地名ガイド / 惑星/衛星

アーブラ Arbra

種別:
地殻惑星
気候:
熱帯
大気:
タイプI(通常の大気)
湿度:
多湿
重力:
標準
地形:
森林、山脈、谷
自転周期:
不明
公転周期:
不明
居住種族:
フージブ
人口:
不明
主な輸出品:
なし
主な輸入品:
なし

Arbra

アーブラン星系の第2惑星であるアーブラは、ホスの戦い後、反乱同盟軍の主要な司令本部として利用された森林惑星である。幸運にもアーブラを発見した反乱軍の密使たちは、この惑星にサルヴェーションというあだ名を付けたのだった。この惑星は地表の大半を森林に覆われており、木々が巨大な山脈の両側で成長し、低い谷を埋め尽くしている。

この惑星に原住する知的種族は、フージブと呼ばれるテレパシー能力を持った小型の齧歯類型生物である。フージブたちは同じくこの惑星に生息するスリヴィリスを脅威とみなしており、反乱軍兵士たちがその退治を手助けしてくれた後、彼らがアーブラを利用することを許可したのだった。

アーブラの反乱軍基地は、フージブの家として利用されている洞窟の奥深くに作られた。反乱軍はそこで一連のクリスタライン・パワー・ロッドを利用し、惑星の中心部から直接地熱のエネルギーを得ることができたのである。

また、反乱軍が訪れるおよそ1,000年前、アーブラには高度な文明社会が栄えていた。そこで暮らす人々は自分たちの負の感情を捨て去ろうと考え、自らの肉体から暗黒のエネルギーを放出させるべく、独自のテクノロジーを利用したのだった。そして、彼らはこのエネルギーを地下の洞窟に隠された貯蔵庫に閉じ込め、フォース・スクリーンで洞窟の防御を行っていたのである。やがて時が流れ、アーブラの古代文明は滅んだが、これらの負のエネルギーは互いに合体し、ダーカーと呼ばれる邪悪な生物に姿を変えていた。後にダーカーはフォース・スクリーンを破って地上に姿を現し、反乱軍に恐怖を与える。だが、この緑色のトカゲに似た怪物は、C-3POとチューバッカの活躍によって再び地下に閉じ込められたのだった。

アーブラの座標を知る者は、反乱軍のなかでも最も信頼される少数の工作員だけであり、この基地の存在は厳重に秘密が保たれている。エンドアの戦い後に帝国が崩壊したとき、反乱軍の中心グループはエンドアへと移動したが、フージブはその後も自由惑星同盟の誇り高いメンバーとしてその名を連ねているのである。

イラム Ilum

種別:
地殻惑星
気候:
極寒
大気:
タイプI(通常の大気)
湿度:
多湿
重力:
標準
地形:
山脈、氷原
自転周期:
22標準時間
公転周期:
301日
居住種族:
なし
人口:
0人
主な輸出品:
なし
主な輸入品:
なし

Ilum

厳寒の惑星イラムには、ジェダイだけが知る重要な秘密が隠されている。この惑星の氷に覆われた洞窟の中には、ライトセイバーの心臓部を形成する貴重なクリスタルが埋まっているのだ。ジェダイ・オーダーの創設当初から、訓練生たちはイラムに旅立ち、自分たちの武器を製造するための部品を探していたのである。

果てしなく続く氷の山脈の中に、イラムのクリスタルの洞窟がある。この洞窟の中にはフォースが浸透しており、暗闇に侵入するジェダイたちに近い未来の光景を映し出すのだという。また、この洞窟の壁面にはジェダイ・オーダーの歴史を描写する古代の沈み彫りが刻まれている。

アデガン・クリスタルという名でも知られるイラム・クリスタルは、最古のライトセイバーに最も多く使用されていた天然の宝石である。これらのクリスタルは共鳴周波が内部を通過する際に、爆発的な光とエネルギーを自然放出させる。そして、他の場所で発見されたライトセイバー用のクリスタルとは異なり、イラムで採掘されたクリスタルだけが、青と緑の光刃を生じさせるのだ。

クローン大戦の間、分離主義勢力はこの神聖なクリスタルの洞窟を破壊し、イラムの寺院を包囲することによって、ジェダイに打撃を与えようと考えた。そして、地雷埋設用カメレオン・ドロイドがこの洞窟を爆弾で破壊するために投入される。ルミナーラ・アンドゥリィとバリス・オフィーの活躍によって、しばらくの間はドロイドたちを阻止することができたが、彼らはすぐに増援を必要とした。やがて、小柄なジェダイ・マスター、ヨーダがパドメ・アミダラを伴って到着し、破壊的な分離主義勢力の攻撃を阻止することに成功したのである。

ウェイランド Wayland

種別:
地殻惑星
気候:
温暖
大気:
タイプI(通常の大気)
湿度:
多湿
重力:
標準
地形:
森林
自転周期:
23標準時間
公転周期:
353日
居住種族:
人間、ミネイルシ(原住)、サダーン(原住)
人口:
28,000,000人
主な輸出品:
なし
主な輸入品:
なし

Wayland

ウェイランドは旧共和国の第2次拡張期に発見された惑星だが、その直後に起こった単純な事務的ミスによって、あらゆる既知の星図から失われてしまった不運の惑星でもある。この出来事は入植のためにこの惑星に向かった探査船の運命を決定付けた。ウェイランドに到着した入植者たちは、複雑な共和国の官僚機構が禍し、完全に忘れ去られてしまったのである。

これは大勢の勇敢な入植者たちに対する悲劇の始まりだった。彼らの宇宙船はアクシデントによって墜落し、大破してしまう。それでも彼らは辛抱し、しばらくはウェイランドの環境でも満足できる生活を送っていたが、救助の宇宙船が来ないという事実は近代的な物資の多くが失われていく一方であることを意味していた。パワー・セルが無くなり、部品も次々と壊れていき、人間の入植者たちは次第に技術的に退化していく。やがてブラスターは弓と矢に、近代的な衣服や建造物は毛皮や隠れ家へと変化していったのである。

入植者たちはすぐにこの惑星に原住する2種類の知的種族と遭遇した。クリスタルの皮膚を持つ4本腕のミネイルシと、岩のような硬い皮膚をしたサダーンである。当初、人間たちはブラスターや装甲服といった文明の力を持っており、争うまでもなく原始的な種族である彼らを支配していたが、入植者が退化していくに従い、各勢力はほぼ互角の力を持つようになったのだった。

後にウェイランドが帝国によって再発見されたのは、それから何世紀も後のことである。パルパティーン皇帝はこの発見に特別な関心を抱き、この隔離された惑星を訪れた。彼はそこで見たものすべてに満足し、保安上の理由からこの惑星の発見に関するすべての記録を永遠に削除するよう命じている。パルパティーンはこの惑星を安全かつ秘密の記念品貯蔵庫として利用し、貴重な宝物や価値ある技術の断片を保管していたのである。

帝国軍技術者たちはこの惑星の北半球、主大陸の端に近いタンティス山の内部にある空洞を利用して、巨大な貯蔵施設を開発した。そして皇帝はこの山の頂の1つに造られた宝物庫を守るため、強力なフォースを使う山の番人を配置する。その後も彼はたびたびこの惑星を訪れては記念品を追加していき、最後はエンドアの戦いの直前にも立ち寄っている。そして皇帝の死から数年後、狂気に取り付かれたクローン・ジェダイのジョルース・スボースが番人を殺害し、彼の地位を自らのものにしたというが、狂気のクローンの言い分を額面どおりに受け取ることはできない。スボースこそが皇帝に命じられた番人であった可能性がきわめて高いのだ。だが、真実は既に時と共に失われてしまっている。

当時、ウェイランドで暮らす人間、サダーン、ミネイルシの3種族はわずかな取引きを除いてお互いに干渉せず、それぞれが異なる地域で生活していた。しかしスボースは強大な力で住民たちを支配することを好み、平和な共存を命じたのだった。3種族はタンティス山の南西に都市を築き、三者三様の建造物を造って共存を始めたが、それでも見かけの平和に反して種族間の緊張が潰えることは決してなかったのである。

エンドアの戦いから5年後、未知領域から帰還したスローン大提督はオブロア=スカイのライブラリでタンティス山に関する情報を発見し、そこで新共和国からの銀河中心部奪回計画に必要となる貴重な道具を手に入れた。それらは先端技術によるクローキング・シールドの動作可能なプロトタイプと、何千個ものスパーティ・クローニング・シリンダーだった。スパーティ・シリンダーはクローン大戦の間にカータオで開発されたカミーノアンのテクノロジーを洗練したものであり、スローンはこの発見によって事実上無尽蔵に手に入るストームトルーパーの源を獲得したのである。

タンティス山のクローン製造工場は、山の南西に唯一の入り口を持っている。頂上には緊急用のシャトル・ハンガー、王族の間、皇帝の玉座の間が用意されており、そこには直径20メートルほどの銀河系ホログラムも設置されていた。また、完全に機能を開始したスパーティ・クローニング・シリンダーは、山の内部の何階層にも及ぶ天然の空洞に施設されている。スローンはクローン培養室に何百匹ものイサラミリを放ち、フォースを遮断することによってクローンの急速な成長が引き起こす負の副作用を回避した。しかし、ランド・カルリジアンとチューバッカが中枢施設を爆破した際に、クローン施設と山の大半が破壊されてしまう。

後にタンティス山の瓦礫を調査していた新共和国の研究者は、数十年前に起こったカーマスの悲劇にボサンが関与していたという証拠を発見する。これは新共和国に内乱を引き起こす火種となり、銀河系規模の政治的緊張を誘発することになった。また後年には、滅びる運命にあるホノガーから移住してきたノーグリたちがウェイランドに植民地を築き、ニュー・ナイスタオと名付けて暮らしている。

オード・マンテル Ord Mantell

種別:
地殻惑星
気候:
温暖
大気:
タイプI(通常の大気)
湿度:
多湿
重力:
標準
地形:
平地、ジャングル
自転周期:
26標準時間
公転周期:
334日
居住種族:
人間、トランドーシャン、その他
人口:
4,000,000,000人
主な輸出品:
なし
主な輸入品:
なし

Ord Mantell

多くの人々はオード・マンテルをみすぼらしい宇宙パイロットや密輸業者の溜まり場、あるいはギャンブル街であると考えている。しかし、この無法な惑星もかつての旧共和国時代には主要な軍事基地として機能していたのだ。

オード・マンテルは栄光と影の惑星と呼ばれている。およそ12,000年前、コレリアンの入植者たちはこの惑星に高度な軍事偵察基地を設立したが、旧共和国が新たな交易ルートを開拓したことによって、オード・マンテルは戦略的重要性を失うことになった。しかし、この惑星は巨大軍事造船所と宇宙ドックの存在によって市民交易所として栄えていたのである。

その間、オード・マンテルは自由港となり、合法な積荷から違法な積荷まであらゆるものが星系中に氾濫していた。密輸業者や違法な自由貿易商たちも頻繁に出入りしていたが、彼らも帝国の介入は到底あり得ないと確信していたのである。

確かに、オード・マンテルではギャンブルと娯楽産業も大きく栄えており、ワールポート大陸の南岸に沿った鎖状都市にはギャンブルを始めとする、ありとあらゆる悪徳がはびこっている。しかし、これらの都市はすべての面で近代的であり、毎年訪れる何十億人もの旅行者たちは銀河中心部と同等の利便性を得ることができるのだ。

一方で都市の雑踏を離れると、オード・マンテルには原始的な田園風景も残されている。大地には野生の草原や巨大な塩湖、そして森林が広がっており、所々に農業や漁業を営む小さな集落や都市が点在している。この惑星の居住者の大半はこのような集落の住人たちだが、彼らは一貫して訪問者が災難を運んで来ると信じているため、外界人を避けて生活することを好む。また、密輸業者や宇宙パイロットの要求を満たすような都市もわずかに存在し、彼らにギャンブル街での生活以上のプライバシーを約束している。しかし、こうした都市は比較的治安が悪く、モス・アイズリーと同様に訪問者にブラスターは欠かせない存在となっている。一方、オード・マンテルの一般的な技術レベルは低く、多くの住人たちにとってドロイドやコンピュータは奇妙な存在として映るようである。

スローン大提督による反抗の直前、新共和国はオード・マンテルを同盟惑星として迎え入れることに成功した。しかし、新共和国がこの惑星の近代化に全力を尽くす一方で、古くからの住人たちは簡単には従わず、犯罪のはびこる状況を変えることはできなかった。新共和国は旧共和国時代にこの惑星の南半球に造られた宇宙防衛基地の跡地を利用して、このセクターで続けられている小規模な戦いに備えるためXウィング小隊を配置した。いまやオード・マンテル戦闘機大隊はこのセクターにおける新共和国軍の主力部隊となっている。

カラマリ Calamari

種別:
地殻海洋惑星
気候:
温暖
大気:
タイプI(通常の大気)
湿度:
飽和
重力:
標準
地形:
海洋、岩礁、浮遊都市、海底都市
自転周期:
21標準時間
公転周期:
398日
居住種族:
モン・カラマリ(原住)、クオレン(原住)
人口:
27,100,000,000人
主な輸出品:
ハイテク技術、戦艦、兵器
主な輸入品:
食糧、薬品、ハイテク技術、低水準技術

Calamari

270億を超す人口を擁するカラマリは、事実上ほぼすべてが海洋に覆われた水の惑星である。宇宙から見た光景はあたかも大陸のない深青色の球体のようであり、その中に巨大な浮遊都市が点在している。地上に見られる本物の土地は、小さな湿地帯の島がわずかに存在しているだけなのだ。カラマリには故郷を共有する2つの種族、モン・カラマリとクオレンが原住しているが、彼らが本来持つ平和な性質に反し、この無限に広がる海洋は度重なる血塗られた戦争の歴史を目撃してきたのだった。2つの水棲種族は何世代にもわたってこの惑星の支配権を争っている。やがてこの対立はより大きな共通の敵の出現によって表面上鎮静化されることになるが、モン・カラマリもクオレンも、彼らの歴史を汚した暴力の連鎖を決して忘れることはないだろう。

魚に似たモン・カラマリは海岸地帯の住人として発達した種族であり、水中と陸上の両方で快適に生活することができる。一方で、イカに似たクオレンは海底での生活に適した体をしており、陸上に出てくることは稀であると同時に大きな困難を伴う。また、モン・カラマリが文化的かつ技術的に進化した種族であるのに対し、クオレンは原始的で未開な一面を引きずっている種族なのだ。両種族間の接触は以前から散発的に行われていたが、そのつど常に暴力による衝突が発生していた。暴力的なクオレンは不愉快な同居人を嫌悪し、彼らを海底から繰り返し攻撃していたのである。より進化したモン・カラマリはこうした攻撃を避ける手段を有していたが、それでもクオレンたちに攻撃を思いとどまらせるには至らなかったのだ。

こうしたことから、何世紀もの昔にモン・カラマリは大胆な物議を醸す実験に着手した。1世代分のクオレンの子供たちを親から取り上げ、自分たちの手で育てようというのだ。彼らは原始的なクオレン社会を根絶し、深海で暮らす人々により文化的な生活を与えた。その結果、新世代のクオレンは隣人と戦争しようとしなくなり、計画は一応の成功を収めたのだった。しかしこのとき以来、多くのクオレンがより洗練されたモン・カラマリに対して、心の奥底に深い憤りを抱くようになったのも事実である。

モン・カラマリとクオレンの間で新たに築かれた協力関係は、故郷により大きな恩恵をもたらすことになる。クオレンは海底から貴重な鉱石を採掘する熟練した鉱夫となり、モン・カラマリはその資源を利用して海上都市を建造していった。有名な都市としてはリーフ・ホーム・シティ、コーラル・デプス、キー=ピル、コーラル・シティ、ユーキー、フォームワンダー・シティなどが知られており、これらの都市の建築様式は縁が丸みを帯びた有機的外観を誇る特徴的で美しいデザインをしている。無論、これらの都市はモン・カラマリとクオレンによって共有されているが、モン・カルたちが水面より上層部での暮らしを好むのに対し、クオレンたちは最下層の最も暗い部分での生活を好んでいる。

また、モン・カラマリは早期から宇宙への進出を目論んでおり、独自の技術で巨大宇宙船の建造にも成功している。彼らの宇宙船は海上都市と同じく有機的な美しい外観をしており、この芸術品で深宇宙探査のために近くの宇宙航路を往復するようになったのである。事実、モン・カルたちは宇宙に目を向けた夢想家であり、その一方でクオレンたちは海洋の下深くに目を向けた実用主義者だった。少数のクオレンは海洋から逃れるためにいくつかの分散した植民地を開拓し始めたが、種族全体としては広大な銀河社会に参加しようという機運を持ち合わせていなかったのである。

やがてモン・カラマリが共和国によって発見されたとき、この惑星に最も大きな関心を寄せたのはコマース・ギルドだった。彼らはこの惑星の鉱物資源に大きな興味を示し、自らを地元政府に介入させたのである。カラマリ評議会は即座にコマース・ギルドの任命者たちによって占められるようになり、すべてのクオレンの鉱山企業家たちがギルドからの贈賄によって裕福になっていった。カラマリは事実上、クオレンの支配下に置かれるようになり、急速に進みつつあったモン・カラマリの宇宙計画も頓挫する結果となる。クオレンはその後数十年間にわたって孤立主義政策を貫き、惑星を星間のよどみのなかに停滞させたのだった。

そしてクローン大戦の勃発は、惑星を内乱状態へと導いた。腐敗したクオレンのティッキーズ元老院議員は故郷を分離主義勢力にもたらそうと努力したが、大きな反発を招き失脚することになる。その後、タンドラ・ドーメイアが忠誠派の議員として選出されるが、クオレンの分離主義支持者たちを静めることはできなかった。やがてクオレン分離連盟と名乗る急進的勢力が台頭し、カラマリの海洋から共和国の存在を一掃すると宣言する。古くから伝わるモン・カラマリの騎士団も武器を持ってこれに立ち向かうが、独立星系連合の支援を受けたクオレンたちには歯が立たなかった。そしてついには共和国もこの内乱に介入する決定を下し、キット・フィストー将軍の活躍によってモン・カラマリを共和国のもとに取り戻すことができたのである。

改革は容易でなかったが、モン・カラマリ評議会は一新され、分離主義支持者たちはすべて追放された。惑星はモン・カラマリとクオレン双方の代表を元老院に送り込むようになる。しかし、同時に共和国もパルパティーン皇帝の新秩序によって大きな変革を迎えていた。結果的にカラマリは銀河系に向けて自らを切り開くことになり、銀河帝国へと組み込まれていったのである。

帝国軍の機動部隊はこの惑星と軌道上の造船施設に守備隊を置き、海洋で暮らす人々を奴隷化していった。地元のレジスタンス勢力による小規模な反乱も起こったが、帝国軍は力による見せしめとして軌道上からモン・カラマリの3つの海上都市を破壊したのだった。この事件の裏では、セガー・テルズという名の若いクオレンの内通者が惑星防衛網を意図的に下げたのだという噂も囁かれている。そのため、モン・カラマリとクオレンの間に再び緊張が生じたが、帝国はモン・カラマリを占領することができなかった。モン・カラマリとクオレンが共通の敵に対して再び団結し、侵略者に立ち向かったのである。最終的に彼らは帝国による侵略を撃退することに成功し、帝国に高価な代償を強いることになる。モン・カラマリは共和国の速やかなる再興を目指して反乱同盟軍と結合し、成長しつつある反乱軍に造船施設と数多くの巨大戦艦を提供したのだった。

やがてエンドアの戦いで帝国が敗れると、モン・カラマリは自由惑星同盟の創立メンバーの1つとなり、それに続く新共和国にも加盟した。惑星の防衛はモン・カラマリ防衛軍の所轄となり、そこにはモン・カラマリとクオレンが共同で参加している。多くのクオレンはモン・カラマリが危険な水中へ進出することによって再び戦争が開始するのではないかと密かに考えていたが、彼らの惑星はその後数年間にわたって平和な状態を保っていたのである。

しかし、エンドアの戦いから6年後、クローンとして復活したパルパティーン皇帝による恐怖の反抗によって、再びカラマリの海洋が血に染まることになる。帝国軍は新型破壊兵器ワールド・デヴァステーターを投入してモン・カラマリを攻撃した。この巨大浮遊兵器は惑星の南半球を襲撃し、キー=ピルとユーキー、2つの都市を壊滅させたのだった。カラマリの戦いはクローン皇帝との戦いにおける最大の激戦となるが、最終的には新共和国側の勝利に終わり、惑星はなんとか生き延びることに成功したのである。しかしこの戦いの1年後、今度はダーラ提督のスター・デストロイヤー艦隊による攻撃を受け、リーフ・ホーム・シティが破壊されてしまう。だが、故郷で謹慎していたアクバー提督の采配によって帝国軍にも大きなダメージを与えることができ、彼らは再び敵を退けることに成功したのだった。二度にわたる戦いで惑星は激しく消耗したが、モン・カルの生態学者たちは故郷に以前の輝きを取り戻すべく、何年もの歳月を費やして環境の回復に努めている。

そしてさらに十数年後、銀河系外からの侵略者ユージャン・ヴォングとの戦争が最高潮を迎えていたとき、モン・カラマリは新共和国の崩壊に伴って発足された銀河同盟の政府中枢として機能するようになるのだった。

また、この惑星の海洋にはモン・カラマリとクオレンの他にも、ホエーラドンと呼ばれる美しい巨大生物が暮らしている。彼らはテクノロジーこそ有していないが、モン・カルの長老たちでさえ助言を求める極めて知的な種族なのだ。さらに、海底の特殊な生物層にはモン・カラマリ・ナレッジ・バンクが定住している。これらは惑星のあらゆる出来事についての完全な歴史を記憶したニ枚貝のような軟体動物の共同体であり、極めて高い知性を持っている。彼らは質問者に対してその信じられないほどの記憶を気兼ねなく分け与えてくれるのだ。

一方で、カラマリの海洋には恐ろしい肉食獣も多数生息している。大食漢のクラカーナはハサミの付いた長い2本の触手で獲物を捕らえ、海洋を徘徊する巨大なシー=スラッグはプランクトンを口へ運ぶ際にフォースを使うといわれている。他にもキールカーナ、チョーン、ランプフィッシュ、フレイラーなど、海洋に潜む危険な生物は枚挙に暇がない。太古の昔にはマンモス=クラベクスと呼ばれた10本足の甲殻類もいたが、現在では既に絶滅している。また、海底では貴重なウルティマ・パールが見つかることもある。

カリダ Carida

種別:
地殻惑星
気候:
温暖
大気:
タイプI(通常の大気)
湿度:
乾燥
重力:
地形:
森林、砂漠、氷河
自転周期:
25標準時間
公転周期:
357日
居住種族:
人間
人口:
25,000,000人
主な輸出品:
軍事訓練、ハイテク武器
主な輸入品:
食糧

Carida

カリダはエンドアの戦い後も帝国が保持している領域の奥深くに位置する、温暖で快適な惑星である。しかし、この惑星は重力が強いという大きな欠点があるため、多くの入植者を引きつけるには至らなかった。事実、この強い重力は何百年にもわたって入植者を遠ざけている。通常、移民たちは高重力の惑星を選ぶくらいなら、まだ荒れ果てた気候による適度に不快な惑星を選ぶだろう。なぜなら、暑さや寒さは屋内に入ることで防げるが、重力は常に働いているからである。

ヤヴィンの戦いのおよそ2世紀前、旧共和国軍はカリダに軍事教練施設の設置を決定した。この惑星には様々な地形が存在し、人口もまばらだったことから、兵器実験や軍事輸送など、あらゆる面で理想的な環境だったのだ。

その後2、30年掛けて小さな基地の周辺に各種インフラ設備が構築され、他の軍事業者や防衛企業が教練施設への物資供給のため、カリダへ人員や研究施設を送り込んでいった。帝国の時代までにはこうした施設もカリダ全体を覆うまでに成長し、人口も2300万人を超えたのだった。やがて惑星全体にいくつかの小型都市が完成し、帝国が最盛期を迎える頃には、カリダは完全に自立した惑星へと変化していた。皇帝はこの惑星を主要な軍事訓練基地の1つに指定したが、それは標準的な人間に苦痛を抱かせる高重力によって、ストームトルーパーや他の兵士たちを逞しく鍛えることができたからである。

カリダの未開の大陸は、人間と機械の両方にとって厳しい訓練に適した環境であることを示している。そこには厳寒の荒地、原始的な捕食動物、肉食植物、猛毒昆虫などが溢れる密集した未踏の熱帯雨林、切り裂かれた山壁、多足爬虫類が徘徊する焼け付くような砂漠の岩盤など、様々な環境が存在し、これらすべてが兵士や軍事メカを極限まで苦しめるのだ。

スピナラ高原に設立されたカリダの軍事アカデミーは、見た目以上に古めかしい造りをした光り輝く砦であり、その外形や構造はコルサントやレイサルにある太古の政府機関や学術機関の建造物によく見られる伝統的様式を模倣している。緑の草原には表面の大理石模様が輝くまで磨き上げられた純白の柱が堂々とそびえ立ち、湖面にその美しい姿を反射させている。また、歩道沿いには帝国に忠誠を誓った惑星を代表する色とりどりの旗が立ち並び、施設の大正門にある緑に覆われた中央分離帯では、退役した帝国軍ウォーカーが訓練生たちに監視の目を光らせている。

キャンパスには基本的な訓練から最先端の訓練まで、すべての過程を教える施設が揃っている。そして軍事アカデミーには兵站アカデミーから上級のストーム・コマンドー・スクールまで、様々な学校の拠点が置かれており、無数の付属棟、練習場、ライフル射撃場、貯蔵庫、訓練施設が中央の中庭の周囲に並んでいる。また、アカデミーに数多く存在する講堂の丸天井には帝国に最も忠実な惑星を表す色とりどりの徽章が掲げられており、壁にはアカデミーの偉大な卒業生の肖像画、征服された惑星のメダルやトロフィ、アカデミーの卒業生によって指揮された著名な帝国軍戦艦のホログラム像などが果てしなく並べられている。

この巨大複合施設の中央に位置する最大の砦は名実共に真の要塞である。この壮大な建造物には巨大なタレットが配備されており、小さな尖塔が無数に建てられている。また、この要塞にはアカデミーの管理事務所だけでなく惑星政府の庁舎も含まれており、最南端のタレットの上層部にはホロネットが完備された通信センターも用意されている。

スローン大提督が死亡し、復活した皇帝が倒れた後も、カリダは新共和国への加入を断固として拒否し続けた。この頑固な姿勢はカリダの名目上の支配者であるファーガン大使の意志に基づくものである。彼は帝国への忠誠を維持し続けていたのだ。

カリダは新共和国による攻撃をほとんど恐れていない。この惑星は銀河系の最先端テクノロジーによる武器と鍛え上げられた兵士たちを大量に抱えており、帝国軍の増強部隊が到着するまで持ち堪えられるだけの十分な食糧も備蓄されているのだ。

これらの武器の存在は、ファーガンが他の帝国軍勢力や新共和国から独立した状態を維持しておくことに役立っていた。これらは直接的な攻撃や間接的な脅迫を妨げる道具になるだけでなく、彼が他の帝国軍指導者と資源や補給物資に関する交換交渉を行うための有効なカードとしても利用できたのだ。ファーガンの開発工場で山岳地帯用装甲歩行兵器(MT-ATウォーカー)のような素晴らしい娯楽品が製造され続ける限り、進んで彼の言いなりになる帝国軍司令官たちは後を絶たなかったのである。

大規模な常備軍が存在するものの、ファーガンは大きな不満も抱えていた。カリダには兵士たちを外界に輸送するための宇宙船が決定的に不足しており、他の惑星にまったく脅威を与えることができなかったのだ。大型艦船がないため、カリダは帝国に忠誠を誓っている、重武装だが戦略的には役に立たない惑星という地位に甘んじていた。そして儚くも、ファーガンの防衛力は太陽の爆発による星系の消滅からカリダを守ることはできなかった。彼はキップ・デュロンがサン・クラッシャーを用いてカリダ星系を消滅させたとき、この事実を思い知ったのである。

ケッセル Kessel

種別:
地殻惑星
気候:
寒冷
大気:
タイプII(呼吸マスクが必要)
湿度:
乾燥
重力:
地形:
不毛、山地
自転周期:
26標準時間
公転周期:
322日
居住種族:
多種族
人口:
122,000人
主な輸出品:
グリッタースティム・スパイス
主な輸入品:
ハイテク技術、食糧、高級用品

Kessel

アウター・リムに浮かぶ悪名高きケッセルは、辛うじて惑星としての体をなしているに過ぎない小さな卵型惑星である。軌道上にいくつかの巨大な衛星を従えたこのいびつな惑星は、あまりにも小さいため重力も弱く、呼吸に必要な大気を地表付近に留めておくことができない。唯一の救いは地殻を構成している鉱物に大量の酸素が含まれていることであり、住人たちは地上に造られた無数の工場でこうした鉱物から人工的に酸素と二酸化炭素を作り出しているのだ。そのため、屋外で活動する人々も全環境型スーツを着用する必要は無いが、人工酸素も次々と宇宙空間へ流失してしまうため、呼吸マスクの着用は欠かせないものとなっている。専門家の試算によると、ケッセルの鉱物資源はあと1世紀から2世紀の間、この均衡を保つことができるのだという。

ケッセルの屋外での活動を危険なものにしているのは、呼吸可能な大気の欠乏だけではない。ケッセルの大地には、遥か上空に広がる燃えるようなガス状のモー星団から容赦なく強烈な放射線が降り注がれており、通常の人々は長時間その身をさらしているだけで確実に命を削られてしまうのだ。そのため、当局は軌道上に強力な放射線シールドを設置し、致命的なX線やガンマ線のほとんどを遮ることで危険を最小限に抑えている。

また、ケッセルの地表は大気中に含まれていた微粒子が長年にわたって堆積したために白みがかった粉に覆われており、至るところが焼け焦げ、ひび割れている。事実、この惑星は極度に不毛な惑星であり、陸地にも小さな塩分の多い海にも動物の姿は全く見えない。どこにでも芽を付けるような数種類の強い雑草や苔類を除けば、地表は完全に死の世界となっているのだ。

このような状況にもかかわらず、ケッセルは常に銀河系の多くの人々の関心を集めており、人や物資の出入りも頻繁に行われている。それはこの惑星が銀河系で最も高価なスパイスの1つであるグリッタースティムの唯一の産地であるからに他ならない。事実、グリッタースティムはケッセルで発見されたスパイスであり、適切な加工を施すことによって高度な興奮作用だけでなく、吸引者に一種のテレパシー能力を与えることでも知られている。そのためこのスパイスは極めて需要が高く高価であり、入手するためには殺人や、自らの命さえも賭ける価値があるとされているのだ。

共和国に代わって帝国が台頭するようになると、帝国は銀河系全域で行われているスパイス採鉱事業を全て支配下に置き、地下企業の不正な利益を大幅に制限し始めた。なかでも特に重要視された惑星がケッセルであることは言うまでもない。帝国はこの不毛な惑星に刑務所を建設し、政治犯たちを鉱夫として酷使するようになったのである。グリッタースティムはあらゆる種類の光によって活性化してしまうため、採鉱およびその加工作業は常に絶対的な暗闇の中で行われなければならない。したがって囚人たちは地下深くに掘られた洞窟の中で強制労働を強いられることになり、与えられた呼吸マスクや温度調整装置も整備不良で機能不全を起こしていることが多かったのである。

しかし、こうした劣悪な環境も、囚人たちにとっての最大の脅威ではなかった。ケッセルの洞窟の奥深くにはエネルギー・スパイダーと呼ばれるおぞましい巨大生物が生息しており、不幸にして犠牲者となった鉱夫は一瞬にしてその鋭い牙に突き刺され、生命エネルギーを吸い取られてしまうのだ。エネルギー・スパイダーの存在は囚人たちにとって大きな脅威だが、その後グリッタースティムの正体がこの生物によって排出される蜘蛛の巣の糸であることが発見されると、この脅威も暗黙の危険へと摩り替わっていった。幸いにしてエネルギー・スパイダーが地表付近にまで上がってくることはほとんどなく、また彼らの主食は同じくこの惑星の地下に生息するボギーと呼ばれる発光生物であるため、十分な警戒がなされるようになってからは、囚人たちが犠牲になることもほとんどなくなったのである。だが、洞窟で働く囚人たちにとって、二度と頭上の星々を見る希望が訪れない現実には変わりがない。警戒厳重なケッセルからの脱出はほぼ不可能であり、さらには無数のブラック・ホールの集合体であるモー星団の存在も、この星系の孤立状態を後押ししているのだ。

一方で、暗黒街の犯罪組織は帝国のスパイス取引きから利益を得る方法を編み出していた。腐敗したケッセルの役人は容易に買収することができ、クレジット次第ではブラック・サンやハットの密輸組織の貨物船内でたびたびスパイスの積荷を「見失って」くれたのだ。他にもグリッタースティムで一攫千金を夢見る密輸業者は後を絶たず、無鉄砲な彼らは文字通り命を賭けて帝国のパトロール艇との競争を繰り広げている。モー星団のブラック・ホールによって歪められた不安定な航路は密輸業者たちの間でケッセル・ランと呼ばれるようになり、この極めて危険なルートを最短距離で疾走することが密輸の成否に直結することになる。例えば、ここを18パーセクの距離で通過した密輸業者は辺境の酒場で武勇伝を自慢できる立場にいられるのだ。一部ではハン・ソロが<ミレニアム・ファルコン>で12パーセクという記録を打ち立てたと囁かれているが、真偽の程は確かでない。

また、ケッセル星系はスパイス鉱山以外にももう1つの戦略的価値をもっている。それはグランド・モフ・ターキンによって設立された秘密のシンクタンク、モー研究所への出入り口だった。この外界から完全に切り離された研究施設には帝国軍の最新テクノロジーを研究するために銀河系全域から多くの科学者たちが集められており、デス・スター、ワールド・デヴァステーター、サン・クラッシャー、イオニック・リング、亜空間ホロトランシーバなどのプロトタイプが開発されていたのである。

やがてエンドアの戦いで帝国が敗れると、ケッセルの強制収容所にも小規模な革命が勃発し、帝国の看守をしていたライベットのモルース・ドゥールが実権を掌握するようになる。卑劣なドゥールは以前から賄賂を受けて多額のスパイスを横流ししており、一方ではこうした商売相手の密輸業者を帝国当局に密告することで点数を稼いでいたのである。彼は軌道上の放射線シールドを武器に囚人たちを抑圧し、7年間にわたってケッセルを支配し続けた。そして、その間は銀河内乱からも完全な中立を守っていたが、新共和国によってモー研究所の存在が明らかにされたことで、不本意ながらも戦いに巻き込まれてしまう。研究所を出た帝国軍のプロトタイプ・デス・スターはケッセルを攻撃し、スーパーレーザーの試作品によってドゥールの軍事基地のある衛星の1つが完全に破壊されてしまったのである。さらにその後起こった小規模な戦闘によって、逃走中だったドゥールもエネルギー・スパイダーの餌食となるのだった。

最終的にケッセルの鉱山施設は実業家ランド・カルリジアンのものとなった。彼はエンドアで共に戦った友人ニエン・ナンにスパイス事業を任せており、現在は囚人の代わりに労働ドロイドを利用した効率的な採鉱事業が展開されている。

コレリア Corellia

種別:
地殻惑星
気候:
温暖
大気:
タイプI(通常の大気)
湿度:
穏和
重力:
標準
地形:
都市、丘陵
自転周期:
25標準時間
公転周期:
329日
居住種族:
人間(原住)、ドロール(原住)、セロニアン(原住)
人口:
16,500,000,000人
主な輸出品:
すべて
主な輸入品:
すべて

Corellia

銀河中心部のコレリアン・セクターに属する同名星系の惑星コレリアは、恒星コレルの軌道を周回する惑星である。この星系には他にも4つの居住可能惑星、セロニア、ドロール、タラス、トララスが存在しており、これらを総称して「5兄弟」と呼ぶことも多い。なかでもコレリアはよく長男に喩えられ、この星系全体の行政センターとしても役立っている。また、コレリアは伝統的にディクタートと呼ばれる総督によって統治されているが、その一方でセクターとしても銀河元老院に議員を送り出し、銀河社会に大きな影響力を保持しているのだった。

また、コレリアは文明の初期の時代から王制を敷いていたが、クローン大戦のおよそ250年前にベレソン・エ・ソロによってもたらされた民主主義革命によって共和国となったのだった。その後、再びコロル・ソロが王権を手にしたことで一時的に君主制に戻ったが、再び革命が沸き起こったことでコロルは失脚し、最終的に現在の民主主義に復帰している。

この星系の5つの惑星はすべてが旧共和国設立当初からのメンバーである。しかし、コレリアは共和国の歴史が始まって以来、ときとしてこの巨大銀河共同体に大きな災いをもたらしつつも、誇りを持って独自の道を歩み続けていた。この惑星は極めて独立志向が強く、銀河系の情勢を一変させる政治的激変からも切り離された存在となっているのだ。これはコレリアだけでなく、伝統的に内政重視のコレリアン・セクター全体について言えることである。

コレリアン星系は高度に発達した古代文明の遺物であると考えられており、古くから宇宙物理学者たちの大きな関心の的だった。なぜなら、1つの恒星系に5つもの居住可能惑星が周回しているという事実は、通常では到底ありえないことなのだ。また、ダブル・ワールドの異名を持つ第4惑星タラスと第5惑星トララスの間にはセンターポイント・ステーションと呼ばれる巨大な人工天体が浮かんでおり、その起源についても科学者たちの論争の的となっている。これは両惑星の重心に浮かぶ太古の昔の装置であり、宇宙考古学者たちの間では、コレリアン星系の5つの惑星を現在の位置まで移動させるために使われた装置の一部であると推測されていた。後に新共和国の時代となってから、彼らの主張が正しいことが判明することになる。

コレリアは長年にわたって銀河文明の影響を受けてきたが、惑星全体が都市に覆われたコルサントとは対照的に、自然の溢れる美しい景観を持った惑星である。地表の大半は緩やかな丘、平地、小さな草原地帯、森林、そして海洋に覆われており、生態系もコレリアン・シー・レイから危険なサンド・パンサーに至るまで豊富に存在している。この惑星で暮らす人々はカミソリのような草が生い茂る草原や、汚染されていない美しい砂浜に大きな誇りを抱いているのだ。こうした自然美と都市の繁栄を共存させるため、コレリアンたちは造船施設を惑星の外に移動させるという解答を得た。そのため惑星の軌道上にはコレリアン・エンジニアリング社のような大企業の造船所が浮かんでおり、コレリアン・コルヴェットやリパブリック・クルーザー、YTシリーズ軽貨物艇などが建造されている。

コレリアの大陸の集合体は、東西2つの海洋にはさまれている。首都コロネットはゴールデン・ビーチと呼ばれる海岸線沿いに位置しており、ベラ・ヴィスタルやタイリナなどの他の主要都市もその近郊に並んでいる。数十年にもおよぶ銀河内乱の影響によってこの惑星の人口も大きく変動したが、それでも常時150億人を超える人口を抱えており、特にコロネットは最大の人口密集地帯でもある。しかし、コレリアンはビルの連なる都会を嫌い、広々としたオープンスペースを愛しているため、首都の建造物はすべて公園や広いプラザによって区切られている。また、首都には政府機関の収容された20階建てのコロナ・ハウスもあり、エイリアン文化の複雑なタペストリーで装飾された派手で折衷主義的な商店街トレジャー・シップ・ロウも人気の観光名所の1つである。一方で、海岸線を離れた内陸部には小さな町や静かな農村が散在している。

コレリアン星系に原住する人間(コレリアン)、セロニアン、ドロールの3種族は、コロネットでもいたるところでその姿を見ることができる。なかでもセロニアンの多くは地下に張り巡らされた広大なトンネル網での生活を好んでいるが、これらのトンネルは銀河内乱の何千年も前に造られたものであり、おそらくは旧共和国以前から存在しているものだと言われている。また、こうしたトンネルは星系内の他の4つの惑星にも存在しており、そのそれぞれに巨大なプラネタリー・リパルサーが埋蔵されていることが分かっている。この事実は、コレリアン星系の各惑星が他の場所から運ばれてきたものだとする説を裏付ける証拠にもなっているのだ。しかし、いつ、誰が、何のためにコレリアン星系を作ったのかは現在になっても判明しておらず、各惑星が本来あった場所がどこなのかも謎のままである。

コレリアン星系は独自の艦隊と防衛軍を維持するのに十分な富を有している。事実、旧共和国の時代には、この星系は銀河政府の影響を排除した独自の法執行機関を維持していたのである。特にコレリアン防衛軍、すなわちコルセックは、帝国の台頭後も大きな力をそのまま保持している。さらにはジェダイでさえ、コレリアの出身者には禁欲主義的規範に従わない非伝統的な人物が多かったのである。

また、コレリアは巨大銀河政府に対する文化的警戒心を抱いている。旧共和国の創設メンバーの一角ではあるが、この惑星は独立主義の伝統を促進しており、長い歴史の中で何度か共和国からの離脱を試みているのだ。だが、共和国の衰退期にドゥークー伯爵による分離主義運動が湧き上がったときは、頑なに中立を維持しようと努めていた。当時のガーム・ベル・イブリス元老院議員はコレリアが銀河系の武力闘争の将来を決定付ける投票に影響力を持つことを望まず、軍隊設立法案への投票を棄権したのだった。彼は星系の境界を封鎖し、来るべき混沌の時代から逃れることを願っていた。しかし、ベル・イブリス議員の計画は失敗に終わり、ほどなくしてコレリアもその後のクローン大戦へと巻き込まれていったのである。

やがて帝国の時代になると、コレリアはコルサントの権威に対して再び反抗心を示すが、積極的に反乱軍を支持するには至らなかった。しかし、コレリアの造船所が帝国宇宙艦隊によって支配され、多くのコレリアンたちが帝国軍に徴兵されるようになると、状況が一変する。セクター独自の軍隊が反乱軍勢力の拡大を支援するため、銀河系全域に派遣されたのだ。しかし、それと同時に手薄になったコレリア周辺には海賊が横行するようになり、この星系を長年にわたって独立状態に保っていた重要な貿易が打撃を受け始めたのである。

その後、ガーム・ベル・イブリス議員は銀河政治の表舞台から姿を消し、独自の軍組織を擁して帝国軍に戦いを挑んでいた。一方で、反乱同盟軍にも他のコレリアンの多くが加わっていた。やがて反乱軍が帝国軍から次々と大勝利を得るようになると、コレリアン・セクターは厳格な孤立政策を施行し、貿易や領域を通過する艦船の制限を開始する。だが、こうした閉鎖的な状況は人々に外界人に対する嫌悪感を植え付ける結果を招いたのだった。

やがてエンドアの戦いで帝国が敗北すると、帝国軍はコルサントなどの他の重要拠点を防衛するべくコレリアから軍を撤退させ、その結果コレリアは重大な危機に直面することになる。帝国軍の傀儡に過ぎなかったディクタートがその権力基盤を失い、怒れるコレリアンたちの格好の標的となったのだ。彼はコレリアン・セクターの外郭領域へと逃亡し、コレリアに政治的空白をもたらした。この混乱のなか、新共和国は無秩序状態を浄化するために新しい指導者としてミカムバーレクト総督を指名する。だが、帝国の支配下で繁栄を享受していた人間の多くは新政府の横暴に真っ向から対立し、外界者に対する文化的嫌悪感が新共和国の努力に対する大きな障害となっていったのである。

そしてエンドアの戦いから14年後、新共和国国家元首レイア・オーガナ・ソロが歴史的な貿易サミットに出席するため、コレリアを訪問する。彼女はこのセクター全体にはびこる多くの問題を解決したいと熱望していたのだ。だが、彼女は後にコレリアン事変と呼ばれることになる突然の災いに巻き込まれてしまう。コレリアン・セクターに本拠地を置く人間、セロニアン、ドロールの独裁者による秘密会議サコーリアン・トライアドが帝国の衰退に乗じてその力を成長させており、コレリアン・セクターの独立を実現するべく不意の一撃を展開したのである。トライアドはセンターポイント・ステーションとセロニアのプラネタリー・リパルサーを制御下に置き、その強大な力で遠方の惑星を破壊することによって、新共和国に自らの要求を突きつけた。彼らは事実上、銀河系のあらゆる星系を人質にとったのだ。だが、その野望も新共和国とバクラの連合艦隊、そして若きジェダイ・ナイトたちの活躍によって阻止されることになる。

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