ニム
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宇宙航路で略奪を行う海賊は様々な動機を持っている。貪欲と力が最も一般的な理由だが、崇高な目的を持ち、名誉を重んじる盗賊たちも少なくない。ニムはまさにそうした一例と言えるだろう。
解説
銀河系でも珍しい種族とされるフィーオリンのニムは、幼い日々を故郷ロックで孤児として過ごしていた。荒々しい犯罪者や海賊たちに囲まれて育った少年期は、彼の肉体能力や刺々しい性格の助長にも一役買っていた。そして成年期に達するまでには、闇社会における凶暴な戦士、そして聡明な策略家としての評判を得ていた。それから間もなくして彼は海賊となり、宇宙航路でムチを振るうようになる。ニムは主に秘密基地からナブー星系付近を航行する船に対して奇襲を行っており、特に通商連合の護送船団に対する略奪行為では、その首に巨額の懸賞金を掛けられるまでになるのだった。
ニムの恐ろしさは冷酷な暴力行為からくるものではなかった。事実、彼はあらゆる活動を通じて流血を最小限に抑えるよう努力し、むしろ素早く効果的に略奪を行っているのだ。また、ニムが誇りとしている戦利品の1つは大規模な改良を施されたスカーグH-6ボマーであり、彼はこの船を<ハヴォック>と名付けて自身の専用船としていた。
ニムの成功は、やがて彼自身に勝利をもたらした。ニムとその部下たちは通商連合からスカルプ=ハンター・ブラスターと呼ばれる秘密兵器の試作品を奪い取ることに成功した。彼らはこの武器を売却するため隠し場所を守ろうとしていたが、通商連合に雇われた傭兵ヴァナ・サージの罠に掛かり、捕らえられてしまう。ニムはしばらくの間、通商連合に拘留されていたが、忠実な部下たちによって速やかに救出されたのだった。
ロックの基地に戻ったニムは、通商連合による報復攻撃によって焼け野原にされた故郷を目の当たりにする。彼は新たなる敵に激怒し、この巨大企業に復讐の大打撃を与えるべく、2つの奇妙な同盟関係を結ぶのだった。1人目のライス・ダローズは故郷の防衛に専念するナブーのパイロット、そして2人目はまさにニムを捕らえた張本人であるヴァナ・サージだった。彼女は一転して通商連合に裏切られ、復讐の機会を求めてニムの仲間に加わったのである。
ナブーの戦いの最中、ニムは通商連合を撃退するために結ばれたナブーとグンガンの努力に大きな支援を提供した。彼の<ハヴォック>は通商連合の軍事機器を瓦礫の山に変えていったのだ。ニムはナブー解放に助力した功績を称えられ、パルパティーン元老院議長から過去の犯罪行為に対する恩赦を与えられた。しかし、彼は新しい1ページをめくろうとしなかった。彼は新しい友人たちを捨て、ならず者の人生に戻っていったのである。
再びロックに戻ったニムは、通商連合が彼のかつての基地をカーサック星系へ侵略するための集合拠点として利用していることを知る。しかし、彼にはクレジットも力もなく、連合軍と戦って勝利することは望めなかった。ニムは仕方なくボサン・スペースに身を隠し、仕事を探し始めるのだった。彼は片手間の仕事で数年間を費やし、やがて再び海賊団を結成することになる。
そしてナブーの戦いから6年後、ニムはメアのロアリィ・ロー大使に雇われ、通商連合による惑星マーラメアの支配を打倒する際の助力を依頼される。彼は嫌々ながらに同意するが、いつの間にか通商連合だけでなく、メアのソール・シクサの軍隊とも戦っていることに気づくのだった。しかし、最終的にニムとソールは手を結び、この惑星の通商連合軍を壊滅させたのである。
やがてクローン大戦が終結すると、故郷に戻ったニムはロックの指導者として人々から歓迎された。壮年期に差し掛かった彼はますます狡猾で利口な男となり、新秩序が施行されてからも人々から崇められる存在となっている。噂によると、彼はロックの秘密の隠れ家に、旧友であるジェダイ・マスター、アディ・ガリアの所有物をいくつか隠し持っているらしい。