スクリリング
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スクリリングは、農業惑星2079と呼ばれるムシーニの植民惑星に原住する知的種族である。本来、原住惑星の遊牧民だった彼らは、故郷がムシーニの植民地となったとき、銀河系のほかの世界との接触を果たしている。スクリリングは迅速にムシーニの植民地へ統合され、同時に多くが惑星を離れて近代的な宇宙社会へと加わったのだった。廃品回収業者としての天性の能力で知られるスクリリングたちは、銀河系のいたるところ、特に戦争によって荒廃した、多数の無縁な死体の転がる惑星で、奇妙な仕事や犯罪活動に従事するようになった。銀河内乱の時代には、多くのスクリリングが反乱同盟軍のスパイとして働いていた。またジェダイ・オーダーにも、ジェダイ・ナイト・ピーアス、ジェダイ・マスター・オード・エニセンスの少なくとも2人のスクリリングが在籍していた。
目次 |
生態と外見
スクリリングは腐肉食種族である。彼らは通常料理されることのない痛んだ肉を好み、ぼそぼそと泣き言のような声をこぼすため、一般に他人からは不愉快な相手として見られている。だが、廃品から役立つものを拾い集める天性の才能は、銀河社会に徐々に受け入れられるようにもなってきている。
スクリリングは袋のような皺の寄った灰色の皮膚と3本指の腕を持つヒューマノイドである。彼らの目は小さく、そして深く刻まれており、顔の中央には鼻の代わりとなる8本の呼吸管が付いている。口には針のように鋭い歯が何列も並んでおり、毛のない頭には前頭部からうなじまで走る骨でできた短いたてがみのようなものが付いている。これらの特徴は卵から孵化したばかりの幼生のころから確認できるが、彼らは孵化する際にもともと鋭利だった頭頂部のギザギザを削って鈍くしてしまうのだ。
スクリリングの呼吸管には嗅覚器官と何本かの分泌腺が備わっており、彼らが好む腐肉を溶かすための弱酸を分泌させている。これらの管は防衛用の武器としても用いることができるが、この酸は刺激が弱いため、相手の目を直撃しない限りダメージを与えることはできない。
社会と文化
スクリリングは農業惑星2079として知られる平地の多い草原惑星の出身である。彼らは足の速い放牧動物の死骸を常食とし、腐肉食種族の頂点を極めた。彼らの代謝機能は傷んだ肉や腐敗した肉の消化に特化されており、死後一週間以内の肉を食べた場合、逆に消化不良を起こしてしまうのだ。
スクリリングは食料となる腐肉を探すために発達した嗅覚を駆使するが、一方で視覚には乏しいものがある。食糧を探すとき、彼らは呼吸管を使って単純に息を深く吸い込むだけだが、そのとき数キロメートル先でもはっきりと聴こえる高音の鼻笛が発せられる。また、スクリリングの太い指には相当な力があり、万力のような握力を生じさせることができる。それぞれの指先には粘着性の吸盤のようなものが付いており、指自体は不器用だが、繊細で精密な作業を行うことも可能である。
原住惑星で暮らしているスクリリングは土中の巣に皮のような卵を産卵することによって繁殖を行い、親はおよそ30標準日後に卵の孵化が始まると巣に戻ってくる。一方で宇宙空間や他の惑星にいるスクリリングは人工孵化装置を使用している。通常、一度の産卵では3個から4個の卵が産み落とされる。
スクリリングは進化の歴史の初期に、肉の分配に関する複雑かつ儀式的なシステムを確立させた(それまでは誰が最も古い部分を食べるかを巡る議論の末、互いにバラバラに引き裂き合うこともあった)。彼らの慣習を良く知らない人間には、この儀式的要求と妥協のシステムが泣き言のように聞こえる。
スクリリングは何かが欲しくなると、何度でも要求を繰り返し、頻繁に質問を言い直し、それを手に入れるまで気乗りしない試みを何度でも繰り返す。その間、対象物の分配を求める様々な戦略が繰り出され、交換条件としてささやかな贈り物や好意が提供されることもある。そして通常は、最終的に欲しいものを手に入れることに成功するのだ。スクリリングは他人の弱点を見つける達人なのである。
スクリリングには誰もが我慢の限界を持っているということを認識するだけの知能があり、人々を怒りの頂点にまで押しやることは避けようと考えている。彼らは抗争を避け、その代わりに嘆願と慰謝を繰り返すことによって目的を達しようとするのだ。
スクリリングの故郷での名前が何なのか、あるいは彼らが自分たちを何と呼んでいるのかは定かでない。実際、「スクリリング」という呼び名(「骨拾い」と訳される)は、彼らの惑星に入植したムシーニたちによって付けられた差別的な名称である。
歴史
ムシーニとの接触があったとき、スクリリングは道具さえもほとんど持たない、極めて技術水準の低い遊牧民だった。ムシーニは彼らの惑星を発見したとき、この惑星が土壌に恵まれた肥沃な土地であることに気付いた。彼らは早急に大地を広大な農業区画へと分割し、大規模なドロイド労働力を用いた強力なハイテク農業を導入した。これによって惑星の生態系は一変し、動物たちの群が塀に囲まれたことによって、スクリリングは遊牧の断念を強いられたのだった。しかし、相手の機嫌を取る天性の能力によって、スクリリングはすぐにムシーニの植民地に取り入り、自分たちを近代的な宇宙社会へ順応させていったのだ。
スクリリングの原住惑星は完全にムシーニの管理下に置かれており、彼らはこの惑星を農業惑星2079と命名した。スクリリングの多くは銀河系に拡散しているが、この惑星にも未だに多くが暮らしている。大半は惑星を支配するムシーニ・ルートラインズ社で働く使用人や下級労働者だが、近年になって一握りの集団が自由を求める運動を開始している。スクリリングにはあからさまな抗争を避けようとする習性があるため、これが武装した反乱にまで発達する可能性はほとんどないが、外部勢力の扇動によって自分たちの利益のために立ち上がる可能性は常に存在している。
テクノロジー
農業惑星2079では工業レベルのテクノロジーが普及しているが、ムシーニたちの農業計画ではドロイドや高度な農作機械が使用されていることが多い。この惑星はムシーニが所有する農業惑星のなかでも有数の拠点の1つである。豊かな土壌と安定した気候によって様々な野菜、果物、穀物が収穫され、これらは銀河系全域に輸出されている。この惑星は重度に機械化されているが、工業地帯はほとんど見られない。存在する工場は宇宙港の周辺に集中しており、そのすべてが競い合っているムシーニ・ルートラインズ社の所有物である。工業コンビナートでは農業ドロイド、収穫ドロイドなどが生産されており、農作物の梱包作業も行われている。
銀河系におけるスクリリング
スクリリングは既知宇宙の全域でその姿を見ることができ、雑務労働や、彼らの生業である腐肉回収などを行っている。彼らは指導者よりむしろ従業者であることが多く、戦いが発生し、十分に腐敗した(誰も欲しがらない)死体が見つかる惑星に出没する点では、まさに天性の能力を発揮している。こうした傾向は、「敵はすぐスクリリングの餌になる」という諺を流布させるに至った。スクリリングは妥協の多い性質から、信頼できない種族として見られており、犯罪組織のアジトなど、死体が安定して供給される場所ならどこにでも姿を現す。しかし、彼ら自身は本来は邪悪な存在ではなく、反乱同盟軍の中でもその姿を見かけることがある。スクリリングは相手を口車に乗せて情報を引き出すことに長けているため、極めて優れたスパイになり得るのだ。
スクリリングは生まれながらの腐品回収業者であり、遊牧民である。そして、彼らはたくさんの廃品から得られたパーツで宇宙船を組み立て、銀河系を徘徊している。彼ら自身のテクノロジーは一切なく、したがって通常は中古品や破棄された設備を入手している。スクリリングは必要なものだけを持ち運び、余り物や破損した品物を集めて修理や部品取りを行って生計を立てている。多くのスクリリングは多少の修理技術を身に付けているが、一般には外れたものを継ぎ接ぎし、(一時的に)元に戻す程度の能力でしかない。