ベスピン
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ベスピンは、アウター・リム・テリトリーのグレーター・ジャヴィンのアイソン・コリダーに面したアノート・セクターのベスピン星系に位置するガス状巨星である。この惑星はティバナ・ガスの主要な産出地として知られ、クラウド・シティやティバノポリスといった多数の採鉱施設で、製造や輸送のために精錬作業が行われていた。ベスピンの人口はおよそ600万人であり、住人たちは人間、アグノート、ルートリリアンなどの種族で構成されていた。また、この惑星は密輸業者や宇宙船泥棒などの犯罪者たちの拠点としても有名だった。
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概要
ガス状巨星のベスピンは、アイソン・コリダーのコレリアン交易スパインに接する同名の星系の第1惑星である。渦巻くピンクと紫のガスに包まれたベスピンは不毛の惑星アノートの近くに位置しており、アイソン・コリダーの商業が活発な地域からはやや離れていた。多くのガス状巨星と同様にこの惑星も多くの衛星を有しているが、なかでもハガードとドゥルドーナは「双子衛星」と呼ばれるほど有名である。また、この星系には他にも2つの惑星マイザーとオーリンがあり、ヴェルサー・リングと呼ばれる小惑星帯も知られていた。
ベスピンの直径はおよそ118,000キロメートルで、コアの外側に3層の殻構造を形成している。半径約6,000キロメートルのコアは固い金属でできており、その上を22,000キロメートルの深さを持つレシン海と呼ばれる液体の海が覆っている。この液体レシンは極端な高温高圧によって金属的な性質を示しているが、その外側を30,000キロメートルの厚さで満たしている気化レシンは、もはや金属ではない。しかし、この位置でも気圧は大型艦船を潰してしまうほど高く、温度も痛烈である。さらにその外側は1,000キロメートルほどの厚い雲の層になっている。雲の層の最深部は液化したレシン海に接しており、温度は6,000標準度にも及ぶ。
生態系
大気と宇宙空間との接点から150キロメートル下方にある約30キロメートルほどの厚さの帯状部分はライフ・ゾーンと呼ばれ、ベスピンの様々な生態系が広がっている。植物では主に藻類が空中を漂っており、肉食獣のベルドン、ヴェルカー、グローワー、ピンク、オルデラニアン・スランタなど、数多くの飛行性動物も棲息している。一方で、この惑星に固有の知的生命体は確認されていない。
ベスピンのライフ・ゾーンに起こる主な災害は、惑星の表層を横切る激しい嵐である。だが、ベスピンを覆う雲には多くの財宝が溢れており、特に精錬された様々なガスは貴重かつ高価な宝石の原料となることが知られていた。また、この惑星はスピンシールド・ティバナ・ガスの天然工場でもあった。ティバナ・ガスは他の場所でも採鉱されるが、確実な利用価値が得られる工業的スピンシール製法を導入するには莫大なコストが掛かってしまう。しかし、ベスピンの大気エネルギーはティバナ・ガスを分子レベルで自然のまま自動的にスピンシールしてくれるため、ベンチャー企業に多大な利益をもたらしたのだった。
歴史
ライフ・ゾーンでは、温度、気圧、酸素濃度などが人間の生活にも完全に適していた。そのため、ここでは古くから積極的な採鉱者たちが浮遊型採鉱都市を建設しており、価値のあるガスの抽出に専念していたのである。こうしたベンチャー事業のなかで最も有名なものが、ティバナ・ガスの採鉱植民地として建造されたクラウド・シティだった。銀河内乱の最中、クラウド・シティはランド・カルリジアンの管理下にあったが、末期には帝国軍の駐屯部隊に征服されてしまった。しかし、エンドアの戦い以後に解放され、ベスピンは自由を取り戻したのである。