銀河帝国
(帝国軍から転送)
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解説
かつての時代は旧共和国と呼ばれており、他の呼び名は必要とされていなかった。現在では旧共和国の初期に関する記録もほとんど残されておらず、それを知ろうとする者さえもいない。太古の昔を生きていたその創始者達は、例外なく歴史の渦の中へと消えていってしまったのである。
彼らが築き上げた銀河系で唯一の共同社会は常に市民に忠実であり、時代が進むにつれて新たな星系がその理想社会を共有すべく参加するようになってきた。始めは数百、数千に過ぎなかったが、ついには何百万という星系が旧共和国の旗の下に団結したのである。
千世代を越える長きに渡って、文明の進んだ星系は共存し合い、旧共和国は各星系とその市民を団結させる自由で平等な政治機構だった。元老院は人々を賢明にまとめ上げ、自然災害や反乱による危機を察知した星系は隣接する他の星系に援助を求めることができた。旧共和国ではすべての人間、エイリアンが法の下に平等であり、彼らはあらゆる機会と自由を保証する権利をもって生きていたのである。
ジェダイ・ナイトと呼ばれるこの共和国の守護者たちは、旧共和国の人々を守るため勇敢な戦いを続けていた。彼らの知恵と勇気と力は伝説ともなり、彼らの調停によれば、どんなに無法な星系でも平静を取り戻すことが可能だった。フォースによってその力を引き出すジェダイは幾世代にも渡って銀河系全体の法と秩序を維持し、オーダーとしての誇りと名誉を世に知らしめていたのである。
多くの星系が一致団結することによって、旧共和国は外部からのどんな攻撃にも動じなくなっていた。旧共和国の絶大な力を知りつつ敢えてそれに挑もうとする者もいなくはなかったが、それは確実なる敗北を意味していた。人々は旧共和国という名の大きな壁に守られて、安らかな眠りについていたのである。
しかし、旧共和国という巨木の崩壊は、まさにその内部の腐敗から始まった。
ますます多くの星系が旧共和国に参加するようになると、声望を求める地方官僚と星間貿易商との癒着が深刻な問題となってきた。何世紀にも渡る平和によって虚弱化した元老院ではそれに対処することもできず、政治機構は完全に麻痺してしまったのである。
その頃、パルパティーンと名乗る野心的で邪悪な心をもった元老院議員は、より大きな権力を望む官僚たちの援助を受け、素早く、そして確実にその力を台頭させていった。彼は政治腐敗を浄化し、旧共和国をかつての大望と活力に満ちた時代へと戻すことを公約とすると、ついに共和国最高議長に選出され、彼を権力の座に就かせた貪欲な官僚たちによって囲まれるようになったのである。
彼らはパルパティーンを操り人形としてしか見ておらず、その力とカリスマ性がフォースのダークサイドから引き出されていることに気付いていなかった。事実、パルパティーンは最高議長の権限より遥かに大きな野望を抱いており、彼がその究極の野望に向かって動き出したとき、その後ろ楯として政治的権力の中枢にいた者たちの運命は、彼の臣下として残るか、破滅するかのいずれかだったのである。
パルパティーンは自ら発した勅命によって、かつてない規模での軍事力の増強を行った。想像を絶するほどの火力を備えた巨大戦艦の存在は、その後の戦争の歴史を大きく変えることとなった。彼は後に脅威となるであろう惑星を次々と力で解体し、星系から星系へと戒厳令を敷いていったのである。
パルパティーンは軍の中枢に身を置き、その地位を確固たるものとすると、ついに自らを皇帝と称し、銀河帝国を築き上げた。このとき初めて旧共和国の星系は、自分たちが1人の男によって支配されていることに気付いたのだった。個人の権利はすべて皇帝の意のままとなり、皇帝に対する初期の反乱は、ほとんどそれが起こる前に一掃されてしまった。銀河系は完全にフォースのダークサイドの支配下に置かれたのである。
皇帝は弟子のダース・ヴェイダーと共にジェダイを追い詰め、次々と抹殺していった。ジェダイは長い間自分たちが仕えてきたものに裏切られ、自分たちが銀河系から見捨てられた存在であることに気付いたのである。
皇帝はついに旧共和国の最終的な運命を決する計画を実行した。彼にとってもはや邪魔者以外の何者でもなかった帝国元老院議会は永久解散され、行政は皇帝によって任命された各地の総督の手に委ねられたのである。さらに惑星をも一撃で破壊できる威力をもった要塞兵器デス・スターの建設は、各星系の指導者たちを滅亡の恐怖の下に脅えさせた。これは彼が支配する何十億もの人々に対する抑圧への最後の切り札だったのである。
しかし、銀河に再び自由と希望を取り戻そうとする動きは衰えなかった。反乱同盟軍が組織されたのである。一度は埋もれたかに見えたフォースの高潔なる側面も新たなジェダイと共に再び息を吹き返した。この数年後、皇帝は滅びることになるのである。