旧共和国は時間と距離を遥かに超越した伝説の共同国家である。およそ25,000年前、コルサントにおいて銀河憲法の制定が宣言されて以来、旧共和国は冷酷非情な帝国がそれに取って代わるまで、銀河系を統治する民主主義同盟だった。人間や無数のエイリアン種族からなる市民たちはこの数十万の惑星からなる巨大国家を銀河共和国、あるいはより単純に共和国と呼んでいた。
共和国を動かしていたのは、銀河系全域から選出、あるいは指名された代表者によって構成される政府機構、銀河元老院である。その元老院の中からは最高議長が選出され、その一方で、共和国の正義と平和はジェダイ・ナイトと呼ばれるフォース感知者からなる崇高な集団によって守られていた。
ジェダイ・オーダーは共和国軍と共に、過去に幾度となく外からの脅威を退けている。そして共和国設立から約20,000年が経過したとき、ハイパースペース大戦と呼ばれる未曾有の凄惨な戦いが巻き起こった。記憶の彼方に忘れ去られていたシス帝国が、共和国に対して全面的な侵略を開始したのである。多くの惑星がこの戦争によって永久に残る傷を負ったが、ジェダイは辛くも侵入者を撃退することに成功した。
しかしその1,000年後、シスの末裔たちは再び、後にシス大戦として知られるようになる戦いを挑んできた。強欲におぼれるシスの野望を食い止めるため、ジェダイと共和国は一致団結して脅威に立ち向かった。この一連の抗争における最後の戦いは、3,000年後に起こったルーサンの戦いである。ライトサイドのジェダイ・オーダーとダークサイドのシスはルーサンで激突し、勝利の末、銀河はシスが完全に滅びたと確信するようになる。多くの人々はこの戦いを大戦の最後の瞬間とみなし、平和で安定した共和国の新たなる始まりと考えるようになったのである。
しかし共和国の力が増大するにつれ、政府を司る官僚や元老院議員の多くが次々と腐敗していった。1,000年にわたって続いた平和と繁栄による自己陶酔は肥大化した官僚機構を蝕み、順向な政府の試みがことごとく阻止され始めたのである。さらに派閥政治や個人的野心もまた効果的な統治を妨害していた。
こうした動きの中で巨大な軍事力も縮小へと向かい、共和国の秩序はますますジェダイ・オーダーへの依存度を高めていく。スターク・ハイパースペース大戦のような突出した例外もあったが、銀河市民にとって大規模な軍事衝突はもはや遠い記憶の中の存在になってしまっていたのである。
やがてこの状況はナブー選出の野心的な元老院議員、パルパティーンを窮地に立たせることになる。彼の故郷は辺境の交易ルートへの課税に抗議する貪欲なニモイディアンの通商連合によって包囲されてしまったのだ。この行動は惑星への全面的な侵略へと発展するが、それに反対する呼びかけは複雑な手続きの中に埋もれてしまった。そして、ナブー星系の支配者として選ばれたアミダラ女王は、元老院で議員たちを前に行動を呼びかける演説を行い、同時に共和国のリーダーシップを否認する動議を提出したのである。
善意はあるが政治的手腕にかけるヴァローラム議長は解任され、それに代わってパルパティーンが新議長に選出される。彼は共和国に秩序と慈悲の心を取り戻すと公約したが、その試みは彼の就任後最初の10年に訪れた大きな政治的騒乱によってくじかれてしまう。カリスマ的指導者ドゥークー伯爵によって導かれた分離主義運動は共和国を分断し、もはやジェダイさえ、秩序を維持することはできなかった。
この混沌とした政治状況は銀河系を覆い尽くす暗黒の時代を迎え入れる。そしてこの空白を襲ったクローン大戦によって共和国は完全に崩壊し、新秩序の名のもとに帝国が勃興した。ジェダイもことごとく抹殺され、銀河系は再びシスの手に落ちたのである。
ジェダイ・オーダーは信念と観察の対象であるフォースによって統合された誇り高き戦士たちであり、銀河の歴史のより文化的な、古典的時代を思い起こさせる。当初、フォースについて考察する哲学的研究組織として創設されたオーダーは、古代から一千世代を超えて栄え、およそ25,000年にわたって成長を続けてきた銀河共和国の平和と正義の守護者として活躍してきた。彼らはコルサントに拠点をおき、この都市惑星にそびえ立つ壮麗なタワー状のジェダイ聖堂で訓練を積み、学び、そして研究を行っていた。オーダーをまとめるのは、フォースの本質を探究することを使命とした12人によって構成されるジェダイ評議会である。評議会はその生涯をオーダーのために捧げた5人の永久メンバーと、自ら辞意を表明するまでその地位が約束された4人の長期メンバー、そして特定の任期を与えられた3人の短期メンバーによって構成され、この数のバランスによって評議会の議決を賢明かつ強固なものとしている。
ジェダイになるにはこの世で最も重大な責務と厳粛な精神が要求されるため、軽い気持ちで訓練を開始することはできない。したがって、ジェダイの教義は規律を重んじ、違反を防ぐために厳格に構造化された規範が明文化されている。例えば、オーダーに忠誠を誓ったジェダイは特定の相手を愛してはならず、もちろん結婚をすることもできない。個への愛情は全体を守るべきときの妨げとなるからだ。また、ジェダイの資質は血筋によって受け継がれるため、意図的に生まれたジェダイの子供は特権階級に身をおくことになる。こうしたジェダイの存在は、微妙なバランスの上に成り立っているフォースの秩序を崩すと考えられているのだ。規範を破り、ジェダイの訓練に脱落した者は極めて深刻な脅威となり得る。フォースのダークサイドは短気な者を誘惑するが、事実、過去に何人かの訓練生がその誘惑に捕らえられ、その結果挫折していったのだった。
通常、ジェダイ候補生は生後6ヶ月以内の幼少のときにその素質を察知され、オーダーに迎えられる。それ以降の年齢になるとダークサイドの予兆となる恐怖や怒りの感情を経験しており、訓練を行うことが危険視されるのである。候補生の素質を見抜く1つの方法は血液サンプリングであり、潜在的に強いフォースをもつ者は血液細胞に多くのミディ=クロリアン値を示す。候補生の中から評議会によってジェダイの資質があると認められた子供たちは修行を開始し、それまでの家族との関係は一切絶たれることになる。訓練の初期段階では1人のマスターが1グループのジェダイ候補生たちを指導するが、やがて彼らが成熟すると訓練は次の段階へと進み、1人の訓練生がマスターと2人で行動を共にするようになる。ジェダイ規範では、1人のジェダイ・マスターは同時にただ一人のパダワン(弟子)しか持つことが許されないのだ。そしてパダワンとしての訓練が終わりを迎えるとき、彼らはナイトの位に上がるための試験を受けなければならない。ジェダイ・オーダーにおけるさらに次のレベルは、特に素晴らしい献身やフォースの技術を示した者に与えられるジェダイ・マスターの称号である。特にジェダイ評議会のメンバーはジェダイ・マスターたちの中から選出され、彼らはジェダイと共和国政府との重要な接点となっている。
ジェダイはシンプルなローブに身を包み、与えられた任務で必要となる専用の道具を携帯する。なかでも彼らの主要な武器であるライトセイバーは、熟練したマスターが手にすることによって優雅かつ恐ろしい武器となる。
ジェダイにとって最大の敵はフォースのダークサイドを崇拝するカルト組織、すなわちシスである。シスはジェダイとは対照的に知識と防御の訓練を放棄し、フォースの憎悪のエネルギーによって奔放と権力を求める。しかし、何世紀も前にシスはジェダイによって壊滅的打撃を受けた。そしていつの日か、ジェダイはシスが滅んだという危険な認識を抱いていたのである。ジェダイに復讐を果たすため、彼らが再び蘇る可能性を唱える者はほとんどいなかった。やがて帝国が権力を握ったとき、ジェダイ・オーダーはシス卿パルパティーン皇帝とその弟子、ダース・ヴェイダーによって抹殺されてしまい、銀河内乱の時代にはジェダイはほとんど絶滅していた。しかし、この虐殺を逃れた極僅かなジェダイ、オビ=ワン・ケノービとヨーダは次世代を担う最初のジェダイを訓練することができた。絶望的な時代への光明として現れたルーク・スカイウォーカーが初めてライトセイバーを握ったとき、彼は既に成人であり、ジェダイの伝統が要求する年齢を超えていた。しかし、父親譲りの未開発のフォースは、彼の年齢など問題にならないほど強大なものだったのである。
ルークは帝国軍に対して数多くの大勝利を収め、ダークサイドの淵からダース・ヴェイダーを救い出すことに成功した。アナキン・スカイウォーカーの心を取り戻したヴェイダーはパルパティーンを打ち破り、銀河系を再びシスの恐怖から解放したのである。
若いパダワンたちはジェダイ・マスターと2人でペアを組む前の段階として、共同のグループに分かれて教えを受けている。こうした指導はジェダイ・マスター、ヨーダが教官となり、常に10組のグループに対して行われる。集団訓練は4歳から8歳までの間を対象とし、各グループは様々な種族からなる20人の若いジェダイ候補生によって構成されている。有望なベア・クランにはJ・K・バートラ、マリー・アミゼスト、リーアムなどの聡明な生徒たちが含まれていた。ただし、なかには遅い年齢でオーダーに加わったためグループ訓練の段階を免除された者もおり、アナキン・スカイウォーカーなどはこうした珍しい例外の1人である。
グループに属するジェダイの子供たちはあまりにも幼いため、まだ惑星外に配置させることができない。しかしときには、カンパラスにあるジェダイ訓練センターのような遠方の訓練施設に送られることもある。また、ジェダイ聖堂にいる多くのジェダイがジオノーシスへ派遣された際には、ジェダイ・マスター、デパ・ビラバがコルサントに居残り、子供たちを保護していた。
何千世代も続いた絶頂期における銀河共和国は、銀河系の多くの惑星の代表団からなる銀河元老院によって統治されていた。なかには1つの惑星を代表する議員もいるが、多くは複数の惑星を代表するセクター元老院議員である。内側を無数の穴に覆われた元老院議事堂ではこうした何千人もの政治家たちが一同に会し、湾曲した内壁に並ぶ閲覧プラットフォームを満たしている。これらのプラットフォームは各惑星やセクターを代表する議員のものが808基、その他の同盟国や有力な企業の代表者のものが216基で、計1,024基用意されており、各プラットフォームには5人までの代表者が搭乗できる。そして、発言を希望する議員は内壁からプラットフォームを切り離し、全てを見わたせる議事場の中央へと浮遊していくのだ。
元老院議事堂は直径がおよそ2キロメートルもある巨大なドーム型の建造物である。建物に続く広大な広場には、共和国の中心部を築いた創設者たちの抽象的な彫像が並べられている。また、内側はラベンダー色に統一されているが、これはこの色があらゆる文化の中で唯一、戦争や怒りと悲しみに関係のない色だからである。各元老院代表団には出身惑星の環境にあった広大な事務所スペースも与えられている。
やがて共和国が成長するにつれ、元老院の間にも贈収賄などの不正が増加していった。ちょうど巨木と同じように、共和国も外からの攻撃には耐えられたが、内部からの侵食には無力だったのだ。公益への関心は個々の議題へと成り下がり、もはや食い止めることができないほどにまで肥大化した官僚機構は議員たちに富と影響力をますます蓄積させていったのである。
そのすべてが変わったのはパルパティーンが自らを皇帝と称し、新秩序が施行されたときだった。彼は議会からすべての腐敗を一掃するが、銀河内乱が発生すると同時に元老院に永久解散を宣告したのである。
セネイト・ガードは銀河元老院の議員たちを護衛するために招集された衛兵のエリート部隊である。彼らは象徴的な青いローブとヘルメットを身に付け、コルサントの元老院議事堂の警備を行っている。また、元老院が所有する議員専用の乗り物にも大抵の場合同乗している。セネイト・ガードは銀河系全域の信用のある行政機関から慎重に選ばれた人物によってのみ構成されており、全員が銀河共和国にその身を捧げている卓越した戦士たちなのだ。
セネイト・ガードが着用している親しみやすい青のローブは、何千年もの間、指導者たちを保護し、第2の警察隊として活躍しながら、ギャラクティック・シティの内外で平和と安全を保ってきた信頼のシンボルである。この衛兵たちは軍の階級を使用しており、指揮官は通常、6名から10名の衛兵たちからなる機動部隊を指揮している。セネイト・ガード全体のリーダーは衛兵隊長と呼ばれており、元老院委員会の警備において全責任を負うことになる。クローン大戦へと続く分離主義危機の間、セネイト・ガードたちを指揮していたのはジェスラ・ロチュア隊長だった。
セネイト・ガードは、警察として捜査を行う際に厳然たる事実や法廷における証拠のみを扱うよう訓練されている。その結果、彼らは通常の人間にとってやや不明瞭な手法に頼りがちなジェダイと、しばしば対立することになる。だが、セネイト・ガードの捜査はその特質上、正確かつ完全であり、常に成功を収めている。彼らは捜査のための十分に設備の整った近代的な分析実験室を保有しているのだ。
一方、彼らが使用する長い武器は概して儀式的なものである。しかし、任務や保安上の理由から必要性が見つめられる場合は、さらに実用的な武器が支給されることもある。
長年続いたパルパティーン議長による政権下においては、セネイト・ガードの役割は徐々に軽んじられていった。パルパティーンは自分のオフィスを警備するために、赤いローブを纏った独自のロイヤル・ガードマンを用意したのである。やがて彼のクローン軍が拡大し、共和国から帝国へと体制が変化すると、セネイト・ガードの存在は無用の長物と化し、ついには段階的に廃止されていったのだった。
レッドローブの異名を持つレッド・ガードは、特殊な訓練を受けたセネイト・ガードのメンバーからなる一団である。彼らはクローン大戦前、および大戦中を通じて、パルパティーン最高議長の警備を担当していた。
レッド・ガードは正式な手続きを経ず、パルパティーンの自由裁量によって組織されたグループである。そのため、ベイル・オーガナを筆頭に、議員の中には彼らの存在を違法であると考える者もおり、その正確な人数と力量はジェダイ評議会でさえ把握していなかった。一方で、パルパティーンはセネイト・ガードに噂される腐敗、特に悪名高きロナー・キム事件を理由に、彼らの創設を正当化していた。また、メイス・ウィンドゥとヨーダは、ダース・シディアスの追跡の最中、彼らの中にシスの暗黒卿が潜んでいるのではないかと推測していた。
第2次コルサントの戦いの間、レッド・ガードはジェダイの最高位将軍メイス・ウィンドゥに率いられ、銀河元老院ビルの防衛に従事していた。戦いの間にパルパティーンを警護していたレッド・ガードは、官邸を離れまいとする議長の断固とした決意に不安をあらわにする。そして、オーダー66が発令されると、レッド・ガードは新しい皇帝のロイヤル・ガードへと移行したのだった。ただし、彼らの外見と装備はほとんど変化していない。なかには明確にシャドウ・ガードとなった者たちも存在する。
ロイヤル・ガードの場合とは異なり、レッド・ガードがエリート・クローン・トルーパーやストームトルーパーから進化した集団だとする根拠は存在しない。共和国軍の正式発足前に、それとは独立してレッド・ガードが組織されたのは、彼らが徐々に通常戦力におけるエリート部隊へと移行していったからに過ぎないと考えられている。しかし、ロイヤル・ガードと同様に、レッド・ガードも元老院の監視による制約は受けず、彼らの報告はパルパティーン議長に対してのみ行われていた。
導入時から、共和国のクローン・トルーパーは銀河大戦の可能性を示唆した。当時のバトル・ドロイド軍よりもはるかに優れたクローン・トルーパーは、独立星系連合の軍隊との戦いにおいて、新たに組織された共和国正規軍の中心的役割を担うようになったのだった。
恒常的な嵐に見舞われた惑星カミーノにあるティポカ・シティのクローン製造施設で成長した第1世代のクローン・トルーパーたちは、各々がまったく同じ体型、勇敢さ、スタミナ、精神力を有している。秘密工場の密閉された空間で、政治的二面性を持つカミーノアンたちは、最高の製品と自負するクローン軍を作るために彼らの優れた遺伝子技術を用いたのだった。
このクローン軍は、戦場に投入されるおよそ10年前に、当時のジェダイ・マスターだったサイフォ=ディアスの名によって発注されたものである。同様に、彼が指定した遺伝子素材の提供主はジャンゴ・フェットと名乗る賞金稼ぎだった。カミーノアンたちはジャンゴから採取した遺伝子サンプルを原型として用い、慎重に自我を削減すると共に成長を加速させ、短期間で完全なクローンを作り上げたのだ。
成長の加速はクローンの生産にとって必要不可欠な要素である。なぜなら、加速を行わずに兵士を戦闘において成熟させるには、最低でも20年を要するのだ。クローンたちはこの10年間、戦闘技術、車両操縦技術、戦場での戦略技術を絶えず訓練されてきた。それでも彼らは素晴らしい独立心と創造的思考力を維持しており、戦場での予期せぬ事態への対処能力でもドロイドをはるかに凌駕している。
カミーノアンの開発プログラムは高度に構造化され、バランスも整っているが、このような加速された人生における一連の厳しい肉体的かつ精神的な訓練は、クローンを精神的に狂わせる可能性も秘めている。クローンの精神の保護については細心の注意が払われているが、彼らの個性は全面的に軍事訓練と権威への服従によって形成されているため、完全に成熟したクローンが「通常の」人間性を有しているとは言いがたい。
カミーノアンは発注内容と変異個体の管理に取り付かれ、何らかの生化学的ミスによって生じる未発達クローンを慎重に監視していた。これらの統計的変異は、カミーノアンの主任科学者コー・サイによる特別な調整によって取り除かれる。事実、彼らは200体に7体の割合で、クローンの再調整を行っていたのである。
純正培養による成長加速の副作用はあるが、成熟したクローンたちは20歳当時のジャンゴ・フェットに瓜二つだった。そしてフェットはカミーノに留まり、彼の戦闘経験を自分の複製たちへの訓練に対するアドバイスとして与えていたのだ。
クローン・トルーパーは全身を白い装甲服に包み、まったく同じ素顔はT字型のマスクで覆われている。装甲服に付けられた色別の紋章は階級を表しており、緑のトルーパーは軍曹、青は中尉、赤は大尉、黄が指揮官である。指令任務に割り当てられたクローンは、役割に応じた特別な訓練を受けているのだ。
クローン・トルーパーの装甲服は体にぴったりとあった20枚のプラストイド合金製合成プレートによって構成されており、その下には磁気グリップ・パネルに通じる温度調整ボディ・グローブを着込んでいる。この装甲服の設計思想はT字型のバイザー・プレートを見て分かるように、ジャンゴ・フェットのマンダロリアンとしての遺産を受け継いだものである。カミーノアンの美学は明確な色相や装飾などの見た目にも影響を与えているが、彼らはそれほど人間工学に精通していない。そのため、初期のクローン・トルーパーの装甲服は座りにくかったが、その後の製品ではこうした欠陥も改善されている。また、クローン・トルーパーのヘルメットにはコムリンクや高度な呼吸フィルターが内蔵されており、過酷な環境での戦闘にもよく順応している。
小規模なグループに分かれているクローン・トルーパーたちは、互いを識別番号によってのみ認識することができる。特に配置が近い状況下では、識別番号の下2桁のみで相手を認識することになる。各クローンは自分の識別番号をDNAに組み込まれており、それ以外に各個体の身体的特徴を表す印は一切存在していない。彼らのヘルメットに内蔵された特別なスキャナはこの識別番号を確認し、同じくヘルメットの裏側に組み込まれた小型LEDビュースクリーンに表示させている。ヘルメット上に表示された情報は戦場における中央司令部にも送信され、司令官たちによる個々の兵士たちの追跡を可能にしているのだ。
戦場から戦場へと、何千回にも及ぶ遺伝子コピーをなされてきたクローン兵たちは、戦闘医学の面でも極めて有用な存在である。クローンの治療は他の一般的な種族と比べて非常に容易なのだ。クローンたちは完全に同じ遺伝子を持っているため、体の各部位に文字通りの互換性が保たれており、生体移植に伴う拒絶反応を気にする必要がない。実際、手術上の多くの手法が、複雑なものも含めて幅広く標準化されているのだ。
分離主義者たちによる危機が共和国を脅かしている最中、パドメ・アミダラ元老院議員の暗殺未遂事件を調査していたオビ=ワン・ケノービは、この事件に関与しているとみられるジェンゴ・フェットを追い、カミーノに到達した。オビ=ワンはここでクローン軍を発見したのである。彼からの報告を受けたジェダイ評議会はクローン軍の存在と、サイフォ=ディアスによる関与を知って驚愕する。だが、分離主義勢力が開戦に向けて準備を進めていることが明らかになると、クローン軍は共和国の防衛と秩序の維持のためにどうしても必要な存在となるのだった。
元老院のパルパティーン最高議長は非常時特権を与えられ、最初の軍事行動としてクローン軍を共和国の正規軍に採用し、出動させることを決定する。そして、分離主義勢力の主要な要塞の1つである不毛の惑星ジオノーシスで最初の戦闘が開始された。最先端の装備を携えたクローン軍はジオノーシスの砂漠で分離主義側の大規模なバトル・ドロイド軍と交戦する。彼らはジェダイの指揮官によって先導され、この最初の戦いを共和国側の勝利に導いたのだった。こうしてクローン大戦が勃発し、クローン軍はその後も幾度となくその有用性を示すことになる。同時に、この戦争は銀河系の歴史に長く続く血塗られた痕跡を残すことになるのだった。
クローン大戦の緒戦でジオノーシスを襲撃したクローン・トルーパーは、陸と空から様々な戦闘兵器による全面的な支援を受けていた。リパブリック・アタック・ガンシップを操縦していたのは、特別な訓練を与えられたクローン・トルーパー・パイロットである。彼らは黄色い塗装が施された専用の装甲服とヘルメットを着用している。
通常のクローン・トルーパー階級に与えられる標準化された加速訓練は単位制になっており、一部のユニットには軍事的な特別訓練が補われる。クローン・トルーパー・パイロット部隊は航空兵器の扱い方を重点的に訓練されるのだ。パイロットたちの中でも特にCT5と呼ばれる部隊は、一般にジャドス級上陸船の操縦に関して最高の訓練を受けたことを認定されている。
クローン大戦が激化すると、戦闘の質もより専門的なものへと変化し、パイロットの階級にもいくつかの幅が生じるようになってきた。クローン・スターファイター・パイロットはクローン・パイロットのエリート階級であり、主に深宇宙や散々する惑星の上空で分離主義勢力と戦う、ARC-170スターファイターやVウィング・ファイターの操縦を行っている。彼らはV-19トラント・ファイターをはじめとした共和国のすべての標準型戦闘機について、クロス・トレーニングを受けているのだ。
彼らと通常のクローン・パイロットとの主な違いは、高性能戦闘機の操縦に適した、特別な装備の付いたジャンプ・スーツを着用していることである。しかし、各クローンはすべてにおいてまったく同じ大きさであるため、ユニット間での装備品の交換が容易であり、実際に任務の内容や人員調整に基づく交換は頻繁に行われている。
ARC-170のパイロットたちは、フルフェイス・マスクの代わりに、戦闘時のまぶしい光を除去する専用ヘルメットを着用している。また、胸部プレートには強制酸素吸入装置が内蔵されており、機体が甚大なダメージを受けたためパイロットが船外に放り出されたときでも、生存率を高めることが可能である。
コルサントの戦いの最中、クローン・コマンダー・ダヴィジャン(コールサイン、オッド・ボール)率いるスクワッド・セブンは、敵軍をジェダイたちから遠ざけ、アナキン・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービに逃走するグリーヴァス将軍の旗艦への侵入を可能にしたのだった。
第41エリート大隊は共和国軍のエリート・クローン・トルーパーからなる特殊部隊であり、様々な種類のクローン・トルーパー(AT-RTドライバー、クローン・スカウト・トルーパーなど)によって構成されていた。彼らの軍団カラーは灰色である。
クローン・マーシャル・コマンダー、グリー率いる第41大隊は、クローン大戦を通じて、原住種族と共に数々の惑星に配置されていた。第41大隊は、ジェダイの上位将軍ルミナーラ・アンドゥリィおよびコマンダー・グリーの指揮下にある第9強襲部隊の一部である。彼らは厳しい気候の惑星における任務を専門としており、それに特化した訓練を受けていた。また、彼らは配置先の惑星の原住種族と同盟を結ぶため、グリーは種族や文化に関する専門知識にも長けていた。
彼らはフェーズII・クローン・トルーパー・アーマーとカモフラージュされたスカウト・アーマーからなる大型の装備を身に付けていた。また、キャッシークの戦いなどでの戦闘や偵察の際には、AT-RTやジャガーノートを使用していた。
戦争開始から1年後、グリーと第41大隊はディンローの戦いに参加したが、そこで彼らは大規模なドロイド軍によって身動き取れない状況に追い込まれた。このとき、ディンローからの脱出任務で大隊を指揮したのは、ジェダイ・コマンダーのター=マカンである。その後、第41大隊はコルサントへの帰還を許可され、一部はカル・スキラータの不正な軍務の隠滅作業に、一部は軍の士気高揚のための任務に従事したのだった。
さらに2年後、第41大隊はキャッシークの戦いで、この惑星の制圧のために送られたドロイド侵略軍に対する大規模な軍事作戦に従事した。そこで、第41大隊のクローン兵団はウーキーの戦士たちやジェダイの小集団と共に戦い、独立星系連合軍を敗北寸前にまで追い詰めたのである。
第41大隊の大半の兵士はキャッシークへ送られていたが、一部は別動隊としてウータパウの戦いの支援に送られ、クローン軍と原住民のパウアンとの関係を円滑にする任務に従事したと考えられている。
しかし、パルパティーンがオーダー66を発動すると、コマンダー・グリーと配下の兵士たちは即座にジェダイを裏切り、ルミナーラ・アンドゥリィを殺害する。だが、マスター・ヨーダはグリーを殺害し、チューバッカとターフルの助けを借りて脱出することができた。一方、ウータパウでは、第41大隊の別動隊がパウアンを拘束していたが、その理由は分かっていない。そして、オーダー66の実行後、第41大隊はドロイド軍の残党を一掃し、キャッシークから撤退したのだった。
第91偵察部隊は、クローン大戦における共和国軍のレコン・トルーパーの一部隊である。クローン・トルーパーとBARCトルーパーの混成部隊である第91偵察部隊は、クローン・マーシャル・コマンダーのネイオによって指揮されていた。
第91部隊の識別マークは、上から下へ1本の白い剣で貫かれた小さな赤い円である。指揮官を守るため、第91部隊の副官たちはネイオと同様の、より邪悪な印象を与えるクローン・アサシンのものとよく似た特別なヘルメットを着用していた。
アウター・リム包囲作戦の間、コマンダー・ネイオの兵士たちは、ジェダイの最高位将軍、オポー・ランシセス率いる混成機動部隊の一部としてサルーカマイで活躍した。また、第91偵察部隊の一部はその後の戦闘にも参加し、分離主義勢力やモアグカイのレジスタンスの残党を捜索するため、戦闘終了後も惑星に残留していた。
サルーカマイの平原におけるパトロール任務では、ジェダイ・マスター、スタス・アリーがコマンダー・ネイオと配下の偵察部隊を率いていた。だが、パルパティーン皇帝からオーダー66を受信したネイオは、部下と共にジェダイの将軍を裏切る。ネイオとその僚機はアリーのスピーダー・バイクに発砲し、彼女を爆死させたのである。
第212突撃大隊は、クローン・マーシャル・コマンダー、コーディの指揮下にあるクローン・トルーパー部隊である。第212突撃大隊に所属する兵士たちは、装甲服にオレンジ色のマーキングを施されていた。第212大隊は第2大隊と合同で行動することもあり、第3軍に所属していた。
第212突撃大隊の指揮官はコマンダー・コーディだが、同部隊はジェダイの最高位将軍、オビ=ワン・ケノービの指揮下でもあり、両者はクローン大戦を通じて良好な関係を築いていた。ケイト・ニモイディアでは、ケノービ将軍、コマンダー・コーディ、そして精鋭部隊のスクワッド・セブンが、通商連合のヌート・ガンレイ総督の要塞を攻略し、ダース・シディアスを追う手がかりとなる重要な情報を手に入れたのだった。
分離主義勢力の最高司令官、グリーヴァス将軍の追跡および抹殺の任務を受けたケノービ将軍は、2個大隊(その片方がコーディの部隊である)を率いてウータパウ星系へと向かった。専用の特殊な装甲服とヘルメットを着用した第2空挺中隊が高高度から降下し、コーディの特殊部隊がパウ・シティの第10レベルにあるグリーヴァスの拠点を攻撃する。彼らの任務は、ケノービがグリーヴァスとの一騎打ちに挑む間、ドロイド軍を発着場に釘付けにすることだったのだ。この戦いでは数の上で圧倒的に勝るドロイドたちを前に、多数のクローンが死傷したが、最終的には共和国軍が優勢を得ることに成功したのだった。
オビ=ワンはグリーヴァスを倒したが、ダース・シディアスがコーディにオーダー66を命じると、事態は一気に悪化した。AT-TEウォーカーがケノービに対して発砲し、彼は数百フィート下の死の淵へと転落したのである。その後、クローンたちはウータパウのバトル・ドロイド軍の残党を壊滅させ、新たなる皇帝の命に従い、この惑星を支配下に置いたのだった。
無限に続くコルサントの都市を潜在的な大火災や爆発事故から守っているのは、勇敢かつ献身的な消防団である。消防団の隊員たちはファイヤースピーダーを操縦し、炎に包まれた残骸がこの都市惑星にそびえ立つ超高層ビルに衝突することを防いでいる。消防隊員とパイロットたちは携帯用ホース=ガンと、それに水を供給する火災抑制バックパックを装備しており、頭部を完全に覆えるヘルメットとフェイスプレートは、超高温や放射能を完全に防ぐことが可能である。また、クローン大戦の最中には、軍役への転属を命じられ、共和国の戦艦上で活躍していた隊員たちも存在している。
コルサントにある多くの居住区域では、この人口過密惑星で日常的に発生し得る非常事態に備えて、独自のレスキュー・オペレーション・チームが維持されている。クローン大戦以前に起こったデスリーニ地区のゴミ廃棄ランチャーの不発事故は、デスリーニ・レスキュー・オペレーションにとって深刻な問題だった。彼らは凄まじい爆発に続いて撒き散らされた有害廃棄物を掻き分けて進まなければならなかったのだ。
ファイヤー・チーム3は、崩壊した<インヴィジブル・ハンド>がコルサント上空に姿を現したとき、ちょうど任務に就いているところだった。一匹狼として知られるこのチームの2人のメンバーは、燃え盛る戦艦を止めるため、命を投げ出す覚悟を要求された。だが、先導するスピーダーはグリーヴァス将軍の旗艦の残骸を不毛の工業地帯へと導き、首都惑星を大惨事から救ったのである。