シック=シックス
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解説
シック=シックスは、惑星シスクに原住する知性を持ったクモ型種族である。通常、彼らの体は3つの節に分かれており、胸部から8本の脚を生やし、体色は黒く、8つの赤い眼を持っている。また、大きな腹部には4本の出糸突起があり、彼らはそれを使って巣を作る。シック=シックスの各対の目は、赤外線から紫外線まで、それぞれが異なる電磁スペクトルに反応する。また、口には優れた嗅覚を発揮する2本の触肢があり、獲物に毒を注入するための2本の牙も生えている。この毒はシスクに原住する動物たちにとっては致命的な効果を与えるが、様々な種類の外界の種族に対しては麻痺や軽い麻酔程度の効果しか及ぼさない。また、シック=シックスは体全体が鼓膜細胞として働くため、極めて敏感な聴覚を有している。そのため、彼らは不幸にして超音波兵器に対して極めて脆弱であり、大きな騒音だけでも深刻な外傷を受けることがある。
シック=シックスの故郷は、オレンジ色の恒星シスクを巡る、かつては温暖で青々としていた惑星だった。しかし、太陽が部分的な崩壊を起こし、赤色矮星となったとき、惑星シスクは荒涼とした氷の惑星となってしまったのだ。この変化はシック=シックスの生態にも大きな影響を与え、かつては単に獲物が巣に落ちてくるのを待っているだけだった忍耐強い種族が、活動的なハンターへと変化した。自分たちでは制御できない環境変化に直面したことによって、彼らは外見も恐ろしい昆虫の姿へと変化したのである。
通常、シック=シックスは孤独な生活を送っており、他の個体と共に時間を過ごすのは繁殖のときのみである。彼らは滅多に仲間同士の交流を行わないため、シスクには政府という概念も存在しないに等しい。工業的テクノロジーは発達しているが、協調が欠如しているため、大量生産や、シスクの天然資源の大規模な開拓は不可能である。しかし、彼らの持つ毒が外界の惑星にとって人気の高い輸出品であるため、シック=シックスは非常に裕福な種族となっている。
銀河帝国の時代、シック=シックスは銀河共同体に差別なく溶け込んでいた。彼らは毒を提供することで、銀河社会に自活の道を見出したのである(ただし、彼らの毒が非合法な扱いとなっていた惑星もあった)。しかし、なかには犯罪王の奴隷となった者や、毒の分泌線のために殺されたり、解剖される者もいた。また、シック=シックスは同種族の者をほとんど探そうとせず、他の種族の人々と一緒にいることを好む傾向がある。