カーボン冷凍室
(カーボナイト冷凍装置から転送)
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解説
カーボン冷凍室は、入り組んだ機械類や、ティバナ・ガス、冷却剤、溶解カーボナイトなどを冷却ピットに送り込む導管で埋め尽くされた、蒸し暑くて居心地も悪い、極めて危険な作業場である。クラウド・シティはティバナ・ガスの封入のため、このようなカーボン冷凍室を多数保有していたが、この都市を訪れる人々の大部分はきらめく回廊や新鮮な遊歩道を目的としており、都市経済に極めて重要な役割を果たしている工業地区に関心を持つ者はほとんどいなかった。
クラウド・シティの輸出に関する公式記録によると、ティバナ・ガスはすべてハイパードライブの冷却剤として売却されていることになっていたが、実際には大部分が軍事目的に使用されていた。クラウド・シティは巨大なトラクター・ビーム発射装置を利用してベスピンの下層部から高価なスピン・シールド状態のティバナ・ガスを引き揚げており、その後、ガス資源は精製工場に運ばれ、高圧化学チューブの中で安定化されていた。しかし、長期にわたる保存や遠方の植民地への輸送を行う際には、カーボナイトに封入する方法を用いなければならなかった。
長期輸送用のティバナ・ガスは都市の下層レベルを通ってカーボン冷凍室に送られ、高密度の磁場によって不活性状態にさせられた後、専用の制御区画に運ばれる。そして制御ケースがガスの充満する場所に運び込まれた後、沸騰した液状カーボナイトが注ぎ込まれ、液状冷却剤によって瞬間冷凍が行われる。こうして瞬時に密封状態のブロックが形成されるのだ。
各カーボナイト・ブロックは100キロ以上の重さになる。これらのブロックは水圧式リフトを用いて冷却ピットから取り出され、リパルサー・スレッドに載せて搬出される。このカーボナイトの殻は、輸送中のティバナ・ガスを放射線や極端な温度から保護していたのだ。
また、カーボナイトは有機生命体を安定した状態で保存する能力も持っており、正しい設定の下では、カーボン冷凍された生命体は完全な冬眠状態に移行する。しかし、この方法は極めて危険であるため精密な処理が要求され、ふとした失敗が死に直結することになる。事実、生物をカーボナイトで凍結させることは長い間拷問とされていた手法だった。ヤヴィンの戦いのおよそ4,000年前、エンプレス・テタ星系を征服したクラースと呼ばれる邪悪な集団は、勝利を収めた後、支配階級をカーボン冷凍に処理していた。この過程は耐えがたい苦痛を伴い、本人は冬眠状態に置かれるが、それでも冷凍されている間の意識が存在すると言われている。
銀河系で最も人気の高い突出した機種は、フィグ&アソシエイツ社製のクラス3・カーボン冷凍室だった。