シミ・スカイウォーカー・ラーズ
(シミ・スカイウォーカーから転送)
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解説
生後まもなく海賊によって誘拐され、家族と離れ離れになったシミ・スカイウォーカーは、その後の人生の大半を奴隷として過ごすことになった。若いころは主に家事手伝いとして従事し、多くの主人たちの間で転売され、やがて大人になると小型部品の洗浄作業をさせられるようになった。こうして彼女は多くの能力を身に付けていったのだった。
主人たちの中には、ときおり彼女に優しい一面を見せる者もいた。たとえばそのなかの1人、ピ=リッパは、シミに様々な技術的能力を教え、やがては自由の身にしてやると約束していた。しかし、ピ=リッパは彼女が解放される前に死んでしまい、シミはその親族の1人の奴隷となったのである。
やがて彼女は息子のアナキンを身ごもるが、その父親はいなかった。アナキンがシミの体に宿ったのはフォースの意思であると主張する者もいる。彼女は息子が特別な力を持っていることに気づいていた。
やがて2人はタトゥイーンでガーデュラ・ザ・ハットの奴隷となり、モス・エスパに移住した。しかし、アナキンが3歳のとき、ガーデュラはポッドレースの賭けに負け、2人をワトーに譲ることになった。モス・エスパでジャンク屋を営むワトーは無慈悲で乱暴な主人だったが、シミにある程度の自立を許可していた。ワトーから与えられた仕事をしていなかったとき、彼女はコンピューターのメモリー装置の洗浄によってわずかな独自収入を得ることができたのであった。
シミは自分にとって唯一の希望である息子、アナキンにすべてを託していた。彼女にとって最大の願いは、アナキンが自由の身となることだった。そして、その願いはクワイ=ガン・ジンとの運命的な出会いによって現実のものとなった。クワイ=ガンはワトーとのポッドレースの賭けに勝ち、アナキンを自由にすることに成功した。アナキンはクワイ=ガンと共にタトゥイーンを離れ、ジェダイへの道を歩むことになった。彼はいつかタトゥイーンに戻り、母を自由の身にすると誓ったが、ジェダイ・オーダーへの忠誠は過去をすべて放棄することを意味していたのである。
シミが自由を手にする機会は意外にも早期に訪れた。クリーグ・ラーズと名乗る水分農夫がワトーの店を訪れ、彼女を気に入ったのだ。シミはラーズに買い取られ、即座に奴隷から解放された。そしてラーズは彼女を再婚相手としたのである。モス・アイズリーの郊外にあるアンカーヘッドの水分農場での暮らしは厳しいものだったが、クリーグとその息子オーウェン、そしてオーウェンの恋人ベルーとの暮らしは、彼女にとって長く久しい幸せだった。彼女は新しい家族たちと暮らしながら、いつかアナキンが故郷へ帰ってくる日を心待ちにしていたのであった。
しかし、アナキンがタトゥイーンを離れて10年後、息子の訪問を前にしてシミのもとに悲劇が訪れた。日課となっていた水分凝結機でのマッシュルーム採集のとき、突如としてタスケン・レイダーたちが彼女を襲撃したのである。シミはそのまま連れ去られ、クリーグは農場仲間と共にその後を追ったが、20名以上の犠牲者を出す結果となった。クリーグ自身も罠によって右足を失い、その後1ヶ月、誰もシミを捜索することはできなかったのである。
こうして誰もがシミの死を受け入れていたとき、ラーズ家の農場にアナキンが現れた。彼は義理の父から母の身に降りかかった災いを聞き、1人でシミの捜索に向かう。やがて彼は母をさらったタスケンのキャンプを発見し、傷付いて衰弱したシミと再会を果たした。シミは唐突に現れた青年を、一目で立派に成長したアナキンであると見抜き、すべての想いを満たすのだった。安堵した彼女は最愛の息子に抱かれ、そのまま息絶えた。シミの亡骸はアナキンによってラーズ家に運ばれ、その場に埋葬された。