コーネリアス・エヴァザン
(コーネリアスから転送)
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ルーフーなどの多くの別名を持つ自称天才外科医コーネリアス・エヴァザンは、正真正銘の狂気に満ちた大悪党である。彼を見掛けた人々は、その無残に切り刻まれた顔を見るだけで背筋を冷たくし、なぜこのような悪党が自由に街を歩き回っているのか不思議に思っていた。エヴァザンはバラバラに切り刻んだものを元に戻す医者の技術に惚れ込み、不老不死を研究するサイボーグ化専門医師のプロフェッショナルを目指していたが、いつの間にか患者のあげる苦痛の叫びに無常の喜びを感じるだけになっていたのだ。
経歴
エヴァザンが実際に医師の資格を持っていたのかどうかを知る者は誰もいない。しかし、彼は将来を有望視された外科医として記憶され、惑星カリダの帝国アカデミーに出願したこともあったのだ。だが、彼は面接で生まれ持っての狂気を暴露され、そのまま帝国軍によって囚人惑星デルリアンに投獄されてしまった。しかし、エヴァザンは簡単にそこから脱出すると、すかさずハインザー星系に出没し、開業外科医の偽造ライセンスを取得したのだった。ドロイドを一切使わない手術という触れ込みは多くの星系に知れ渡り、彼は無数の患者から法外な手術費用を手に入れた。だが、現在までに彼のメスによって被害を受けた患者は数百人とも言われており、40人以上が命を落としたのだった。当然、エヴァザンは常に地元の薬事監査局に摘発されていたが、決して1つの星系に長居せず、いつも際どいところで逃げ延びる彼の才能は、まさに天才的だった。
ドクター・デスと呼ばれるようになったエヴァザンは、よく12の星系で死刑宣告を受けたと豪語していたが、実際にはアンドーを含めた30以上の星系が彼に死刑を要求していた。彼はその後も、奴隷売買、殺人、違法人体改造など、ありとあらゆる犯罪に手を染めており、犠牲者や遺族によって懸けられた賞金の額は既に1,000,000クレジットにも達していたのだ。
モス・アイズリーに現れる数ヶ月前、彼はコレリアン星系でジョドー・カストという名の賞金稼ぎに追い詰められていた。カストの放ったブラスターはエヴァザンの右頬を焼き払い、止めを刺すまであと一歩というところだったのだ。しかし、エヴァザンは後に相棒となる悪名高きポンダ・バーバによって救われた。彼の助けがなければ、エヴァザンはこのとき確実に殺されていただろう。
彼がモス・アイズリーに身を潜めるようになったのは、顔面に受けた傷のことが銀河系に知れ渡り、もはや自分のイデオロギーが役に立つ場所はアウター・リムにしか残されていないと考えたからである。エヴァザンはモス・アイズリーにカッティング・エッジ・ブティックを開業し、不老不死の肉体の探求を続けていた。しかし、2人は酒場で起こったルーク・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービとの騒動によって、タトゥイーンを離れざるを得なくなり、再び銀河系を放浪することになる。エヴァザンは胸に傷を負っただけで済んだが、バーバは右腕を切り落とされていた。このとき彼は肉体の弱さを思い知り、不老不死の秘策は肉体ではなく精神にあると思い付いたのだった。
その後、2人はジャバ・ザ・ハットの賞金を求めて<ミレニアム・ファルコン>の捜索などにも乗り出したが、バーバの腕の移植手術に失敗したことで、エヴァザンは相棒から追われる立場となる。結局、彼はモス・アイズリーに戻り、ドクター・コーネリアスという偽名で小さなサイボーグ化クリニックを開業することになるのだった。しかし、変装の名人だったエヴァザンも、傷ついた顔を隠し通すことはできず、ついにはバーバに見つかってしまう。彼はいつか最高級のバイオ・アームを移植することを条件にバーバと和解し、アンドーにある孤島の居城へと戻るのだった。
エヴァザンは医学研究の許可を求めて、アンドー星系の元老院議員である若いアクアリッシュの説得にあたった。そして、研究内容を視察するためエヴァザンの研究室を訪問した議員は、改造された帝国製の変換装置を目の当たりにした。本来これはドロイドの再プログラミングに利用される装置だが、エヴァザンはこれを改造し、人の精神を別の肉体に繰り返し転送することによって、理論的には永遠に精神を保てるようにするという恐ろしい装置にしていたのである。エヴァザンは最終的にはこの装置を自分に使うつもりだったが、それにはまだテストが必要だった。そこで彼は議員を気絶させ、バーバの精神を転送させようと考えた。成功すればバーバには腕の付いた若い身体と、政治的実権を与えることができるのだ。
実験は終了し、2人の意識が戻るまでの間、エヴァザンは適当な若い人間を探していた。だが、エヴァザンはかつて彼に7人の家族を殺された賞金稼ぎ、グリオン・シライザーと遭遇した。復讐に燃えるシライザーは、残された家族と共にエヴァザンの居城の屋根に宇宙船を着陸させた。屋根の縁に追いつめられたエヴァザンを救ったのはゼラチン質のペット、メデューザだった。シライザーは屋根から転落して死んだが、エヴァザンはメデューザの上に落ち、九死に一生を得たのである。
次にエヴァザンが見たものは、バーバの肉体に精神を転送された元老院議員だった。怒り狂った議員はサーマル・デトネーターでエヴァザンの居城を爆破させたが、彼はまたしてもメデューザに命を救われたのだった。一方で、不幸にもバーバの精神はどこかへ消えてしまっていた。相棒は失われたが、エヴァザンの装置は彼に大きな希望を残し、静かに次の実験台を待つことになる。