バンサII・カーゴ・スキッフ
(デザート・スキッフから転送)
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バンサII・カーゴ・スキッフは、ユブリキアン工業社製のリパルサーリフトを利用した乗り物である。これらはタトゥイーンのような砂漠の惑星で多用されていたことから、別名デザート・スキッフ、またはサンド・スキッフと呼ばれることが多かった。
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特徴
バンザII・カーゴ・スキッフはリパルサーリフトを用いた一般的な多目的艇であり、様々な惑星環境に応じて広範囲におよぶ産業用途に容易に改造することが可能である。このスキッフの基本デザインは開放的なオープン・デッキで、機体の後部付近に非常にシンプルな操舵ステーションが取り付けられている。これらは1気筒のリパルサーリフト・エンジンによって地上から50メートル以上上空を走行することができ、一方で推進ノズルによって時速250キロメートルにおよぶ速度を出すことができる。また、1対の安定化翼板によって、操縦性も十分に確保されている。
バンサIIは100トンもの貨物を載せて走行することができるため、これらは輸送艇として最適な乗り物であり、銀河系全域の倉庫施設や宇宙港で広く使用されていた。伸縮式の磁気リフターを取り付けられた機体も多数存在し、こうしたスキッフでは貨物モジュールをデッキに持ち上げることも可能である。スキッフに揚げられた貨物モジュールは、磁気ファスナーや旧式の貨物ストラップによって固定されるのだ。また、バンサIIは低速で航行することが多いため、操縦者や乗員は常に立っていることが多いが、なかには16以上もの座席を取り付けられた機体も存在し、これらは大型輸送艇や個人用輸送艇、あるいは娯楽艇として転用されていた。
バンサII・スキッフは使用場所の条件に応じて改造しなければならないケースが多いが、それは簡単な作業である。最も一般的な改造は、乗客や乗員を様々な要素から保護するための、デッキと操舵ステーションへの囲いの取り付けである。他にも、ウォーター・スキッフは伸縮式の防水スクリーンを装備しており、海洋や河川を渡るためにリパルサーリフト・エンジンも強化されている。また、ジャバ・ザ・ハットが所有していたようなデザート・スキッフには、砂塵フィルターと高性能なエンジン冷却システムも欠かせない。
歴史
バンサII・カーゴ・スキッフが激増した理由の一部はその使いやすさにある。スキッフは比較的不器用な労働者や単純作業用ドロイドでも十分に操縦することができ、また非常に安価であるため、財政事情の苦しい惑星でも大半は公共用途に一まとめのスキッフを購入することができるのだ。
一方で、スキッフは戦闘用途にはまったく向いていない。一般的なハンド・ブラスターですら、スキッフの安定化翼板やリパルサーリフト・エンジンにダメージを与えるには十分であり、簡単に安定性を奪われてしまうのだ。傷ついたスキッフは突然の荷重移動や鋭角ターンでも容易に横転してしまい、貨物を地表にばら撒いてしまうことになる。
こうした欠点を少しでも補強するために、ジャバ・ザ・ハットの乗員たちはデザート・スキッフに軽装甲プレートや小型レーザー・キャノンを取り付けていた。彼らはこうしたスキッフの部隊を使用して、入植地近辺での略奪、遊覧の際のラグジュアリー・セール・バージ<ケターナ>の護衛、ライバルの犯罪王の部隊との戦闘などを行ったのだった。戦闘が起こると、ジャバの傭兵たちは護衛のスキッフで戦いの場へと急行し、セール・バージの乗客たちは安全な場所で戦闘を楽しむことができた。また、ジャバは所有するスキッフに伸縮式のタラップを取り付けさせており、通常、これらはサーラックの餌食となって処刑される敵を歩かせるために使用されていた。だが、ルーク・スカイウォーカーとその友人たちを処刑する際には、まったく役に立たなかったのも事実である。
また、ジャバのライバルの1人であるガーデュラ・ジ・エルダーもバンサII・カーゴ・スキッフを個人的な輸送艇として使用していた。また、銀河帝国や反乱同盟軍などの政府組織もこれらのスキッフを多数入手し、兵員輸送艇として利用していた。