エンドアの戦いでパルパティーン皇帝が死亡した直後、爬虫類型エイリアン種族のシ=ルウクたちは、突如として辺境の帝国領バクラへの侵略を開始した。このとき、シ=ルウク艦隊を先導していた大型強襲艦が<シュリウィア>である。「シュリウィア」とは、彼らの言葉で「熟した卵」を意味しており、事実、この船は他のシ=ルウクの艦船と同様に膨らんだ卵型をしている。また、その表面は無数の恐ろしい兵器によって覆われており、モン・カラマリ・スター・クルーザーやインペリアル級スター・デストロイヤーほどの強力な防備はないものの、<シュリウィア>はキャラック級クルーザー<ドミナント>をはじめとするバクラ防衛艦隊を十分に苦しめたのだった。
シ=ルウクのシュリー級ヘヴィ・クルーザーの1隻である<シュリウィア>は、全長はおよそ900メートルの大きさを誇り、何十もの武器を備えている。搭載兵器は24基のヘヴィ・ターボレーザー、24基のイオン・キャノン、12門の震盪ミサイル発射管、そして12基のトラクター・ビーム発射装置だが、それぞれは帝国における標準品ではなく、シ=ルウクによる同等品である。さらに、<シュリウィア>には500機のファイター・バトル・ドロイドが搭載されており、彼らはこれらを強力な長距離攻撃用宇宙戦闘機として使用しているのだ。
戦闘の際、シ=ルウクたちは敵の船を捕らえることを最優先事項としており、破壊は無駄な努力だと考えている。その目的のために、<シュリウィア>は通常、イオン・キャノンを使って敵の船を無力化することに専念し、トラクター・ビームでそれらを巨大な発着ベイへと収容することになる。そして、彼らはエンテクメントと呼ばれる技術を用いて捕虜の生命エネルギーを取り出し、そのエネルギーをシ=ルウク製のコンピュータや、ファイター・バトル・ドロイドを含むドロイドの動力源として利用しているのだ。
当初、<シュリウィア>は艦内の最深部にデッキの大半を占有する広大なエンテクメント施設を1部屋だけ保有していた。この部屋は捕らえられた人間たちと、エンテクメントに使用される様々な機械類に溢れており、マスター・フィアウィルンが獲物から生命エネルギーを抽出する作業を行っている。だが、シ=ルウクたちはバクラの戦いの最中に、捕虜となったルーク・スカイウォーカーの持つフォース能力をエンテクメントに適応させることによって、何光年も離れた場所にいる人間たちを遠隔操作でエンテクできることに気が付いた。そのため、彼はプウィックたちに命じ、直ちに30にもおよぶエンテクメント施設の増築を開始させたが、結局は1つとして完成することはなかった。
<シュリウィア>の内部デッキは天井までの高さが5メートルほどあり、シ=ルウクの巨体でも自由に動き回れるようになっている。また、艦内にはやや小柄な種族であるプウィックたちや、シ=ルウクの保安ドロイドが使用する徐行路、アクセス・トンネル、螺旋状スロープなども無数に用意されており、この奴隷化された種族はこれらの設備を使って艦上でメンテナンスなどの日々の作業に従事させられている。さらに、シ=ルウクたちは艦内のあらゆる場所にスタン・トラップを仕掛けており、プウィックたちが重要なエリアに侵入したり、武装したりすることを防いでいる(このスタン・トラップは人間を死に至らしめるほど強力なものである)。一方で、シ=ルウクは洗練された人工重力システムを持っていないため、その代わりとして重力を安定化させ、エネルギー波を反発させる伝導性ネットを使用している。
<シュリウィア>に加え、シ=ルウクのバクラ侵略艦隊には全長400メートルのワーリフ級ライト・クルーザーが4隻、フウセン級プウィック・ピケット・シップが20隻、シナー級惑星強襲用空母(デキー級プウィック上陸船12機を含む)が1隻、ルウィック級工場船が1隻、そして、1,300体からなるバトル・ドロイド軍が含まれていた。この先遣侵略軍はイヴピッキス提督によって慎重に指揮されており、バクラの手薄な防衛軍を容易に撃破することができたのだった。この境界域の星系がシ=ルウクに陥落させられなかったのは、タイミングよく到着したルーク・スカイウォーカー率いる反乱軍の活躍による成果に他ならない。
最終的に<シュリウィア>はスカイウォーカー1人の活躍によって反乱軍に拿捕されてしまう。シ=ルウクの捕虜だった彼は、メインのエンテクメント施設を破壊して脱出し、その際に機関制御ステーションを使用不能状態にした。聖なる地(故郷ルウィック)以外の場所で死ぬことを恐れるシ=ルウクたちは、スカイウォーカーのフォースに立ち向かうよりも、船から脱出し、バクラ星系から逃走することを選んだのである。その後、反乱同盟軍はこの船のシールド・システムを改修し、軍用艦として利用している。その際にルークは、シ=ルウクの脅威を警告するために命を落とした少年、デヴ・シブワラの名誉を称え、この船を<シブワラ>と改名した。しかし、同盟軍の技術者たちはシ=ルウクを嘲笑するニックネームである<フルーティ>という名前を好んで使っている。
シ=ルウクのシナー級惑星強襲用空母は、彼らの侵略軍にとって必要不可欠な存在だった。シュリー級バトル・クルーザーとほぼ同じ大きさのシナー級空母は、全長およそ750メートルの卵形をした戦艦である。バクラ侵略艦隊はこの空母を1隻のみ擁していたが、シ=ルウクの主力戦闘艦隊に何隻のシナー級クルーザーが予備配備されているのかは知られていない。バクラに配備された空母は、ルーク・スカイウォーカーがバトル・クルーザー<シュリウィア>を拿捕した後、シ=ルウクの主力戦闘艦隊へと撤退していった。
通常、シナー級空母は目標となる惑星の防衛軍が壊滅的な打撃を受けるまで、後方で待機している。そして、軌道上に配置された後でさえ、これらの空母はシ=ルウク艦隊の中心部に隠れ、フウセン・ピケット・シップやワーリフ・ライト・クルーザーによる厳重な防備に守られることになる。シナー・クルーザーは低速で動力も劣っており、戦艦というよりもむしろ輸送船に近い。また、シールドも弱く、至近距離にまで接近してきた敵機から、容易な標的として捉えられてしまう。武装も、6基のイオン・キャノンと2基のトラクター・ビーム発射装置といった最低限の装備しか用意されていないのだ。
シナー・クルーザーにはデキー級上陸船用の離着床ベイが6個所用意されており、さらに捕捉した敵艦船を収容するための第2発着ベイも12箇所設けられている。第2ベイはメイン・ベイと比べて小さいが、敵の兵士たちを動けなくし、拘束するためのスタン・トラップや超小型トラクター・ビーム発生装置(これはまだエンジンが駆動している船に対して使用される)、高重力伝導ネットなどの設備が多数隠されており、非常時にはベイ全体に神経ガスを充満させることも可能である。また、各シナー・クルーザーの内部には、捕虜を迅速に処理するためのエンテクメント施設が10部屋程度備わっている。しかし、各施設にはエンテクされる犠牲者をなだめるフォース感知者が不足しているため、代わりとしてスタン・パネル、独房、神経ガス噴射装置などの高度に洗練された保安措置が用意してある。また、各施設にはエンテクされた生命エネルギーを必要なときまで蓄えておくための大型バッテリーも用意されている。
シナー・クルーザーに乗り込むシ=ルウクの人員は、操縦要員とエンテクメント施設の作業員を併せてもほんの60名程度であり、これは驚くほど少ない人数である。その他には、約500名のプウィックの奴隷と、約300体のエンテクされたドロイドが搭乗しており、シ=ルウクの補佐や、機械的な単純作業を行わされている。このように、搭乗者の大半がプウィックであるため、シ=ルウクたちは奴隷の反乱を警戒すべく、船内に多数の保安措置を施した。回廊や船室にはすべて保安用スタン・トラップが仕掛けられており、重力伝道ネットも艦内全域に複雑に張り巡らされている。これらの防御施策はブリッジやメイン機関室からすべて遠隔で操作できるようになっており、プウィックがほんのわずかでも反乱の兆候を見せると、シ=ルウクは直ちにこれらの装置を起動させることができるのだ。通常、シナー空母には艦隊が保有するエンテクメント・エネルギーの大半が貯蔵されているため、この船の保安システムは艦隊にとっても特に重要な存在である。この船を失うことは、侵略の最中にある艦隊にとって、おそらく最も深刻な被害となり得るのだ。
シナー空母には12機のデキー級プウィック上陸船が搭載されており、それぞれの船は100発の神経ガス爆弾で武装されている。これらの爆弾は人口の集中する主要都市の上空から投下され、高度3,000メートル付近で爆発し、およそ9平方キロメートルにわたってシ=ルウク製の神経ガスを拡散させる。デキー上陸船は2、3回の空爆によって、都市を完全に不能状態にすることができるのだ。この神経ガスは皮膚への付着や呼吸によって体内に取り込まれ、効力を発揮する。その効果は8時間以上にわたって持続し、獲物は意識を失うことは無いが、運動能力をはじめとするあらゆる自立活動を奪われることになる。
標的となった都市が完全に麻痺すると、デキー上陸船はエンテクメントの犠牲者を集めるため、地表に降下する。各上陸船には収監区画が用意されており、それぞれ10,000人程度の囚人を収容することが可能である。また、デキー上陸船はプウセン級ピケット・シップと同様に、シナー・クルーザーから高周波亜空間送信機を通じて遠隔操作されている。
シ=ルウクのバクラ侵略軍には、20機のフウセン級ピケット・シップが含まれていた。これらの小型武装船は、より大型のシ=ルウク製クルーザーによる攻撃支援や、敵艦船を航行不能とするために使用されており、その後、敵兵は捕らえられ、エンテクメントされることになる。また、これらの船はシ=ルウク艦隊の防衛線を警備するためにも使用されており、シナー級惑星強襲用空母がプウィックの兵員輸送船を展開させたときには、空母の護衛も行っている。
フウセン・ピケット・シップは全長45メートル程度の中型ガンシップであり、乗員はシ=ルウクに仕えるプウィックの奴隷たちによってのみ構成されている。これらは高速でもなければ機動性も乏しく、耐久性も極めて低い。事実、<ミレニアム・ファルコン>のクワッド・レーザー・キャノンであれば、容易にシールドを破り、船体を破壊することが可能である。そのため、フウセン・ガンシップは生存するために数に任せた戦法をとることが多く、通常は3機で1つのグループを構成し、敵機を取り囲むようにして攻撃を行っている。
シ=ルウクの技術者たちは厚い装甲プレートではなく、シールド発生装置に防御を委ねる設計を行っているため、フウセン・ガンシップは航行の際に大量のエネルギー(これらは主として重核融合物質によって供給されているが、さらにエンテクされた生命力のエネルギーによっても補われている)を消費することになる。この仕組みによって、プウィックの乗員たちは生き残るために主人への絶対的な服従を余儀なくされ、逆にシ=ルウクにとっては、ときとして反抗的なこの生物たちを支配するもう1つの道具を得たことになるのだ。
フウセン・ガンシップは、シ=ルウク製の大型クルーザーと同様に、敵艦を破壊するよりも拿捕することに重点が置かれているため、搭載兵器はレーザー兵器よりもイオン・キャノンが主体となっている。機体を水平に走る中心線上には、6基のイオン・キャノンが環を描くように配置されており、これらの兵器は敵機に対する火力を強化するため連動させることもできる。また、機体前方付近には1対の標準型レーザー・キャノンも搭載されており、小型貨物船や戦闘機程度の標的であれば確実に仕留めることが可能である。だが、フウセン・ピケット・シップは常に十分な数が展開され、互いの側面をガードすることになるため、宇宙戦用バトル・ドロイドは搭載されていない。
各フウセン・ガンシップには13人のプウィックと、6体前後のエンテクされた召使いドロイドが搭乗している。この組み合わせは性能をある程度犠牲にしている可能性もあるが、その一方で、シ=ルウクたちが搭乗していないため、危険な任務の際にも容易に「使い捨て」にできるという利点がある。事実、シ=ルウクの司令官たちは、この船に対してデキー級上陸船の護衛や、敵部隊の能力を探るための先制攻撃、さらにはミサイルや戦闘機に対する接近攻撃など、極めて危険な任務を選んで使用している。彼らはピケット・シップをこのような自殺的任務へと送り出すことに、明確な楽しみさえも見出しているのだ。
これらの船はプウィックたちに操縦させることも可能だが、実際にはシ=ルウクの司令官らが旗艦上から遠隔操作することも多く、その場合、プウィックたちが行うのは武器システムの操作だけとなる。船の乗員たちは神経抑制装置に拘束されており、シ=ルウクたちは命令に従わないプウィックをいつでも遠隔操作で麻痺させたり、気絶させたりすることができるのだ。
バクラへの最初の攻撃で撃墜されたフウセン・ピケット・シップは、20機中の5機だけだったが、反乱同盟軍の増援艦隊が星系に到着すると、さらに多くの船が撃墜されてしまった。この戦いで、反乱同盟軍とバクラの連合艦隊はこれらの小型宇宙船を何機か捕獲することに成功し、武器システムとエンジンの改修を行った後、それぞれの艦隊での転用を開始している。しかし、この改造には大きな問題点が2つあった。1つめは、プウィックたちが通常、身長の半分の高さにまで屈んで移動を行うため、船内の通路が人間には小さすぎたこと。もう1つは、船のシールド・システムが貧弱だったため、人間の乗員にとって有害となる核融合炉からの放射線を防ぐことが難しかったことである(通常、プウィックたちはすぐにエンテクされるため、シ=ルウクは放射能漏れのことを考慮していないのだ)。こうした問題点を克服するために、技術者たちは多大な苦労を強いられることになるのだった。
シ=ルウクのスウォーム級バトル・ドロイドは、捕らえられ、エンテクされた捕虜たちの生命エネルギーから動力を得ている小型ドローンである。このスペース・ドロイドはピラミッド型をしており、全長はおよそ2メートルと、帝国領で使用されているどの戦闘機よりも、明らかに小さく作られている。これらの戦闘機の内部には生物の持つ生命のエキスだけが封じ込められているため、コクピットや生命維持システムを用意する必要がないのだ。
これらのドロイドはシ=ルウク艦隊の主力戦闘機であり、バクラ侵略艦隊の旗艦<シュリウィア>には500機、ワーリフ級クルーザーにもそれぞれ200機のバトル・ドロイドが収容されていた。艦隊全体となると実に1,300機を超え、さらにルウィック級工場船を稼動させることによって、十分な時間と金属さえあれば、何百ものドロイドを製造することが可能だったのだ。これらのドロイドは高速で機動性も高く、小型で捕捉されにくいことから、戦闘時には極めて恐ろしい存在となる。また、機体そのものはもろいが、他の一般的な戦闘機と同程度の強度をもつシールドを装備しているため、大きさからは想像できないほどの耐久性を誇っている。
スウォーム級バトル・ドロイドの内部には、武器とシールドに使用される動力装置、エンテクされた生命エネルギー(ドロイド1体につき2人分。通常はプウィックや人間が利用される)を蓄えるためのバッテリー・コイル、センサー・システム、そしてドライブ・ユニットが収容されている。このドロイドは重核融合物質からエネルギーを得ており、これは帝国軍の艦船と比べてやや原始的な方式である。そのため、ドロイドは航行の際に明確な放射能の航跡を残し、センサーによって容易に追跡されてしまう。また、破壊されたシ=ルウヴィ・バトル・ドロイドから放出される残留放射性物質は、多いときには大型艦船のシールドをも破損させてしまうほど危険である。
シ=ルウヴィ・バトル・ドロイドには、独立したエンジン・スラスターが機体の各側面に1つずつ取り付けられており、これらによって機動性を確保している。また、各スラスターは独立して自由に回転させることができ、帝国軍や反乱軍の戦闘機の能力を遥かに凌駕する機動性を発揮させることが可能である。
各スラスターの周囲には高性能センサー・アレイが装備されており、これらはピラミッド型の各頂点に取り付けられたセンサー・アンテナへと接続されている。センサー・データは敵機の捕捉に使用され、またシ=ルウクの司令船にも転送される。こうして、シ=ルウクたちは戦闘のあらゆる段階で報告を受け、決断を下すことができるのだ。また、このドロイドには亜空間通信システムも完備されており、シ=ルウクの司令官は距離に関係なく、いつでも即座に作戦の変更を行うことが可能である。
バトル・ドロイドの各側面は緑色の光沢を放つ腐食した金属のような模様を呈している。この複雑な模様は格子状に編まれた微細繊維であり、被弾した光弾のエネルギーの一部を吸収することができるのだ。大部分のエネルギーはダメージとしてそのまま蓄積されるが、一部の熱エネルギーと放射線はドロイドのメイン・ジェネレータへと還元され、動力として流用されることになる。
シ=ルウヴィ・バトル・ドロイドは、ピラミッドの各頂点にそれぞれ1基ずつのレーザー・キャノンを搭載しており、これらのキャノンを360度回転させることによって、広範囲な攻撃を行うことが可能である。バトル・ドロイドに閉じ込められている生命力は、一度に複数の戦闘機を狙うことは難しいと考えているが、この回転式レーザー・キャノンによって、多方向攻撃に柔軟に適応することができ、真後ろへの攻撃さえ可能になっている。
これらのドロイドはシ=ルウクの司令船から遠隔で制御されている。クルーザー上のドロイド操作員は各ドロイドに指示を与え、閉じ込められた生命エネルギーたちに命令への服従を強要する。1つめの生命エネルギーはシールド・システムとエネルギー制御装置を操作し、もう1つの生命エネルギーがセンサー、航行制御装置、通信装置、武器システムなどを操作する。バクラの戦いを通じて、ルーク・スカイウォーカーはフォースを使い、このドロイドたちの驚愕の正体を察知した。各生命エネルギーは自身の意思を保持したまま生き続けており、実際のところ、そのエネルギーが尽きるまで、拷問を受けているだけなのだ。