ジェダイ評議会の強力なメンバーだったコル・スカイウォーカーの息子であり、伝説のアナキン・スカイウォーカーの末裔でもあるケイド・スカイウォーカーは、幼いころからジェダイの訓練を開始した。やがて、彼は父の元弟子だったウルフ・サゼンの弟子となったのである。
ヤヴィンの戦いの130年後、14歳になったケイドはオッサスのジェダイ・プラキシウムをシスの手から防衛するための戦いに巻き込まれた。マスター・ウルフ・サゼンはケイドとシャドー・ヴァオに、子供たちを満載したジェダイ・シャトルで惑星から避難するよう命じる。しかし、ケイドはオッサスに留まり、父コルと共に戦うことを切望したのだった。彼はこの願望を主張するが、ついには父の命に従い、シャトルへと向かうことになる。
シャトルに搭乗した直後、ケイドはマスターが倒され、父が1人でシスと戦っている姿を感じ取った。シャドーがうろたえるなか、彼は父に加勢するためシャトルを飛び出したのである。
しかし、ケイドはコルと合流するや、ウルフを連れてシャトルへ戻るよう命令される。ケイドは困惑するが、父の命に従った。そして、まさにオッサスから飛び立とうとするシャトルの中で、ウルフはケイドの腕に抱かれ、息絶えた。だが、ケイドはその事実を受け入れようとせず、かつてのマスターを蘇らせようとフォースの電撃を使ったのだった。
そのとき、ケイドは父の死を直感した。怒りに圧倒された彼は、コルを殺害したシスへの復讐を決意する。ケイドは再びシャトルを降り、シスを殺すため、単身でX-83ツインテール・スターファイターで出発したのだった。彼はシャトルを先導し、ハイパースペースへの脱出を誘導する。一方、ケイドの戦闘機はプレデター級ファイターからの攻撃によって被弾するが、彼は辛うじて生き残ることができたのだった。
ケイドがフォースの電撃でマスターを蘇生させたとき、ダース・クレイトはフォースの中に闇の騒音を感じとり、それがシスではなくジェダイから発せられたものだということに気がついた。クレイトはそのジェダイを探し出し、ダークサイドへと完全に誘い込むことを誓ったのである。
やがて、オッサスの大虐殺から数年が経過したとき、ケイドは既にジェダイの生活を捨て去っていた。彼は姓とジェダイの能力を知人たちから隠しており、最も親密な仲間たちに対しても秘密を貫いていたのである。それ以前に海賊のラヴに師事していた(ラヴはケイドに自身の紋章であるブラッディ・ボーンを与えていた)ケイドは、宇宙船<マイノック>の船長となり、船のメカニックを担当するデリア・ブルー、副操縦士のジャリア・シンの2名の乗員を従えていた。ケイドが好んで足を運んでいた場所の1つがコルサントにあるリックの酒場であり、そこは様々な暗黒街の住人たちがたむろする悪名高き会合場所だった。ここではケイドもスパイス利用者として名を知られていたのである。
ケイドはブラスターと同じように、ジェダイの証となる青い光刃のライトセイバーを愛用していた。海賊時代には古風な改造ブラスターを収集していたこともあり、当時の彼のお気に入りだった武器は、セロニア造船所の主任整備士”バンサ” ロークが彼のために作った特注品、ローク・チョップ・スペシャルである。また、ケイドは本物のマンダロリアン・アーマーの胸部プレートを身につけており、かつてのダース・ヴェイダーを思わせる黒いズボンを履いていた。
シス帝国戦争の間、ケイドは自らの正当な遺産を再生させようと試み、そして恐らくは銀河系を救うであろう唯一の人物となるのだった。
高潔にして誇り高きコル・スカイウォーカーは、政治よりも訓練を好み、そのためコルサントのジェダイ聖堂よりも、オッサスのジェダイ・アカデミーで時間を費やすことが多かった。しかし、コルは純粋に平和を愛する男ではなく、狡猾な戦士でもある。彼は自分の持つ戦闘の知識を弟子たちに分け与え、これによって彼らが銀河系全域における究極的な平和の達成に貢献できるようになると信じていたのだ。
生涯を通じて、コルは2人の弟子を指導した。最初の弟子はウルフ・サゼン、次の弟子はシャドー・ヴァオである。サゼンは後にコルの息子、ケイド・スカイウォーカーのマスターとなるのだった。
コルはオッサス計画の擁護者であり、広範囲におよぶヴォングフォーミング計画の失敗と、シス帝国戦争における銀河同盟の敗北後、帝国に屈するよりもオッサスから撤退することを選んだジェダイの1人だった。そして、オッサスの大虐殺におけるアカデミー防衛の最中、彼は最終的に自らを犠牲とし、ケイドに後の混沌から脱出する機会を与えたのである。コルはケイドに逃げるよう指示し、戦いの中でダース・ニヒルを打ち破ると、シスの従者たちを殺戮していった。だが、ニヒルはコルの背後からフォースの激しい電撃を発し、この勇敢なジェダイの人生に幕を下ろしたのだった。
ザブラクのウルフ・サゼンはコル・スカイウォーカーのかつての弟子であり、後にその息子、ケイドを訓練したジェダイ・マスターである。瞑想を好む生真面目なウルフは、リビング・フォースに従っており、パダワンにも同じ道を歩んでほしいと願っていた。
オッサスの大虐殺のとき、ウルフはダース・ニヒルと戦った。ニヒルは彼の右腕を切り落とし、リスト・ブラスターで彼の腹部に致命的なダメージを与える。しかし、その場に駆けつけた彼の弟子、ケイド・スカイウォーカーは、マスターを死の淵から連れ戻すためにフォースを使い、ウルフの命を救ったのだった。だが、ウルフはその行為を間違っていると考え、ケイドを叱り付ける。それでもケイドは意に介さず、子供たちを連れて輸送船へと向かうのだった。ウルフの願いに反し、ケイドはX-83ツインテール・スターファイターに乗ると、多数のプレデター・スターファイターとの戦いに突入する。そして、ケイドの戦闘機は敵のレーザー放火によって破壊され、彼も死んだと思われたのだった。
生気を取り戻したウルフには、ケイドとの強い絆があった。彼の銀河系の希望に関するビジョンは、かつての弟子が生きて発見され、彼が自分の引き継いだ遺産に目覚めることを暗示していたのである。
ウルフは決してケイドの死を認めようとしなかった。ケイドの死がフォースの中に感じられなかったのだ。しかし、7年が経過しても、彼はかつての弟子の足跡を発見することができず、その間、彼はトゥイレックのシャドー・ヴァオを弟子にとり、この若者の訓練を完成させようとしていた。あるとき、シャドーとウルフは袂を分かつが、ウルフがスカイウォーカー捜索の任務で惑星ダルージへ向かう生き残りのジェダイ数名を召集したとき、彼らは再び手を組むことになる。だが、この4人からなる小部隊はシスによる待ち伏せを受け、生き残ったのはサゼンとヴァオだけだった。シャドーは彼とともにスカイウォーカーの捜索に加わったのである。
シャドー・ヴァオはシス帝国戦争の時代に活躍したトゥイレックのジェダイである。シャドーとその双子の妹、アストラルは、帝国大使館に預けられた孤児だった。その後、シャドーはここでジェダイに引き取られることになる。彼は突出したライトセイバーの技能で知られており、1本の光刃、またはやや伝統に反する青いダブル・ブレードのライトセイバーを使いこなしていた。また、彼が太古の時代に活躍したジェダイ、ミッション・ヴァオ、あるいはその弟グリフ・ヴァオの子孫である可能性も指摘されている。
シャドーはコル・スカイウォーカーのパダワンとなり、かつてはケイド・スカイウォーカーの親友でもあった。シス帝国戦争の終わりに、シスはシャドーが修行を行っていたオッサスのジェダイ・プラキシウムを襲撃する。ジェダイ・マスター、コル・スカイウォーカーとウルフ・サゼンが押し寄せるストームトルーパーとシスを撃退するなか、シャドーとケイドは子供たちを惑星から逃すよう命じられていた。しかし、ケイドが父親の命令を無視して殺されたと思われたとき、シャドーは子供たちを守るため、親友を見捨てざるを得なかったのである。
その後、シャドーはサゼンのパダワンとなり、コル・スカイウォーカーのもとで開始したナイトへの修行を完了させた。シャドーはジェダイ・ナイトの称号を手にすると、マスター・サゼンのもとを離れるが、その後、サゼンから惑星ダルージで会おうというメッセージを受け取り、かつての師匠と再会することになる。そこにはサゼンの他にも2人のジェダイの姿があり、その1人はラジ・チュームだった。ウルフ・サゼンは彼ら3人に、長く行方不明になっているケイド・スカイウォーカーの捜索に協力するよう説得を試みる。しかし、彼らはシスによる攻撃を受け、逃れることができたのはヴァオとサゼンだけだった。追われることに嫌気が差していたヴァオは、追う立場になることを切望しており、ケイドの捜索はまさに願ってもない機会となったのである。
ルーシアン・トゥイレックのアストラル・ヴァオは、シャドー・ヴァオの双子の妹である。彼らは生後まもなく孤児となり、帝国大使館に預けられていた。そして、後にアストラルも大使館員の一員となったのだ。
アストラルはジェダイの内乱の時代に活躍したもう1人のルーシアン・トゥレック、ミッション・ヴァオ、あるいはその弟のグリフ・ヴァオの子孫であると考えられている。
ヤヴィンの戦いの137年後、ソッコーロの帝国大使館が襲撃を受けたとき、彼女はマラーシア・フェルに、その場から逃走し、ダース・タロンと戦うために決して戻らないよう説得したのだった。
デリア・ブルーはケイド・スカイウォーカーの<マイノック>に搭乗するゼルトロンの女性整備主任である。言葉を選び、そしてハイドロスパナで何でも取り付ける能力を持った女性として知られるブルーは、最も市価が下落した時代を通じて、ケイドの船を最良の状態に保っていた。また、かつての彼女はゼルトロン特有のお祭り好きな少女だったが、スカイウォーカー船長と親密な関係になる機会については意図的に放棄している。
ジャリア・シンは、友人のケイド・スカイウォーカー、デリア・ブルーと共に<マイノック>に搭乗する賞金稼ぎである。彼は<マイノック>の副操縦士だった。シンはジェダイを好ましく思っておらず、スカイウォーカー船長とその仲間たちがかつてジェダイとして活躍していたことも知らなかった。
シンとケイドとの出会いは、彼らが賞金稼ぎラヴに師事していたときのことである。非常に実践的で、武器の扱いにも長けていたシンは、慣習に捉われず、ときおりユージャン・ヴォングのサッド・バグやレーザー・バグなどの違法な武器を使うことで知られていた。さらに、彼は無慈悲な男であり、賞金首を生け捕りではなく、殺害して連れてくることに何の呵責も抱いていなかった。
ヤヴィンの戦いの137年後、シン、ケイド、デリアはラヴに雇われ、ギャンブラーのナクシー・スクリーガーの捜索に着手した。そして、惑星ロックでスクリーガーを見つけた後、彼らはホスク・トレリーズと名乗るジェダイに遭遇する。ジェダイを捕らえ、さらに多くの懸賞金を手に入れる可能性を検討したシンは、彼を容易に連れて行くため、殺してしまおうと考えた。しかし、ケイドがそれを制止する。そして、デリアがトレリーズを生け捕りにしようとするが、失敗し、その後、シンがジェダイの背後にサッド・バグを投げつけた。こうして、彼らはスクリーガーとトレリーズの両方を連れて、ロックを後にしたのである。
ラヴはかつてケイド・スカイウォーカーを弟子として育てたフィーオリンの海賊である。彼の海賊のシンボル・マークであるブラッド・ボーンは、銀河系全域で恐れられていた。彼の顔面には目の上を交差する傷跡があり、機械になっている左足の膝下には武器が隠されている。後に、ラヴは海賊業を引退し、ソッコーロに賞金交換所を開設した。彼はそこで賞金稼ぎたちに船の修理など、様々なサービスを提供していたのである。また、彼はスパイスの運び屋でもあり、(スカイウォーカーのような)スパイス中毒の賞金稼ぎを「彼に借りのある状態」に保つため、スパイスをうまく利用していた。
銀河内乱とユージャン・ヴォング戦争によって深く傷ついた銀河系に生まれたダース・クレイトは、この銀河系が破壊され、弱体化していること、そしてそれを再び1つにまとめ、力強い存在とするには、たった1つの意思が必要とされるはずだと信じるようになった。古代シスの墓所惑星コリバンでシス・ホロクロンを発見し、そこから得られた知識を身につけたクレイトは、自らの主導によってそのカルト集団を再興すると、シスの遺言に従って銀河系を再び統一すると誓ったのである。しかし、彼はそれまでの伝統に逆らい、破滅をもたらすであろう2人制を破棄した。ダース・ベインによる古代の理不尽な命令、いつの時代にもシスは同時に師と弟子の2人しか存在してはならないというルールが崩されたのだ。その代わりに、彼は1人制、すなわち唯一の存在はシス・オーダーそのものであり、その配下に多くのシスが存在するというルールを掲げたのである。
クレイトは100年以上にわたってコリバンでシスを育て、訓練してきた。その間、彼は銀河系に自身のビジョンに基づく平和と秩序をもたらそうと密かに画策していたのである。だが、彼がこの明らかに長い寿命をどのように実現していたかについては、謎が多い。クレイトとその最も信頼する副官、ダース・ワーロックによると、彼は過去に一時的な仮死状態となることで長寿を実現したのだという。しかし、それが1回だけなのか、あるいは複数回なのか、そしてどれほどの期間だったのかは分かっていない。いずれにしても、それだけでは明確な回答になっていないのだ。だが、クレイトが標準的な寿命を超えて生き続けていることは事実であり、肉体の劣化が始まると、彼は癒しの術によって状態を整えていたのだった。それでも、クレイトは自分の肉体を蝕むすべての存在が、あと10年か20年で彼を侵食するだろうと推測していた。やがて、放浪の若きジェダイ訓練生、ケイド・スカイウォーカーが、マスターを死の縁から蘇生させるためにフォースを使ったとき、それを感じたクレイトは、その事実に触発され、彼への関心を自身の老化の抑制と結びつけることになる。
ヤヴィンの戦いの127年から130年後、シスはクレイトの指導のもと、ついにその存在を明らかにし、彼の策謀の結果となるシス帝国戦争が勃発した。クレイトの所持するホロクロンには、銀河同盟を滅ぼし、銀河系を支配する力として帝国を再建するための方法が記されていたのだ。
クレイトは完全な利他的理由のために開始されたジェダイの計画を妨害すべく、その憎悪を利用する。ジェダイによるオッサス計画の当初の目的は、一度破壊されたジェダイの要塞惑星オッサスの不毛な大地を再生させるために、ユージャン・ヴォングの惑星変異技術を利用するというものだった。やがて、テストは成功し、素晴らしい結果が確認される。多数の候補の中から100の惑星がヴォング惑星変異プロセスの実験台として選ばれ、ジェダイの庇護と監視のもと、ユージャン・ヴォングのシェイパーが驚くべき成果をもたらしたのだ。しかし、クレイトの工作員はこの実験への妨害工作を行っていた。ほどなくして植物は枯れ、かつてヴォングが奴隷として連れてきた人々に見られたような骨の成長が、住人たちの皮膚上に見られるようになったのだ。ジェダイは即座に妨害工作を疑ったが、証拠は何も見つからなかった。しかし、それはたいした問題として取り上げられなかった。ヴォングが撃退され、放浪してから何十年と経過してもなお、銀河系には彼らに対する長引く不満がくすぶっており、これがクレイトにとって好都合に働いたのである。その後すぐに、ユージャン・ヴォングは新たな手段によって銀河系への殺戮的聖戦を再開させたとして、告発されたのだった。
この結果は彼の望みどおりのものだった。何よりも真実を重んじるジェダイは、ヴォングを擁護し、銀河同盟に対して彼らを支援するよう奨励する。しかし、帝国がそれに反発した。モフ評議会のメンバーが報復を要求し(これはおそらくクレイトの指示によるものである)、アナクシーズ協定を引き合いとして、同盟への宣戦布告を行ったのである。だが、銀河同盟は帝国との戦争に加え、気がつくと内部から湧き出した紛争にも直面していた。ユージャン・ヴォングによって今なお苦しんでいる惑星が、その不満の矛先を同盟へと向けたのである。こうした惑星の多くは同盟への支援を拒絶し、帝国を積極的に支持した。一方で、他の惑星は態度を保留、もしくは中立の立場を表明する。分裂した銀河同盟は、格好の征服の的となったのだった。
3年におよぶ戦いの末、銀河同盟は敗北し、帝国はかつての支配領域を吸収した。コルサントさえもが帝国の王位を示す惑星として宣言されたのである。それは、誰でも可能であるとは予測し得なかった、もしくは考えもしなかった、銀河系秩序の反転だった。しかし、この雄大な勝利でさえも、クレイトにとっては踏み石でしかなかったのだ。おそらく彼は、民主主義政府の下でより、帝国の下での銀河系の方が、より容易かつ鮮明に自らの秩序を確立できると考えていたのである。それは、現在の帝国が前任者ダース・シディアスの意図していたような絶対的暴政の国家でなくても同様のことだった。
帝国が勝利を収めたいま、次はシスに対する最後の障害、すなわち太古の敵であるジェダイを取り除く番だった。コルサントを陥落させた帝国の支配者ローン・フェル皇帝は、ジェダイに降伏と帝国への服従を要求する。しかし、ジェダイはこの戦争にシスが関与していることに気づいており、彼らに加わることを拒絶した。彼らはコルサントから逃れ、敵に聖堂を明け渡すと、オッサスのプラキシウムに身を隠すことになる。すると、クレイトは片腕であるダース・ニヒルを送り込み、プラキシウムに対する破壊的な攻撃を命じたのだった。
後にオッサスの大虐殺と呼ばれるようになるこの戦いは、クレイトが望んだような絶対的勝利には至らなかった。確かに、ニヒルは数多くの著名なジェダイを殺害し、特にジェダイ評議会で最も主要なメンバーの1人であるコル・スカイウォーカーを倒したことは大きな収穫だった。スカイウォーカーは由緒正しき血統の末裔であり、ジェダイ・オーダーの最大の支えであると同時に、後にはシスの支配に対する最大の障壁となるはずだったのだ。しかし、それだけ多くのジェダイの死も、シスの勝利には結びつかなかった。ジェダイはオッサスから飛び立ち、四散したが、未だに敗北を喫していなかったのである。
しかし、ジェダイの失墜によって、クレイトは次のステップを踏み出すことができるようになった。すなわち、皇帝の地位を要求することである。彼は大胆な革命を実行するため、歩兵隊を伴ってローン・フェル皇帝の謁見室へと一直線に行進していった。そして、彼は玉座に座るフェルを殺害すると、自らがそこに座したのである。その場にいたモフ評議会のメンバーは混乱し、クレイトに対して罵声を浴びせるが、クレイトは彼らに一方的な現実を突きつけたのだった。
選択の余地のないモフ評議会はクレイトへの忠誠を誓う。銀河内乱の時代から100年以上の歳月を経て、ついにシス卿が銀河系の覇権を奪回したのである。クレイトは直ちに銀河系に待望の秩序を与え始めるが、これは同時に不完全な勝利でしかなかった。彼が殺したはずの皇帝は、偽者だったのだ。本物のフェルは十分に訓練されたインペリアル・ナイトであり、確かな護身術を身に着けていたのである。モフ、軍、あるいは生き残ったジェダイたちの間に同盟関係が結ばれるまでに、本物のフェルが発見されることは避けられない現実だった。
また、クレイトとその副官ワーロックには更なる懸念があった。クレイトは自分の肉体が病に侵されつつあることに気づいていたのだ。これは、彼の支配が限られた時間しか続かないことを意味していた。しかし、クレイトはオッサスの大虐殺の間に、フォースのざわめきを感じていた。あるジェダイがフォースを使って何者かを癒し、死の縁から蘇らせたのである。クレイトの支配が持ちこたえ、銀河系における秩序のビジョンが確立されれば、彼はそのジェダイを探し出すことができるだろう。そのジェダイ、ケイド・スカイウォーカーの力によって、クレイトは生命を取り戻し、その力をダークサイドに捧げることができるのだ。
シスの副司令官ダース・ワーロックは、ダース・クレイトの最も信頼する副官である。穏やかな性格と哲学的思想、そして優れた外交手腕を持つワーロックは、カルトのスポークスマンであり、公の顔でもあったのだ。しかしその一方で、彼はシスの儀式や伝承に関する無比の知識を有しており、そのダークサイドの能力を凌駕するものはダース・クレイトただ一人だけだった。
ダース・ニヒルはダース・クレイト率いるシスの戦士たちの1人である。かつてナガイの猛将として知られたニヒルは、クレイトによって見出され、新生シス・オーダーに加わるまで、何年にもわたって未知領域を恐怖に陥れていたのだった。そして、彼はかつての個人的野心を放棄してシスの主義を受け入れると、クレイトの両腕の最初の1本となり、シスの内外においてマスターの意思を実行に移したのである。
ヤヴィンの戦いから130年後、ニヒルとシスの戦士団はオッサスのジェダイ・アカデミーを襲撃した。この大虐殺において、彼はウルフ・サゼンとの1対1の戦いに打ち勝って彼の右腕を奪い、さらにコル・スカイウォーカーを殺害する。その後、ニヒルはマスターと共にコルサントへと向かい、そこでクレイトは新たなる皇帝となったのだった。
ダース・ニヒルは他ではほとんど見られない独特なデザインのライトセイバーを使っていた。それは金属よりもむしろ珊瑚や木製繊維を多く使用した素材で作られた、長い杖状の武器である。赤い光刃は一方の端から突き出し、反対側の端には輪の付いた卵型の突起が付いている。ジェダイとシスを通じて、この武器を最初に使った人物がニヒルであるかどうかは不明だが、オッサスの大虐殺でこの新しいデザインの武器を最初に使用したのはニヒルであり、これまでのところ同様の武器を使う人物は存在していない。また、彼は左手のガントレットに組み込まれたリスト・ブラスターも使用していた。
赤い肌を持つレサン・トゥイレックの女性、ダース・タロンは、ダース・クレイト率いる新生シス・オーダーの一員である。彼女は黒い縞模様の入った暗赤色の衣装を纏い、胴体と頭、そしてレックを黒いシスの刺青で覆っていた。タロンの刺青は戦闘の儀式の中で与えられたものであり、ダース・クレイト自らが施したものである。タロンは仲間のレサン・トゥイレックのシス、ダース・ルインによって訓練されたが、彼女はクレイトの命令に従い、ライトセイバーの素早い一振りによって彼を殺害したのだった。
タロンはクレイトの2番目の手(最初の手はダース・ニヒルである)として貢献するべく、古代シスの墓所惑星コリバンで誕生した第3世代のシスである。彼女はシス・オーダーの外側にどのような生命が存在するのかを一切認識しておらず、クレイトの命令の遂行者として貢献すること以外に何の目的も持っていない。ジェダイに対する憎悪をたぎらせた彼女は、僚友ダース・マラディの冷酷さとは対照的に、制御不能な熱意を持つ典型的な戦士なのだ。
彼女の最初の標的はソッコーロにいるマラーシア・フェル王女だった。ダース・タロンはマラーシアがアストラル・ヴァオと共にこの惑星を脱出したことを知ると、インペリアル・ナイトエルク・ヴェターを速やかに殺害したのである。
ダース・ルインはダース・クレイトに使える高齢のトゥイレックのシスである。彼にとって最後の、そして最高の弟子は、クレイトによってダース・タロンと名づけられた女性トゥイレックだった。クレイトはタロンへの最終試練としてマスターの殺害を命じ、彼女が慈悲や躊躇いを見せずにルインを殺害すると、その結果に満足したのだった。
ダース・マラディはダース・クレイトのオーダーに仕える女性デヴァロニアンのシス卿である。憎悪と情熱に満ちた僚友ダース・タロンとは対照的に、冷酷で残忍な彼女はシス諜報部および暗殺部隊の長だった。マラディは尋問と拷問の方法に精通しており、精神操作の技に関する専門家でもあったのだ。
ヤヴィンの戦いから130年後、ダース・クレイトは帝国の玉座を手に入れた。しかし、マラディは、ローン・フェル皇帝が彼らの到着前にモフたちの会合から脱出することを予測できなかった。この失敗のため、彼女はクレイトによる処罰を受けることになる。
ダース・ストライフはダース・クレイトの新生シス・オーダーの従者の1人である。彼はその怪力と残酷さによって知られていた。
ローン・フェルは新たなる銀河帝国を支配するフェル王朝の3代目皇帝であり、伝説的な帝国軍パイロットだったスーンター・フェル男爵兼将軍の末裔であると推測されている。十分な訓練を受けたインペリアル・ナイトであり、有能な軍事的かつ政治的リーダーであるフェルは、祖父の残した足跡に従い、誠実な方針で帝国を維持していた。
ヤヴィンの戦いから127年後、ローン・フェルの帝国は新生シス・オーダーの支援を受け、銀河同盟との戦争を開始する。だが、ダース・クレイトやモフ評議会の一部とは異なり、皇帝は戦争をイデオロギー的野心を満たすための方法とは見なしていなかった。それどころか、彼は戦争を政治的に必要なものであると考え、困惑する銀河系において、帝国が最も必要としていた行動指針であると見なしていたのである。
この戦争は3年後に終結した。コルサントの陥落によって銀河同盟は崩壊し、その3日後に行われたオッサスの大虐殺によって、新ジェダイ・オーダーもほぼ完全に滅ぼされてしまう。しかし、フェルはダース・クレイトとモーリッシュ・ヴィード大提督が裏切りを画策していると予感していた。そのため、皇帝は宮殿に自身の囮を用意し、彼らによる暗殺と権力奪取の計画に備えたのだった。
こうして、モフたちはクレイトが玉座に就いたとき、彼がフェルを殺害したと信じていたが、フェルは自由に反撃を計画できる状態にあった。しかし、彼の後継者である娘のマラーシア・フェル王女は、シスの謀略によって即座に逮捕されてしまったのである。