クローン大戦終盤に行われた、分離主義勢力によるコルサントへの電光石火の奇襲は、パルパティーン最高議長の誘拐という結果をもたらした。この攻撃の先陣を切ったのは、グリーヴァス将軍の指揮する大型戦艦<インヴィジブル・ハンド>である。独立星系連合の上層に位置する指導者たち、すなわちグリーヴァスとドゥークー伯爵の本拠地として使用されたこのクルーザーは、分離主義艦隊の事実上の旗艦でもあったのだ。
<インヴィジブル・ハンド>は、当初、ヌート・ガンレイとその顧問たちの乗艦として就航した戦艦である。しかし、ダース・シディアスがグリーヴァスに分離主義軍の全権を与えると、ガンレイは恐怖に震え上がり、将軍にこの艦とニモイディアンの航法士や砲手などの乗員たちを差し出すことを強いられたのだった。この艦の名誉艦長を務めるラシュロス・ドフィーンは、最も有力かつ裕福なニモイディアン・ファミリーの出身である。
<インヴィジブル・ハンド>の原型はプロヴィデンス級キャリアー/デストロイヤーだが、グリーヴァスの旗艦として使用されるにあたって、いくつかの大きな改造が施されている。まず、宇宙戦闘機の母船、そして侵略艦としても十分に役立つよう、艦尾のリアクター・ベイが大幅に再整理され、広大なハンガー・ベイが確保された。その最終的な形状は、グリーヴァスの虚栄心を見事に反映したものとなっている。
円筒形に近い形状をした<インヴィジブル・ハンド>は、表面に無数の兵装が点在しており、その威力は敵艦船のシールドや装甲を貫通して引き裂くほどである。しかし、大きく重いキャノンは動きが遅すぎるため、戦艦の防衛網を容易に突破しうるジェダイ・スターファイターのような小さな標的にはほとんど無力であり、艦内の広大なハンガー・ベイへの侵入を許してしまう。
<インヴィジブル・ハンド>の艦首は先端へ向かうほど細くなっており、艦橋は艦首の頂点に据えられたプラットフォームに位置している。艦橋には巨大なパノラマ窓があり、その周囲をニモイディアンの艦長が陣取る大きな司令席が取り囲んでいる。この艦は通商連合の所有艦であるため、乗員の大半はニモイディアンと、彼らをサポートするバトル・ドロイドによって構成されているのだ。通常、グリーヴァス将軍はこの艦橋から命令を下している。
船体後方には、船殻からヒレのような尖塔がそそり立っている。この尖塔の内部はグリーヴァスの私室になっており、戦略ディスプレイ、ブリーフィング・テーブル、周辺の宇宙空間を広く見渡せる観測デッキなどを備えた中央司令センターとして機能する。また、当初この尖塔には通信およびセンサー・ポッドが取り付けられていたが、グリーヴァスはこれらを一連の広々とした区画へと改修し、後にこれらはドゥークー伯爵の私室として引き継がれた。ドゥークーはこの部屋を通信基地として利用し、絶えず移動を続ける分離主義者たちとの連絡をとっていたのである。
クローン大戦の初期におけるグリーヴァス将軍の最大の役割は、中立セクターに分離主義勢力のテリトリーを開拓することだった。戦前はドゥークー伯爵がそのカリスマと外交手腕によって、多くの惑星を分離主義へと導いていたが、戦争が勃発すると、もはやこのような繊細なやりとりは失われ、グリーヴァスが力によって惑星を奪い取っていったのだ。分離主義勢力の小艦隊を率いる<インヴィジブル・ハンド>は、瞬く間に遠方のアウター・リムや他の無防備な宙域で恐れられる存在となった。ウィーメル・セクターに恐怖のレオドアヴィアン脳の疫を放ったのも、惑星ハンバリーンに徹底的な爆撃を行ったのも、連合軍によるデュロ征服の際の攻撃を先導したのも、この<インヴィジブル・ハンド>である。また、<インヴィジブル・ハンド>の名が恐怖とともに知れわたると、狡猾な分離主義者たちはこの悪名を利用し、<ルーシッド・ヴォイス>や<コリコイド・スウォーム>などを<インヴィジブル・ハンド>の影武者として派遣することで、共和国の惑星に恐怖と混乱をもたらしたのだった。
デュロが陥落すると、連合軍は艦隊と戦力をコレリアに移動させ、グリーヴァスがコアへと向かう論理的な足がかりを築き上げた。そのため共和国は航路の防衛力を増強させたが、実際にはそれは陽動作戦だったのだ。どういうわけか、ダース・シディアスは共和国とジェダイの最高機密にも精通しており、銀河系の不安定なディープ・コアを縫って進む航路を入手していたのである。分離主義勢力の艦隊はこの非現実的な航路を使って星の密集した銀河系の最深部を慎重に進み、比較的無防備に近かったコルサントの側面への奇襲を開始したのだった。
コルサントの戦いにおける混沌と混乱は、共和国軍の複雑な指示系統を完全に麻痺させた。グリーヴァスはその間に地上へと降り立ち、ドロイド軍が共和国軍の陽動を行う間にパルパティーン議長の誘拐に成功する。だが、グリーヴァスの旗艦は上空で共和国艦隊の待ち伏せを受けており、コルサントからの脱出を阻まれていた。さらに、共和国のスター・デストロイヤー<ガーレイラ>による至近距離からの連続攻撃は、議長を軟禁した<インヴィジブル・ハンド>に致命的な損傷を与えることになる。2人の勇敢なジェダイの英雄、アナキン・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービがパルパティーン救出のため艦内に侵入してからも、<ガーレイラ>による攻撃は執拗に続けられ、制御を失った<インヴィジブル・ハンド>は目下の惑星の重力に完全に捕らえられてしまったのだ。
グリーヴァスは旗艦を捨てて脱出ポッドで逃走したが、2人のジェダイとパルパティーンに、墜落していく艦からの脱出方法は残されていなかった。やがて、<インヴィジブル・ハンド>の船体は重力疲労によって2つに引き裂かれ、コルサントの地表へと加速し始める。だが、アナキンは驚異的な操縦技術でなんとか体勢を整え、艦をコルサントの工業地帯にある不毛な滑走路へと不時着させたのだった。スカイウォーカー、ケノービ、そしてパルパティーンは、この危険な着陸を辛うじて生き延びたが、<インヴィジブル・ハンド>は完全に崩壊したのである。
銀河系全体を通じて最も一般的な種類の宇宙船は、乗客や貨物を運ぶ目的のためだけに作られた輸送船である。そして乗客を運ぶ輸送船にも、一握りの人々を短期間だけ乗せることのできる小型船から、数百人の旅行者に何標準年にもわたる旅を提供できる大型クルーザーまで、様々な種類の船が存在している。貨物船の種類も同様に多種にわたっており、その設計は運ぶ貨物の性質によっても変わってくるのだ。
クローン大戦の勃発当時、銀河系で最も有力な組織の1つだったテクノ・ユニオンは、こうした2つの目的を併せ持った輸送船による大規模な船団を保有しており、やがてそれらは独立星系連合の広範囲におよぶ任務にも使用されていった。見た目や設計思想に関係なく、テクノ・ユニオンの輸送船はすべてビジネス上の取引きや資源の獲得、取引先金融機関からの資金調達などを行うために星系間を往来している。これらの船はすべてにハイパードライブ・システム、標準的な防衛用装備、高性能な生命維持システムが装備されており、さらに完全装備のキッチンや、無重力寝室など、多種にわたるエイリアン種族にとっても快適な環境が用意されているのだ。テクノ・ユニオンはスカコアンの巨大な派遣団によって設立され、運営されているが、このエイリアン種族はほとんどの訪問先惑星で圧力調整スーツを着用しなければならず、そのためテクノ・ユニオンの輸送船の内部はスカコアンたちが重い圧力調整スーツを脱いでも快適に過ごせるように調整されている。
テクノ・ユニオンで最もよく目にする輸送船は、ロケットのような形状をしたハードセル級の宇宙船である。この船のメイン区画は大量の貨物を格納できるように設計されており、縦長の卵形デザインが採用されている。一方で、この船の基本推進機構は6基のスラスターが連なった巨大な推進装置であり、これによって素早く惑星の大気圏を脱出することが可能である。これらの推進装置はその大きさと出力エネルギーの高さから、周囲の環境に多大な被害を与えるが、テクノ・ユニオンはこの船によって引き起こされる環境被害や騒音公害のことに全く関心を払っていない。さらに大きな問題として、ハードセルは惑星の重力圏から脱出する際にリパルサーリフトを使わず、完全に火力に頼っているため、驚くほどに燃費が悪く、惑星から1回飛び立つたびに数万ガロンもの液体燃料を消費してしまうのだ。同様に、この船はイオン・エンジンも搭載していないため、宇宙空間に到達してからの動きもぎこちない。だが、こうした数々の欠点にも関わらず、この輸送船がテクノ・ユニオンの幹部たちの間ではある種のステータスとなっているのも事実である。
テクノ・ユニオンは、ドゥークー伯爵と彼の独立星系連合の理想に忠誠を捧げた最初の組織の1つである。事実、テクノ・ユニオンはジオノーシスにいくつもの工場を所有しており、そこで連合のための兵器を数多く製造している。そして、ドゥークーがジオノーシスで独立星系連合の設立を公式に宣言する会合を開催したときも、テクノ・ユニオンはワット・タンバー代表を送り込み、彼は個人で所有する専用のハードセル級輸送船でジオノーシスに到着したのだった。パラノイド気質のタンバーは自分の船に強力な偏向シールドと一連の同調式スキャナ装置を装備しており、船の内部にある欠陥(おそらくはテクノ・ユニオンの内部にいるライバルによって仕組まれたものである)を常に走査している。また、この船は本来の亜空間エンジンもそのまま残してあるが、極めて高性能なハイパードライブ・システムが搭載されており、一瞬でハイパースペース・ジャンプの計算を行うことが可能である。事実、ワット・タンバーはこの能力のおかげで、共和国軍がジオノーシスに到着した際に、この岩と砂漠の惑星からすぐに脱出することができたのだ。
ダイアモンド級クルーザーは、コマース・ギルドによってクローン大戦前から使用されていた輸送用クルーザーである。この半円形の宇宙船は3基の亜光速ドライブを搭載しており、クローン大戦の序盤では分離主義勢力の艦隊の一部を担っていた。
コマース・ギルドによって開発されたこのクルーザーは、ホーミング・スパイダー・ドロイドやドワーフ・スパイダー・ドロイドを素早く戦場に展開させるための母船としての役割も果たしている。ダイアモンド級クルーザーは何千体ものスパイダー・ウォーカーを戦場へ投入する能力を有しており、コマース・ギルドにとって極めて価値ある兵器だった。武装は多数のレーザー・キャノンだけだが、貨物を搭載して離陸する際には、クルーザーのドロイドたちが援護射撃を行うことによって防御を補うことになる。
ジオノーシスでクローン大戦が勃発した際、コマース・ギルドは40隻以上の輸送船を保有しており、戦闘用兵器やギルドの要人を正式に発足した独立星系連合へと輸送していた。そして、共和国のクローン軍が分離主義勢力の本拠地を襲撃すると、コマース・ギルドのパイロットたちは迅速に離陸の準備を開始し、可能な限り多くの物資を運び出したのである。当初、ジオノーシスには41隻のダイアモンド級クルーザーが停泊していたが、そのうち36隻が惑星を脱出し、再び戦争への参加を果たすことができたのだった。
コマース・ギルドのシュ・マーイ会頭は改良型ダイアモンド級クルーザーを自身の旗艦として所有し、カステル、フェルーシア、ウータパウ、ムスタファーなどにある分離主義勢力の拠点間を移動する際に使用していた。また、第1次タイスの戦いでも、数隻のダイアモンド級クルーザーが使用されている。
銀河系に確固とした宇宙軍が存在しないという事実は、通商連合やコマース・ギルドといった裕福な者たちに大規模な私設軍の設立を可能とさせていた。そして、独立星系連合の結成に関する協定が結ばれたことによって、分離主義運動に賛同する主要な産業巨体は、互いの連携を強化することになったのだった。テクノ・ユニオンはコマース・ギルドから提供された軍需資源を活用し、前線で使用する大型艦船の大量生産を開始した。この船はコマース・ギルド支援船という名こそ与えられているが、事実上は連合軍の戦艦なのだ。こうしてドゥークー伯爵は史上まれに見る大規模な軍隊を完成させ、銀河系全域に戦渦を広げるよう命令した。コマース・ギルド支援船も、彼の支配下に置かれた無数の戦艦のほんの一部でしかないのである。
レキュザント級デストロイヤーは、分離主義勢力の艦船開発プログラムによって生み出された典型的な船である。比較的製造コストの低いこの支援用駆逐艦は、何隻かのグループで行動することが多く、4隻から6隻のチームで共和国軍のヴェネター級やヴィクトリー級のスター・デストロイヤーを苦しめていた。事実、この艦は大きさの割には重武装を施されている。艦首の底部に搭載された1基のヘヴィ・ターボレーザーをはじめ、4基のヘヴィ・ターボレーザー・キャノン、6基のヘヴィ・ターボレーザー・タレット、5基のターボレーザー・キャノン、30基のデュアル・レーザー・キャノン、12基のデュアル・ライト・レーザー・キャノン、60基の重点防衛用レーザーが装備されているのだ。だが、クワット・ドライブ・ヤード社製のマンデーターII級スター・デストロイヤーと互角に戦うには、1,000隻のレキュザント級デストロイヤーが必要となるだろう。
この船の外観は巨大な骨格を思わせる。というのも、乗員の大半はバトル・ドロイドによって構成されているため、上部構造は小さな居住区画を支えるだけでよく、薄く作られているのだ。また、この船の格納区画は極めて最適化されており、休止状態のバトル・ドロイドを最大で40,000体まで収納することができる。
インターギャラクティック銀行グループの財政的優位性を支えているのは、上層部の役員たちに蔓延する極度の偏執病が、彼ら自身の文化として深く根付いているという事実である。彼らは最新鋭の戦闘用ドロイドや軍事装備を購入し、莫大な資産を蓄えた金庫施設を厳重に警備している。さらに、金融資産の移動の際には強力な艦隊が護衛を務めており、これらの大型艦船は最も大胆な海賊にも、略奪行為を思いとどまらせるのに十分な抑止力を発揮している。こうした資産保護への巨額の投資によって、銀行グループは一般投資家に安心感を与えているのだ。また、銀行グループは情報漏洩や政府による介入にも強い懸念を抱いており、自分たちの通信ネットワークをホロネットから切り離して運用している。
銀行グループが金融取引に使用する通信経路は、亜空間とハイパーウェーブ・トランシーバーとの中継ネットワークによって厳重に保護されている。さらに、冒険心の強い泥棒がネットワーク破りに挑む代わりに、物理的なトランシーバーそのものをターゲットにした場合でも、そこには想像だにしない驚きが待っている。これらのトランシーバーは、強力な兵装によって守られた大型戦艦、ミューニフィセント級スター・フリゲートによって運ばれているのだ。
当初、これらの巡航艦は銀行グループの私設ネットワークの拡大や、顧客と金庫の間における健全な資産の移動などに使用されていた。しかし、クローン大戦が勃発すると、代表のサン・ヒルは銀行グループの独立星系連合への参加を決め、彼自身が有益な投資先だと信じるところへと艦隊を委ねたのである。だが、この艦隊によって維持される通信ネットワークの主な用途は軍事とプロバガンダの伝送であり、金融ではなかった。銀行グループの艦隊は連合軍の6角形の紋章で装飾され、共和国への大規模な攻勢に使用されたのである。
銀行グループ・フリゲートは重武装された戦艦であり、腹部には巨大なツイン・ターボレーザー・キャノンを搭載しており、グレードIIIの宇宙ステーションや小型の衛星を粉砕する火力を発揮するが、その一方でこの兵器は動きが遅すぎるため、自分より大きな戦艦に対してはそれほど驚異的な存在ではない。また、この船は他にも2基の長距離型イオン・キャノン、26基のターボレーザー・キャノン、20基のライト・ターボレーザー・タレット、38基の重点防衛用レーザー・キャノンを装備しており、さらに敵艦の通信装置や捕捉システムを撹乱させる妨害装置を有している。また、格納庫には150,000体以上のバトル・ドロイドを折りたたんだ状態で収容することが可能である。
クローン大戦が勃発するおよそ10年前、ドゥークー伯爵はジオノーシアンの大公、ポグル・ザ・レッサーとの協力関係を築くため、ジオノーシスを訪れた。希少な骨董品の収集家であり、艦艇の設計思想の研究家でもあるドゥークーは、そこでポグルの持つ古代ジオノーシアンの帆船に関する知識に感銘を受けたのだった。この新しい友好関係に敬意を表し、ドゥークーの抱いたジオノーシアンのテクノロジーに対する興味を促進させるべく、ポグルとその配下の技術者たちは、この元ジェダイ・マスターのための壮麗な星間帆船を建造することに同意する。そして、ドゥークーがこの船のために珍しい帆を提供し、2つの異なるテクノロジーが融合した神秘的な宇宙船、ソーラー・セーラーが完成したのである。
ソーラー・セーラーにおける最も重要な部品は、言うまでもなくその大きな星帆だが、これはドゥークー伯爵自らが、グリー・エンクレーブ近郊の骨董品業者から購入したものである。彼はグリーの謎めいた職人たちに古代の精巧な帆船を要求し、彼らに超光放射を利用した奇妙なテクノロジーを開発させたのだった。この星帆は広がると宇宙空間に漂う未知の形態のエネルギーを反射し、ややゆっくりとした亜光速度で船を航行させる。この帆の存在によって邪魔なパワー・ジェネレータを排除することができるが、ソーラー・セーラーでも離着陸の際に使用するリパルサーリフト・エンジンや、ハイパードライブは依然として必要であり、実際には帆が破損したときのための緊急用亜光速エンジンも用意されている。
壮麗な帆を除けば、ドゥークーの船は他のジオノーシアンの船とよく似た構造をしており、特にこの船体の外観は彼らの設計によく見られる独特な卵型を採用しているため、ジオノーシアン・スターファイターと極めてよく似ている。前面にはコクピットとなる球形モジュールも取り付けられており、通常はFA-4パイロット・ドロイドが操縦に当たることになる。また、船体下部に隠された一連のシールド発生装置は、循環式の3重構造を持つ偏向シールドを生成する。このジオノーシアンの斬新な技術革新によって、ソーラー・セーラーは長時間におよぶ敵の砲火にも耐えることができるのだ。
ジオノーシアン製の船の多くは、機動性の向上と至近距離からの攻撃のために、小型トラクター・ビーム発射装置とリパルサー・フィールド発生装置を利用したシステムを使用している。このシステムはジオノーシスを取り巻く小惑星のような近郊の物体を押しやったり、引き寄せたりすることによって威力を発揮する。ドゥークー伯爵のソーラー・セーラーにもこうした小型発生装置が84基装備されており、彼はこの装置を使って、周囲の小惑星や星間を漂う瓦礫を、追跡してくる宇宙船の通過点に向かって素早く投げ付ける方法を学んだのだった。
また、ソーラー・セーラーの狭い内部区画には、ジオノーシスとコア・ワールドの間を行き来するような長旅でも快適に過ごせるだけの設備が整っている。特に船内にある書斎には、銀河系マップや、事実上すべてのタイトルが揃ったデータブック、ホロネット受信装置なども用意されているのだ。
ジオノーシスの戦いが独立星系連合にとって不利な状況となると、ドゥークー伯爵はソーラー・セーラーで惑星から脱出し、深宇宙へと向かう。ジェダイ・スターファイターもすぐにそれを追うが、この追跡はジオノーシスの小惑星帯に阻まれたのだった。そのころドゥークーは小惑星帯を巧みに回避し、ハイパースペースへと消えていったのである。
ドゥークー伯爵は独立星系連合の組織を開始した際に、最大限の注意を払って同盟者を選んでいた。ドゥークーの最も忠実な支持者の1人はジオノーシアンの大公、ポグル・ザ・レッサーであり、彼の人民たちは連合軍のために無数のバトル・ドロイドを製造し、提供している。また、ジオノーシアンには自分たちの巣や工場を必死に守ろうとする遺伝的本能があり、ジオノーシスの至るところに点在する何十個所ものバトル・ドロイド製造工場も、獰猛なジオノーシアンの戦士たちと、ビーク=ウィングとして知られる強力なナンテクス級スターファイターの部隊によって厳重に守られているのだ。
他の多くのジオノーシアンの宇宙船と同様に、ジオノーシアン・スターファイターの船体は、柔軟なラミナスチールでできている。製造の際に熱したラミナスチールが船体を構成する部品の周りに注ぎ込まれ、後にそれが固まることで、かなりの衝撃にも耐えられる力強さと柔軟さを併せ持った、航空力学的なフレームが形成されるのだ。フレームが完成すると、ジオノーシアンの技術者たちは機体に武器やエンジンの球殻を取り付ける。これらの武器や球殻は完全なモジュール式になっており、技術者たちはこの戦闘機にエンジン・ブースターや高性能センサーなどの様々追加部品を取り付けることによって、特別な任務にも適応させることができるのだ。
標準装備のジオノーシアン・スターファイターは、1基のレーザー・キャノン・タレットを装備している。さらに、レーザー・キャノンの前方には100基の小型低出力トラクター・ビーム発生装置とリパルサー発生装置が配置されており、航行性能を安定化させると同時に、特に近距離における戦いでは、レーザー放火を誘導することで極めて正確な射撃精度を実現することが可能である。
また、ジオノーシアン・スターファイターはしばしばステルス戦闘機であると考えられている。なぜなら、この戦闘機は全体的に排熱をほとんど放出することが無く、敵に位置を悟られずに移動し、攻撃することができるのだ。事実、ジオノーシアンたちも惑星を取り巻く小惑星帯で敵を待ち伏せする際に、この特徴を利用している。
ジオノーシアンは無数のバトル・ドロイドを外界に輸出しているが、一方でナンテクス級スターファイターはすべて自分たちだけで使用しており、まったく外界に放出していない。なぜなら、360度の視界を有するビーク=ウィングのコクピットは、ジオノーシアンの生理機能のみに適応した特殊な構造をしており、他の種族には飛ばすことさえできないのだ。例えば、複数の複雑な制御ヨークの操作にはジオノーシアンの持つ天性の器用さが要求される。さらに、戦闘機とパイロットとの間の通信は、パイロットのマスクに組み込まれた擬似嗅覚装置を通じて行われるが、これも重大な状況の変化を伝えるためにジオノーシアンが独自に発達させた繊細な嗅覚を利用したものである。また、航行制御装置も彼らに固有のフェロモンを利用しており、マスクを通じてフェロモンのシグナルを解放することによって、遠くからパイロットに任務目的を伝えることができるのだ。
特別なパイロット階級を含むジオノーシアンの厳格な階級構造は、この戦闘機の効率をますます向上させている。実際に、戦闘機パイロットは巨大な巣の中で目立った存在となり、そこで彼らは生まれたときから戦闘へ果敢に突進していくように洗脳させられているのだ。この訓練の間に、成長途中の子供たちはこの戦闘機の特別な航行制御コンピュータとの絆を深めていく。こうしてパイロットと戦闘機は、戦闘時における反応時間を増加させる終生の絆を築き上げることになる。
共和国軍がジオノーシスを侵略したとき、ジオノーシアンは何千もの戦闘機を発進させて巣や工場の防衛に当たっていた。この戦いで侵略者たちは連合軍に圧勝したが、この攻撃もポグル・ザ・レッサーの共和国への怒りを増大させただけだった。ジオノーシアンはドゥークー伯爵の独立星系連合に対して絶対的な忠誠を誓っており、彼らの戦闘機は今後も銀河系全域の戦場で無数に使われることになる。
クローン大戦末期にコルサントへの攻撃を実行した分離主義勢力は、この最も大胆な奇襲での勝利を確実なものとするため、この戦いにこれまでとは大きく異なる最新鋭の艦船を数多く投入した。連合軍の戦艦のハンガー・ベイに群がっていたドロイド・トライ=ファイターは、合計で4基のブラスター・キャノンを持つ自動型戦闘機である。このドロイド戦闘機はスリムなヴァルチャー・ファイターほど大きくはないが、それでもより低速なARC-170スターファイターにとっては驚異的な存在だった。
トライ=ファイターの名の由来は、3基の主砲を安定させるための3枚のサポート・アームであり、これらのサポート・アームは、設計者たちの出身惑星に生息する凶暴な肉食獣の頭蓋骨から発想を得たものである。トライ=ファイターを設計したのは、恐るべきドロイディカを開発したのと同じ、肉食昆虫種族の設計者団体、コリコイド・クリエーション・ネストなのだ。また、その機敏さを支えている3基の独立したスラスターの配置も、トライ=ファイターの名に貢献している。
トライ=ファイターのドロイド・ブレーンは、ヴァルチャー・ドロイド・ファイターのものよりもさらに洗練されている。また、強力なエネルギー生成装置と高性能な通信装置によって、トライ=ファイターはハイパードライブを持たない完全自動化戦闘機としては並外れた行動範囲を誇っている。
クローン大戦の間、テクノ・ユニオンは独立星系連合におけるすべての最新鋭戦闘兵器の開発を担当していた。その成果の1つが、ケイト・ニモイディアやウータパウなどの惑星で見られる、滑らかな形状をしたテクノ・ユニオン・スターファイターである。
フィーサン・オットロー・スケーラブル・アセンブリーズ社で開発されたマンクヴィム814・ライト・インターセプターは、テクノ・ユニオンの所有する全自動型工場で大量生産されている。連合軍はウータパウを占拠し、この惑星を分離主義者たちの最新の一時避難所とすると、航空防衛力の安定供給を保障するために、このような工場を設立したのだった。
マンクヴィム814はシンプルな技術によって作られており、中央核融合炉が高速イオン・ドライブに動力とプラズマを供給しているだけである。磁化された方向舵がイオン噴射の流れに方向を与え、一方で小さなサイド・スラスターが操縦性をさらに向上させている。また、核融合炉は2基のレーザー・キャノンにもエネルギーを供給している。
この戦闘機を生産している工場では、パイロット・ドロイド・ブレーンは製造されていない。そのため、テクノ・ユニオン・スターファイターは単独航行ができず、通常は標準的なB1バトル・ドロイドがコクピットに搭乗することになる。
十分なシールド、安定した飛行を実現させる一連の強力なリパルサーリフト、そして兵装システムを完備したバクトイド・フリート・オードナンス社製HMP(ヘヴィ・ミサイル・プラットフォーム)ドロイド・ガンシップは、短時間のうちに破壊的な火力を放つことができる自動戦闘艇である。多用途タレットはそれぞれが個別の標的を追うことができ、一方でモジュール化された魚雷とミサイルは正確に爆弾を投下することができる。さらに、翼の先端部もモジュール化されており、任務に特化した追加兵器を取り付けることが可能である。
クローン大戦において、強力なリパブリック・アタック・ガンシップが華々しい戦果を上げると、独立星系連合軍もそれへの対抗策として円盤型のドロイド・ガンシップを開発したのだった。この大気圏内専用艇の平らな下腹部には重砲ポッドが並んでおり、遠方の標的にもロケットや爆弾を投下することができる。また前方の船鼻部には、それぞれ2基のレーザー・キャノンを搭載したツイン・タレットや、強力な前方掃射型キャノンなどのレーザー兵器も組み込まれており、さらに両翼の先端にもレーザー・キャノンが1基ずつ装備されている。
クローン大戦の間、これらのドロイド・ガンシップはキャッシークの戦いのような戦場に配備されていた。
独立星系連合に加わる以前から、企業同盟は目的を達成するために頻繁に暴力に訴える行為を繰り返していた。アウター・リムの惑星の地元住民たちが企業同盟の開発計画に反対したり、あるいは不当な商売の慣例に不満を訴えたりすると、企業同盟は利益を守るために躊躇無く巨大な戦車型ドロイドを投入していたのである。
企業同盟によって開発された全長6メートルを超えるNR-N99パースウェイダー級ドロイド・タンクは、単一のトレッド・ドライブ・モーターを用いて移動を行っている。このドライブ・モーターの両側には1本ずつの長いアウトリガー・アームが接続されており、ここに事実上あらゆる武器を装備させることができるのだ。クローン大戦の最中、企業同盟は従来からあるイオン・キャノンに誘導レーザーを組み合わせ、このアームに装備させていた。また、特別な任務の場合には、このイオン・キャノンやレーザーを震盪ミサイル発射管や誘導ミサイル、ダムファイヤー魚雷、サーマル・グレネード発射管に置き換えることもでき、あるいはドロイド兵を搭乗させるステップとして利用することも可能である。
タンク・ドロイドは加速性能こそ見劣りするが、地上での最大速度は実に時速50キロメートルにも及ぶ。通常、最高速度で走行しているときは、安定性を補助するためにさらに2本のアウトリガーを左右に展開させるが、これらは戦闘中にも、衝突や敵からの被弾による転倒を防ぐことに役立っている。
その大きさと速度から、タンク・ドロイドは短距離偵察機として使われることもある。このドロイドのステレオ式視覚スキャナは、激しい攻撃を行っているときでさえ、素早く敵の防御施設や地形的要素を見極めることができるのだ。また、このドロイドには追跡伝達装置が搭載されているため、クローン大戦における企業同盟の司令官はドロイドのあらゆる動きを監視することができ、司令制御受信機に直接命令を送信することも可能である。
企業同盟の執政官パッセル・アージェンテは、ドゥークー伯爵と協定を結んだ際に、これらのタンク・ドロイドによる軍隊を分離主義勢力へ提供することを約束した。そしてクローン大戦全般を通じて、タンク・ドロイドはホーミング・スパイダーやヘイルファイヤーなどの、より大きな戦闘用ドロイドを援護するために使用されたのだった。多くの戦闘で、敵の攻撃からホーミング・スパイダーの腹部を守るために2機のタンク・ドロイドが割り当てられていたが、1機のヘイルファイヤーを十分に守るには3機のタンク・ドロイドが必要となる。
タンク・ドロイドには雪原や森林惑星など、使用に適さない環境が多く存在するが、その一方で、都市エリアには数多く配置されており、その大きな機体で壁や壊れかけた建造物を突き破りながら侵攻を続けている。事実、タンク・ドロイドは独立星系連合で使用されているすべてのドロイドや艦艇のなかで、最も一般市民に恐れられていた機種であり、その理由は、これらのドロイドが持つパワーと無慈悲な性質にあるのだ。ホーミング・ドロイドは非武装の市民を無視するように作られており、また、ヘイルファイヤー・ドロイドは限られた数の弾頭しか搭載していない。しかし、タンク・ドロイドは単純に立ちふさがるすべてのものを破壊するようプログラムされており、心行くまで武器を発砲し続けるのだ。さらに、大戦末期になると、企業同盟はこのドロイドに音声モジュールを装備させ、さらに恐ろしさを増長させた。これらのタンク・ドロイドは、声で脅迫することによって、一発も火器を発射することなく、塹壕に隠れた敵を敗走させることができたのである。
グリーヴァス将軍は彼の旗艦である通商連合クルーザー<インヴィジブル・ハンド>などの大型艦船からなる全艦隊を指揮していたが、このような大型宇宙戦艦は惑星上での戦いにおいて非実用的である。グリーヴァスは、惑星の大気圏内に単独で侵入するために強力な宇宙戦闘機を使用していたが、そのデザインには彼のロボット・スケルトン的な風貌と同じように、滑らかな流線形と攻撃的な輪郭を組み合わせたものとなっており、彼の虚栄心をよく反映したものだった。
<ソウルレス・ワン>と名付けられたグリーヴァスの戦闘機は、武装された改良型ベルバラブ22であり、その製造元はマンクヴィム814を作り出したのと同じテクノ・ユニオン配下の製造企業、フィーサン・オットロー・スケーラブル・アセンブリーズ社である。この戦闘機はエネルギーを素早く冷却、循環させる速射型トリプル・レーザー・キャノンを2基搭載しており、破壊的な攻撃性能を保持している。
通常、この大きさと年式の船はハイパードライブを装備していないことが多いが、グリーヴァスには星間規模の機動性を維持する必要があった。そのため、より小型のジェダイ・スターファイターは超光速に到達するために外部ドッキング・リングを接続する必要があるが、グリーヴァスの戦闘機は最先端の光速エンジンを内蔵している。また、主船殻の側面前部にはイオン・エンジンが搭載されており、その中には機動性を向上させるための横方向の推進ダクトも内蔵されている。そして、後部に取り付けられた推進方向制御用安定板も、船の機敏さの向上に貢献している。
グリーヴァスは、自らの指揮下にある分離主義軍との接触を保持している必要があることから、この小型戦闘機に超小型ホロネット・トランシーバーを内蔵させた。これによって、彼は合法的なネットワークや、独立星系連合の「シャドウフィード」のような非合法ネットワークに接続できたのである。
ウータパウでの戦闘の間、グリーヴァスは彼の戦闘機を秘密の離着床プラットフォームに単独で放置していた。しかし、共和国のクローン軍による攻撃が開始されると、彼は宇宙空間へと逃れるため、ホイール・バイクに乗って隠されたプラットフォームへと駆けつけることになる。だが、グリーヴァスはジェダイの将軍オビ=ワン・ケノービの猛追を受け、プラットフォーム上で激しい殴り合いを繰り広げるのだった。最終的にケノービはグリーヴァスを始末し、彼の戦闘機を使ってウータパウを脱出することができた。オーダー66の発令によってクローンがジェダイの将軍の討伐を開始した後、オビ=ワンはこの宇宙船の通信装置を使ってジェダイの遭難信号である緊急コード9-13を発信し、ベイル・オーガナ議員の<タンティヴィIV>と合流することができたのである。
<ソウルレス・ワン>は、オビ=ワンが生まれたばかりのルーク・スカイウォーカーを連れてナー・シャダーへと飛び立つまで、<タンティヴィIV>のドッキング・ベイに停めてあった。彼はこの戦闘機をナー・シャダーの商人に売却することで、タトゥイーンへ旅するクレジットを手に入れ、残金をルークの養父母となるラーズ夫妻に託したのである。
やがて、<ソウルレス・ワン>はオビ=ワンのかつての敵であるサイボーグによって発見され、地元の帝国軍当局に匿名で通報されることになる。最終的に、このベルバラブ22はグリーヴァスの破壊された機械の体と共にジオノーシスにある皇帝の保管施設へと運ばれ、帝国軍のN-K計画へと再利用されるのだった。
ウータパウを占拠していたグリーヴァス将軍は、彼のドロイド軍がジェダイ・ナイト、オビ=ワン・ケノービによって発見されると、ホイール・バイクでの逃走を試みた。これは4脚歩行モードに使用する機械式の脚を装備した、環状の回転式バイクである。これらの脚の跳躍力は、起伏の激しい岩場や断崖の多いウータパウの地形を移動する際に、極めて有用であることを証明したのだった。
グリーヴァス将軍の回転式ツインホイールの乗り物は、ウータパウの非精錬金属を戦争兵器へと変える全自動型工場で作られた製品である。インターギャラクティック銀行グループの環状ホイール型ヘイルファイヤー・ドロイドのために考案されたテクノロジーによって、ホイール・バイクはウータパウの厄介な地形に非常によく適応することができたのだ。
ザグ星系のZゴモト・ターンブエル・グパット社によって開発されたツメウ6は、ホイールを動かす内部の巨大な逆回転チェーンによって生み出されるジャイロスコープ効果から、その安定性を得ている。このチェーン・リンクの特徴は、予備エネルギーを蓄えた組み込み式コンデンサーであり、これによって脚や、制御座席の反対側にあるダブル・ブラスターを作動させることができる。また、ホイール・バイクは柔軟な爪を食い込ませることで、斜面でも安定した姿勢を保つことができ、急な崖でもスムーズに登ることができるのだ。
グリーヴァスを倒すことはクローン大戦の終結へと通じるため、オビ=ワンはボーガと名づけられたウータパウの巨大なドラゴンにまたがり、サイボーグの将軍に対する非情な追跡を行った。オビ=ワンはグリーヴァスと並走し、そして将軍からバイクの制御を奪うため、彼のホイール・バイクへと飛び移る。するとバイクは制御を失って左右に揺れ、2人を離着床プラットフォームの近くへと放り出すと、縦穴の深淵へと落ちていったのだった。