シードはソルー川の作る滝の近くに位置する、ナブーの豊かな首都である。ナブーの最大の偉業の1つと言われるシードは、この都市に命をもたらした数多くの芸術家や建築家による素晴らしい文化遺産だった。この都市には有名な巨大図書館や博物館、劇場、その他の文化施設があり、ナブーの建築様式を代表するあらゆる建物が軒を連ねている。シードは大規模な都市ではあるが自然環境と完全に調和しており、その証拠としてナブーは自然環境の保護を強く推進している。
ざわめく滝に囲まれた断崖にそびえ立つ巨大なシード王宮は、ナブーの中心地である。シードの都市はこの宮殿から放射状に広がっており、ここはしばしば壮大なパレードの終点となっている。この古代の威厳に満ちた建造物はナブーの選ばれた支配者の邸宅として使用され、同様にナブー王室諮問評議会の集会場にもなっている。この宮殿は強い骨芯と印象的な外観を併せ持った壮大な建築物だが、ナブーの繊細な芸術と文化を反映した優雅で上品な装飾もなされている。
この宮殿はナブー王室警備隊によって警護されているが、訓練された兵士たちがナブーの平和な自然を守るために動員される必要はほとんどない。宮殿の裏側には広いハンガー・ベイがあり、そこには滑らかな黄色いナブーN-1・スターファイターと女王専用のロイヤル・スターシップが待機している。
宮殿の中庭と滝とを結ぶ秘密のトンネル網は、かつての平穏でなかった時代の遺物である。ナブーの戦いの際、アミダラ女王とパナカ隊長によって先導されたナブーの抵抗勢力は、宮殿に侵入するためにこれらのトンネルを使用した。
シードにある代表的な名所は、崇められた政治家たちの壮大な記念碑が設置されているペリ=ティーカのホール、ボートでのみ到達できる隠された庭ブロードベリー草原、旧国王の従兄弟ヴィス伯爵によって建てられた円形宴会場、この都市で最も古い建物の1つであるガイドー・タワー、パーネリィ芸術博物館、ソルー川から注がれるシードで最大のヴァージュゴーの滝などである。
ナブーの宇宙戦闘機部隊が使用するN-1・スターファイターは王宮のメイン・ハンガーに格納されており、未使用時には長い頂華を通じて王宮の発電装置に接続されている。ナブーは平和な惑星であるためハンガーはいつも静かだった。アストロメク・ドロイドや整備士、パイロットがここでよくN-1・スターファイターの点検や整備を行っているが、彼らが実際に戦場へ向かうことはほとんど無い。王宮の他の場所と同様に、メイン・ハンガーも綺麗に掃除され、磨きこまれている。
シード王宮のパワー発生装置区画には無数のガントリーやパワー変換機、エネルギー・コンジットが設置されている。この施設の終端には多重レーザー・ゲートで保護された溶解ピットがあり、クワイ=ガン・ジン、オビ=ワン・ケノービとシスの戦士ダース・モールの最後の戦いの舞台となった。この戦いの最中、レーザー・ゲートによってオビ=ワンとクワイ=ガンは離れ離れになり、クワイ=ガンはシスの手によって殺害されてしまう。しかし、オビ=ワンの反撃によってモールの体は真っ二つにされ、溶解ピットへと落ちていくのだった。
もつれ合う木や草に厚く覆われたナブーの沼沢地は、グンガンをはじめとする多くの野生動物たちの生活の場となっている。そしてここにはグンガンの聖域や海底都市オート・グンガへの入り口となるパオンガ湖など、数々の神秘的な宝が隠されているのだ。ナブーの人間たちはここを危険な場所として捉えているが、グンガンは沼地に精通しており、ここで暮らしている。豊富な野生動物の生態系もグンガンたちの重要な食料源となっており、巨大な木々や密集した雑木林は彼らが人間から離れて暮らすことに役立っている。
穏やかなナブーのパオンガ湖の水面下には、地上と全く異なる別世界が隠されている。そこにはこの平和な惑星に原住する水陸両棲種族グンガンの隠れた居住地区が存在しているのだ。
およそ1,000年前、人間の入植者たちとの間に抗争と対立が生じ、湖底へと逃れたグンガンは最初の水中都市の建造を開始した。これは後にグンガンの最大の都市オート・グンガとなり、現在でもその壮麗な景観を誇っている。オート・グンガの建築様式は大雑把な形をしており、人間の設計によく見られるような直線的対象性を欠いている。この都市はグンガンが独自のテクノロジーによって築き上げた最大の偉業であり、暗い水中で相互に接続された光り輝く宝石のような泡の集合体として形成されている。実は、これらの泡は流体静力学的な力の場であり、内部で暮らす住人たちに必要な大気を含んでいるのだ。泡の表面は水を締め出す程度の硬さを持つが、泳いで都市を出入りするグンガンたちは突破することが可能である。
ローキャップの根の発見は、グンガンたちにオート・グンガを可能にする独自のテクノロジーをもたらした。ナブーは内部に溶解したコアを持たないが、その多孔質構造には自然発生した高エネルギー・プラズマが浸透している。ローキャップ草の根は惑星の穴だらけの地殻を突き抜けており、プラズマを新陳代謝させ、消化の過程で蒸留し、自然に固定させているのだ。ローキャップ草は茎の先端にある芽にこうした安全な形態のプラズマを含んでおり、グンガンたちはエネルギー源としてそれを収穫しているのである。
グンガンは自分たちと自然界との調和のバランスを強く信じており、オート・グンガも他の多くの都市と同様に、巨大なローキャップの枝葉の上に造られている。また、グンガンは気泡胞子と呼ばれる湿地帯の植物も収穫しているが、この胞子からは煮ることによって気泡麦芽汁と呼ばれる原材料を抽出することができる。グンガンは秘密の技法によって気泡麦芽汁の触媒と固定化プラズマを静電フィールド発生装置の中で結合させ、都市を乾燥した状態に保つための浸透性のある静水泡を作り上げている。
グンガンたちは実際に都市の建設素材を成長させており、気泡の中に含まれる優雅な建造物も生き物のように見える骨組みを曲げて作られたものである。オート・グンガは一塊の泡(今日では古代居住区と呼ばれている)から生まれ、およそ1,000,000人のグンガンが暮らす居住地区を包み込むまでに成長した。中央には優雅な都市広場や騒がしい酒場、そしてグンガンの神々を奉った神聖な泡がある。都市が外側に向かって放射状に広がりはじめると、多くのグンガンが暮らすオート・ビレッジのような地区は有機的に育てられ、現存する部分に接木がなされていった。
オート・グンガの内部には、グンガン・レプ評議会のハイ・タワー高官室がある。これはグンガン政府の本部であり、彼らの指導者ボス・ナスの邸宅でもある。通商連合によるナブー侵略の間、ボス・ナスは自分たちは外界の惑星とは無関係であると考え、バトル・ドロイドの脅威を無視していた。しかし、バトル・ドロイド軍はグンガンの領域に侵入し、オート・グンガを占拠する。グンガンたちはこの美しい都市を放棄し、グンガンの聖域がある近隣の森の中に隠れたのだった。
通商連合軍の敗退後、オート・グンガの人口増加問題はボス・ナスとレプ評議会の最大の悩みの種だった。外界からの訪問に寛容になった結果、オート・グンガでは旅行客が増大し、驚くことに新婚旅行のお奨めスポットとしても紹介されるようになった。また、ボス・ナスは自分の就任期間中にオート・グンガに大きな証を残そうと考え、シティ・ビッグスペースと呼ばれる人気のあるコンコースを就航させている。
ハイ・タワー高官室はオート・グンガにある巨大な泡の1つであり、ボス・ナスとその顧問専用の会合所として使用されている。ナスとレプ評議会の議員たちは一段高いところに置かれた快適な椅子に座り、高官室の全体を見渡すことができる。この部屋はグンガンの警備員によって常に厳重に守られているが、最高評議会が脅かされることは極めて稀である。評議会はグンガンの最高議決機関であり、ボス・ナスによるオート・グンガや他の居住地区の治世を支えている。
ナブーの沼沢地の奥深くに隠された、朽ち果てた彫像の一部が密集するエリアは、グンガンだけがたどり着くことのできる彼らの聖域として知られている。通商連合による侵略が開始されると、彼らは大きな危険に直面することを避け、この場所に避難した。この聖域はとても通り抜けられそうもない蔓や木の根の壁で守られており、その内側には巨大な石の頭や手足、石柱などがいくつも転がっている。ここにはかつて巨大な神殿があったが、沼に沈んで崩壊したと信じられているのだ。
グンガンの大軍と通商連合のドロイド軍はナブーの広大な草原地帯で対決を行った。この草原はナブーの広大な沼沢地の1つから南に向かって首都シードにまで広がっている。グンガン軍の将軍たちは数千もの戦士たちを率いてここに前線を敷き、通商連合のAAT、MTT、バトル・ドロイド、ドロイディカを迎え撃った。やがて連合軍はグンガン軍を圧倒するが、ドロイドたちはアナキン・スカイウォーカーがドロイド司令船を破壊したことによって動きを止めてしまうのだった。
ナブーの美に包まれた僻地にあるレイク・カントリーは、パドメ・アミダラの家族が別荘地として使用していた場所である。このきらめく湖に囲まれた小島は、暗殺者の追跡から逃れたパドメとアナキン・スカイウォーカーの一時的な楽園となった。管理人のパディ・アキューは波乗り用のゴンドラ・スピーダーを使ってこの別荘までの案内を担当しており、島では使用人のテクラとナンディが客をもてなしてくれる。
レイク・カントリーにあるナベリー家の住居はヴァリキーノと呼ばれている。パドメはこれまでの生涯にわたって移動を繰り返しているため、いまだに永住の地を得ていない。リラックスできる僅かな休暇になると、ヴァリキーノは彼女にとって理想的な聖地となるのだ。
この別荘地は何年もの間、パドメの家族の所有地となっている。彼女がレベル3の学校に通っていたときも、学校が休みになるたびに皆でここを訪れていた。近隣の島には高齢の宝石職人が住んでおり、パドメの友人や家族が泳いでその島まで渡ると、彼がガラスで美しい花瓶やネックレスを作ってくれるのだった。
ヴァリキーノはナブーのレイク・カントリーにあるナベリー家の別荘である。ナベリー家の所有となる何世紀も前には、この別荘はナブーの悲劇の詩人、オマー・ベレンコの所有物だった。
ヤヴィンの戦いの22年前、コルサントでの暗殺未遂事件を逃れたパドメ・アミダラ議員は、この別荘を秘密の避難所として使用し、この避難生活の間、彼女はジェダイのボディガード、アナキン・スカイウォーカーと過ごしていた。やがて、2人はこの地で禁断の恋に落ちることになる。そして、ジオノーシスの戦い後、パドメとアナキンはヴァリキーノに戻り、ナブーの聖職者の立会いのもと、秘密の結婚を行ったのだった。
パドメの死の翌年には、彼女の祖母、リョー・スールがこの別荘で暮らしていた。そしてある日、彼女は帝国のマローラム調査官による尋問を受けることになる。マローラムはアミダラの子供が生きているという疑いを抱いており、リョーはパドメの埋葬を見届けた人物の1人だったのだ。リョーが証言を拒むと、マローラムはライトセイバーで彼女を突き刺した。ジェダイのフェラス・オリンと、その協力者トレヴァー・フラムが彼女を助けるために駆けつけるが、時すでに遅く、彼らはリョーの遺体を発見することになるのだった。