ナブーの人々は素晴らしい第一印象を与えることを好んでいる。コルサントで暮らす人々が空を見上げたとき、壮麗なクロームに包まれたナブー・ロイヤル・スターシップの着陸する光景を目の当たりにすれば、感動せずにはいられないだろう。ナブーの統治者だけが使用できるナブー・ロイヤル・スターシップは、芸術と技術が融合した輝ける一例なのである。
ナブーの技術者たちによると、ロイヤル・スターシップは2つの主要な要素によって構成されているという。1つは船体フレームであり、もう1つはその他すべてである。シード宮殿宇宙船製造工場で作られた船体フレームは、単一構造の長くしなやかな船殻となっている。フレームは全体がクロームで覆われておリ、これもかつては放射線から宇宙船を保護するために必要な措置であるとされていたが、いまや由緒正しい伝統の証でもあるのだ。
エンジンから生命維持システムにいたるまでの宇宙船の残りの部分は、ヌビアン・デザイン・コレクティブ社から購入したものである。最も印象的なものは327ヌビアン・ハイパードライブとT-14ジェネレータの組み合わせであり、例えダメージを受けていたとしても、1回のジャンプでナブーからタトゥイーンへ移動できるほどの性能を有している。また、他の多くの大型で複雑なハイパードライブとは異なり、327は小型で容易にアクセス可能である。ジェネレータ自体も収容区画から床の上へ引き出すことができ、修理や診断チェック、あるいは完全に入れ替えるといった作業も簡単に行うことができる。
厳密な意味で、ロイヤル・スターシップは外交船であるため、武器の類は一切装備していないが、完全に無防備というわけではない。環境保護のためナブーで改良を加えたヒードン5亜光速エンジンは、多くの小型攻撃用戦闘機を凌駕する速度を出すことができる。偏向シールドも、複数のターボレーザー砲塔による全面攻撃など、かなりの衝撃にも耐え得るほど強力なものである。また、船体に組み込まれた複雑なセンサー・システムがあらゆる被害状況を即座に報告してくれるため、乗員は即座に被害個所を特定することができる。そして、船が攻撃を受けると、献身的な8体以上のアストロメク・ドロイドが修理へと向かうが、彼らは必要であれば宇宙船の外殻にまで進み出て、宇宙空間の真空や敵からの砲火のなか、ナブー王家を守るためにその勇敢さを示してくれるのだ。
ロイヤル・スターシップが星系外へ旅をするときは、常にナブーN-1・スターファイターの小隊が随行することになっている。ブラボー中隊の名で知られるこの護衛部隊は、王室のボディガードによって厳選された、王室警備隊で最も献身的かつ才能のあるパイロットたちだけで構成されているのだ。
アミダラ女王が王位に就いていた当時、ロイヤル・スターシップの専属パイロットはリック・オリエが務めており、他の乗員たちはよく訓練された技術者、技師、航法士、外交補佐官、科学者、甲板長らによって構成されていた。また、この船には侍女やボディガードなど、女王の側近たち全員を搭乗させることが可能である。そして、広大で空調の行き届いた衣装部屋には、女王があらゆる状況下で必要とする衣装が備わっている。後にアミダラが退位すると、同時にロイヤル・スターシップも退役となり、新しい君主ジャミラ女王のための新型スター・クルーザーが造られたのだった。
パドメ・アミダラはナブーの女王の座を退位したが、その後も銀河元老院の一員として民衆への奉仕を続けることになった。この魅力溢れる強い意志をもった若き女性は、元老院に増大する腐敗と戦い、多岐にわたる明確な使命を持って銀河系を旅している。そして、パドメの外交任務を補佐するべく、ナブー王室は彼女にシード宮殿宇宙船製造工場で造られた光り輝くカスタムビルドの宇宙船を与えたのだった。
ナブー・ロイヤル・クルーザーは、パドメが女王の座に就いていたときに使用していたロイヤル・スターシップに酷似しており、武器をすべて排除することでナブーの平和的信念を具体的に表現している。一方で、強力な偏向シールドによって船体を守っている点でもロイヤル・スターシップと同様であり、航行中には護衛のN-1・スターファイターを伴うことも多い。さらに翼の前縁にある充電ソケットには、4機以上のN-1・スターファイターを接続することができ、母船としての機能を果たすことも可能である。
また、このクルーザーには、ロイヤル・スターシップでも見られた親しみやすいクローム塗装が施してある。通常、このクローム塗装は選挙によって選ばれた時の君主のみが使用できるものだが、アミダラが元老院議員に就任したとき、ナブー王室は彼女に、これまでの奉仕に対するナブー国民からの感謝の意として、ナブー王室の象徴であるクローム塗装の船に乗って欲しいと強く要望したのだった。あらゆる意味で、パドメはこれからも常にナブー王室の一員なのである。
ナブーの他の多くの宇宙船と同様に、ロイヤル・クルーザーもまたヌビアンの部品をいくつか使用している。ハイパードライブ・システム、センサー配列、偏向シールド発生装置、亜光速エンジンなどは、すべてがヌビアンのテクノロジーに基づいたものである。これらのシステムには、ナブーの宇宙船フレームにそのまま導入できるよう、完全なアップグレードと様々な改良が加えられているのだ。
このクルーザーの持つ多くの特徴は、シードの技術者たちがナブー・ロイヤル・スターシップを原型として流用したものだが、パドメの新しい船を作る際に、彼らは以前の設計に対する改良も行っている。例えば、ロイヤル・クルーザーのシールド発生装置は、ロイヤル・スターシップのものと比べてより強力かつ効率の良いものとなっている。また、ハイパードライブの修理のためにパドメが足止めを食らうことがないよう、このクルーザーは全く同じ2基のヌビアンS-6ハイパードライブ・ジェネレータを切り離した形で搭載している。
身分の高い元老院議員であるパドメの生活は、常に危険に晒されている。そのため彼女はいつも護衛に身を守られており、ロイヤル・クルーザーにもタイフォ隊長をはじめとする忠実なボディガードたちのための広々とした部屋が用意されているのだ。また、この船の操縦に必要な乗員は操縦士と副操縦士だけだが、コクピットには航法士や、通信士官、シールド・オペレータなどの席も用意されている。そして、ロイヤル・スターシップと同様に、常時5体のアストロメク・ドロイドも修理や監視の任務に当たっている。
しかし、このような高度な性能も、ナブー・ロイヤル・クルーザーを邪悪な暗殺計画の犠牲から守ることはできなかった。ジオノーシスの戦いの直前、パドメとその側近たちが軍隊設立法案への投票のためにコルサントへ到着したとき、入念に計画された爆破テロによって、このクルーザーは粉々に破壊されてしまったのである。この事件によって、アミダラの囮を務めていた侍女のコーデを含む7人の乗員全員が殺害された。この爆破はパドメに恨みを持つ通商連合のヌート・ガンレイ総督の依頼を受け継いだ賞金稼ぎ、ザム・ウェセルによって実行されたものである。そのため、彼女はその後の移動手段をより小さなナブー・ヨットに頼らなければならなくなったのだった。
通商連合によるナブーの占領は、この惑星の歴史における一時的な悪夢でしかなかった。だが、この事件がナブーで暮らす平和な人間たちに、彼らの防衛と戦闘に関する能力の再評価を強いる結果となったのも事実である。ナブー王室警備隊のパナカ隊長が率先して払ってきた努力のなかで、ナブーの人々は惑星シールド発生装置からイオン・キャノンに至るまで、数多くの慎重な防衛網を築きはじめた。そして、防衛に関する最も重要な工夫の1つは、ナブーの高官たちを素早く銀河系全域に避難させるための新しい宇宙船を、安定した状態で供給できる体制の確保である。
ナブーの人々によって開発された数多くの輸送船の1つがロイヤル・ヨットだった。この船は確固たるナブーの標準にしては謙虚な機種であり、全長は50メートルにも及ばず、幅も最も広いところで8メートル足らずしかない。そのため部外者の余計な関心を引き付けることなく、銀河系を横断して旅することができるのだ。ロイヤル・ヨットは細い輪郭と保護されたエンジンの組み合わせによって凄まじい速度で航行することができ、センサー上にも可能な限りで最も小さな陰影しか残さない。また、このヨットはナブーで入手できる最も強力なシールドを装備しており、パワーを失う前に猛烈な攻撃を受けても十分に耐えられるようになっている。長距離送信装置を含む高性能な通信装置は、遠く離れたアウター・リムの隅々を相手にシグナルを送受信することができ、さらに最新式の航法コンピュータ・チャートに接続された頑強なハイパードライブ・システムによって、船を素早くハイパースペースに避難させることも可能である。その一方で、一握りの洗練された電気的対抗策と脱出カプセルも、最後の防御手段として残されている。
ロイヤル・ヨットは操縦士、副操縦士、航法士、通信スキャンおよびシールド技師、そして2体のアストロメク・ドロイドからなる乗員全員を支えることができるが、実際には1人だけで操縦することも可能である。このヨットは高級だがシンプルなシステムを採用しているため、極めて少ない整備で動かすことができるのだ。また、一連の便利な修理パネルが船内の全域に配置されており、パワー・ソース、配線ノード、コンピュータ端末、その他の重要な部品に対しても容易にアクセスすることができるようになっている。さらに冗長な発電装置や補助エンジン、階層型シールド・システムも用意されているため、事実上、このヨットが完全な航行不能な状態に陥ることはあり得ないのである。
ナブー・ロイヤル・スターシップと同様に、ロイヤル・ヨットもまた船体すべてが鏡のようなクロームに覆われているが、一般に、このようなクローム塗装はナブーを統治する王室の人間の宇宙船にのみ許されたものである。しかし、完成直後のロイヤル・ヨットが即座に特定の個人に与えられることはない。一方で、通商連合との戦争で果たした役割によって、パドメ・アミダラはナブー国民から永遠の感謝の気持ちを受けており、肩書きによることなく、ナブー王室の一員であると考えられている。その結果、彼女は極めて個人的な用途であっても、ほぼ常にロイヤル・ヨットを使用することが許可されているのだ。特にコルサントでロイヤル・クルーザーが破壊された後は、ロイヤル・ヨットがパドメの個人用宇宙船として使用されることになるのだった。
光り輝くクロームに覆われたJタイプ・ヌビアン・スターシップの一種であるスター・スキッフは、ナブーの伝統を受け継ぐ気品あふれた船であり、通常はナブーの選ばれた君主のために使用されている。だが、アペイラーナ女王は故郷の伝統を守りつつも、パドメ・アミダラに対する故郷からの感謝と賞賛の意を表して、議員にこの君主専用の装飾を使わせたのだった。
クローン大戦という混乱期に限ったものだが、おそらくナブー・スキッフに与えられた最も不穏な装備は、機体上部にある1対のレーザー・キャノンだろう。これはパドメ・アミダラが使用する船で唯一の武装でもある。このブーメラン型をした船には他にも、外付けのアクセス・グリルや変色したソセン7亜光速エンジンなど、騒然とした時代を微かに印象付ける装備が取り付けられている。
ナブー・スキッフは優雅だが、同種のロケット型をしたナブー・ヨットや、巨大なロイヤル・クルーザーと比べて、より汎用的な船である。操縦室は船頂部に位置しており、涙形を作る大きな翼の内部には、驚くほど広大なスペースが確保されている。倉庫区画には広々としたロッカーが数多く並んでおり、また、船内には小さいが装備のよく整った医務室も用意されている。
この船の操縦システムは標準的なナブーの設計思想に基づいており、同種の船の操縦に熟知している者であれば、容易に飛ばすことが可能である。そのため、パドメはもちろん、彼女が秘密の夫から贈られたプロトコル・ドロイドのC-3POでも操縦することができる。
ナブーは概して平和な人々だが、自分たちの境界線をパトロールする必要性は常に認識している。そして、首都シードの安全を保障するため、ナブー王室警備隊はフラッシュ・スピーダーなどの地上用車両を使用しており、同様に星系内を偵察する際には、快適なナブーN-1・スターファイターを使用することになる。
滑らかな流線型をしたN-1の外観は、曲線と流体力学的な形状に対するナブーの愛情を固守しており、ナブーの設計様式を示す最も良い一例となっている。また、クロームで仕上げられたフロントエンドは、パレードや祝典で飛行している最中にも陽光の反射によって美しく光り輝いている。このクローム加工はN-1を芸術品と言わしめるための純粋な装飾であり、ナブー王室に配属された高貴な戦闘機としての名誉の証でもあるのだ。
ナブーは自然豊かな故郷の惑星の環境保護に真剣に取り組んでおり、ナブー・スターファイターの設計思想からも、そうした意思がはっきりと読み取れる。N-1のエンジンは、放射線などの有害な排出物を極力抑えるため、通常より高温で燃焼させるように特別な設計が施されているのだ。また、エンジンの先端に付けられた長い円錐状の装飾には、無数のヒートシンクが取り付けられており、それ自体がエンジンのオーバーヒートを未然に防ぐための高性能冷却装置となっている。また、機体中央にある突起物はナブーのハンガー・ベイにある電気コンセントに接続することができ、戦闘機の充電や、任務に関する暗号化された命令書などの重要なデータの送受信を行うことができるのだ。
ナブーの戦い以前は、N-1は偵察任務や護衛任務、あるいは式典での飛行演習などを専門に行っていた。だが、女王の専用宇宙船に随行してコルサントへ向かうときのために、N-1は1,000光年の航続距離を持つヌビアン・モナークC-4ハイパードライブを装備している。同時に高度な生命維持システムとシールドによって、パイロットを大抵の状況から保護し、一方では標準的なアストロメク・ドロイドが能力調整や修理を補助している。また、N-1は比較的知能の高い自動操縦コンピュータも装備しており、ハンガー・ベイのコンセントやナブーの管制局から航法データを受け取ることが可能である。危機の際には、この自動操縦システムがN-1を直接事件現場にまで導き、あるいはパイロットを安全な位置に保つことができるのだ。
N-1のパイロットは、「ポリス・クルーザー」のコクピットに入って何百標準時間にもおよぶ飛行を行うなど、極めて広範囲な訓練を受けている。ポリス・クルーザーはN-1と際立つ類似性を持った青い宇宙戦闘機であり、王室警備隊の大気圏内における任務で幅広く使用されている。これらに装備された武器やシールドの威力は、N-1のシステムと比べるとやや劣るが、それでもなお恐ろしい戦闘機である。ポリス・クルーザーは王室警備隊の新兵たちによって構成されるエコー小隊によって、ほぼ独占的に使用されている。
本来、N-1は戦闘を目的として作られた機種ではないが、ツイン・レーザー・キャノンと完全装備のプロトン魚雷といういたって標準的な装備を持っており、宇宙海賊などの無法者との小規模な戦闘では大いに役立っている。また、これらの武器はナブーの戦いの際にN-1・スターファイターの中隊に十分な戦力を与え、通商連合のドロイド司令船と対抗させることを可能にした。事実、ブラボー中隊が無数のドロイド・スターファイターに対処している間に、アナキン・スカイウォーカーはプロトン魚雷でドロイド司令船を破壊することに成功したのである。
ナブー市民を守る使命を帯びた法の施行部隊、ナブー王室警備隊は、平和を維持する任務を遂行するために数々の改良型車両を使用している。銀河系に数多く存在する他の小規模な惑星防衛部隊と同様に、ナブー王室警備隊でも危機的状況に素早く対応できるランドスピーダーが最も多く使われている車両である。なかでも小型で小回りの効くフラッシュ・スピーダーは、王室警備隊の地上部隊で最も高速なランドスピーダーであり、軽微な戦闘向けの装備もなされている。
フラッシュ・スピーダーがナブー王室警備隊に初めて導入されたのはナブーの戦いの約30年前のことであり、同部隊の王宮警備兵が、より大型で機動性に劣るジアン・スピーダーを補う小型ランドスピーダーの購入を要求したときのことだった。そして、何種類もの機種をテストした結果、王室警備隊の技術者たちは、速度と確かな操縦性でよく知られるセラフの採用を決定したのである。
本来、セラフ級スピーダーは都市部における一般市民向けの移動手段として開発された機種である。このスピーダーは武装した王室警備隊の兵士2名を容易に乗せることができ、事実上、シード内のあらゆる個所を数分以内で結ぶことができるのだ。また、リパルサーエンジンは時速200キロメートルを超える速度を出すことができ、ナブー市街の道路上をスムーズに移動することも可能だが、岩の多い場所や、起伏の激しい地形での移動では多少不安定になってしまう。一方で、セラフには戦闘時に使用する回転式の追撃および防衛用ブラスターも簡単に取り付けることが可能である。
フラッシュ・スピーダーはシードに到着すると同時に広く受け入れられ、ケリンを始めとするナブーの他の都市にも素早く採用されていった。フラッシュ・スピーダーのおかげで都市の警察隊は狭い街頭をパトロールできるようになり、犯罪者の追跡や、他の様々な非常事態にも素早く対応できるようになったのだ。
しかし、平和なナブーでは、ナブーの戦い前にフラッシュ・スピーダーが戦闘に使用されることは極めて稀だった。極わずかな例として、ボーヴォ・ザ・ハットに雇われた武器商人たちを逮捕する際や、都市部に近づき過ぎた危険な野生動物たちを脅すために使用された程度である。フラッシュ・スピーダーの役割が劇的に変化したのは、通商連合による侵略が行われたときのことだった。シードが占領された後、王室警備隊の地下レジスタンス組織はこのスピーダーを偵察や、惑星全域に広がる反乱分子間の伝令に使用していたのだ。また、この戦いでアミダラ女王とパナカ隊長は、敵の目を避けてシードの秘密のトンネルに達する際にもフラッシュ・スピーダーを使用している。
王宮警備隊のフラッシュ・スピーダーは、その多くがナブーの戦いの際に通商連合軍によって破壊されてしまったが、彼らはより重武装の車両を多数発注し、さらに大規模な部隊を再編成している。フラッシュ・スピーダーは王宮警備隊の車両格納庫における重要な構成物であり続けているのだ。
また、銀河内乱の初期には、ナブー王室警備隊の所有するフラッシュ・スピーダーの一部が謎の失踪を遂げている。無論、それらは再塗装され、反乱同盟軍の手に渡ったのである。
ナブーの戦いより何世紀もの昔、この緑の惑星は絶え間なく繰り返された内乱に悩まされており、人間たちはいくつもの勢力に分断された王国で暮らしていた。やがてナブーの人々は終わりなき戦いによって被った激しい損失に嫌気が差し、ようやく1つの国家にまとまったのである。彼らは長い戦争の歴史を拒絶し、熱狂的な平和主義者となった。そして、ナブーは再び文明を築き上げ、この惑星の平和と平穏を守るための王室警備隊を組織したのである。
将来発生し得る暴力的行為を事前に防ぐため、ナブー王室警備隊は小規模な軍事機動部隊を設立し、犯罪者や他の反乱分子がトラブルを引き起こすことを阻止している。この車両部隊の中心的存在は、群集制御や荒地の周回、都市部での戦闘など、様々な状況を想定して作られた大型ランドスピーダーである。こうした戦闘用ランドスピーダーの作りと規範は何十年もの間に様々な変化を遂げているが、最新機種であるジアン・スピーダーもその代表作の1つとなっている。
ジアン・スピーダーはソロスーブ社製のV-19ランドスピーダーを改良したものである。ナブーのフラッシュ・スピーダーの主力機種であるセラフとは異なり、V-19は実際にソロスーブ社によって軍用と市民の移動用の両方のために開発されたスピーダーだった。V-19の中級規模の装甲プレートと強化された車体は、衝突事故が頻発する混雑した都市型惑星で人気を博している。ナブー王室警備隊も、この細い車体と重防備の推進ポッドによって、ジアン・スピーダーを重宝しているのだ。このスピーダーは武装した王室警備隊の兵士を4人以上乗せることができ、通常はこれだけでもあらゆる暴動を鎮圧するのに十分な人員となっている。
V-19がナブーに導入された当初、王室警備隊はこのスピーダーの前面に3基の連射式ライト・ブラスターを搭載させた。各ブラスターにはそれぞれ専用の補助パワー・ユニットが取り付けられており、スピーダーのメイン・パワー・ジェネレータが破損しても、継続して武器を使用することができるようになっている。また、王室警備隊は車体底部のプレートも強化しており、地雷や爆発、天災などにも耐えられるようになっている。さらに、司令機仕様のジアン・スピーダーには、戦術立案用のホログラム投影装置や、追加の通信装備も取り付けられている。
ナブーの戦いのとき、王室警備隊は36機のジアン・スピーダーを戦いに投入させた。そして、通商連合軍が侵略を開始すると、王室警備隊も素早くスピーダーを展開させるが、これらもAATとの直接戦闘には歯が立たないことが判明する。無傷のジアン・スピーダーで逃走できた兵士たちはほんの一握りでしかなく、その後、彼らはナブーのレジスタンス運動へと合流したのだった。そして、王室警備隊がシードの奪回に動き出すと、残ったジアン・スピーダーは慎重に配置され、単独のAATに対する奇襲作戦に使用されたのである。この攻撃は、アミダラ女王とその従者たちによるシード宮殿への侵入から敵の目を逸らすための作戦の一環だったのだ。
ナブーの海底深くで都市間を移動する際に、グンガンたちはボンゴとして知られる有機的テクノロジーによって作られた奇妙な潜水艦を使用している。ボンゴには小さな1人乗りの船から、長旅に使用される大型の「ヘイブリバー」まで、様々な種類があり、ジェダイ・マスター、クワイ=ガン・ジンとそのパダワン、オビ=ワン・ケノービがナブーのコアを通過する際に操縦したボンゴは、トリバブル・ボンゴと呼ばれる3人乗りの船だった。
ボンゴは、グンガンの設計技師たちが特殊な水中農園で育てている珊瑚に似た有機物を骨格として作られているが、そのすべてが手作りであるため、1つ1つが微妙に異なる外観をしている。船の外殻もこの骨組みによって構成されており、極めて頑丈にできているが、深海で遭遇する海の怪物による攻撃は耐えることはできない。また、船体には発電装置、誘導システム、乗客用シートなどが装備されている。大抵のボンゴ設計者は、彼らを取り巻く海の生物たちからデザイン上の発想を得ているため、結果的に多くのボンゴはイカや他の動物たちに似た形状をしており、その外観は優雅で美しい。
ボンゴの開発者たちは様々な種類の推進システムを実験しているが、最も広く使用されているシステムは、船尾に取り付けられた長い触手である。この触手は電動モーターの力で回転し、それによって掻き分けた水を電磁フィールド内で循環させることによって、船を前進させるのだ。また、ボンゴにはリパルサーリフトも搭載されており、多くのグンガンの都市に作られた特殊な構造のボンゴ・ベイを出入りする際に使用されている。
ボンゴの乗客たちは泡のような天蓋に覆われた小さな部屋の中に着席する。これらの天蓋の正体は流体力学的な静水場であり、オート・グンガ内の建造物を作る際に使用されたものとよく似ている。もし、ボンゴが他のボンゴとの衝突や、恐ろしい海の怪物との遭遇によって傷つくと、船体前方にあるコクピットを脱出ポッドとして使用することもできる。しかし、これにはごく限られたエネルギーしか充填されていないため、パイロットは迅速に地上にたどり着かなければならないのだ。
グンガンは相反する極間にエネルギーを注入することでこの静水場を生成しているが、ボンゴの場合、コクピットから突き出ている正に帯電した突起物と、乗員区画の周りにある負に帯電した受容器の間でエネルギーを移動させている。この静水場は活性化すると、空気を内側に保ち、水を完全に締め出してくれるのである。
ボンゴに見られる最も複雑な構造は、おそらくその浮揚システムだろう。ボンゴは船体の周りをスポンジのような静水房に覆われており、水に潜る際にはそれらの房の中に重い油が満たされる。油を吸ったスポンジは密度が高くなり、その結果、ボンゴ全体が水に沈むようになるのだ。逆に水面に浮上する際には、スポンジが油を締め出し、密度を船体の他の部分に拡散させることで浮力を得ている。この油はシステム全体で何度も再利用されることになる。
グンガンたちはボンゴを作る際に必要となるテクノロジーの大半を自分たちで築き上げているが、一部の電子機器や金属製の貨物コンテナなどは、ナブーとの取引きによって入手しなければならない。グンガン社会の縁で生きるグンガンの商人たちは、食糧や薬品と引き換えにこうした品物を調達しているのだ。
ボンゴは極めて高速に水中を移動することができ、ありとあらゆる目的のために作られている。例えば、貨物ボンゴには乗客用モジュールの代わりに貨物室が設けられており、グンガン軍の輸送用ボンゴ(トリバブル・ボンゴより遥かに大きい)には、少なくとも5人の武装したグンガンを乗せることができるようになっている。また、グンガンは娯楽用として、レースに使用されるモノバブル・レーシング・ボンゴも作っている。やがて、ボンゴのテクノロジーはグンガンに宇宙船の建造をも可能にさせた。彼らはボンゴのテクノロジーを応用して作られた宇宙船でナブーの衛星の1つオマー=ダンに到達し、そこを自分たちの植民地としたのである。
気難しいファランパセットに引かれて戦場へと向かうグンガン・バトル・ワゴンは、有機的に成長する戦車である。この原始的な戦車は、強力なカタパルトなどの、グンガンの地上戦用武器の再補給に使用されている。
グンガン・バトル・ワゴンの外観はほとんど車輪だけだが、これは不安定な地形を移動するときでも急激な揺れによる影響を最小限に抑えるための設計上の工夫なのだ。通常、グンガンたちは2種類のバトル・ワゴンを使用しているが、1つは巨大なブーマーを運搬する弾薬車として作られたものであり、もう1つはカタパルトを戦場へ運ぶために作られたものである。
ナブーの戦いの最中、ジャー・ジャー・ビンクス将軍はうっかりブーマーを満載したワゴンのカーゴ・ランプを開いてしまった。その結果、巨大なブーマーが戦場を駆け巡り、通商連合軍の戦車を次々と破壊したのだった。