旧共和国は軍事的手段をほとんど保持していなかったが、外交官や共和国保安部隊、あるいはジェダイ・オーダーが使用するための様々な艦船を保有していた。こうした艦隊に配備されていた頑強な船の1つがリパブリック・クルーザーであり、これは共和国の高官たちが使用するために特別に建造されたコレリア製の船だった。
コスト削減を謳ったリパブリック・クルーザーは、あらゆる意味で効率的かつ実用本位な宇宙船である。それまで元老院で使用されていた輸送船には、室温が調整された広大な居住区画や、その他の娯楽設備が整っていたが、カンサラー級クルーザーは比較的質素で控え目な作りをしているのだ。こうした理由から、この船は贅沢な船よりもシンプルな船を好むジェダイたちによって使用されることが多かった。
ナブーの戦いの直前には、オビ=ワン・ケノービとクワイ=ガン・ジンも、通商連合との交渉を行うという無益な任務に臨むため、<ラディアントVII>と呼ばれるリパブリック・クルーザーでナブーへと向かっている。<ラディアントVII>は34年間にわたって共和国に配備されており、しばしば平和的外交任務のため、ジェダイや特使、外交官らを銀河系のいたるところへ運んだのだった。だが不運にも、この由緒ある船はクワイ=ガンとオビ=ワンを通商連合のドロイド司令船に降ろした後、卑劣な連合の手によって破壊されてしまったのである。
ほとんどのリパブリック・クルーザーは、外交船であることを意味する深紅色に塗装されている。また、多種におよぶ乗客や高官たちに対応させるため、各クルーザーには様々な大気環境を提供するモジュール化されたサロン・ポッドが取り付けられている。このサロン・ポッドには独立した生命維持装置と各種センサーが整備されており、各任務の間に、エイリアンの元老院議員の居住区画として内部の環境を再調整することも可能である。さらに、サロン・ポッドは強化装甲によって保護されており、船の他の部分からも隔離されているため、あらゆる監視の目を避けた状態を維持することができ、きめ細かな交渉のための最良の舞台を提供することができるのだ。やがて共和国が滅んだ後も、機械工たちはこのクルーザーのサロン・ポッドを貨物モジュールや特別室、小型戦闘機用ドッキング・ベイなどに置き換える方法を見出している。
外交任務の最中には、船内に用意された一連の多目的通信装置を通じて交渉や平和的な話し合いを行うことができる。この装置は共和国内で使用されている何千種類もの言語に対応しており、ほぼすべての艦艇や施設に対してメッセージの送受信を行うことができるのだ。通常、このような外交船には武器が搭載されていないため、航行中の安全は一連の偏向シールドや、戦闘機による護衛に頼ることになる。また、万が一にもリパブリック・クルーザーが被害を受けるような事態が発生した場合には、船内にいる高官は1対の脱出ポッドを使って船外に逃れることも可能である。
共和国の力が腐敗によって弱体化していくと、元老院議員たちの間でも偏執病患者が蔓延するようになった。その結果、カンサラー級クルーザーでも機密保全と安全確保が最優先されるようになり、必要最低限の乗員しか搭乗させないケースも増えていったのである。一般に1隻のリパブリック・クルーザーに搭乗するのは、電文の解読を行う2人の通信士官、宇宙船によって必要不可欠な機能を監視する3人のエンジニア、操縦と航法の訓練を受けた2人の操縦士、全乗員の管理責任を有する艦長だけであり、他の機能はすべて様々な用途を持ったドロイドが担当している。特に機密性の高い任務や危険な任務の場合には、操縦士と艦長が1人ずつ乗り込み、他の仕事はすべてドロイドに任せることもある。
やがて共和国の財政がクローン大戦における戦費に移されるようになると、リパブリック・クルーザーもより広範囲におよぶ様々な任務に使いまわされるようになる。多くはダブル・ターボレーザー・キャノンと2門の震盪ミサイル発射管を装備させられ、共和国宇宙軍に就役させられていった。このような武装クルーザーの一部は、銀河内乱の時代になっても銀河系のいたるところで使用されている。例えば、密輸業者のリフ・ターラヌは、改良型コレリアン・クルーザー<デッド・レクニング>で密輸品を輸送することによって、反乱同盟軍を援助しているのだ。
スター・シャトルは大人数の集団を遠くの星系に安全に輸送することを目的として設計されたコレリア製の宇宙船である。この種の船は外交官の間では稀に見られ、危険なセクターでの安全な移動にも耐えられる強固な耐久性を有することから、裕福な人々の間では後の帝国の時代になっても重宝されている。一般に銀河元老院の重要メンバーはこのコレリアン・スター・シャトルで移動を行い、特に元老院議長には専用機も用意されている。しかし、パルパティーンの新しい官僚機構が旧共和国の財政を再編するに当たって、これらのシャトルは次第にやや魅力に欠ける(だがより適応性のある)スター・クルーザーに置き換えられていった。
スター・シャトルは強力な装甲およびシールドを装備しているが、一般に武器は一切搭載していない。また、このシャトルは通常200人の乗客を乗せることができるが、外交用の機体は客室を広くしてあるため、定員数はそれを下回っている。さらに格納庫には各乗客の個人用の乗り物を収容する十分なスペースがあり、そのため銀河内乱の時代には旧式のスター・シャトルが多数、反乱軍によって輸送艇として流用されることになった。しかし、このシャトルは重装甲と引き換えに多大な船内スペースを失っており、コレリア製の船によく見られるような多様性が大きく損なわれている。
クローン大戦前の共和国を揺るがす騒動によって、何百万もの市民が避難を余儀なくされた。セクターごと共和国を脱退した地域では、共和国に留まっていたいと願う人々が他の星系に移住しなければならなくなったのだ。銀河系で最もよく知られた惑星であるコルサントはこうした多くの人々にとって必然的な避難所となり、有名な宇宙港の搭乗ステーションは新たな訪問者でいつも賑わっている。
こうした移住者の流入は同時に多くの問題を発生させた。分離主義者たちによる危機が高まるなか、港は混雑し、文化的論争や疫病が蔓延し始めたのだ。安全性を考慮し、コルサントの入国管理委員会は入国者の文化水準に対する制限を開始したが、一方でナブー、モナスタリー、カラーバなどのミッド・リムに属する惑星では入国制限を緩和したため、多くの人々が新しい土地に定住することができるようになった。また、難民救済運動を行う組織も住む家を失った多くの市民のために移住を支援している。
コルサントからナブーへと渡る難民を満載した輸送艇の多くは、改修した有名メーカー製のスターフレイターであり、これらの大規模輸送艇はコルサントに見られる大型宇宙港に停泊している。アナキン・スカイウォーカーとパドメ・アミダラがナブーへ向かう際に搭乗したAA-9貨物艇<ジェンディリアン・ヴァレー>もこうした貨物船の1隻であり、旅客用に急遽改装された貨物船としては一般的な機種である。
AA-9の広々とした内部区画は、生物輸送への転用に際してほとんど改修する必要がなかった。ただし、客室には等級が1つしかなく、すべて3等船室となっている。本来、旅客船として設計された船でないため定員は不明だが、少なくとも30,000人の乗客を運ぶことができるという。
元老院地区の空でよく見られるエディカス級プラネタリー・シャトルは、元老院における外交任務で、正式な輸送手段として使用されていた船である。特に議長のオフィスに配置されたシャトルは、銀河元老院を表す青色で塗装されていた。これらのシャトルの使用には、ナブー危機の際のアミダラ女王のような議長の客に対して、敬意を払う目的もあったのだ。このシャトルの名称は、大規模なデス・シード病の蔓延を終わらせることに尽力し、後世に名を知られることになった、アンウィス・エディカス議長にちなんだものである。
クワット・システムズ・エンジニアリング社製のエディカス級シャトルは、コレリアン・エンジニアリング社(CEC)のカンサラー級スペース・クルーザーに対する、大気圏内専用船として作られた。クワット社を使うというアイデアは、このプロジェクトを監視する小委員会のメンバーだったパルパティーン議員による提案だった。パルパティーンは元老院がCEC社を優遇しているとして非難されないよう、発注業者の多様化を図る必要があると断言したのである。
エディカス級は独創的だが、調和の取れた繊細かつ一般的なデザインをしていた。安全面では、偏向シールドが乗客を守りつつ、洗練された保安設備が防音フィールドと電子走査に対する対抗策を提供する。これらの機能の詳細は機密事項とされており、知っているのは然るべき委員会のメンバーのみである。また、このシャトルのトランスパリスチール製のドーム型警備ステーションでは、保安員が絶えず空中を視覚スキャンしており、トラブルを早期に発見することができたのだった。
シャトル内にはさらなる機密テクノロジーも存在し、なかには悪意ある装置も隠されていた。パルパティーンがクワット社を選んだ真の理由は、彼と同社の非公式な関係にあったのだ。このシャトルの保安装備には盗聴装置も隠されており、その記録にアクセスすることができるのはパルパティーンと、彼が慎重に選んだ技術者だけだった。ヴァローラム議長も、先代のカルパーナ議長も、この装置については何も知らなかったのである。このシャトルが発表されてからというもの、議員たちは謙虚なナブー選出議員によってもたらされる予期せぬ見識に驚愕することになったのだった。
コルサントの混み合った上空では、あらゆる種類の無数のリパルサーリフト艇が利用されている。最も一般的なエア・タクシーは高速に移動できる小型で機敏な乗り物である。厳しい試験を通過した運転手によってのみ運転されるタクシーは、コルサントの自動航行スカイレーンから離れることのできる唯一の乗り物でもある。しかし、このような航行には、鋭い反射神経と衝突を回避するための高感度センサーによる信頼性が要求される。
パドメ・アミダラを狙う暗殺者が犯行現場からの逃走を試みたとき、アナキン・スカイウォーカーは流線型の黄色いエアスピーダーを拝借して追跡を行った。このオープン・コクピット型のスピーダーは変わった配色の塗装だけでなく、ちょうどアナキンが探していたとおりの能力を持っていたのだ。アナキンはこのツイン・タービン・スピーダーを器用に操縦し、ザム・ウェセルの二股に分かれたドラッグスターを猛追跡する。だが、最終的にザムを捕らえることができたのは、アナキンとフォースとの結びつきによるものだった。
前方に取り付けられたポッドレーサーのようなタービン・エンジンを見れば、アナキンがこのカスタム製の豪華ホット・ロッド・スピーダーを目に留めたのは当然といえるだろう。このスピーダーはヴォルジッド・セクターを代表するプレイボーイの政治家、サイモン・グレイシェイド元老院議員のために特別に造られたものだった。使用されているツイン・ターボジェット・エンジンは本来、アーガウの巨大な沿岸工事用リパルサー・トラックに50基一組で搭載されるように設計されたものである。これらのエンジンは機体を動かすための一連の推進ダクトを通じて空気を直接加圧する。また、このスピーダーには最先端の音響装置と高性能追跡装置も搭載されている。
アナキンがこのスピーダーを無断借用した後、状況を把握していなかったグレイシェイド議員は激怒し、当局を呼び寄せた。そこで調査官はあるセネイト・ガードの息子だった疑わしい若者レイメット・オーテムを逮捕する。無論、彼は無実なのだが、これはオーテムの波乱万丈の人生を彩る初期の出来事の1つに過ぎないのだった。
ナーグラッチ・エアテク社は、趣味没頭した銀河系の裕福な人々向けに、スピーダーやスピーダー改造キットを製造している、小さな独立系製造業者である。同社の製品はコア・ワールドの有力な人々や元老院議員たちの関心を惹きつけており、そのなかでもプレイボーイとして最も有名な人物がヴォルジッド・セクターのサイモン・グレイシェイド議員だった。彼は黄色いナーグラッチXJ-6を誇らしげに自慢しており、それに感化されたベイル・オーガナ議員も、さっそく赤と銀色のXJ-2を購入したのだった。
エアスピーダーはオーガナの趣味の1つとなった。彼はわずかでも自由な時間があれば、オルデランのガレージに篭り、スピーダーの様々な部品を改造していた。だが、彼は自分の愛機がお忍び旅行に使うのに好都合だと考えており、このエアスピーダーをオーグ・バネリィという偽名で登録していたのである。
そして数年後、元老院の緊迫した状態がますます強まるにつれ、ベイルがエアスピーダーを運転して過ごす時間も大幅に減っていった。しかし、クローン大戦が始まるまでには、彼はXJ-2をコルサントへ持ち込み、その操縦席で多くの時間を過ごすようになる。ベイルのスピーダーに登録された偽名は、彼の所在を知る議長のオフィスから隠れて、他の議員との内密の会合に出席する際に役立っていたのだ。
オーダー66が発令された夜、オーガナはこのスピーダーで炎の上がるジェダイ聖堂を調べに向かった。彼はこの虐殺現場から辛うじて脱出するが、その後、皇帝との戦いを逃れたヨーダを救出するため、再びXJ-2を使用することになる。
「オーグ・バネリィ」の追跡調査が行き詰ったため、帝国はXJ-2の真の所有者を突き止めることができなかった。最終的にベイルはエアスピーダーをオルデランへと持ち帰るが、その後も趣味として使い続けていた。しかし、共和国の再興を目指す同盟軍の組織という緊急の課題の前に、このスピーダーは早々と埃に埋もれてしまったのである。
やがて、娘のレイアがリパルサー艇の操縦のできる年齢に達すると、ベイルはXJ-2を彼女への誕生日プレゼントとして贈った。若き王女は父の慎重な監視のもと、高速スピーダーの操縦の基礎を学んだのだった。しかし、オルデランがデス・スターによって破壊されたとき、幾度となく改造されたXJ-2も、ベイルと共に宇宙の塵と化したのである。
コルサントの戦いの終盤、炎に包まれた大型宇宙船が大気圏に姿を現したとき、この都市惑星に暮らすすべての住民が大きな危険に直面させられた。分離主義勢力による集中攻撃によって、すでに惑星防御用シールドは破壊されており、崩壊した<インヴィジブル・ハンド>の巨大な残骸が救助部隊のパイロットの視界に入ってきたのである。彼らこそは、隕石の破片などによる壊滅的な打撃に対する、コルサントの最終防衛ラインなのだ。しかし、トラクター・ビームを装備した牽引船が最も大きな破片のいくつかを掴んだものの、一部は献身的なパイロットたちの警戒をすり抜け、地表へと向かったのだった。
ファイヤー・チーム3の救急ファイヤースピーダーは、空からのあらゆる脅威に備えるため、コルサントの広大な工業地帯の上空を飛び回っていた。これらのスピーダーはリパルサーリフト発生装置に加え、カバーに覆われたジェット・エンジンを装備しており、要求に耐え得る最高の速度を実現している。また、このスピーダーの天蓋は取り外しができるようになっており、激しい高温の中で短時間だけ内部を露出させることが可能である。そしてもちろん、非常時には不可欠な緊急夜行灯や、非常に大きな音を出す警報装置、サイレンなども備えている。
ファイヤースピーダーはスピードを制御し、地表へと墜落するグリーヴァス将軍の元旗艦に並んで航行していた。これらは翼の先端に取り付けられたノズルから高圧縮された難燃剤の泡を放出することで、炎の一部を消火することに成功したのである。そして、<インヴィジブル・ハンド>が何もない工業地帯の長い滑走路に墜落した後は、スピーダーの中から消防団の各チームが現れ、瓦礫の中を調査し、残っていた火災を鎮火させたのだった。