ウォル・カバシャイト
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ウォル・カバシャイトは、惑星ウォル・カバシュに原住する知的種族である。知性のない寄生虫から進化した彼らは、種族特有の特殊な体内構造によって真空中でも生存でき、帝国の時代に銀河系全域に生活圏を広げたのだった。彼らの文化はテクノロジーよりもむしろ完全な哲学的思想によって構築されており、意思疎通の際も磁場を生成して、その中で歌を歌うことによって互いに会話を行っている。これは銀河系の他の種族に混乱を与えており、ウォル・カバシャイトが奇妙な種族として見られる原因にもなっている。
彼らの文章は銀河系の知識人たちによって研究されており、翻訳装置の発明によってウォル・カバシャイトが他種族と適切な会話を行うことも可能になっている。だが、2つの脳を持つ彼らは単に食事をすることと宇宙の本質について考えること以外に興味を示していない。一方で銀河系の歴史において重要な役割を果たしたウォル・カバシャイトも存在し、中でも最も有名な人物はジェダイ・マスター・オモ・ブーリである。
解説
よく誤解され、誤った説明がなされることの多い種族、ウォル・カバシャイトは、テクノロジーを必要とせずに知的種族へと発展した文化の特異な例である。彼らの発達した脳は極めて知的だが、極度に抽象的かつエイリアン的なライフサイクルのため、その思想を理解することは難しい。実際に、ウォル・カバシャイトの最も有名かつ奇怪な書物に関する長時間の討論を行い、彼らの哲学を研究することは、エリート知識人たちの間で長年にわたって流行していた余暇の過ごし方だったのだ。
ウォル・カバシャイトは非常に長寿であり、遺伝子的に比較的近い種族とされるのは、プラズマ・リーチと呼ばれる非知覚生物である。プラズマ・リーチは宇宙船の内部で完全な一生を過ごし、プラズマや他のエネルギー・パワー・ソースを摂取する。そして、故郷のウォル・カバシュから遠く離れた知性のないリーチとウォル・カバシャイトは、数千年におよぶ宇宙旅行によって、銀河系全域に広がったのだった。
ウォル・カバシャイトは極めて丈夫な種族である。彼らには呼吸器系や天然の体内圧力が存在しないため、真空中でも大気中でも生存することができるのだ。さらに、彼らは極限の温度にも強い耐性を持っている。
プラズマを豊富に常食し、血液中における金属濃度が極めて高いウォル・カバシャイトは、周囲に磁場を形成し、舌を含む特定の筋肉によってそれを制御することができる。彼らはこの磁場を変形させ、強度を操ることによって、最大25メートルの範囲で仲間と相互に交信を行うことができるのだ。
彼らの言語は、磁場の中で統語的に区切られたエネルギーによる音素パルスを利用している。なかでも磁気による歌は、ウォル・カバシャイトにとって重要な文化である。天分のあるウォル・カバシャイトは、磁場を使って他の知的種族の神経系と直接交信することができるが、それには直接的な接触が要求されることが多い。ウォル・カバシャイトとの直接神経通信は、ときおり相手の感覚を不安定にさせるため、彼らは相手の脳をコントロールできるのではないかという噂もあるが、実際にはそのようなことは不可能である。
ウォル・カバシャイトの磁場を操る能力は、他の文化による通信補助装置の開発へと帰着した。また、彼らは磁気の歌声に反応する装置を操作することで、移動、通信、さらには防御さえ行うことができるが、多くはわざわざそのようなことをしようとはしない。多くのウォル・カバシャイトは単に座っているだけで満足であり、宇宙の謎についての熟考や、あるいは食べることに専念している。
生理学的に見ると、ウォル・カバシャイトの体は大部分が胃である。そして、彼らは脳を2つ持っており、1つは消化作業のために使用され、もう1つは認識を行うために使用する。彼らは触れたほぼすべての物質から栄養素や金属を抽出し、絶えず食べ続けている。ウォル・カバシャイトにとって有毒な物質はこれまでに知られていないが、空気感染型ウイルスのブレーンワーム・ロット・タイプAにだけは影響を受けやすく、感染すると認識機能を狂わせてしまう。ウォル・カバシャイトの思想は奇妙な性質を持っているため、診断は非常に困難である。
ウォル・カバシャイトは胃の中身(これがカバシャイトの蛹になる)を吐き出すことによって無性繁殖を行うが、成人は相互の舌を絡めあうことで、遺伝子交換を行うこともある。この結果、彼らは他の個体の独立した遺伝子情報を持つ有機体を手に入れることができるのだ。