ヴァラクティル
(リザード・マウントから転送)
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ヴァラクティル(リザード・マウント、またはドラゴンマウントとしても知られる)は、ウータパウに生息する巨大な冷血爬虫類である。
解説
ヴァラクティルは、ウータパウ特有の垂直面で生き残る術を十分に心得ており、広大な縦穴の脇でよく日光浴をしている。彼らは太陽が輝いている間にとても活発に行動し、闇に覆われた縦穴の下層部で、ごつごつした斜面にしがみつきながら斜めに差し込む陽光を浴びるているのだ。また、彼らは食事も昼間に行い、下層の湿った部分にある岩にこびりついた緑色の腐葉土をついばんだり、柔らかい砂岩を噛み砕いて多孔質の岩に染み込んだ汁気の多い動脈根を食べている。
一方、夜間のヴァラクティルはほとんど動かない。そのため、彼らは空を飛ぶダクティリオンなどの肉食獣に襲われることが多く、卵や孵化したばかりの子供を食べられてしまうのだ。彼らは身を守るため、夜間は縦穴に点在する狭い裂け目で群れを成しており、大勢でわずかな体温を保護している。ヴァラクティルとダクティリオンは野生環境では敵同士だが、飼いならされたものは同じ囲いの中に入れられる。
初めてヴァラクティルに縄をかけ、飼いならせることを示したのは、原始時代の勇敢なウータイである。この功績によって彼らが自分たちの文化を一変させたのは、疑うまでもなく夜のことだった。飼育下にあるヴァラクティルに乗ったウータイは、これまでの生活圏からずっと遠くまで冒険することができ、縦穴の上層部を探検したのだった。このとき、彼らは勇敢にも風が吹き荒れる地表まで到達し、長身で威厳のあるパウアンと初の接触を経験したのである。
ヴァラクティルは防水性のある鱗に覆われた皮膚をしており、泳ぎも非常に上手い。彼らは正午にのみ、洞窟の深い場所に立ち入るが、それはウータパウの太陽が直接頭上に輝き、豊富な日光が巨大な縦穴の底にまで直接届くからである。しかし、その後の数時間は洞窟内にも肉食獣のノス・モンスターのような危険が満ちているため、ヴァラクティルは泳ぐことを避けている。
ヴァラクティルは概して温厚な性質だが、攻撃されたときには自分の身を守ることもできる。メスは尾に沿って堅い背骨が扇状に並んでおり、それを使って身を守っている。直立した背骨が、彼らの尾に噛み付こうとするあらゆる敵を傷つけるのだ。また、ヴァラクティルは怪力でも知られており、頭部は鎧のように堅い頭蓋骨によって守られている。
一方、ヴァラクティルの体を守る背骨には一部に柔らかい羽状のものもあり、これらは主として求愛や威嚇の際の装飾として使われることになる。特にオスは体の中央部にある隆起した背骨を使い、求愛の儀式を行っている。この羽は雌雄の両方に存在しているが、メスの羽と全身の体色はオスと比べてより鮮明かつ顕著であることが多い。