バンサ
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バンサは、銀河系で広く見られる、屈強で容易に飼いならせる乗用獣である。
解説
バンサは巨大な四足歩行の草食動物である。成獣は肩までの高さが2メートルから3メートルにも達し、概してオスはメスよりも大きく、オスの頭部からは巨大な螺旋状の角が生えている。また、彼らは極めて順応性に優れた動物であり、砂漠から氷原に至るまで、あらゆる気候の下で生存可能である。その生命力も素晴らしく、食料や水がなくても数週間は生き延びることができる。
バンサの起源がどこの惑星なのかは定かでないが、その存在は有史以前から確認されており、現在では少なくとも12の惑星に生息している。バンサは惑星の自然環境に応じて住みやすい場所を探し、群れを形成して繁殖する。あまりにも多様な惑星に生息しているため、これからもますます生息圏が広がることが予想されるが、生物学的には大きさ、色、行動、代謝機能などの点で多くの変化が見られるようになってきている。
しかし、バンサが銀河系に広く分布している理由は現在も全く解明されておらず、この謎はタトゥイーンにディムUと呼ばれる奇妙な信仰を生み出した。ディムUの修道僧たちは、バンサが神によって託された宇宙の重要なメッセージを宿していると考え、この生物を崇拝しているのだ。
野生のバンサは見かけに反して大人しく、食用や毛皮採取のために牧畜を行っている惑星も多い。多くの星系のレストランでバンサ・ステーキがメニューに加えられており、上流階級の人々の間ではバンサ皮のブーツやマントも人気が高い装飾品となっている。
巨体と怪力、厳しい気候への適応性によってバンサは荷運び用動物としての需要も多い。タトゥイーンでもこうした使われ方をしており、サンド・ピープルたちは何百年にもわたってバンサを荷物運びや乗用に使っている。
野生環境ではバンサの天敵はほとんど存在せず、例えばタトゥイーンでバンサを襲う生物といえばクレイト・ドラゴンだけである。平均的なクレイト・ドラゴンは現在までに確認された最大のバンサよりもさらに大きく、バンサ以外にもワンプ・ラットなどのあらゆる動物を捕食している。タトゥイーンではバンサの牧畜も盛んであり、極めて重要な収入源となるため、サンド・ピープルも水分農夫も入念にクレイト・ドラゴンから保護している。
バンサは平和的な草食動物であるため、野生環境でも子供や群れを守るときにしか戦わず、こちらから攻撃しても大抵は逃げてしまう。罠にかかったり、子供を守る必要があるときは、オスたちがメスや子供を囲むように円を描いて並び、頭を下げて角で突進することによって攻撃を行う。
家畜化されたバンサは戦闘用に訓練されていることもあり、敵と対峙したときは踏み潰すように仕込まれている。しかし、ほとんどの家畜バンサは貨物運搬用か乗用である。バンサは1頭当たり約500キログラムの貨物を運搬することが可能である。人間が乗る場合には4人以上乗ることができ、主人が杖で叩いて指示を与えるが、岩道を歩くときは乗り物酔いをしてしまうことも多い。