ドレッドノートはクローン大戦以前に旧共和国で使用されていた旧型重巡航艦であり、ヴィクトリー級スター・デストロイヤーが登場するまでは、旧共和国軍で最大の戦艦だった。現在の標準的な戦艦と比べると低速、軽武装ではあるが、帝国軍と同盟軍では依然、何年にも渡って多くのドレッドノートが使用されており、事実、帝国軍で現在使用されている艦船の中では最も古いタイプのものである。
速度の遅さ、シールドの弱さ、エネルギー効率の悪さ、火力の低さ、必要人員の多さなど、多くの問題を指摘されたことから、帝国軍はドレッドノートの使用を段階的に廃止しようとしていた。財政的な問題はないが、現在では帝国軍にとってもこれらの戦艦を修復するよりは、全く新しいものを造るほうがコスト的に安上がりなのだ。
それでも、帝国軍で多く使用されている標準的なドレッドノートは旧共和国時代のものと明らかに違っており、大幅な武器系統の改良によって10基のターボブラスター・キャノン、20基のクワッド・ターボブラスター・キャノン、10基のターボレーザー・キャノンが装備されている。しかし、亜光速度が低いことは改良を受けた後でもさほど変わっておらず、ヴィクトリー級スター・デストロイヤーにかろうじて勝っている程度である。ハイパードライブやシールド装置もこのクラスの艦船としては不十分なものであり、操艦に16,000人もの乗員が必要とされることも大きな弱点になっている。
速度が低かったため、初期のドレッドノートには長期間の任務に必要な食料や備品のための巨大な貨物区画が用意されていた。しかし、技術の発達によってより高速なハイパードライブが開発されると、このような空間のほとんどが不必要となった。帝国軍はこれらの航行デッキを改造し、TIEファイターの1個中隊を格納できるようにしている。
ドレッドノートは帝国軍において様々な目的に使用されていた。例えば、帝国の権威をより強固なものとするために、あえてアウター・リムや技術水準の低い平和な星系を航行していたこともあるが、現在では主に帝国領内の星系パトロールや、物資の補給作業に使われているものが多い。
一方の同盟軍はドレッドノートに大幅な改良を施し、全く新しい艦船として利用している。主な改良点は亜光速度の向上であるが、船体重量を軽減させるために余分な装甲をすべて取り外し、大型のソーラー・パネルを装着させることによってエネルギーの供給量を増大させている。しかし、改造にかかる時間とコストが非常に高いことから、実際に完成したものはごくわずかでしかない。
そもそもドレッドノートの最大の欠点は人間の力に頼りすぎていることである。新しい戦艦の多くはドロイド化および自動化が進んでおり、人間の乗員は最小限に抑えられている。しかし、ドレッドノートは改造されたものでさえ、他の帝国軍の戦艦よりもはるかに多くの乗員を必要としているのだ。
かつて旧共和国は高性能従属回路を搭載させることによって、この弱点を克服していた。カタナ艦隊またの名をダーク・フォースと呼ばれた200隻のドレッドノートは、操艦に必要な人員を1隻当たり2,000人にまで削減することができ、旧共和国の権威の維持に大きな役割を果たしていた。しかし、この艦隊は突如として200隻の乗員すべてが謎の死を遂げ、行方不明となってしまったのである。そしてその50年後、スローン大提督の率いる帝国軍と新共和国との間で激しい争奪戦が繰り広げられることになる。
ダモリアン社製のキャラック級ライト・クルーザーは新秩序の初期の時代に開発された戦艦であり、現在となっては旧式だが、その独自の設計思想によっていまだに大きな信頼を得ている艦船である。キャラックは10基のターボレーザー砲によって、より強大な敵と十分に戦うことができ、戦闘機やミサイルからの防御用に使われる多数の小型レーザー・キャノンがその強力な砲撃を援護している。また、改修された艦にはトラクター・ビーム発射装置が取り付けられているものもあり、小型戦闘機との戦いでもその性能を存分に発揮している。
キャラックの最大の特徴は何重にも重ねられた隔壁と内部区画である。船体内部には独自のモジュール式生命維持システムが統合化されており、船体が破損しても最大数の乗員の命を救うことができる。事実、帝国軍の救助艇がキャラックの残骸を回収した際に、その中で生存者が発見されたという例は数多く存在しているのだ。また、当然これらの隔壁は船体をより強固なものとし、同程度の大きさの戦艦との戦いでも生き残る確率は高くなっている。しかし、動力装置周辺の隔壁は例外的に弱くなっており、直撃を受けるとかなりの確率で操縦不能になってしまう。
他にも、船内の区画化には大きな欠点が1つ存在する。このような防衛システムは非常に多くの空間を占有してしまい、その結果、キャラックは内部にハンガー・ベイをもたない軽巡航艦の中で、最も大きい艦船の1つになっているのだ。しかし、その代わりに外部に格納庫を接続することができ、1隻のキャラックは4機のTIEファイターを輸送することが可能になっている。
戦闘機の援護不足を補うため、キャラックには強力な亜光速エンジンが搭載されており、 Xウィングにも匹敵する、帝国軍の大型艦船の中では最も速い速度を誇っている。
現在これらの巡航艦は小型戦艦と同系列で扱われ、巡航艦としての任務以外には、平静なセクターのパトロールや偵察の任務に割り当てられている。また、古くなったものは重要な星系の総督やモフたちの個人的な輸送船として使われることも多い。
ブロードサイド級クルーザーは、クワット・ドライブ・ヤード社によって銀河内乱の初期に開発された大型艦船である。この船は帝国宇宙軍の長距離型ミサイル船として設計されていた。また、ブロードサイドは大半の機種で軽武装であり、乗員の数も少なくなっている。初期型は高価なダイアモンド・ホウ素ミサイルの弾頭を積んでおり、これらの広範囲に及ぶ爆発効果は、強固に守られた船団に対して非常に有効であることが示されていた。しかし、後続機種ではより経済的な震盪ミサイルが搭載されている。
KDY社の技術者たちは、この船には例外的なスピードと機動性は不要であると判断した。その結果、護衛を一切伴っていないブロードサイドと遭遇することはほとんどない。
戦争の副産物の1つとして急速なテクノロジーの発達が挙げられるが、クローン大戦当時にも戦艦造船技術は飛躍的な進歩を遂げ、両陣営によってより巨大な高速、重武装、重装備の艦船が開発されていた。開発競争は当然のように激しく繰り広げられ、片方が新しい艦船を投入すれば、もう片方の陣営も負けじとさらに優れた艦船を造り出す。そしてついに、過去200年の歴史を凌ぐほどの戦艦造船技術が確立されたのである。
さすがにこれらの多くは現在では既に旧式となり、新型艦に取って代わられてはいるが、こうした新型艦の多くもクローン大戦当時に設計製造されたものを確実に踏襲している。さらには、そのころに製造された戦艦でも、ヴィクトリー級のスター・デストロイヤーのように銀河の広範囲に渡って現役で活躍しているものもあるのだ。
旧共和国の技術者ワレックス・ブリセックスによって設計されたヴィクトリー級スター・デストロイヤーは、クローン大戦終結間際に製造された大型戦艦である。大戦中にはほとんど活躍を見せることがなかったが、その後数年に渡って初期の帝国艦隊の中心勢力となり、その後の主力がより巨大かつ高速なインペリアル級スター・デストロイヤーに置き換えられてからも、惑星の防衛任務などで十分な役割を果たしている。帝国宇宙艦隊の提督や戦術家たちはヴィクトリー艦を時代遅れの代物だと考えているが、同盟軍の奇襲部隊との戦いではいまだに十分に対抗し得る火力を備えているのである。
ヴィクトリー級スター・デストロイヤーは後継機のインペリアル級と同様に、惑星の防衛、惑星攻撃および地上部隊支援、艦隊戦、という3つの主な任務をもっている。しかし、インペリアル級が艦隊戦用に特化されている一方で、ヴィクトリー級は惑星の防衛および攻撃を第一の目的として設計されていた。ヴィクトリー艦の地上攻撃用の主な兵器は80門の震盪ミサイル発射管であるが、艦隊戦用に装備された10基のクワッド・ターボブラスター砲塔と40基のダブル・ブラスター砲塔も容易に地上攻撃へ転嫁させることが可能である。
ヴィクトリー艦の最も有利な特徴は惑星の大気圏上層に突入できることであり、これは新型スター・デストロイヤーには不可能な芸当である。これによって、より正確な地上砲撃が可能となり、惑星上空への逃走を試みる敵機の追跡も容易である。
逆に、ヴィクトリー艦は亜光速度が低いことが主な欠点となっている。オルデランの王宮技術者の手によるLFP9イオン・エンジンはスター・デストロイヤー・クラスの艦船を推進させるには非力であり、結果的に超高速な戦闘機の中に単独で置き去りにされてしまうことが多い。しかし、ハイパードライブの性能には素晴らしいものがあり、ハイパースペースへの突入およびハイパースペース航行速度では、コレリア製のデラクスフラックス・ハイパースペース航行起動システムによって帝国軍の他の新型戦艦に匹敵する性能を発揮している。
このようなことから、ヴィクトリー艦は近隣星系における海賊への攻撃などでは成果を挙げているが、同盟軍との戦いでは大敗を喫したことがあるのも事実である。実例として、ほぼ完全にヴィクトリー艦だけで編成された帝国軍第4機動中隊のデナブの戦いにおける敗戦が挙げられる。第4機動中隊は複数の小隊によって構成されていたが、より高速な戦艦から成る艦隊を率いていた同盟軍のグリザーノ中佐は1個小隊ごとに攻撃を集中させることによって敵戦力を分断させ、ヴィクトリー艦の艦隊を壊滅させることに成功したのだ。ヴィクトリー艦の各小艦隊は再結集できるほど素早く動くことができず、確実に勝っていたはずの火力を発揮することができなかったのである。
低速度という弱点の補強策として、ヴィクトリー級スター・デストロイヤーには敵艦を捕捉するための10基の強力なトラクター・ビーム発射装置が搭載されている。これらは重装備を施された塔の上に列状に取り付けられており、複数の標的を捕捉することも、1機に集中させることも可能である。
さらに、ヴィクトリー艦には護衛やパトロール用の戦闘機を2個中隊まで格納することができ、帝国軍はTIEファイターを運んでいるが、企業セクター共同体などで使用されているものの中には他の小型艇を搭載しているものもある。企業セクター共同体は250隻のヴィクトリー艦を購入し、セクター内の惑星防衛に使用している。したがって、これらの戦艦が予備の航行ドックで見られることもそれほど珍しいことではない。
また、後にはヴィクトリーIIと呼ばれる後継機種も開発されているが、クローン大戦終結後になると生産ラインから外されたため、完成したものはほんのわずかしか存在しない。それにも関わらず、レンディリィ・スタードライブ社のヴィクトリーIIスター・デストロイヤーはインペリアル級やスーパー級のスター・デストロイヤーの世代に強い影響を与えている。ヴィクトリーIが主として惑星攻撃用の戦艦だったのに対して、ヴィクトリーIIは宇宙戦を意識して設計されているのだ。
ヴィクトリーIIには亜光速度と操縦性を大きく増加させるホアシュ=ケッセル・エンジンが搭載されており、さらに通常装備に加えてイオン・キャノンと強力なトラクター・ビーム発射装置も装備されている。これらの組み合わせによって敵艦の通常戦力は確実に分断され、ヴィクトリーIIの強力な兵器に対して弱点をさらけ出すことになる。
ヴィクトリーIIスター・デストロイヤーは、TIEファイターの2個中隊を格納できる大型のハンガー・ベイをもっているが、最近の戦闘機不足とその高需要によっていくつかのハンガーは予備にまわされ、非戦闘艇も戦闘機として使われるようになっている。
この数少ないスター・デストロイヤーの主な任務はセクター内のパトロールである。ヴィクトリーIIは2隻または他の戦艦と共に定期的に、危険と思われるセクターや反乱軍や海賊の出没するセクターをパトロールし、それらの鎮圧に当たっている。
宇宙艦隊が存在する限り、文明の力と威信の象徴として利用される重武装、重装備の司令船も設計され、存在し続ける。これらは軍司令官や将軍たちによって指揮され、戦闘の潮流を変化させているのだ。新型スーパー・スター・デストロイヤーの最初の1隻である<エクリプス>は、ピナクル基地の戦いにおける皇帝の旗艦だった。そしてパルパティーンにとっては禍でしかないが、<エクリプス>はこの戦いで壊滅的な破壊を被ることになるのだった。
エクリプス級スーパー・スター・デストロイヤーの歴史には注目すべき価値がある。この艦はクローンとして蘇ったパルパティーン皇帝自らの手によって就航され、彼の命じた仕様が設計にも正確に反映されているのだ。この艦は超兵器の長い歴史における最新機種となった。当然、建造には何年もの期間が費やされており、最初の1隻である<エクリプス>の建造が着手された時期はホスの戦い後にまで遡る。エンドアの戦い後、多くの人々は艦船の破棄を提案していたが、それにも関わらずさらに多くのスター・デストロイヤーを建造しようとする動きも常に続いていたのである。
最終的なプロトタイプが完成したのはエンドアの戦いから6年後のことだった。この漆黒の合金製船体のなかには、重力井戸発生装置、改良型イオン・キャノン、反応速度を最大限にまで高めた新型高性能ハイパードライブおよび亜光速エンジンといった、この数十年で開発されたすべての重要な兵器技術が凝縮されている。洞窟のようなハンガーにはTIEインターセプター50個中隊、TIEボマー8個中隊、さらにはヴィクトリー級スター・デストロイヤー1隻を丸ごと格納することができる。また、<エクリプス>の全長は17,000メートルにもおよび、これは今までに建造された戦艦の中でも最大のものである。
搭乗している兵員もすべてが選りすぐられた精鋭たちであり、その中には新しく組織されたロイヤル・ガード部隊や、コンプノア直属のコンプフォース攻撃大隊も含まれている。また、5つのプレハブ式駐屯軍基地や100台のAT-ATに配置される支援要員も搭載されている。他にも皇帝は個人的なボディガードとして、ソヴェリン・プロテクターの一団を搭乗させていた。
<エクリプス>における最も重要な発展は、その主力兵器である。この艦の支柱には、デス・スターの主力兵器として利用されていたものと同等のスーパーレーザーが搭載されているのだ。デス・スターのスーパーレーザーは8つの独立したレーザーが互いの照準を合わせることで惑星を破壊するのに十分な力を発生させていた。これに対して、<エクリプス>のスーパーレーザーは単一放射型であるが、照準装置とエネルギー発生装置の発達によって、デス・スターで使用されていたものを凌駕する威力を実現させている。このビームには破壊的な力が充填されており、最も強力な惑星シールドを粉砕し、その閃光で大陸全体を焼き払うことができるのだ。
また、ソヴェリン級と名付けられたエクリプス級の低機能型も存在している(それでもなお、その威力は当初のスーパー級スター・デストロイヤーを圧倒している)。皇帝はこれらの戦艦による艦隊を構想していた。これらの中でも未だ建造中だった最初の艦が<ソヴェリン>であり、その他にも<オーターク>、<デスポット>、<ヘラシアーク>などが順次就航予定となっていた。エクリプス級とは異なり、ソヴェリン級にはTIEインターセプターが35中隊、TIEボマーが5中隊、AT-ATも75体までしか格納されていない。
ワールド・デヴァステーターはクローン技術を使って蘇ったパルパティーン皇帝が銀河系の支配権を奪回するべく使用した、驚異的な力を持つ惑星破壊兵器である。これ以前に開発されたデス・スターと同様に、ワールド・デヴァステーターは大型破壊兵器以上の能力を有している。この兵器は行く手に立ちはだかる生物や惑星をすべて完全に破壊するという、帝国軍の恐怖の象徴なのである。
ワールド・デヴァステーターのプロトタイプはグランド・モフ・ターキンによって設立されたモー研究所で研究され、その設計図はヤヴィンの戦いの数年後にターキン宛てに送られていた。だが、ターキンは既に初代デス・スターとともに滅んでおり、設計図は帝国軍の科学者ユマック・レスの手に渡っていたのである。レスは当初から物質を基本要素にまで分解する分子融合炉の基礎的アイデアを持っており、この設計図によってそれをより具体化することができたのだ。彼はワールド・デヴァステーターに関する手柄を自分だけのものにしようと画策する。そしてモー研究所の存在はターキンが厳重に隠していたため、この計画は容易に成し遂げられたのだった。
初代デス・スターの失敗に機嫌を損ねていた皇帝は、ワールド・デヴァステーターに関する報告を喜んだ。そして、レスはこの兵器の創造を、ベヴェル・レメリスクの名声を超えるチャンスとして受け止めていたのである。皇帝も彼のこうした野心を有効に利用していたが、ワールド・デヴァステーターの完成を見ることなく、エンドアの戦いで第2デス・スターと運命をともにする。結局、この超兵器が実用化されたのは、エンドアの戦いから6年後に皇帝が復活したときのことだった。
ワールド・デヴァステーターは惑星を滅ぼすわけではない。その代わりに、トラクター・ビームが地表を引き剥がし、分子溶鉱炉へと送り込む。吸い込まれた物質は溶鉱炉で分子レベルの非精錬素材にまで分解され、ワールド・デヴァステーター内のドロイドに制御された工場で利用される。すなわち、ワールド・デヴァステーターは標的となった惑星を噛み砕き、その惑星の資源を新たなる兵器の材料として再利用するのである。ワールド・デヴァステーターは数ヶ月で惑星を貪り食うことができ、その結果残されるものは大いなる恐怖でしかないのだ。
ワールド・デヴァステーターはハイパードライブとイオン・エンジンを使って深宇宙を移動するが、この兵器の主な役割は惑星の地表を吸収することである。中央ドロイド・ブレーンは帝国軍の様々な戦闘用艦船の設計図を蓄積しており、同時に内蔵された兵器工場の制御を行っている。ワールド・デヴァステーターはTIEファイターや巡航艦、さらには他のワールド・デヴァステーターをも製造することができ、事実、カラマリの戦いでは大量のTIE/D自動戦闘機を生産していた。
また、ワールド・デヴァステーターは惑星や小惑星を消費することによって成長することができる。一部の素材を自分自身に取り付けられる新しいパーツへと加工し、自らの機体を拡張するのである。ドロイド・ブレーンは独自の自作パーツを作ることができるため、十分に成長したワールド・デヴァステーターには、同じものが2つとして存在しないのだ。モン・カラマリへの攻撃の際に建造された<サイレンサー7>は建造されたなかで最大のワールド・デヴァステーターであり、その大きさはインペリアル級スター・デストロイヤーを遥かに凌ぐものだった。
ワールド・デヴァステーターを打ち破る鍵は、クローン皇帝の犯した致命的ミスにあった。この兵器が敵に奪われ、自分への脅威に転じることをひどく恐れていたパルパティーンは指令制御コード・システムを作り、この兵器を本拠地ビィスからの遠隔操作でいつでも自分の制御下に置けるようにしていたのである。しかし、このシステムを逆手にとったルーク・スカイウォーカーは、制御信号をR2-D2に解析させ、コードを偽造することによってカラマリのデヴァステーターの動きを止めることに成功する。そして新共和国軍はこの究極兵器を完全に破壊し、カラマリの崩壊を食い止めることができたのだった。
トーピードー・スフェアは包囲攻撃専用の大型戦艦であり、その唯一の製造目的は惑星防御シールドの破壊である。惑星の防御シールドは全域用、局地用に関わらず軌道爆撃から地表を保護しており、このような重装備の惑星はスター・デストロイヤーによる攻撃をもってしても容易に降伏させることはできない。したがって惑星の攻略には多くの兵員と時間を要することになる。
トーピードー・スフェアは小型デス・スターと言ってよく、その表面はシールドの放射を分析するための何千もの専用エネルギー受信器(DERs)で覆われている。一般に防御シールドのエネルギー分布は一様でなく、変則的な力やエネルギーの変動を受けて歪みが生じている。そのため、トーピードー・スフェアはまず惑星の軌道上に静止し、シールドの弱い部分を探すためにDERsを地表に向ける。20%以上の効力を失っている部分を発見することはほとんどないが、それでもトーピードー・スフェアが役割を果たすには十分である。
トーピードー・スフェアには逆円錐形をしたプロトン魚雷管が500門装備されており、10基のヘヴィ・ターボレーザー砲をとり囲んでいるので、実際に惑星シールドを破壊することは容易である。トーピードー・スフェアは目的の惑星に到着するとシールドを分析し、エネルギー密度の小さい部分とシールド発生装置の位置を同時に探査し始める。そして、プロトン魚雷の一斉射撃でシールドの弱点に穴を開け、ターボレーザーによる砲撃でシールド発生装置を破壊するのである。こうして他の戦艦による軌道爆撃が可能となるのだ。
しかし、それは素早くできた場合のことであり、実際にプロトン魚雷発射管を作動させるには100人の重火器技術者が必要となる。目標となる部分が6メートル四方を越えることはまずあり得ず、攻撃してできた穴も、現実には数マイクロ秒でふさがってしまう。したがって、ターボレーザーがこの時間内に攻撃できなければ、すべて最初からやり直さなければならないのだ。
この全行程の中で最も難しい作業は、シールド発生装置の正確な位置を突き止めることである。センサーも完全な防御シールドを貫通することはできず、トーピードー・スフェアの乗員は最初のエネルギーの出所を突き止めるために、シールド内のエネルギー波を観察しなければならない。
現在、トーピードー・スフェアは6機のみ運用されている。これらはたった1つの用途しか持ち合わせていないが、銀河内乱の時代にはそれが最も重要な能力となっているのだ。
ゴラン宇宙防衛ステーションは、現存する宇宙兵器の中でも特に注目すべきものである。通称スペースガン・モデルと呼ばれるゴランIは、民間の造船施設や植民地のような小さな集落の防衛用に設計された軌道戦闘ステーションである。新共和国はこれらをスルイス・ヴァン造船所に配備させていた。
ゴランIIは戦闘機や小型戦艦による攻撃に対抗するためのものであり、初代機に比べて攻撃力はそれほど増していないが、エネルギー・コアの効率が劇的に上昇したことによってシールドがさらに強力になっている。この宇宙ステーションは35基のターボレーザー砲塔と10基のプロトン魚雷発射装置、8基のトラクター・ビーム発射装置によって、ほとんどの戦艦と対等に戦うことが可能であり、クロスビーム構造と呼ばれるユニークな船体構造は、かなり大きな衝撃でも吸収してしまう。
ノヴァガン・モデルと呼ばれるゴランIIIはさらに強力な防衛ステーションであり、軍事設備や重要な民間施設の防衛に適している。これには50基のターボレーザー砲塔、24門のプロトン魚雷発射管、15基のトラクター・ビーム発射装置が装備されており、ゴラン・アームズ社の製品としては最大の宇宙ステーションである。
このような星系防衛ステーションの乗員には特別な精神力をもった独特な集団であることが要求される。彼らは自分たちが星系や施設の最後の防衛線であることを理解しておかなければならない。ゴラン・ステーションには宇宙船のような脱出装置が用意されておらず、敵の攻撃を避けることもできないのだ。その上どんな戦いであっても、攻撃側はまずゴランを最初の標的として選ぶため、乗員たちは宇宙での戦死を誇りに思うような常軌を逸したプライドを持っていなければならない。
バトル・ムーンの異名を持つ特別製の宇宙船<アイ・オブ・パルパティーン>は、スーパー級スター・デストロイヤーをも凌駕する大きさを持つ超巨大戦艦である。その外観は基本的には小惑星のような殻の内部に隠された宇宙ステーションであり、全自動攻撃制御機能によって莫大な火力を解き放つことができ、惑星を完全に破壊する能力を有している。パルパティーン皇帝がこの戦艦の建造を命じたのはヤヴィンの戦いのおよそ18年前のことだが、彼はこの船の存在を隠すため、完成と同時に設計に関わった科学者たち全員を投獄したのだった。この月ほどの大きさのある宇宙船は、標的に接近するまでハイパースペースを航行することができ、その後、通常空間に離脱する。そして、宇宙を漂う瓦礫片となって、目的の星系へと方向転換するのだ。
かつて<アイ・オブ・パルパティーン>に与えられた最大の任務は、惑星ベルサヴィスのプラワルにあるジェダイの包領を殲滅することだった。この地にはジェダイの子供たちが多数匿われており、彼らの存在は皇帝にとって大きな脅威だったのである。当時、ストームトルーパーの特別大隊がアウター・リムに属する敵対惑星に派遣されており、新しい宇宙船に回収されるのを待つよう命じられていた。そして、<アイ・オブ・パルパティーン>が彼らを回収し、ベルサヴィスを攻撃することになっていたのだが、ストームトルーパーたちは何が迎えに来るのかを何も聞かされておらず、その全貌を知る人物はパルパティーン皇帝ただ一人だったのだ。その後、<アイ・オブ・パルパティーン>を巡る皇帝の計画を察知したジェダイ・ナイトたちは、この宇宙船を破壊すべく、2人のジェダイ・ナイト、カリスタ・ミングとゲイスを派遣したのだった。
2人のジェダイは<アイ・オブ・パルパティーン>に対する破壊工作を行うが、ザ・ウィルと名付けられた人工知能の防衛機能によってゲイスが殺害され、カリスタもこの船の自動防衛システムに自らを犠牲として捧げることになる。その後、彼女はフォースを使い、メイン・コンピュータの全自動攻撃制御装置に自分の精神を同化させたのだった。カリスタはこの位置から<アイ・オブ・パルパティーン>を操るザ・ウィルを抑制し、付近を航行する船をすべて破壊することで、帝国軍の残党がこの船を再起動することを防いでいたのである。
やがてパルパティーンが銀河系でその影響力を振るい、その後エンドアで死亡するまでの何年もの間に、<アイ・オブ・パルパティーン>を待っていたストームトルーパーたちも死亡、あるいは各惑星の固有の防衛軍によって殺害されていた。その一方で、カリスタは船のコンピュータ・コアにある攻撃制御区画に存在し続けており、彼女がザ・ウィルを休眠状態にしていたため、30年にもわたってこの船は行方不明となっていたのである。
しかし、皇帝の愛人であり、「皇帝の手」と呼ばれる密使の1人でもあったロガンダ・イズマレンと、その息子イリクによって、<アイ・オブ・パルパティーン>は再び目を覚ますことになる。15歳の少年イリク・イズマレンは強いフォース感知能力を持っており、さらに機械類を自由にコントロールできる特殊な装置を体内に移植されていたのだ。彼の呼びかけによって<アイ・オブ・パルパティーン>は再び覚醒し、ザ・ウィルも本来の作戦を再開したのだった。
ジェダイ・アカデミーを設立したルーク・スカイウォーカーは、2人の弟子、クレイ・ミングラとニコス・マーと共にムーンフラワー星雲を訪れたとき、彼らは不意に<アイ・オブ・パルパティーン>の接近警報を起動させてしまう。彼らを帝国軍と誤認したカリスタは攻撃を行い、3人を惑星プゾブに座礁させたのだった。さらにこのとき、<アイ・オブ・パルパティーン>の自動捜索および回収システムが暴発し、事前にプログラムされていた任務の実行を開始する。しかし、本来回収するはずだったストームトルーパーは既におらず、船は各惑星に原住する種族たちを集めただけだった。その後、船内では様々な生命体が服従させられ、洗脳され、ストームトルーパーと化していく。その洗脳は彼らに、ジェダイ・ナイトを殺戮者や略奪者だとする誤ったイメージを植えつけたのだった。
危険な状況の中、ルークはこの船の秘密を解明しようとし、魂だけの状態となったカリスタとの交信に成功する。そして、彼は船を完全に破壊できる爆弾を発見するが、この船の破壊についてカリスタと話し合ううちに、彼女と恋に落ちるのだった。そして、ニコスとクレイが自らの命を犠牲にして<アイ・オブ・パルパティーン>を破壊し、その最後の瞬間に、カリスタの魂がクレイの体に乗り移る。カリスタはクレイの肉体を得て蘇ったが、既にジェダイの力を失っていた。だが、彼女はルークと共に第2の人生を歩むことを決意し、ジェダイ・アカデミーのあるヤヴィン4へと向かったのである。