拡張世界(Expanded Universe)に属するエピソードを、本編から派生した物語という意味で「スピンオフ」と呼びます。もともと映画として誕生したスター・ウォーズですが、現在ではルーカスフィルムの公式ライセンスのもとで、小説、コミック、ゲーム、アニメなど、様々なメディアに飛び火し、全体で大きな一つの世界を作り上げています。こうした世界の大部分を構成する「映画以外の公認エピソード」がスピンオフになります。また、スター・ウォーズに関しては、単にEUと言った場合も同じ意味です。
なお、スター・ウォーズは必ず映画から始まるので、原作小説というものは存在しません。映画と同じタイトルのついた小説は「小説化版」です。若干意見が分かれるところですが、これらも映画ではないので通常はスピンオフとして扱うことが多く、当サイトでもそのように扱っています。
余談ですが、スピンオフ作品でも『ジェダイ伝説(Tales of the Jedi)』シリーズのように原案にルーカスが直接関与しているものもいくつか存在します。
テレビ作品(日本では劇場公開)の『イウォーク・アドベンチャー』と『エンドア/魔空の妖精』は、一見すると映画との関連が希薄に思えますが、現在ではスター・ウォーズのスピンオフとして扱われており、むしろルーカスの考えでは自分の作品だけに他のスピンオフ作品より一段高いところに位置付けられているようです。劇中における年代設定は不明ですが、EP6でイーウォックの村に人間の服があったことから、EP5とEP6の間という説が有力です。ちなみに、シンデルなどの登場人物の名前が他のスピンオフ小説に登場していることもあります。
もちろん、イーウォックやドロイドのアニメ、ホリデー・スペシャルも同様にスピンオフです。
原書は Amazon.co.jp などで簡単に手に入ります。問題は邦訳版ですが、出版社によって状況が様々なので、以下にまとめました。参考にしてください。
エフエックス | 2009年現在、邦訳版小説を唯一継続して出版している会社です。すべて絶版になっていないため、書店に在庫がなくても注文などで容易に入手可能です。 |
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オークラ出版 | ジュニア小説の邦訳版が現在発売されています。絶版になっていないため、書店に在庫がなくても注文などで容易に入手可能です。 |
ソニー・マガジンズ | 旧三部作時代のブリッジ・ノベルやニュー・ジェダイ・オーダーなどを出版していましたが、すべて絶版になっています。ただし、書店に在庫が置いてあることも多いですし、オークションでも比較的容易に入手できます。ハン・ソロ三部作だけは定価をかなり上回っているようです。 |
竹書房 | 現在すべて絶版のため通常ルートでは入手できません(旧三部作映画の小説化版は現在も発売中)。しかし、これらは古本屋やオークションなどで安価に入手することができます。特にスローン三部作のような初期の作品は市場に豊富に出回っているため、定価割れしていることが多いです。 |
メディア・ワークス | Xウィング・シリーズがこれに該当します。現在すべて絶版のため通常ルートでは入手できません。しかも発売当時の認知度が低かったため売れた数が竹書房の小説に比べて少なく、現在市場に存在する数も他の小説と比べて圧倒的に少ないため、入手は極めて困難です。古本屋やオークションなどで見かけることもありますが、上下セットで1万円近くまで高騰することもあります。安価に入手することは奇跡に近いといえるでしょう。例外的に第一作の『新生ローグ中隊』だけは比較的相場が安いようです。 |
偕成社 | ジュニア向け小説ジェダイの王子シリーズがこれに該当します。現在すべて絶版のため通常ルートでは入手できません。Xウィング・シリーズと同様に認知度が低かったため、出回っている数が少なく、古本屋やオークションなどでもかなりの高値で取引きされています。ただし、これらについては苦労して入手する価値はないと思われます。 |
サンリオ | 『侵略の惑星』のみがこれに該当します。発売年度が1978年ということもあって、当然絶版です。既に出版社も存在しません。現存する数は非常に少ないと思われますが、意外と簡単に入手できることがあります。古本屋やオークションなどで見かけることは稀ですが、出てきたときの価格はそれほど高くないようです。根気よく探していれば、数千円で入手できるでしょう。 |
小学館プロ | 邦訳版コミックがこれに該当します。一部絶版になったものもありますが、書店の在庫も多く、ほとんどは通常ルートやイベント会場などで入手可能です。古本屋やオークションなどでも安価に安定供給されています。 |
まず、現在までに発売されているスピンオフ(小説、コミック、ゲームなど)は、邦訳されているものだけでも50種類を超えています。既に絶版のものも少なくなく、すべてを入手することさえ困難な状況にあることを認識してください。その上で、読む順番には主に「年代順」と「発売順」の2通りがあります。どちらでも自由ですし、入手した順や面白い順に読むのも自由なのですが、当サイトでは「発売順」に読むことを推奨します。というのは、「発売順」はほぼ「書かれた順」と一致しており、引用や登場キャラクター等、そのときに既存だったエピソードを読んでいることを前提に書かれていることが多いのです。したがって、下手に年代順に読むとまったく意味不明な状態に陥ることもあります。具体的な順番はタイムラインを参照してください。
なお、これは映画にも同じことが言えます。旧三部作を見ていない方は『エピソード I』以降を見る前に旧三部作を一通り見ておくことをお勧めします。
スピンオフ作品(当サイトでは本国にならってEU系と呼ぶことが多いです)の設定は必ずしもルーカスの持つイマジネーションと一致しているわけではなく、映画がこれらの作品から影響を受けることは、コルサントの名称などのわずかな例外を除いてほとんどありません。特に近年のスピンオフ作品群は映画本来の設定やテイストとの乖離が激しく、両者を完全な別物として捉えるファンが多いのが現状です。公式サイトのデータバンクでも、映画の設定とEUの設定が別々に定義されていることを考えれば当然といえるでしょう。一般にスピンオフ作品は過去の映画や他のスピンオフ作品の内容を踏襲して作られていますが、映画はそれまでのスピンオフ作品の内容にほとんど干渉しないので、両者の間に矛盾が生じるのは当たり前のことなのです。
しかし、今までの状況を見る限り、新作映画の公開によって矛盾が生じたスピンオフの設定はほとんどありません。なぜならスター・ウォーズの場合、旧設定は破棄されるのではなく、追加設定によって強引につじつま合わせされることが多いからです(オビ=ワンとオーウェンの血縁問題などは例外中の例外)。つまり、矛盾に突き当たってもほとんどの場合は何らかの公認解釈が存在するのだと思ってもらって結構です。
とはいっても全ての設定を把握することは不可能なので、当サイトでは知り得る限りの設定について以下の優先順位を適用した上で、矛盾の解決を行っています。
同列で矛盾が発生する場合は実時間で設定日時の新しいものが優先されます。
※もちろんスピンオフ側を映画より優先させる立場も、個人の楽しみ方としては大いに結構だと思います。
フォーム7の名称はジュヨーで間違いありません。ヴァーパッドはフォーム7を使った剣技の1つです。