ボサン・アサルト・クルーザーは新ジェダイ・アカデミーが設立された当初の時代、新共和国と残存帝国軍との間で和平条約が締結されてから、ユージャン・ヴォングによる侵略が開始されるまでの間に、ボサンによって開発された新型戦艦である。この戦艦は比較的平和な時代に開発されたため、多くの人々はこれらを資源の無駄遣いとして見ており、このような資源と時間があるなら銀河内乱で傷ついた惑星の復興に回すべきだという手厳しい批判も目立っていた。また一部の人々は、この戦艦がボサンの軍事的侵攻計画の表れであると主張し、コレリアをはじめとする人間の居住惑星への配置を危惧する声も聞かれていた。だが、ユージャン・ヴォングによる侵略が開始されると、ボサン・アサルト・クルーザーは一転してコア・ワールドの防衛に大活躍するようになり、瞬く間に戦艦としての価値を証明したのだった。
アサルト・クルーザーは旧共和国のヴィクトリーII級スター・デストロイヤーと同様に、前線で戦う艦船として設計されている。これらはヴィクトリーIIと比べてやや小型で細い形状をしているが、より近代的な艦船であり、あらゆる面でヴィクトリーIIを上回る性能を有しているのだ。高性能なイオン・エンジンとハイパードライブによって、この船は大型艦船の中でも優れた速度と機動性を誇っており、厚い強化装甲に加え、強力な偏向シールド発生装置も搭載されている。また、船体中央には戦闘機用の格納ベイがあり、船体の両サイドにもそれぞれ1つずつの発着および修理用パッドが用意され、合計で4個中隊の戦闘機を収容することが可能である。
クワット・ドライブ・ヤード社が帝国の軍事産業において果たしてきた役割は大きい。スター・デストロイヤーを始めとする様々な大型艦船の製造元であるKDY社は小型戦闘機市場にも一石を投じたいと考えていた。帝国軍がシーナー社製のTIEシリーズを主力戦闘機として使用している現状では、そのチャンスはほとんどないと思われていたが、KDY社の企画チームは数年前から独自の戦闘機を設計していた。そんな中、スローン大提督の敗退後も続けられた激しい戦いによって軽戦闘機の需要が高まり、ついにKDY社としては初めての戦闘機であるA-9警戒迎撃機の製造に着手したのである。
A-9は滑らかな外形をした短距離型軽武装戦闘機である。帝国軍で使用されている他の戦闘機と同様に、シールドやハイパードライブはすべて取り除かれており、さらに外装の一部と脱出装置までもが省かれている。このため、A-9は非常に小型かつ軽量にできており、その速度はTIEインターセプターやAウィングにも匹敵する。また、コクピットが単純化されたことにより、A-9は最も操縦が容易な戦闘機の1つにもなっている。これらは敵基地や低速戦艦の襲撃に大変有利であるため、A-9はエリート・パイロットたちの間でも人気機種となったのだった。
機体中央部のコクピット・ポッドには、カーバンティ社製のセンサー配列、兵装、全コンピュータ・システムが搭載されている。2枚の翼はそれぞれ強力なクワット・ドライブ・システムズ社製A-9x推進エンジンに連結されているが、この機体と同程度の長さをもつエンジンは動力装置内蔵型になっている。
A-9の搭載兵器は2基のブラスター・キャノンであり、その威力はXウィングを上回っており、それぞれが独立した動力装置を持っている。通常、これらは連動して発射されるが、独立操作が行えるように改造された機体も存在し、その多くは機銃を上下に90度動かすことによって地上物への攻撃任務において高い性能を発揮している。さらに、それぞれのキャノンも動力装置を内蔵しており、キャノンだけでなく機内のあらゆるシステムにエネルギーを供給することができる。そのためエンジンに不具合が生じたときでも、低速で帰艦することが可能になっている。
しかし、KDY社の思惑とは異なり、A-9の実戦での評価は期待したほどのものではなかった。確かにTIEインターセプターを超える速度は出るものの、それ以上の機動性があるわけではなく、さらに装甲があまりにも弱かったのだ。結局、A-9は帝国軍にとって同盟軍のAウィングと同様に用途の限られた戦闘機となってしまった。
もちろん、KDY社はより耐久性に富んだ改良型A-9の開発を進めたが、この戦闘機が新共和国の手に渡ってしまうことまでは予想していなかった。KDY社の工場の大部分は貧しい惑星の総督の管轄下に置かれており、その中の1人がアーバム・テヴ総督だった。彼女は自分の工場を安い賃金と危険な環境の中で奴隷作業所のように運営し、何の警戒もなしに星系内で最初の反乱を引き起こしてしまったのである。労働条件の悪化による疲労はついに労働者たちを新共和国との同盟へと駆り立て、新たな仲間とA-9を手に入れた新共和国にとってはまさに二重の喜びだった。新共和国は常にハイパードライブを搭載した戦闘機を使用しているが、A-9には妥協する価値が十分にあったのだ。また、技師たちはA-9を徹底的に研究し、その設計上の優れた部分を将来の戦闘機開発に取り入れようとしている。
かつての反乱同盟軍の戦力は非武装帝国艦船の捕獲に頼っていたが、現在ではこの状況も逆転している。スローン大提督の復帰に伴い帝国軍が新共和国艦船の獲得に励む中、新共和国同盟軍は戦闘中にそれらを守ることが難しくなっていることに気付き始めていた。このような要望に応じ、インコム社を抜け出し反乱軍にXウィングをもたらした技術者らによって設立されたフレイテック社は、新型戦闘機Eウィングを開発したのである。Eウィングは蘇った皇帝との戦いにおいて、まさに新共和国軍の切り札ともいうべき戦力になったのである。
フレイテック社製Eウィングは新共和国の完全な援助の下で設計、開発された最初の戦闘機であり、防衛用迎撃機として設計された強力な機種である。Eウィングはあらゆる宇宙戦闘機の中でも最高峰に位置しており、開発当初はその優れた機動性から、Aウィングのように帝国艦船からの護衛任務を想定されていた。しかし、Eウィングの最大の特徴は攻撃力であり、実際にBウィングやYウィングと同様の強襲攻撃を得意としている。機体は大きくはないが頑丈であり、精巧なBウィングのように壊れやすくもない。フレイテック社は構造を単純化するため可動型Sフォイルを取り除き、固定翼型を選択することによって、より信頼性が高くコストの低い戦闘機を完成させたのだ。しかし、実際のEウィングはその重武装によってコストが増加している。
Eウィングの主な武器は3基の連動式レーザー・キャノンである。2つは翼の先端にそれぞれ1基ずつ取り付けられており、もう1つはコクピットの上に装備されている。また、Eウィングはプロトン魚雷を16発装備しているため、中型攻撃艇や接近戦支援戦闘機としても優れた性能を発揮している。これらの重武装は大型艦船や大規模な軍事施設への攻撃にも適しており、新共和国の戦略家たちに速度の遅いBウィングに代わる新たな選択肢を与えたのだった。
Eウィングのもう1つの特徴は全面的に再設計されたハイパードライブである。インダストリアル・オートマトン社との共同開発によって、Eウィングは新型のR7アストロメク・ドロイドを搭載することが可能になっている。R7ユニットはより高度なシステムに対応できるように設計されており、EウィングとR7ユニットの組み合わせはXウィングとR2ユニットの連携システムを上回る性能を発揮することができる。
フレイテック社の技術者たちはEウィングの航行制御機構と動力調整機構に、最近まで不可能とされていた最先端技術を採用している。その結果、EウィングはTIEインターセプターと同等の速度と機動性をもち、強化装甲の衝撃吸収率はインコム社のXウィングを上回っている。事実、初期のテストでもEウィングは強固な耐久性を示しており、パイロットの技量に応じて素晴らしい性能を発揮していた。
Eウィングは信頼性の高い固定翼を採用しているが、戦闘時には可動翼が必須だと考える者も多い。そのため、Eウィングはレーザー・キャノンから動力連結器に至るまで、機体のモジュール化が進んでおり、新共和国の技術者たちはXウィングのときの半分の時間で解体、組み立てを行うことができる。
このようにEウィングは非常に優れた戦闘機だが、1つだけ問題点が指摘されており、武器系統に再調整を求められている。初期型モデルは武器系統にコイル状に化学合成されたティバナ・ガスを使用していた。多くの企業はより自然なスピン・シール法を採用しているが、銀河系の経済状態によって化学合成を選択するしかなかったのだ。しかし、その部分がエンジン排気にさらされたためにガス分子のスピン構造が崩壊し、武器の射程距離が大幅に減少してしまったのである。
通常なら共和国の技術者がただちに改良するのだが、この改造には数週間が費やされることが分かった。カラマリへの奇襲攻撃を見るように、もはや無駄な時間を費やすことはできず、技術者たちは武器の出力を3倍に高めることでこの問題に対処した。確かに危険を伴う解決策だったが、事態が続く間すべてのEウィングを修理しているわけにはいかなかったのだ。これらの改良型モデルはタイプBと呼ばれて識別されている。これ以後、特に問題は起こっていないが、技術者たちはパイロットが被害を受ける前に欠陥をなくしたいと願っている。
Kウィングは、残存帝国軍や他の脅威と戦い続けている新共和国のために、コーンセイヤー社が開発した最新型宇宙戦闘機の1種である。Yウィングの後継機に当たるKウィングが最初に披露されたのは、ヤヴィンの戦いの16標準年後に起こったブラック・フリート危機の最中のことだった。そして、この戦闘機はその後に起こった数々の抗争にも投入され続けている。
Xウィングを始めとする他の新共和国の戦闘機と同様に、Kウィングはある程度の万能性を維持する一方で、明確に戦闘用途を意識した設計をなされている。Kウィングに最も適した任務は、惑星上の標的や宇宙ステーション、あるいは低速な大型艦船などに対する至近距離からの正確な爆撃である。しかし、同時にこの戦闘機は有用な護衛戦闘機や短距離型偵察機にもなり得るのだ。
Kウィングは固定された大型の安定翼に2枚の推進翼が接続された特殊な形状をしているため、他戦闘機と容易に識別することが可能である。また、KウィングはYウィングと比べると遥かに重量があるが、安定翼と推進翼の間の接点に位置する主推進スラスターによって、Yウィングの最高速度に匹敵する亜光速度で航行することが可能である。さらに、主安定翼の後方付近に搭載された補助イオン・エンジンは、短時間の点火で非常に大きな加速力を生じさせることができる。しかし、この戦闘機はハイパードライブを搭載していないため、星間移動を行う際には<エンデュランス>などの大型母艦に格納されなければならない。
新共和国艦隊における相応しい役割として、Kウィングはこの大きさの戦闘機としては先例のないほど多種にわたる武器を搭載している。3枚の翼に散りばめられた18箇所の固定点に、新共和国の技術者は震盪ミサイル、フレシェット・ミサイル、亜光速魚雷、サーマル実弾頭、浮遊機雷など、様々な実弾兵器を取り付けることができたのだ。だが、主力兵器を実弾に頼るこのシステムには、明白な欠点も併せ持っている。最後の武器を発射した時点で、Kウィングはその圧倒的な火力を失うことになり、各種弾頭の再充填を行うため、ドッキング・ベイに帰還しなければならないのだ。ただし、Kウィングには主に敵戦闘機から攻撃を受けた際に使用する短距離型クワッド・ターボレーザー・タレットと、中距離型レーザー・キャノンも装備されており、両者は共に司令モジュールの上に取り付けられている。また、この戦闘機には偏向シールド発生装置も同様に装備されている。
大量の武器を搭載していることから、Kウィングの操縦には腕利きの砲手が必要とされ、パイロットと砲手はそれぞれ司令モジュールの両側にある小さなコクピットに乗り込むことになる。また、司令モジュールは脱出ポッドも兼ねており、翼部分から丸ごと切り離すことが可能である。しかし、ポッドはとても移動速度が遅いため、敵にとっては格好の標的となってしまうこともある。
Vウィング・エアスピーダーは、新共和国の兵器としては初めて、大気圏上層部での戦闘に特化して開発された戦闘機である。それまで新共和国軍における惑星大気圏内の空対空の戦闘は、T-47エアスピーダーやその他の類似機種に依存していた。残存帝国軍との戦いが続けられるなか、新共和国の技術者は、TIEボマーや他の宇宙戦闘機に対抗し得る航行能力を持った長距離型エアスピーダーの必要性を認識したのである。Vウィングが完成したのは、モン・カラマリの戦いの真っ只中でのことだった。
Bウィング・スターファイターを手がけたヴァーパインたちによって、スレイン&コーピル社の植民地で開発され、製造されたVウィングは、これまでのエアスピーダーの設計思想に劇的な改善をもたらした。Vウィングは標準的なリパルサーリフトにイオン・アフターバーナーを組み合わせることによって、想像を絶する速度を出すことができるのだ。このスピーダーの戦闘時における最高速度は時速1,000キロメートル程度であり、これはT-47と比べても明らかに見劣りする数字である。しかし、最高到達高度は実に100キロメートルを誇り、これはT-47の250メートルを遥かに凌いでいる。Vウィングの飛行高度は、ベスピンで使用されているクラウド・カーに匹敵するものなのだ。さらに、Vウィングは頑強なチャブ=イルワム社製スクラムジェット・ブースターを装備しており、それを起動することで、最高速度を時速1,400キロメートルにまで上昇させることができる。ただし、この速度での航行中は、急旋回等によって機体が崩壊する危険性をはらんでいるため、戦闘を行うことはできない。したがって、通常、スクラムジェットは敵機から素早く逃走するための最終手段として使用されることになる。
戦闘が開始されると、Vウィングは主に2キロメートルの卓越した射程距離を持つ2基の連動式ブラスター・キャノンを使用する。しかし、Vウィングは偏向シールドや他の防御手段を持っていないため、緊急用脱出シートは用意されているが、パイロットの生存率が高くないのも事実である。戦場で帝国軍戦闘機と戦う際には、パイロットは生き残るために、機体の速度と大きさを最大限に活用しなければならないのだ。
通常、Vウィングは惑星上の基地や大型宇宙船のドッキング・ベイなどに収容されていることが多い。しかし、Vウィングには宇宙空間を航行する能力が無いため、宇宙から展開される場合は、スレイン&コーピル社製のスピーダー輸送船で惑星の大気圏内まで運搬されなければならない。非武装の巨大なスピーダー輸送船は4機から6機のVウィングを運ぶことができ、収容されたスピーダーは輸送船が大気圏上層部に到達した瞬間に素早く発進させられる。
Vウィングは実に用途が広く、数多くの種類の任務に使用されている。これらは素晴らしいパトロール艇であり、敵の宇宙戦闘機による攻撃から、地上にある施設の防衛を命じられることも多いのだ。なかでも、Vウィングはより低速で機動性の劣るTIEボマーにとって、非常に効果的な武器であることを示している。また、Vウィングはその速度と大気圏上層部に隠れていられる能力によって、奇襲攻撃や待ち伏せ作戦にも大いに役立っている。モン・カラマリの戦いでも、Vウィングは無数のTIE/Dファイターや水陸両用艇を破壊し、帝国軍の戦力を分断させることに成功したのだった。
<レディ・ラック>はギャンブラーのランド・カルリジアンが所有する改良型宇宙ヨットである。ランドは太陽に焼かれた灼熱の惑星ヌクロンのノーマッド・シティで採鉱事業を開始したのとほぼ同時期に、この船をオーセリンの皇后から獲得したのだった。彼はすぐさまこの船を超一流の豪華ヨットに改造しようという一大計画を思い立ったが、ノーマッド・シティでの仕事が彼をその奇抜な発想から遠ざけたのである。
全長50メートルのこのヨットは、主船体から1対のエンジン・ポッドが突出したデザインをしており、各ポッドには亜光速エンジンとハイパードライブが1つずつ収容されている。また、ランドは常に獣のような力強さよりも、知略と騙まし討ちを好んでおり、<レディ・ラック>もその哲学を多分に反映したものとなっている。この船は一見すると無防備なレジャー用ヨットに見えるが、それこそが密輸業者たちとの取引きの際に決定的な優位性を与えてくれるのだ。密輸業者たちは瞬間的な決断をすることが多く、第一印象にあらゆる判断基準を委ねる傾向が強い。一方で、この滑らかな船体の下には極めて高性能なセンサー・システムが隠されており、前方の2つのセンサー配列とあわせて、<レディ・ラック>は信じられないほどの長距離からでも、船の接近を検出し、その船を特定し、内部をスキャンすることが可能である。こうして、ランドは事前に誰と取引きすることになるのかを正確に知っておくことができるのだ。
<レディ・ラック>の他の防衛手段は伸縮可能なレーザー・キャノンと1対のシールド発生装置だけであるため、センサー・システムは必要不可欠である。だが、ランドもこの船の武器と装甲プレート、シールド発生装置を増強し、より戦闘に適した船にしようと考えている。
ランドは<レディ・ラック>に隠された密輸品格納区画と、3種類の異なる船籍を持った応答機を装備しており、本当の船名を疑われること無く、宇宙港の税関をすり抜けることができる。また、ランドは長年にわたってこの船の従属装置を信じており、<レディ・ラック>にベコン・コール・ユニットを取り付けている。これが起動すると、ヨットのドロイド・ブレインが船を召還装置まで誘導することになる。召還装置はデータディスクほどの大きさのコントローラーであり、ランドはこれを常にベルトに携帯しているのだ。
ランドは常に贅沢な暮らしを好んでおり、<レディ・ラック>の内装にも贅を尽くしている。観測レベルには外付けのデッキが追加されており、その一方で内部区画には小さなジェット式瞑想プールや、いくつかの快適な寝室が用意されている。メイン・デッキにはダイニング・エリアやランドの専用シート、5部屋の訪問者用キャビンが用意されており、同様に脱出ポッド、ブリッジ、メイン制御システムが設置されている。この船は実際に生活の場としても十分な機能を有しており、事実、スローン大提督の攻撃によってヌクロンが壊滅的な打撃を受けた際には、ランドは<レディ・ラック>を一時的な避難所として使っていたのだった。
<ジェイド・シャドウ>は、新共和国の英雄にしてルーク・スカイウォーカーの妻であるマラ・ジェイドが所有する、最も新しい宇宙船である。マラの以前の愛機<ジェイド・セイバー>は、ダントゥイーンにおけるユージャン・ヴォングの侵略の最中に破壊されてしまったのだ。その直後に、彼女はランド・カルリジアンからこの汎用宇宙ヨットを受け取るが、これは彼が以前にスパイス商人から購入したものだった。この船を<ジェイド・シャドウ>と命名したのはランドの妻、テンドラであり、その理由は光沢のない灰色の船体にあるという。
他の多くの宇宙ヨットと同様に、<ジェイド・シャドウ>も頑丈なフレームの上に組み立てられており、その船殻はエンジン部分で大きく広がり、船首へ向かうにつれて、三角形の狭いコクピットまで先細りしている。マラ・ジェイドの協力者たちは力を合わせてこの実用主義的な船を改造し、新共和国のユージャン・ヴォングに対する戦争で役に立つ強力な武器へと変えたのだった。
この船の武器システムにはランドとタロン・カードも深く関わっており、伸縮式のAG-1Gレーザー・キャノンを搭載したのも彼らである。このレーザー・キャノンは広範囲に対応した発射アークを持つ小型タレットに取り付けられている。また、当初からこの船には隠蔽式のダイメック社製HM-8震盪ミサイル発射管が装備されており、それぞれのマガジンには8発ずつの高出力魚雷を搭載することが可能だったが、これらはランドの技術者たちによって1門に統合されている。そして、これらすべての武器はマルチ・オプション対応の照準コンピュータに接続されており、例えば「撃ち返し」の設定を行うことによって、照準コンピュータが自動的に<ジェイド・シャドウ>に対して発砲してきた敵機に攻撃を行うようにすることが可能である。
また、ハン・ソロも<ジェイド・シャドウ>の速度を向上させるためにツイン・イオン・ドライブの最適化を行っており、ハイパードライブにも<ミレニアム・ファルコン>に搭載されているものに匹敵するほどの改良を加えている。さらに彼はマラに、右舷および左舷の視覚スキャナを完備した高性能長距離センサー・シート、通信妨害装置、センサー妨害装置、偽装コード応答装置、短距離間で船を自動的に召還できる遠隔制御式従属回路を提供している。
また、マラはコルサントとアウター・リムの間でメッセージの送受信が行える高価なホロ通信装置を取り付けた。さらに、彼女はルークの助けを借りて、トラクター・ビーム発生装置を統合し、改良型宇宙戦闘機を収容できるよう、船尾のドッキング・ベイの再構築を行っている。そして、夫婦は力を合わせて自動操縦プログラム追加も行い、様々なパターンの回避飛行ができるようになっている。また、<ジェイド・シャドウ>は航行デッキのドロイド・ステーションにアストロメク・ドロイドを接続することもでき、多くのシステムを音声起動することが可能である。システム・データは網膜の動きに同調された控え目なホログラムとして表示され、パイロットの前方視線のちょうど外側にこれらの内容が配置されるようになっている。
<ジェイド・シャドウ>は様々な補助機能の存在によって、マラ1人でも操縦可能だが、ブリッジは操縦士と副操縦士、そして砲手が搭乗できるように作られている。乗員たちは巨大なトランスパリスチール製の天蓋の下に座り、息を呑むような宇宙の光景を楽しむことができるが、同時に敵の宇宙船の明瞭な姿を目撃することにもなるのだ。