軍事基地、監獄、工場、採鉱施設、その他の保安施設はすべて、不法侵入(あるいは脱走)を防ぐための厳重な監視を必要としている。最も基本的なネットワークは少数のシンプルなビジュアル・スキャナによって構成されるが、より大規模なセキュリティ・ネットワークは動体検出器、熱センサー、武器検出器、ホログラム記録装置などによって構成されている。
2次元ビデオ・スキャナは最も一般的な保安スキャナである。これらは比較的安価であり、宇宙船や他の乗り物、私宅、入植地の周辺などに容易に設置することができる。これらのスキャナは様々な条件や環境下での使用に耐えられるよう、防水ユニットの中に収められている。ビデオ・スキャナは映像と音声の両方を記録することができ、それらをデータ・ディスクに保存する。また、メル=ソン社製17Cのような装置には動体追跡装置も搭載されており、標的の動きを追跡することも可能である。ビデオ・スキャナは司令ステーションから操作され、そこで訓練を受けた人員やドロイドが与えられたデータを再検討し、保安手段の策定を行うことになる。多くの施設では、ビデオ・スキャナが警報システムや自動ブラスターなど、事前にプログラムされた様々な保安手段と連動している。また、セキュリティ・ネットワーク全体を通じて転送されるすべてのデータは、スクランブラーによって暗号化されている。
メル=ソン社製57Cホロカムのようなホログラム・スキャナは、通常のビデオ・スキャナよりはるかに高精度な映像を捉えることができる。ホロスキャナは標的の実際の動きをホログラム・イメージとして記録し、技術者や権力者に、対象物のより詳細な情報を与えて再検討させることができるのだ。単一の高度なセキュリティ・エリアでは、これらのスキャナが大量かつ複数個所に設置されており、360度の範囲をカバーできるようになっている。初代デス・スターの監房区画でも、多数のホロスキャナがあらゆる動きを監視していた。
保安スキャナには、それらを使用している施設と同じくらいに幅広い種類が存在する。精密スキャナは広範囲に回転可能な高速追跡システムに取り付けられている。通常、これらの装置には拡大レンズが装備されており、衛兵がズームできるようになっている。また、暗い場所を警備する衛兵は、紫外線や赤外線に対応した保安センサーを使用する。そして、長距離型屋外スキャナは、何キロメートルも先にいる敵を認識することが可能である。デス・スターや他の施設に設置されていたスキャナは、明らかにそれと分かる形状をしており、おそらくは侵入者を思いとどまらせることに役立っただろう。一方、より小型で分かりにくいスキャナは、彼ら自身の兵士たちの行動を監視するためのものである。また、小型化されたスキャナは、コムリンクやデータパッドなどの装置内に隠すこともできるが、このようなスキャナは走査範囲も限られている。
大抵のスキャナは収集する視覚データにより大きな重点をおいているが、音声もまた重要な要素である。通常のビデオ・スキャナは、スキャナ周辺のエリアで聞こえる音声を記録するが、長距離型スキャナはより強力な音声センサーを装備している。これらの集音装置はかなりの距離を隔てた会話を捉えることが可能である。ダース・ヴェイダーの軍は惑星ラルティアで反乱軍の支援者を捜索する際に、こうしたスキャナをよく使用していた。
<ミレニアム・ファルコン>がデス・スターを脱出した後、帝国軍は船体に取り付けておいた小型自動追尾装置を利用することによって追跡し、反乱軍の秘密基地がヤヴィン4にあることを突き止めた。この装置は広大な距離を隔てて送られる追跡信号を発信することができ、ハイパースペースへ逃げ込んだ船でさえも発見を免れることはできないのだ。
帝国軍の自動追尾装置は政府が管理するホロネット(ハイパースペースを使った全銀河系規模の通信網)を利用している。次元の限られた領域である「擬似トンネル」を経てハイパースペースを航行中の船は、舷窓の外にドップラー効果によって歪められた光の渦巻くトンネルを見ることができる。このトンネルはSスレッドと呼ばれ、ホロネットの実体のないトランシーバーが設置されている場所でもある。自動追尾装置がホロネット・トランシーバーを用いてSスレッドと交差するとき、この事象は漏れなく自動的に記録される。こうした記録を集めることによって、熟練した追跡者はハイパースペースを通過した船の進路を突き止めることができるのだ。
リパルサーリフトは車両や船が重力場を押しやり、浮遊することを可能にした反重力エンジンの一種であり、その技術は多くの市民が当然の存在であると感じるほどにまで銀河に広く浸透している。効果的で安価なリパルサーリフトは、通商連合のバトル・ドロイドが使用するスタップのような小型艇から、ジャバ・ザ・ハットの所有する巨大なセール・バージまで、広範囲に及ぶ様々な乗り物に利用されており、ドロイドでさえも移動に車輪や脚ではなくリパルサーリフトを使用する機種があるほどである。リパルサーリフトは余りにも効率的な装置であるため、停止させられることすらほとんどなく、ランドスピーダーの多くはメイン・パワーを落としても地上から浮遊している。
多くのリパルサーリフトは核融合エネルギーを利用しており、惑星の重力場に対抗する反重力場を形成させる。大きさや性能は様々だが、最も強力なリパルサーリフトは車両を低軌道にまで上昇させ、時速1,000キロメートル以上で航行させることができる。ただし、リパルサーリフトを機能させるには押しやる対象となる大きな質量が必要とされ、したがって宇宙空間のような無重力環境では効果が得られない。逆に宇宙船にとっては非常に効果的な装置として働き、大気中におけるクリーンな推進装置として利用されている。
著名なリパルサーリフト製造会社には、スピーダー・バイク・メーカーのアイカス=アドノ社、ランドスピーダー・メーカーのモブクエット社、軍用リパルサーリフト車両専門のアラテック社、より大型の多目的艇を扱うユブリキアン社などがある。
亜光速ドライブは宇宙空間で宇宙船を推進させるエンジンである。ハイパードライブとは異なり、亜光速ドライブは宇宙船を光速以上の速さで動かすことができない。亜光速ドライブの一般的な機種はイオン・エンジンであり、これらは船の進行方向と逆向きに超高速のイオン粒子を放出することによって推力を得ている。帝国軍のTIEファイターも軽快な速度を得るために2基のイオン・エンジンを使用している。
最も人気の高い亜光速ドライブはホアシュ=ケッセル・イオン・ドライブの基本モデルである。このエンジンは内部で起こる核融合の反作用によって荷電粒子を生成し、これを機体後方から放出させることによって推進力を得ているが、他の機種では重金属や液体性反応物質などを使用してエネルギー変換を行うエンジンも存在する。一般に大型船は機動性を確保するために横方向への推進装置として小型のイオン・エンジンを追加しているが、小型船では推力を向け直すための特別なベクトラルを使用したり、エーテル方向舵などを搭載している。
イオン・エンジンの排気にはわずかながらも放射性物質が含まれているため、大規模なイオン・エンジン工場で働く技術者たちはよく保護ギアを身に付けている。一方で、この放射能は副産物として一般的な着陸プロトコルを生み出した。すなわち、大気中では宇宙船は推進力のほとんどをリパルサーリフトに頼り、軌道上にまで達した後、リパルサーリフトは効果が失われるため、より強力な亜光速ドライブに切り替える。そして星系から離れる際には超光速に移行するためハイパードライブを使用するのである。
革命的なハイパードライブ推進システムの発明が無ければ、星系間を旅行することは不可能だっただろう。ハイパードライブとはエンジンとそれに関係したシステム全般の総称であり、宇宙船をハイパースペースと呼ばれる異次元空間に突入させることができる。ハイパースペース内では宇宙船の速度に制限は無く、惑星間の距離をほんの数分で行き来できるのだ。
ハイパードライブが発明されたのはナブーの戦いのおよそ25,000年前のことである。ハイパードライブの発達によって既知銀河の惑星への入植が進み、共和国がますます成長、繁栄したことを考えれば、これはおそらく銀河系の歴史にあって最も重要かつ唯一の発明と言えるだろう。初期のハイパードライブは到達距離と信頼性の面で制限があったが、何千年も前から宇宙船はハイパースペース・ビーコンや特定のルート上にある星系間を移動するためのジャンプ・ポイントを使うようになっている。
ハイパースペース航法は星間移動に関する一般的な手法となったが、それには大きな危険が付きまとっている。リアルスペースに存在する物体はハイパースペースに巨大な影を落とし、その影に衝突した宇宙船は即座に破壊されてしまうのだ。しかし、一般にハイパードライブを装備した宇宙船は安全な軌道を計算するために航法コンピュータを搭載しており、恒星、惑星、小惑星、その他の災害を回避するルートを算出することができる。ただし、一旦ハイパースペースに突入した後で軌道の変更を行うことはできない。
多くの宇宙船に搭載されている安全装置は、巨大な重力場が存在している近辺でのハイパードライブの使用を制限するように働く。したがって、惑星を飛び立った宇宙船は、その惑星の重力井戸から十分な距離を確保した段階でなければハイパースペースに突入することができないのだ。軍事技術者たちはこの特性を利用し、人工重力井戸発生装置を開発した。これらの装置は敵のハイパードライブに重力井戸が存在していると誤認させ、標的となる宇宙船がハイパースペースに逃げ込むことを防ぐのである。
近年のハイパードライブは速度によって分類されており、クラス数の低いものほど高速であることを意味する。一般市民が所有する宇宙船は主にクラス3以上のハイパードライブを搭載した船であり、軍事戦艦になるとクラス2からクラス1の間、クラス0.75やクラス0.5になると極めて特殊な宇宙船だと言える。ハン・ソロの<ミレニアム・ファルコン>は民間貨物艇としては異常なほどに高性能なハイパードライブを搭載しており、クラス0.5と記録されている。
小さなスペースに機器を詰め込んだ宇宙船は、一般にエネルギー生成装置や超光速エンジンを収容するスペースを保持していない。小型戦闘機にハイパードライブが搭載されることは稀であり、またそのような機種は高価である。そのため、小型船は長距離移動の際により大型の母船に積載されることが多いのだ。単独で航行することが多いジェダイ・スターファイターの場合は、その行動範囲がジェダイ・オーダーによって遂行される個別任務の有効範囲をカバーする必要があった。
それに対する回答が、独自のエネルギー源とハイパードライブを装備した分離型ブースター・リングである。ジェダイ・スターファイターは特別に設計された船架でこのリングと接続される。ジェダイ聖堂はジェダイ・スターファイターが発進するたびにコルサントの軌道上に一連のブースター・リングを配備している。
デルタ7・イーサスプライトのシステムの大半はクワット・システムズ・エンジニアリング社内で開発されたものだが、ハイパースペース航行リングだけはレイター・セクターの技術系製造会社であるトランスガルメグ工業社に下請けで発注されていた。最終的な製品名はサイルイア31・ドッキング・リングである。1対のハイパードライブ・エンジンはジェダイ・スターファイターにクラス1.0相当の性能を与え、それによって航行範囲も150,000光年にまで拡張されるのだ。
数は非公開となっているが、クローン大戦の勃発に先立つ数週間の間に、実験段階のハイパードライブをフレームに組み込んだ高性能型のデルタ7が存在した。しかし、これらの機種の性能データも厳重に保護されているため不明である。
トラクター・ビーム発射装置は銀河系全域で多くの使われ方をしている便利な道具である。貨物船などではカーゴ・モジュールを積み込む際にトラクター・ビームが利用されており、ハンガー・ベイや宇宙港では船を安全に離発着させるために利用されている。
軍事用トラクター・ビームは様々な戦闘局面において価値ある装備となっている。例えばインペリアル・スター・デストロイヤーは敵艦を拿捕する際にトラクター・ビームを使い、一方で反乱軍は宇宙戦闘機から脱出したパイロットを救出するために使用している。
トラクター・ビームでは高速かつ機動性のある宇宙戦闘機を捕らえることが困難である。また、この装置は広大な設置面積と頻繁なメンテナンスが必要となり、スター・デストロイヤーに搭載された最大のトラクター・ビーム発射装置では常時10人以上の操作員と技術者を必要としている。
デス・スターのような巨大宇宙ステーションでは、トラクター・ビームに常に安定したエネルギーを供給するため、主反応炉と直結させている場合が多い。しかし、このような発射装置は反応炉との接点が1箇所でも切断されると、装置全体が効果を失ってしまうという欠点もある。
シールド発生装置は偏向シールドを生成、維持するために必要なエネルギーを生み出し、船、建物、惑星の一部など、指定された対象物の周辺にシールドを形成するための装置である。偏向シールドは高価で莫大なエネルギーを要求するが、大抵の攻撃を回避できるため宇宙船にとっては極めて有用な装備となる。ほとんどの宇宙船は第一の防衛手段として何らかのシールド技術を搭載しており、星間移動における自然災害だけでなく、敵の攻撃からも船体を保護している。そのため装甲プレートを節約することができ、より激しい攻撃を回避できるように改良することも容易である。しかし、小型船では偏向シールドを生成するためのエネルギーも限られているため、特定の部分しか保護していないことも多く、機動性を駆使して攻撃を回避することに頼っている面も多い。
一般に偏向シールドには光線シールドと粒子シールドの2種類のタイプが存在し、大抵の宇宙戦闘機や大型艦船はその両方を装備している。粒子シールドはほぼすべての宇宙船に標準装備されており、瓦礫や他の船との衝突や物理的攻撃からくる運動エネルギーを吸収させることによって、船体を保護することができる。プロトン魚雷や震盪ミサイルの威力も粒子シールドによってほとんど発散させられるが、レーザー砲火のようなエネルギー攻撃に対しては完全に無力である。粒子シールドはエネルギー電荷を使用することによって船体プレートの分子結合力を強化し、船全体の防御力を高めている。通常、粒子シールドは流星や他の小さな粒子から船体を保護するために常時使用されているが、離陸時や物理兵器を使用する際には出力を低下させなければならない。コンピュータ化されたシステムがあれば、シールドの上げ下げを瞬時に行うことも可能である。
一方で、レーザー・キャノンやターボレーザーによるエネルギー攻撃を防御するためには光線シールドが必要となる。これらは一般に大量のエネルギーを消費するため、通常は戦闘時のみに使用される。シールドのエネルギーは宇宙船の装甲を内側から通過し、船の外側を数センチの幅で覆う一連のエネルギー層を形成して船体を保護する。エネルギー・シールドは非常に強力であり、単純に触れただけでも大きな被害を与えることができる。
偏向シールドを地上に設営する際には、反乱軍がホスで軌道攻撃から基地を守るときに使用したような大型発生装置を使用するのが一般的である。しかし、こうしたシールドは内側と外側の両方向に機能するため、脱出船が飛び立つときには瞬間的に出力を落とさなければならない。ホスの戦いのとき、帝国軍の陸戦部隊はシールドの境界線より外側に着陸し、強力なシールド発生装置を破壊するために進撃を開始した。
第2デス・スターの防御シールドを構築する際に、帝国軍はパラボラ・アンテナ型の発生装置を持つ巨大な発生施設を建造した。この発生施設はエンドアの地表に造られ、上空に位置する第2デス・スターを防御エネルギーで包み込んでいたのだ。同盟軍の宇宙戦闘機部隊はデス・スターの内部に突入してこの要塞を破壊しなければならず、そのために反乱軍の奇襲部隊がシールド発生施設の爆破を試みたのである。
エイリアンの文化には、偏向シールドに類似した独自のテクノロジーを発展させたものがいくつか確認されている。例えば、ナブーのグンガンは偉大なる軍隊に防御用の傘を形成させるため、エネルギー・バブルを広げる技術を適応させた。彼らはファンバと呼ばれる巨大な爬虫類の背中に発生装置と発射ドラムを乗せ、戦場に運搬する。このシールドはブラスターなどのレーザーや戦車からの砲撃を遮断することができるが、徒歩のバトル・ドロイドのように運動エネルギーが小さな物体の進入を防ぐことはできない。
ハイパードライブを使用する際、宇宙船は惑星の重力井戸から脱出した状態でなければならない。通常は重力井戸の中にいると安全装置が働き、ハイパードライブの起動に制限が掛けられるようになっている。また、重力の存在は正確さが要求される航法コンピュータの軌道計算を妨害してしまうのだ。
帝国軍はこうしたハイパードライブの弱点を巧みに利用し、人工重力井戸発生装置を開発した。これらの装置は小惑星や惑星のような巨大な天体の存在をシミュレートすることによって、宇宙空間の質量線を崩壊させるほど強力な重力波を放出することができる。このような擬似質量の存在は宇宙船がハイパードライブを使用することを阻止し、さらにハイパースペースを航行中の宇宙船でさえ、リアルスペースに引き戻されてしまうのだ。
シーナー・フリート・システムズ社製G-7x重力井戸発生装置は、帝国軍で最初に竣工したインターディクター級ヘヴィ・クルーザー、インモビライザー418の主力兵器である。帝国軍はこの先進技術を研究し続け、さらに強力かつ小型な機種の開発を行っていた。そして、エクリプス級やソヴェリン級などの最終型スーパー級スター・デストロイヤーにも重力井戸発生装置が搭載されるに至ったのである。
重力井戸発生装置は最適な状況下では極めて効果的な武器だが、それなりの制限があるのも事実である。重力井戸発生装置は重力波を発射できるようになるまでに30秒の時間を要し、停止は遅延なく行えるものの、再発射にはコンデンサーでのパワー入れ替えと完全なリサイクルのために40秒を必要とする。さらに一旦形成された重力井戸は、それ自体が実在の物体とほぼ同様の慣性の法則に支配されるため、移動させることが困難である。また、重力井戸発生装置の莫大なエネルギー出力はインターディクター・クルーザーの移動と操縦にも大きな影響を与えることになる。
初代デス・スターに搭載されていた非常に強力な重力井戸発生装置のプロトタイプは、開発の最終段階に入っていた。この装置は2人で運べるほど小型なものだったが、スター・デストロイヤーのメイン・トラクター・ビームの10倍のエネルギーが要求されていた。しかし、生成される重力井戸は莫大な規模を誇り、G-7xによって生成されるものを遥かに凌ぐ大きさだったのだ。
この発生装置のプロトタイプはデス・スターの破壊を免れ、巨大な破片の塊と共に一時的に宇宙空間を漂流していたという。やがてこの破片はパラディーズ星系にあるウーゴアの浮遊廃品置き場の中心地点となった。この重力井戸発生装置は何らかの方法によって復活し、広大な星間廃品地帯の中心となったのである。ゴミを崇拝するウーゴアたちは、このデス・スターの破片(彼らの星系の新しい中心地)を「最も神聖な地」と称し、発生装置自体も「最も偉大な移住者」として知られるようになった。やがてこの装置は、ウーゴアの廃品回収事業の崩壊を目論むスクイブの標的となり、彼らの任務を支援する反乱軍特殊部隊によって除去された。その結果、パラディーズ星系もばらばらとなって崩壊したのである。
また、帝国軍にはセドリ星系から自然発生の重力井戸発生装置に関する報告も寄せられていた。そこに生息するゴールデン・サンと呼ばれる奇妙な生命体は重力波を発することができ、セドリがあたかも惑星ではなく恒星であるかのような効果を現していたのである。しかし、ゴールデン・サンが原住種族のセドリアンとの内乱を避け、反乱軍の特殊部隊によって解放されたとき、この天然の重力効果に関する研究も終了を余儀なくされたのだった。
蘇ったパルパティーン皇帝による新共和国への反抗計画の最中には、巨大な一連の重力井戸発生装置がディープ・コアの帝国領への往来を調整するために使用されていた。これらの発生装置は、帝国のハイパースペース・セキュリティ・ネットのバックボーンを形成していたのである。
そして、エンドアの戦いの14年後、コレリアン星系の征服者を自称するサコーリアン・トライアドと呼ばれる集団は、古代に建造されたセンターポイント・ステーションを利用して、星系全体を覆う広大なインターディクション・フィールドを発生させた。したがって、センターポイント・ステーションは、歴史上最も大型の重力井戸発生装置として記録されている。
コレリアの危機の間、新共和国はバクラで開発された高周波慣性運動量持続装置(HIMS)を利用した。この装置はインターディクション・フィールドに逆らう初の効果的な試みである。HIMSは船の通常のハイパードライブを素早く停止させることができる重力センサーを利用し、重力井戸に突入したことによる損傷から船体を守っている。また、この装置は同時に静的なハイパースペースの泡を生成させる。この泡は船に一切の推力を与えないが、自身の運動量を前方に向かわせることで船をハイパースペース内に留めさせることができるのだ。
クローキング装置は、船を他の艦船のスキャナから不可視にするための装置である。通常、あらゆる艦船は電磁波を放出しており、それらをセンサーやスキャナで捕らえることによって、その宇宙船の様々なデータを読み取ることが可能になる。しかし、クローキング装置はこうした電磁波をすべて遮断し、宇宙船をセンサーやスキャナだけでなく、視覚的にも覆い隠してしまうのだ。
銀河系で開発されたクローキング装置には2つの種類が存在する。最も早期に開発されたものはスタイジアムと呼ばれる天然のクリスタルを利用したテクノロジーであり、これはシーナー・アドバンスト・プロジェクト研究所で開発されていたものである。シス・インフィルトレーターに初めて搭載されたスタイジアム・ベースのクローキング装置は極めて効果的であり、クロークされた船が周囲を走査するために自身のセンサーを使用することも可能だった。だが、スタイジアム・クリスタルはアウター・リムの惑星エイテンIIでしか採れず、その採鉱には法外な費用が要求される。さらに、スタイジアムは使用中にオーバーヒートによって燃焼してしまうことが多く、旧共和国の晩年には、銀河系全体でもごく限られた数しか存在しなくなっていた。やがて、エイテンIIにおける埋蔵量も枯渇し、スタイジアム・テクノロジーそのものも、クローン大戦による混乱の中で永遠に失われてしまうのだった。
銀河内乱の時代になると、パルパティーン皇帝は熱心に失われたクローキング・テクノロジーの再開発を命じるようになる。そしてついに、ハイブリディウムと呼ばれる物質によってクローキング装置を作成できることが、帝国軍の科学者たちによって発見されたのだった。初期段階のテストによると、ハイブリディウムを利用したクローキング装置は、静止した物体にのみ使用できるものと思われていたが、更なる研究の結果、ついに艦船に搭載可能なハイブリディウム・ベースのクローキング装置が開発されたのである。しかし、ハイブリディウムを利用したクローキング装置はとても大きく、作動させるには膨大な量のエネルギーが必要だった。さらに、この装置にはハイパースペース内で動作が不安定になるという重大な欠陥も見つかっており、コストの面と併せて、その能力を疑問視する声も多かった。結局、ハイブリディウム・ベースのクローキング装置は、十分な活用がなされないまま、姿を消してしまったのである。
しかし、皇帝に反旗を翻したザーリン大提督はこの事実を知らなかった。彼は同盟軍に提供するためにクローキング装置のプロトタイプを盗み出し、クローキングされたCR90コレリアン・コルヴェットでスローン副提督からの逃走を試みる。しかし、ハイパースペースに突入後、クローキング装置が破損し、コルヴェットも大破してしまうのだった。
そしてエンドアの戦いから5年後、大提督として既知銀河系に帰還したスローンは、ウェイランドのタンティス山にあるパルパティーン皇帝の宝物庫からクローキング装置を発掘し、新共和国に対する反抗計画の中で、2度にわたってそれを使用している。一度目はスルイス・ヴァンの戦いで、彼は偽装貨物船<ナーティスチュー>の内部貨物を隠すためにクローキング装置を使用した。そして二度目は、この装置を小惑星に取り付け、コルサントの周回軌道に置き去りにしたのである。
宇宙船に対するクローキング装置の使用にはいくつかの制限があり、その中でも最も重大なものは、クローキングされた船は自身も盲目になってしまうことである。つまり、クローキング船は他の艦船から見えない代わりに、自分も外界から完全に切り離されてしまうのだ。この事実は初期の技術者や開発者たちに大きな問題を提起したが、後にこの問題は帝国軍コンピュータ戦闘照準測定器の発明によって克服されることになる。この装置は船の盲目状態を軽減こそしないが、船に敵の攻撃艇を撃墜する機会を与えてくれるのだ。