド社製KPRシリーズの1機種である2Xモデルは、簡易的な整備および診断用に設計されたドロイドである。遠隔操作で警報アラーム、警護用ライト、パワー・フェンスなどを作動させることができ、オーウェン・ラーズはこの回転式小型ドロイドの1体をタトゥイーンの水分農場でパトロール用に使用していた。
M-HYDはラーズ家が所有する自意識過剰な水耕用ドロイドである。いくつもの言語に精通しているが2進言語を好んで使い、ロード・リフターや水分凝結機との通信を行うことができる。
ラーズ家では頑固で愚鈍なWED15-77を20年以上にわたって使用していた。このドロイドはルーク・スカイウォーカーの様々な雑用を手伝っていたが、どちらかというといつも同じような作業をさせてくれるベルーを手伝う方を好んでいた。しかし、この勤勉だったWEDは、ルークがタトゥイーンを出発する日に主人と共に溶解し、長い就役を終えたのだった。
宇宙航行技術はRシリーズのアストロメク・ドロイドが搭載されるようになったことで飛躍的な発達を遂げた。これまでは技術者たちが航法データのダウンロードに専念する間、船を効率的に操縦するには少なくとも2人のパイロットの要求を一致させる必要があったが、ドロイドの思考技術の発達と小型化によって、生きたパイロット以上に効果的かつ信頼性の高い操縦が可能になったのだ。この大きな偉業はいくつかの航法データの組み合わせを記憶することのできる超小型演算モジュールの開発によってもたらされ、非軍事的企業だったインダストリアル・オートマトン社に、過去最大の栄誉を与えることになった。これらのテクノロジーは工場や大規模輸送の支援分野で既に展開されていたものだが、同社は特に宇宙艦船の航法操作や修理補助に適したドロイドを設計していたのである。
R5シリーズは発売当初に一時的なブームを巻き起こしたが、長い使用実績を誇り、信頼性、耐久性の面でも評価の高いR2シリーズの人気を追い抜くことはできなかった。やがてR5は徐々に市場から姿を消していき、R5-D4と名付けられた赤い小型アストロメク・ドロイドがこのシリーズで最後に製造された製品である。悪評を払拭させる決意をしたR5は主人を満足させるため、サーボモーターの限界に達するまで一所懸命に働いたが、その自発性の甲斐もなく、生まれ持ったプログラムとハードウェアの能力を超えることはできなかった。その後もR5は幾度となく主人を変え、ようやくアウター・リムのある富豪の下へと落ち着いた。しかし、R2シリーズなどの人気機種に嫉妬していたR5は、落胆して意地が悪くなっており、宇宙艇でも望み通りの性能を出すことができなかった。結局、彼にはタトゥイーンでジャワに拾われるという無残な運命が待っていたのである。
R5にとってもジャワは不愉快な存在だった。前の主人に酷使されたため忍耐力には自信があったが、ジャワに突つかれることだけには我慢できず、かといって反撃しようにもすぐに妨害されてしまうのだ。友達となったパワー・ドロイドのEG-6は、おとなしくしていれば新しい主人のところに売られることになるだろうと言う。そして、新しい主人がジャワよりもましな相手であることは明らかだった。
サンドクローラー内のドロイド置き場に、新たに2体のドロイドが加わってきたのはその数日後のことである。この2体は非常に高価で整備も行き届いており、とても捨てられて砂漠を放浪していたとは思えなかった。彼が最初に出会ったのは多機能型R2ユニットであり、R5は人気のあるR2シリーズに深い嫉妬を抱いていたが、同時に好奇心も持っていた。彼はR2に近づくようになり、意外と信頼できそうだということに気付く。R2-D2と名乗るこの勇敢なドロイドは、過去の冒険や帝国軍から逃れてきたことを簡単に説明してくれたが、ジェダイを探していることやデス・スターの設計図のことには触れないでいた。
R5はR2やEG-6と共に楽しい時間を過ごしていた。次に現れたC-3POというプロトコル・ドロイドはR2の友人だったらしく、頑固なR2もこの金色のドロイドにだけは重要な任務のことを語っていた。R5はこの2体のドロイドが本当に反乱同盟軍のものなら、自分にも何かできるかもしれないと考えるようになる。そして、彼のチャンスはほどなくして到来したのだった。
ジャワたちがアンカーヘッドにある水分農場の近くに開いた露店で、オーウェン・ラーズが購入したドロイドはC-3POとR5-D4だった。このときR5は新しい主人に期待を抱いていたが、発信音を出して叫ぶR2を見たとき、彼の持つ重要な使命を思い出す。結局、彼はR2に使命を達成させるために自分の起動装置を吹き飛ばし、敢えてジャワのところに残る道を選んだのだった。
ストームトルーパーがR5の乗るサンドクローラーを襲撃したとき、ジャワたちは皆殺しにされ、同時に多くのドロイドも破壊されてしまった。しかし、R5とEG-6は何とか災難を逃れ、襲撃現場からの脱出に成功する。その後、彼はEG-6の助けを借り、記憶バンクだけは維持することができたが、起動装置の故障はそのままであり、新しいジャワに拾われるまで我慢しなければならなかった。新しいジャワの主人は彼を修理したが、記憶バンクは消されていると思い込んでいたためそのままになっていた。その後、R5はモス・アイズリーで大売り出しに掛けられたのである。
パワー・ドロイドは実質的には歩くバッテリーである。これらは銀河系全体を通して非常に一般的であり、設計や形状も極度に標準化されているため認識番号程度しか個体差はない。多くは送電線が施設されていない僻地や、発電所がまだ建設中の新しい植民地などで排他的な使われ方をしているが、小さな邸宅、艦船、工場などの補助電源になっていることもある。
ほとんどのパワー・ドロイドは非常に小さな論理回路しか持っていないため、単純な言葉による指示を受け、短い足で箱型の胴体をかわいらしく動かすだけである。しかし、中には腕利きの主人によって改良されたものや、特別の用途として注文された個体もある。
また、パワー・ドロイドは準知覚ドロイドの中でも最も動作の遅い部類に入る。さらには、本来の思考プログラムがほとんど、あるいは全く必要とされないので、何も考えずに着陸床から飛び降りてしまうものさえ存在する。
ジャワのサンドクローラーの中でR2-D2やC-3POと知り合ったEG-6は特別なケースだった。EG-6は改良によって高度な知覚モジュールを取り付けられていたため、診断システム分析機として二役をこなすことができたのである。これは農業装備としては特に重宝されるものであり、タトゥイーンの水分農場でも長く使われていた。
しかし、EG-6が働いていた農場の主人はサンド・ピープルの襲撃に遭って殺害されてしまったのである。ジャワたちは回収したEG-6とサンド・ピープルが残した他の備品を修理し、R5-D4、R2-D2、C-3POと一緒に運んでいた。
EG-6は下等なドロイドたちにもやさしく接し、技術的な問題の解決法についてアドバイスを与えていた。EG-6は識別プレートを外されており、外された時期も記憶されていなかったので、自分を呼ぶときの名前さえも分かっていなかった。しかし、そんなことはどうでもよく、他のドロイドたちより高いレベルにいることが分かればそれで満足だったのである。
R1ユニットはすでに時代遅れのアストロメク・ドロイドだが、大型艦船や大型貨物船ではいまだに使用されていることも多い。R1-G4も他のR1ユニットと同様にマークII・リアクター・ドローンの強化シェルで補強されており、高さはほぼ2メートルにも達している。このドロイドは持ち主が逮捕された際に廃棄処分となり、後にジャワによって回収されたのだった。その後C-3POやR2-D2と共に売りに出されたが、オーウェン・ラーズもこのような旧式ドロイドには全く興味がなかった。
2X-7KPRは帝国軍の前哨基地において周辺警備や投光照明の監視、およびセキュリティ装置の整備を行うようプログラムされた初歩的な警備ドロイドである。この小型ドロイドはタトゥイーンに配置された後ジャバ・ザ・ハットに使われるようになったが、やがてジャワたちによって盗み出され、C-3POやR2-D2らと共に売りに出されていた。
タトゥイーンの荒野に破棄されていたLIN-V8Kは、採鉱および粉砕用ドロイドの典型モデルである。特にこのドロイドは軍事用に転換されており、地雷をセットして爆破させることができる。ジャワたちはV8Kを回収して修理し、オーウェン・ラーズに販売しようとしていた。
WED15-I662は大型機械や宇宙船の修理に使われる標準的なトレッドウェル・ドロイドである。このドロイドは1対の矩形の光受像器を装備しており、中央の支柱に沿って上下に伸縮させることができる。C-3POとR2-D2を回収したジャワたちは、サンドクローラー内にI662を保有していた。