年老いた露天商ジラは、2ペガットでモス・エスパの不思議な放浪ロボットの話を聞かせてくれる。ある者から「ゴースト・ドロイド」と呼ばれ、またある者からは「ノボット」と呼ばれるこの焼け焦げた3POユニットは、タトゥイーンの灼熱の砂漠を当てもなくさまよい歩いては、容赦ない熱気や強欲なジャワの存在を切り抜け、常にモス・エスパへと戻ってくることに成功していたのだ。
ジラによれば、このドロイドが最初に姿を見せたのはナブーの戦いから何十年も前のことである。当時から、ボディ部は焼け焦げた血とブラスター放火による焦げ跡にまみれ、シリアル・ナンバーも傷つけられていたため、識別不可能な状態だった。さらに彼女の話では、このドロイドは若い妊婦が犠牲となった凄惨な殺人事件で、唯一生き残った目撃者なのだという。このドロイドの通信装置には、助けを求める女の叫び声、攻撃者に止めるよう懇願する声、そして甲高い悲鳴が記録されており、その後、空電による長い沈黙を経て、それらが繰り返されるのだ。
当然、このドロイドこそが殺人犯だと考える者もいた。
さらに信じられない噂には、このドロイドが悪霊によって支配されているといったものや、あるいは何らかの方法によってフォースのダークサイドに覆われているのではないかというものまである。このドロイドを射撃訓練の標的にしていたタスケン・レイダーの若者がいたが、そのライフルが故障したり、バックファイヤーを起こしたという不可解な現象も存在するというのだ。また、フックとチェーンでこのドロイドを引き裂こうとしたギャングたちは、エンジンが機能不全を起こしたり、制御翼板が外れてスウープの制御を失ったという。さらに、悪戯好きな農場の少年たちが、このドロイドを大砂丘海の中心部や、あるいはカークーンの大穴まで連れて行き、置き去りにしたが、ドロイドがさまよいながらもモス・エスパに戻ってきたため、ついには自分たちも失敗を思い知ることになるのだった。
しかし、この物語はジラの創作であると考えられている。なぜなら、彼女はこの話を広めることに最も熟達しているからである。注意深い耳と果てしない貪欲さを持つ近くの露天商たちは、ジラの話に凝った演出や奇抜なエピソードを追加することで自分たち独自のバージョンを作成し、それを語ることで、この老婆の商売に対抗するようになったのだった。
全身が錆に覆われたR2ユニットのR2-G2は、モス・エスパで働く整備工マック・トラジが所有するアストロメク・ドロイドである。マックはポッドレース場のピットで選手たちのレーサーを整備する際に、このドロイドを使用していた。
ジャバ・ザ・ハットの所有するアストロメク・ドロイド。ポッドレースの際、R5-X2は定期的にオッズの計算を行い、ジャバに賞金の額を報告している。
かつてガーデュラ・ザ・ハットの所有物だったR5-H6は、その後、タトゥイーンのある密輸業者の手に渡った。ガーデュラは少量のクイプサ・スパイスとこのドロイドを交換したのである。そして銀河内乱の時代になると、R5-H6はコレリアへと運ばれたのだった。
多目的用途に作られた実用本位のRICユニットは信頼のおける単純なユニポッド型ドロイドであり、何世紀にもわたってほとんど変わらない姿を維持している。このドロイドは頑丈に作られており、その曲がった頭部には単純なプロセッサしか組み込まれていない。
RIC-920は、モス・エスパの繁華街で疲れた旅人を乗せ、無許可の人力車を引いているドロイドたちの1体である。他のRICユニットはプロ・スポーツの世界でも見ることができ、広く放映されているヌーナ・ボールの試合にも出場している。