ポリス・マサ研究基地は、カリダインの人々によってかつての惑星ポリス・マサの名残である、最大の小惑星に設置された施設である。カリダインの考古学者たちは、彼らの種族と、既に絶滅したポリス・マサの原住種族エレインとの進化論的な繋がりが発掘されることを願っていたのだ。
ポリス・マサ基地での研究はおよそ500年にわたって続けられ、小惑星帯全域において調査と発掘が行われていた。銀河帝国が成立する50年前、研究者たちは基地のごく近くで、古代都市ウィエンターの遺跡を発掘した。その後、速やかに局所的な発掘計画が着手され、その過程で発見された遺物が分析のため研究基地に運び込まれたのである。
しかし、研究者たちは単に発見した物を分析するだけでは満足しなかった。研究基地の宇宙生物学者たちは、カミーノアンから学んだクローニング技術を用いて、局所発掘で発見された古代の生物学的素材から絶滅した生命体を蘇らせたいと考えていたのだ。そして、この計画には洗練された生医学施設が必須であり、ポリス・マサ基地の一部としてそれが建設されることになったのだった。
最先端の科学技術によって無菌の医療施設が用意され、遺物の分析専用の部屋、施設に運ばれた遺伝子素材の実験用医療センターが作られた。観測ドームからは施設全体(ウェイサイド・ドーム、トップサイド・ドームなど)を見渡すことができ、2つの離着陸ベイによってメイン基地との往来が可能だった。また、より大型の船は小惑星自体の地表に着陸することもできたのである。
オビ=ワン・ケノービは双子を出産させるための緊急処置として、パドメ・アミダラをポリス・マサ基地に運び込んだ。分娩台に横たわる彼女の処置は、GH-7医療ドロイドによって監視され、その後すぐに助産ドロイドも加わった。やがて、ドロイドは双子の分娩に成功するが、パドメ自身は精神的な傷に屈し、分娩台の上で息絶えてしまう。彼女は文字通り、生きようとする意思を失っていたのだ。
ポリス・マサン医療施設(ポリス・マサ医療センター)はポリス・マサの小惑星帯コロニーにある先進的な外科治療センターである。この施設はパドメ・アミダラがルークとレイアの双子を出産した場所でもある。
ポリス・マサ小惑星の入植者たちは、ポリス・マサの起源となった惑星で不可解な消失を遂げた原住民の謎を解明するべく、考古学的発掘調査を行っていた。やがて、このエイリアンたちはポリス・マサンとして知られるようになり、この不毛な小惑星に、小規模ではあるが効率的な文明を築き上げたのだった。ポリス・マサの大きな施設の1つが、外科および研究用途に使用されていた医療センターである。発掘現場から見つかった工芸品はこの施設へと運び込まれ、ポリス・マサンの宇宙生物学者によって調査されていた。彼らはこうした品物にクローニングに適した有機組織がないかスキャンしていたのだ。カミーノアンからクローニングの秘密を学んだポリス・マサンはこの分野の専門家であり、医療の専門的知識についても名声を得ていたのである。
医療施設は白いビルやドームなどの、小さな建造物の連続体として構成されており、施設の後方には明らかに他よりも高いメイン医療センターがそびえ立っていた。施設には離着陸パッドが連結されており、ポリス・マサを訪れたわずかな人々を医療センターへ容易に導くことができた。また、施設全体を見下ろす位置には観測ドームが作られていた。
ポリス・マサの医療施設の滅菌された内部には、完全装備の外科手術室が用意されていた。この手術室は数名のポリス・マサンの宇宙生物学者と医療技師によって監視されており、一方で、医療および助産ドロイドが外科治療や赤ん坊の分娩を行っていた。室内の壁にはディスプレイやスキャナーが並んでおり、トランスパリスチールの仕切りによって、外にいる見学者と手術室が隔てられていた。また、手術室の中心部には、1台のクッション式の手術テーブルが用意してあった。
銀河帝国の樹立直後、パドメ・アミダラはオビ=ワン・ケノービによってポリス・マサン医療施設に運び込まれた。危篤状態にあり、さらに双子の出産を控えていたパドメは、4人のポリス・マサン医療技師と外科ドロイドによって看病される。そして、助産ドロイドが彼女の出産を補助するが、医師たちに彼女を救うことはできなかった。双子は無事に誕生し、愛する家族のもとに託されたが、パドメは手術室で死亡したのである。これは彼女の外傷によるものではなく、決して癒されることのない心の傷によるものだと考えられている。
帝国の台頭の間、この施設は小規模な反乱軍組織の拠点になっていたことが知られており、帝国情報部はここにデス・スターの設計図が送信されたと信じていた。この情報にしたがって、帝国軍の第501大隊が施設への侵略を行い、このエリアにおける反乱軍の活動をすべて葬り去ったのだった。