ヤヴィン4のマサッシ神殿から撤退した反乱同盟軍は、氷の惑星ホスにエコー基地と呼ばれる新たな前哨基地を設立した。しかし、これはホスの氷の大洞窟に歴史上初めて造られた基地ではない。惑星北部にある氷原の多くは火山活動や地震によって大きくえぐられており、こうしてできた氷の洞窟の広大なネットワークは、かねてから密輸業者や海賊、そして帝国軍や反乱軍を等しく魅了していたのだ。
同盟軍の高官がホスを司令本部として利用することに同意したとき、エコー基地設立の任務を与えられたのはケン・モノン少佐と同盟軍の技術部隊だった。有能な技術者であり、尊敬される指導者でもあったモノンは、レーザー・ボーラーや電動ドリル、震動スペード、ときにはミットを付けた手だけで氷を彫り、その苦労を通じて部下たちを導いていった。彼らはこの厳しい環境に自分たちの技術を適応させるため休みなく働き続けた。18ヶ月かけて基地を掘り、電気系統や武器、生命維持装置の設置にはさらに2ヶ月が費やされたのだった。
エコー基地では高出力のパワー発生装置と火山から自然発生する熱を組み合わせてエネルギーを得ており、司令センター、通信センター、医療センターが一体化して機能している。同時に、エコー基地は最終的に放棄することを意識して設計されており、通信ラインやパワー・ケーブルも撤退時に外しやすいよう、壁の外側に配線されていた。モノンとその部下たちは見た目の美しさよりも機能性を優先していたのである。
エコー基地は数千からなる兵員と外交官、および支援要員を維持できるように設計されており、固い氷の岩盤の下に7階層にわたって展開している。また、格納庫は基地の北端と南端に2つ用意されていた。北側は小型船や車両の発進用であり、緊急を要する軍事展開および偵察任務の際に使用され、一方で南側には勾配の下により大きなエリアが確保されていた。また、このとき同盟軍艦隊は銀河のいたるところに分散していたため、会合ポイントは銀河系の淵の外側に設定されており、したがってエコー基地では中型輸送艇以上の大型艦船を格納することが考慮されていなかった。
エコー基地の周囲にはいたるところにエコー・ステーションと呼ばれる有人パトロール・ステーションが設置されていた。これらは格子状のパターンで配置され、各格子に付けられた番号によって識別される。各ステーションには砲台で武装した反乱軍兵士が配備され、発見された際の帝国軍による攻撃を阻止する任務が与えられていた。
エコー基地のシールドの外周に沿って展開するのは前哨基地ベータである。これはエコー基地のゾーン12で監視を行い、他のエコー・ステーションにデータを送信していた。ホスの戦いが開始されたとき最初に帝国軍の降下を発見したのもこのステーションであり、他のエコー・ステーションにデータを送信したが、その直後に破壊されてしまう。また、エコー・ステーション5-7も重要な役割を果たしていた。このステーションは雪の中に掘られた塹壕網の合流地点に位置しており、エコー基地の防衛のために発進したスノースピーダーからの連絡を最初に受信しているのだ。
帝国軍のAT-AT部隊による地上攻撃が始まると、反乱軍は貨物船が星系を脱出する時間を稼ぐため、ローグ中隊のスノースピーダーと歩兵部隊による反撃を開始する。しかしウォーカーの進撃を止めることはできず、シールド発生装置も破壊され、エコー基地は完全に放棄されてしまうのだった。
一般的にワンパは自然の洞窟を棲家とするが、必要があれば鋭い爪を用いて壁を削り、より大きな洞窟にすることもある。極端な場合は、直接氷河を削って洞窟を1から作ることさえあるという。ワンパはほとんど常にホスの雪原で獲物を探しているため、洞窟は食料を保管し、食べ、寝る場所でしかないのだ。さらに、こうした洞窟は凍てつく吹雪から身を守るためのシェルターにもなっている。ワンパは極度に縄張り意識が強く、たとえ配偶者や子供とであっても洞窟を共有することはほとんどない。
ワンパの棲む洞窟には大抵、獲物の骨が転がっており、壁や雪に覆われた床には血痕が多く残されている。この生物特有の性質として、洞窟に持ち帰ってきた獲物を空腹になるまで天上に吊り下げておく習性があり、ルーク・スカイウォーカーもこのような状態になっていることに気づいた。しかし、彼はフォースを使ってライトセイバーを掴み、脱出することに成功したのである。
ホス星系の最外郭には混沌とした小惑星帯が存在しているが、これは何億年もの昔に2つの岩石惑星が互いに衝突したことによってできたものである。その衝撃によって星系全体に小惑星の嵐が吹き荒れ、2つの惑星は完全に崩壊してしまった。今日でもこの場所では無数の岩が激しくぶつかりあっている。そのとき帯から外れた小惑星はホスの重力に捕らえられ、隕石となって頻繁にホスの雪原に降り注いでいるのだ。帯の最も厚い部分を構成する破片の大きさは様々で、埃のように小さいものもあれば、大気の痕跡を持つほど巨大なものもある。
普通のパイロットであれば巨大な小惑星に衝突する恐怖に耐えられるはずもないが、実はこの小惑星帯にも危険な生態系が存在している。少なくとも1匹のスペース・スラッグが最も大きな小惑星の1つに棲みついており、さらにそこにはマイノックもはびこっている。宇宙パイロットたちの伝説によると、この小惑星帯に本拠地を構えていたクラバーンという名の海賊が、衛獣としてスペース・スラッグを飼っていたというのだ。他の伝説によると、これらのスペース・スラッグは小惑星帯の無重力環境によって、信じられないほどの大きさにまで成長しているという。
この小惑星帯をうまく操縦して通過できる確率は3,720分の1である。しかし、確率などまるで気にしないハン・ソロは、ホスの戦い後、帝国軍の追跡を逃れるために自ら<ミレニアム・ファルコン>でこの小惑星帯に突入するのだった。