小規模な歩兵部隊を要するが、その惑星に対してアクラメーター級輸送船を送り込むことが現実的でないような特別な軍事行動が発生した場合、共和国はCR20兵員輸送艇を使ってクローン・トルーパーの小隊を宇宙の果てへと派遣している。コレリアン・エンジニアリング社製のCR20輸送艇は、当初、地方セクターの警備隊組織での使用を想定して開発されたものである。クローン大戦の勃発から約1ヵ月後、共和国はコレリアン・スペースの外側で過剰になっていたこの輸送艇を入手し、迅速に戦略的な攻撃ポイントへと移送したのだった。
このような用途で使用される船の最大の弱点は、惑星への出入り際に地上にいる敵からの攻撃を受けやすいことである。そのため、CR20はダブル・ターボレーザー・キャノンを2基搭載することで、反撃態勢を整えている。また、全長60メートルほどのCR20はリパブリック・クルーザーより小さいが、内部区画はより多くの乗員を収容できるように拡張されている。この船は最大で、40人以上のクローン・トルーパーと12台のスピーダー・バイク、およびそれらに付随する装備品一式を運ぶことができるのだ。また、この船の操縦にはパイロットが2名、通信士官が1名、そして3人の技術者が必要となる。
スレイン&コーピル製V-19トラント・スターファイターのプロトタイプは、ジオノーシスの戦いで初めて実戦投入された戦闘機である。V-19は極めて優れたスピードと機動性によって攻撃用戦闘機としての有用性を見事に証明し、共和国は増加しつつあるクローン軍の主力兵器にこの戦闘機を加えるべく増産を開始したのだった。ただし、共和国のクローン・トルーパーが卓越したパイロットになるには何ヶ月もの訓練を要するため、この戦争の初期にはそれほど多くのV-19が投入されていたわけではない。それでも、ムーニリンストの戦いの頃になると、パイロットたちはV-19で特に際立つ成果を上げるようになったのだった。
本来、V-19は短距離用戦闘機として設計された機体だが、後に共和国の技師たちはクラス1.0ハイパードライブを搭載し、護衛任務にも対応できるように改修している。一方で、この戦闘機のユニークな点は2対の折畳式の翼にある。V-19はこの翼のおかげで驚異的な機動性を確保しており、パイロットもスライド式の天蓋に容易にアクセスすることができるのだ。また、この翼には高性能リパルサーリフト・エンジンが搭載されているため、例外的な垂直離着陸(VTOL)を行うことも可能である。
ファイター・タンクのTX-130シリーズは、強大な共和国軍で使用される万能型地上用戦闘ユニットである。この機種は惑星における防衛線の維持から奇襲攻撃の戦闘に立つことまで、戦闘における数多くの役割を満たすことのできる多目的艇として、その完璧な性能を証明してきた。クローン・トルーパーとそれを指揮するジェダイの将軍たちは、クローン戦争全般でTX-130セイバー級ファイター・タンクを広範囲に展開していたのである。
クローン・トルーパー用に開発された第1世代のウォーカー型兵器より高速かつ機動性の高いTX-130は、主砲としてミディアム・レーザー・キャノンを1対搭載しており、パワーと火力のバランスを保っている。また、ファイター・タンクは第2の武器として震盪ミサイル発射管を装備しており、標的にロックした後、敵に向けて追尾型ミサイルを発射することができる。一方、外装甲も耐久性を十分に保っており、かつ操作性を維持するために軽量に作られている。
セイバー級タンクはクローン・パイロットによって操縦されることが多いが、実際には地上戦用に作られたジェダイ・スターファイターであるとも言える。なぜなら、このタンクはジェダイ・パイロットの並外れた力量を想定して設計されているのだ。TX-130は分離主義勢力のドロイド軍による熾烈な地上攻撃に対抗するために開発されたものであり、クローン大戦で銀河系全域に分散した共和国軍における前線での活躍を期待されていた。事実、メイス・ウィンドゥの攻撃チームは共和国インターセプターでジオノーシスにあるかつての分離主義勢力の防衛網を爆撃しており、アナキン・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービもラクサス・プライムでの戦闘でTX-130を操縦したのだった。
ロザナ・ヘヴィ・エンジニアリング社は、当初からTX-130を高度にモジュール化された機種として開発している。そのため、多くのジェダイが自分たちの専用ファイター・タンクに特別装備や任務に特化した武装を付け加えており、戦場でジェダイによる改造が施されていない機体を見ることは極めて稀である。また、ジェダイのパイロットはアストロメク・ドロイドを副操縦士として搭乗させ、頂部のタレットを無人にした状態で単独操縦を行っている。一方、戦闘時にクローン・トルーパーがTX-130を操縦する際は、砲手を含む3人の乗員が乗り込むことになる。
リパブリック・ファイター・タンクは最も強力な武器による殴打にも耐え得る反射型合成装甲を装備しており、さらにラウンドあたりに1ポイントから最大30ポイントの割合で再充電可能な統合型偏向シールドによって強靭な外装を支えられている。しかし、結果的にTX-130は短命に終わった機種であり、やがて銀河共和国が帝国へと推移した際に第一線から消え去った。帝国軍はAT-ATをはじめとする、より大型かつ重武装な兵器の投入を強く支持したのである。なお、クローン大戦時代には、TX-130SシリーズおよびTX-130Tシリーズと呼ばれる改良型バトル・タンクも存在していた。
AT-PTは本来、旧共和国時代に製造された1人乗りウォーカーの試作機である。たった1人の兵士でも、この全高3メートルほどの小さな2脚歩行機に搭乗するだけで、敵部隊を食い止められるほどの装甲兵士に変身することができるのだ。しかし、AT-PT計画はやがて中止となってしまい、帝国軍の技術者たちはこの設計思想を後のAT-ATやAT-STの開発に受け継がせるだけに留まったのだった。
AT-PTは当初から旧共和国地上軍の主要兵器になり得ると目されており、速度の点ではリパルサーリフトに敵わないものの、通常の地上基地を破壊することは十分に可能だった。この計画に携わっていた技術者たちは平地、浅瀬、ジャングル、山岳地帯、都市部などを自由自在に動けるウォーカーの開発に取り組んでおり、AT-PTは個々に調整された2本の脚のサスペンション装置によって、リパルサーリフトや一般車両が苦手とする急傾斜や障害物をものともしなかったのである。
AT-PTの外観は後継機のAT-STに良く似ており、中央の操縦ポッドとその両脇に取り付けられた2本の多関節脚によって構成されている。脚は通常は後方に畳まれているため前方に半分かがんだ状態で歩行することになり、操縦ポッドも関節部の位置にまで下がっている。しかし、戦場から脱出するときなど高速移動を行うときには上方へ伸ばすことも可能であり、操縦席を高くすることによって操縦士の視界を広くすることもできる。また、駆動装置はこの軽量機体に優れた安定性をもたらし、この点ではより大きなAT-STにも勝っているのだ。AT-PTの平地での最高速度は時速60キロメートルにも到達し、最大45度の傾斜でも登ることができる。
操縦ポッドは操縦士を厳重に守るための厚い装甲で覆われており、実際に小型火器や対歩兵用兵器などでは直撃しても貫通させることはできない。小さなサイド・ハッチの奥にある狭いコクピットは当然1人用だが、緊急時には外側にもう1人の乗員を載せて運ぶことも可能である。ポッドには旧式だが歩行のためのセンサー装置が用意されており、さらに武器系統と主駆動部ユニットの端末も装備されている。また、AT-PTの標準的な武装はツイン・ブラスター・キャノンと震盪グレネード発射管である。
旧共和国は小規模な部隊にAT-PTを割り当てる計画を立てており、その部隊は当時の地上軍に匹敵する戦力を持つことになった。AT-PTは小規模な軽機甲部隊と同等の活躍をしていたが、費用は確実に安く付いていたのである。さらにAT-PTの移動速度によってコムリンクによる通信可能範囲も広がり、この部隊は通常の地上軍よりさらに広い範囲をパトロールすることが可能になったのだ。
しかし、AT-PTは戦場での実践的なテストを一切受けずに終わってしまった。旧共和国のAT-PTの大半はカタナ・ドレッドノートに搭載されており、カタナ艦隊が消息を絶ったとき、AT-PT計画を促進させようとする動きも潰えたのである。