イシ・ティブ
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生態と外見
イシ・ティブはザラザラした硬い皮膚を持つ水陸両棲のヒューマノイド種族である。彼らの顔はそれぞれの棘が45度に傾く4股の星に似ており、上方の2本の棘の先端には黄色い瞼のない目が、下方の2本の側面には鉤のように曲がったクチバシが付いている。また、クチバシの上、すなわち顔の中心には2つの鼻孔があり、これらは陸上でも水中でも同様に機能する。そのため、イシ・ティブは遠く離れたところにいる獲物(あるいは外敵)の臭いを嗅ぎ分けることができるが、そのクチバシもまた強力な武器となり、ウロコに覆われた硬い皮膚をかみ砕いたり、尻尾や指のような器官に噛み付いたりすることができる。また、彼らは太く短い筋肉質の腕をしており、それぞれの手には互いに同じ形をした2本の指が生えている。さらに、腕と同様にその足も太く筋肉質であり、平たくなった先端は漠然としたヒレに似ている。
イシ・ティブの生活に水は必要不可欠な存在である。彼らの皮膚と肺(内部で空気と水を処理する鰓の働きをする)は湿気と海水から得られる塩分の不足に敏感であり、およそ30標準時間おきに故郷の海洋に似た塩分の多い溶液に身を沈めなければならない。もしそれができないと、彼らの皮膚と肺は乾燥し、ついにはひび割れ、(内部的かつ外部的な)出血多量により死んでしまうのである。
イシ・ティブは忍耐強く思慮深い種族であり、決して性急な行動をとらない。彼らは大掛かりな洗練された計画を黙殺することのできる几帳面な立案者であって、このことは彼らを優秀な策略家、経営者、そして会計検査官に仕立て上げている。そして一度行動方針が決まれば、彼らは決してそれが完結するまで休まないのだ。
戦闘においてもイシ・ティブは強烈な存在といえる。彼らは追いつめられたり攻撃されたりすると手に負えないほど熱狂的になり、相手が死ぬまで、あるいは自分が死ぬまで攻撃し続け、(可能であれば)その死体を食べてしまうのだ。
イシ・ティブは全体を浅い海洋に覆われた中型の惑星ティブリンの出身である。ティブリンの地軸はその公転軌道に対して垂直であり、その軌道もほぼ完全な円を描いている。そのため、この惑星には季節の変化がなく、広大な塩辛い海洋が惑星規模の熱ポンプとなって太陽熱を赤道地域から極地に送り込み、ティブリンの表面の大半を覆う熱帯気候を作り出している。この惑星には一切大陸がないが、その水に満ちた表面には数多くの珊瑚礁や砂洲が点在している。それらの多くは水面から突き出しており、満潮になるとそこに棲む生物たちは空気中に適応する。
イシ・ティブはこうした砂洲付近の浅瀬で進化した種族である。彼らの祖先は発達したヒレと先細った尾ヒレを持つ大きな骨ばった魚だった。彼らは肉食動物から逃れるため、砂洲の露出した部分に進出していったのだ。砂洲には捕食性の脊椎動物がいなかったためこの生存計画はうまく成功し、イシ・ティブの祖先は長い時間海洋の外で過ごすことができるようになった。彼らのヒレと尾ヒレはより強靭なものに変化し、正真正銘の手足へと進化した。また、湿気を維持するため、太陽による蒸発を防ぐ表皮組織の層も発達させている。
イシ・ティブは身体だけでなく、その精神も発達させた。彼らは効果的に肉食獣から逃れたが、新たな環境にも他の試練が待っていた。イシ・ティブはこうした問題を解決する手段を学びつつ、合理的思考、道具を使う能力、そして地域共同社会を発達させたのである。
社会と文化
イシ・ティブの文化は本質的には共同社会である。そこでは集団の需要は個人の需要の上にあると考えられ、こうした「群」は数百人から10,000人以上で構成されている。また、彼らには配偶者という概念がなく、生殖活動の頻度はその群の人々の要求や生活する地域の資源によって決定される。群が生殖活動を必要と認めると、受精卵が砂洲の孵化場に置かれるが、その多くは記録に残されたイシ・ティブの歴史の初期から使われている場所である。子供たちが孵化した瞬間から、群には全体で彼らを育てる責任が発生し、親と子供といった概念は一切存在しない。
イシ・ティブの群は1標準年の任期で選出された代表者が制定する、生態学的法律によって統治される。いかなる個人あるいは集団にも権力を集中させないため、代表者は必ず1期で交代しなければならない。
テクノロジー
イシ・ティブの科学技術は外見とは裏腹に複雑で工業的である。故郷では、彼らは珊瑚礁の基盤に慎重に築かれた都市で生活している。彼らの生活空間は陸上であるが、恐ろしい肉食獣は既に飼い慣らされているか、あるいは排除されており、もはや海を恐れる理由は何もない。現在、彼らは広大な海底の畑で食用の海草を栽培し、柵の中で魚の群れや甲殻類、貝類を養殖している。イシ・ティブはこうした水生環境で調和を得ようと努力しているのだ。彼らは珊瑚の成長を妨げるほど多くの都市は建設しておらず、海を汚染するものは都市全体を汚染することになるため、環境を汚す技術は一切使用していない。科学的発見は環境への影響を根気よく試験した上で、その使用を合法化している。
イシ・ティブは故郷を離れることにほとんど関心を抱いていないが、彼らはその組織的能力によって銀河系の各企業や工業ギルドから多くの求人を集めている。彼らは一度雇われると経営側のポストに就くことが多く、また生態学的に神経過敏な作業が集中した企業を選ぶ傾向にある。結果的に銀河に進出したイシ・ティブの多くは非常に裕福であり、多額の給与やその他の利権によって故郷から誘惑されているのだ。