エロム
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エロムは、小型でがっちりとした二足歩行の知的種族であり、厚い脂ぎった暗色の毛皮に覆われている。彼らは境界領域に属する氷河と資源の豊富な砂漠に覆われた惑星エロムの原住種族である。エロムは原始的な種族であり、極めて皮膚が強く、何重もの脂肪に覆われ、手足も厚い硬化した皮膚で包まれている。また、エロムの平均寿命は人間とほぼ同じである。
彼らは発光性クリスタルから生成される以外に光のない暗い洞窟内で生活しているため、非常に視力が優れているが、その反面、明るい環境を苦手としている。したがって、エロムが地底の住居を離れることは稀である。また、彼らは醜悪で恐ろしい外見に反して平和的な草食種族でもある。だが、エロムは極めて野心的で知的な種族だが、他種族が行う違法行為をしばしば過小評価してしまうため、意図的に犯罪行為に関与させられてしまうことが多い。
エロムは、エロミンと呼ばれる長身のヒューマノイド種族と故郷を共有している。エロミンはエロムが発見されるはるか以前から銀河共和国の偵察員と接触していたが、エロムはエロミンたちにさえ気づかれずに地下で生活していたため、何千年もの間その存在を共和国に知られずにいたのだった。
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生態と外見
エロムは小柄でがっちりとした二足歩行種族であり、その全身は油ぎった細く黒い毛皮に覆われている。また、丈夫な皮膚、厚い脂肪で覆われた手足、地底での生活に適した硬い鉤爪の付いた指を持ち、足には器用な2本の指が生えている。広い顔の両端に位置する目には卓越した夜間視力が備わっているが、彼らの目は明るい光に弱く、簡単に失明してしまう。さらに、彼らは口からは突き出た2本の鋭い牙を生やしており、顎には頬袋も付いている。
エロムは乾燥した環境で進化したため、砂漠での生活によく適応している。彼らは体内に水を蓄える厚い層を持っており、毛皮によって皮膚に潤いを保たせているのだ。
エロムは温厚な草食種族であり、彼らの鋭い鉤爪と牙は厳しい環境に適応した際の副産物に過ぎない。彼らは洞穴や洞窟での生活に満足しており、そこで子供たちを育て、硬い殻に包まれた岩メロンやクリスタル草を収穫している。
社会と文化
惑星エロムの地上で生活しているエロミンとの境遇の違いは明らかだが、彼らはエロミンたちに対して一般的な悪意はまったく抱いていない。しかし銀河内乱の時代には、エロムの若者たちの間に故郷が銀河帝国の支配から解放されることを望む声も多く聞かれ、エロミンが権力の座から排除されることを要求する派閥も存在していた。
奇妙なことに、外界に進出したエロムには、故郷に留まっている者より犯罪に手を染めている者が多い。この原因については文化人類学者たちも様々な理論を打ち立てているが、故郷を離れたいと考えているエロムだけがあらゆる意味で富と名声を求めているのだという明白な説明もある。エロムは共同生活と帰属の必要性に対する強い観念を持っているため、簡単に「悪の集団」に加わってしまうことや、他人の指導だけに従ってしまうという一面もあるのだ。
エロムは歴史的にセリアと呼ばれる村長によってまとめられた小規模な共同グループで生活しており、セリアたちは自分たちの村が戦争に引き込まれることを阻止しようと努力している。また、エロムの科学技術は銀河系の標準と比べると極めて原始的であり、単純なパワーマシン程度のものしか作っていない。エロミンとは異なり、彼らは旧共和国から何の利益も得ておらず、いくつかの村が贈り物として液化装置と水分凝結機をもらっただけだった。
歴史
不毛の砂漠惑星エロムでは、エロムとエロミンの2種類の知覚種族が生活している。エロミンは科学技術を発展させ、国家を形成し、惑星の未知領域へ進出するために人口を地理的中心に集約させた。この惑星をほぼ真っニつに分けるアドリアンナミーク山脈はエロミンにとって自然の国境となる広大な場所である。アドリアンナミーク山脈を越えた最初の探検家たちは、何千という洞窟に覆われた厳しい砂漠の荒野を発見した。そして、その洞窟は無秩序な方向で並んでおり、その内部は何者かが生活していたという確証に満ちていたのである。自分たちの宇宙を明らかに組織的かつ予測可能なものとして捉えていたエロミンには、自分たちの惑星に新しいエイリアン文化が存在するという考えを受け入れる準備ができていなかった。戻った彼らはエロミン評議会に領土を交渉する相手はいなかったと報告したが、洞窟は砂漠の地下に都市を築いていたエロムたちが作った物だったのだ。
エロムは常に地底で暮らしているわけではない。彼らは本来は地表で生活していたのだが、何千年もかけて惑星の水位が下降したのに伴い、徐々に地底民族へと発展していったのである。彼らは鋭い鉤爪で多肉多汁植物の根や天然の泉を掘り起こし、原始的なエロム社会に天変地異的な気候の変動があっても生き残れる可能性を与えた。
惑星エロムはエキゾチックな鉱物が豊富であり、リン光性クリスタルが地下の巨大な洞窟にイルミネーションを与えている。これらのクリスタルはエロムたちの地下生活への移行の大きな助けとなったが、彼らの視力は何世代もの間に著しく退化してしまった。エロムは明るい光の下では盲目になってしまうため、夜間しか地表で活動することができないのだ。
旧共和国がこの惑星を発見したとき、最初に共和国の代表者と接触を行ったのはエロミンだった。旧共和国はトランスパリスチールの製造に使われるロマイトが豊富な天然鉱床に関心を示した。
水の備蓄と引き換えに、エロミンは惑星に採掘企業を設置することを許可し、その水は惑星が直面した最悪の干ばつの1つからエロミンを救ったのである。一方で、外界人に知られていなかったエロムは、この干ばつで多くのものを失った。エロムは生活様式を変えることを望んではおらず、銀河系探索にも関心を示していなかった。エロミンと銀河系との一般的な取り決めにもまったく無関心だったのだ。銀河帝国が樹立してからも、エロムはより暗い、より深い洞窟へ引き下がっままであり、帝国に対する反抗の準備もできていなかった。だが、逃げ回ることに嫌気が差したエロムの若者たちは、エロミンの奴隷を解放するために無数の「採掘事故」を自演し、彼らを洞窟に匿った。この動きはエロムの長老たちからは難色を示されたが、寄せ集めのテロリスト集団にしては上出来な成果を上げていた。
銀河系におけるエロム
帝国は非精練ロマイトを惑星外に輸送するために多くの労働者を雇ったが、無節操な労働者や、わずかな利他主義者たちの中には、エロムを連れて惑星を出て行く者もいた。原因は不明だが、こうしたエロムたちは洞窟の中で培った平和的で温厚な性格を捨て、犯罪に走る傾向が強い。そして、彼らは急速に活動範囲を広げている。