モス・エスパ大競技場
提供: スター・ウォーズの鉄人!
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解説
モス・エスパから数キロメートル離れたゼルリック・ドローと北の大砂丘海との境には、著名なブーンタ・イヴ・クラシック・ポッドレースが開催されるモス・エスパ大競技場があった。この競技場は、普段はアマチュア・レースの会場として貸し出されていたが、年に一度の開催日、ブーンタ・イヴになると少なくとも100,000人の観衆が押し寄せ、大盛況となっていた。観衆は観戦プラットフォームやその上段に並んだ特別観戦シートから息詰まる超高速のレース展開に一喜一憂することができ、また、低料金で携帯用ビュースクリーンをレンタルすれば、高速移動するポッドレース・ホロカムが捕らえたレース映像を楽しむこともできた。レース・ファンたちはアウター・リムのいたるところから訪れるため、競技場の座席は遠くから見るとまるで色とりどりの絨毯のように見えたという。
レース中にはエキゾチックな商品を販売するエイリアンの食品販売業者が群衆の中を練り歩き、プロ、アマ双方のバンドがお気に入りのパイロットにレースのテーマ曲や人気のメロディを奏でて声援を送っていた。一方で、一般のファンたちは主にレーサーの紋章の入った旗を振って応援していた。
モス・エスパの裕福な住人たちや来賓のなかには、一般の観衆から隔離された専用の観戦ボックスを購入する人たちも多い。トイダリアンのジャンク商人であるワトーも、専用ボックスに友人や賭博相手を招いてパーティを繰り広げていた。なかでも最も贅沢な観戦ボックスはタトゥイーンの支配者であるハットの特別ボックスである。特にジャバ・ザ・ハットはブーンタ・イヴ・クラシックの主催者であり、この競技場のオーナーでもある。
この競技場は地元政府の援助を受けたジャバの命令によって記録的な早さで建造されたが、その際に死亡した奴隷はわずか60人だった。頭のいいハットは当初からここでスピードと激突による興奮を金に変えようと考えており、ポッドレースの誘致は実に効率のいいビジネスとなったのだ。観客は競技場への入場料に5トラガット、ボックス席の場合は15トラガット、ビュースクリーンをレンタルする場合はさらに5トラガット支払う必要があり、これらには当然、軽食や日よけの利用料金は含まれていない。それでもレース当日になるとキャンブルでの一攫千金を夢見る何万という観衆が座席を埋め尽くしていたのである。
しかし、ポッドレースの人気に陰りが見え始めると、モス・エスパ大競技場も空席が目立つようになっていった。後年には害虫や浮浪者たちが雨風を凌ぐために住み着くという有様だったと言われている。そして帝国の時代になり、ポッドレースが非合法化されると、この競技場はスウープ・バイク競技場へと改修され、ウルダと名乗るクワッティの女性の管理下におかれたのだった。